不登校あるある「家庭編」5選子どもたちが学校に行きづらくなると、親御さんにはこれまで気にかけたこともなかったようなことが次々と起こります。

 

今回は「家庭でのあるある5選」を取り上げます。不登校の親御さんが直面する「あるある」についてお伝えし、それぞれの対応についても見ていきましょう。

 

この記事でわかること

▶︎不登校親が抱える家庭での「あるある」

▶︎困ったときの対処法

▶︎あるあると向き合うためにできること

 

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も中学時代に不登校を経験

 

▶︎不登校あるある「家庭編」5選

お子さんが学校に行きづらくなったとき、家庭で、学校で、親同士の関係性で思いもよらないことにぶつかります。今回は「家庭編」を見ていきましょう。

【不登校親あるある「家庭編」】

1.    前夜の「学校行く」当日朝の「やっぱり行かない」問題

2. 不登校の理由がわからない問題

3. 昼夜逆転問題

4. スマホ・ゲーム問題

5. 学校とのやりとり問題

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

 

1. 前夜の「学校行く」当日朝の「やっぱり行かない」問題

不登校状態のお子さんがいらっしゃるご家庭で、特に初期段階で必ずといっていいほど起こるのがこの問題です。

 

学校に行けなかった日の夜には「明日は行くから、時間通りに起こしてね」とお子さんは言います。

 

翌朝言われた通りに起こそうとすると、お子さんはなかなか起きてきません。何度もやりとりを繰り返して、親御さんが仕事に出る直前に「やっぱり行かない」と言います。そしてその夜にはまた「明日は行くから」「月曜日になったら行くから」とお子さんは続けます。

 

これはもちろん親をからかっているわけではありません。お子さんとしては前夜の時点では「本当に」行こうと思っています。

 

しかし朝が来ると、なかなか起き上がることができません。学校のことを考えたら気持ちが沈みます。しかし「今日も休むから」とはっきり決断することもできません。お子さんもギリギリまで迷っています。

 

そして時間(親が仕事に行くなど)が来てやっと決断することができます。決断した後はしばらくは元気がないですが、だんだんと調子が出てきます。夕方頃になると元気になり、また夜になると「明日は行けそう」という気持ちになります。そして翌朝また同じことが繰り返されます。

 

本当に行こうと思っているのもまた事実なのです。親を安心させるため、というのもありますが、夜の時点では「本当に」行けそうな気持ちになります。サボろうと思っているわけでは決してないのです。

 

【怠けているように見えても実はそうではありません。その理由は👇からどうぞ】

 
対応:期間を決めて休んでみる

毎日のように「行く」「行かない」で親子でやりとりするのもお互いに疲れます。学校への連絡もありますし、ただでさえ親も朝は忙しいです。下にきょうだいがいる場合はさらに忙しさに拍車がかかります。

 

この状態が続くようであれば、「一週間ほど休んでみようか」と話し合ってみることをお勧めします。

 

期間を決めることがポイントです。1ヶ月だと長いですし、2~3日だとちょっと短いかもしれません。一週間ほどがちょうどいいのではないかと考えます。

 

提案することでお子さんも受け入れることもありますし、「いやそれでも行こうと思う」と言うかもしれません。前者の場合は、思い切って休んでみるようにします。後者の場合は、「わかった。じゃあもう一週間ほど様子を見てみよう。それでもしんどそうだったら、一度思い切って休んでみよう」と伝えるようにします。

 

学校へは毎日連絡するのではなく「一週間様子を見たいので、その間は行ける日があったら連絡します」というように伝えます。このタイミングで一度学校と親御さんで話をすることも検討しましょう(おそらく学校から提案もあると思います)。

 

お子さんも行きたい気持ちは持っています。しかし朝になるとそれが叶わない状態にお子さん自身も葛藤しています。「行かない」というよりは「行けない」方が強い思いです。この状態が続く場合は、期間を決めて休むことでリフレッシュできることもあります。

 

2. 不登校の理由がわからない問題

毎朝の「行く」「行かない」問題と同様に親御さんを悩ませるのが「理由がわからない問題」です。

 

どうして学校に行けないのかについてお子さんの尋ねても、はっきりとした理由は出てきません。ただお子さんも理由なく休むのは良くないと考えています。

 

そのため何かしらのことを伝えます。「友達に嫌なことを言われた」「先生が怒る声が怖い」「勉強が面白くない」「教室にいて授業を受けるのが苦痛」などです。

 

もちろんこれらも理由の一つのなのですが、これだけが理由ということはまずないと言っていいでしょう。お子さんにも気づいていないようなことが背景に隠れていることも十分に考えられます。

 

一般に不登校の理由としてあげられるのは、以下の5つが考えられます。

 

【不登校の主な要因】

1. 心理面

2.   身体面

3. 社会面

4. 個人面

5. 家庭環境

 

それぞれについては👇の記事で詳しくお伝えしています。

 

主なものを5つ挙げましたが、これとて本当の理由かどうかは簡単にはわかるものではありません。お子さんもわからないし、親御さんもわからない状態になります。

 

 

対応:犯人探しより「疲れを癒す」

理由を探すのは行き過ぎると「犯人探し」につながります。ときにご両親がお互いに責任を押し付けあってしまう場合もあります。

 

お子さんは「自分のせいで親が喧嘩している」と感じ、より「自分が悪いんだ」という思いを持つようになります。

 

不登校の理由は簡単にはわかりません。しかし確実に言えることは「お子さんは疲れている」ということです。

 

不登校は何かしらの理由で疲れ、学校に行く気力を持つことができなくなっている状態です。理由は後からだんだんと「これが理由だったかもしれない」ということが見えてくるものでもあります。

 

まずは疲れを癒すことです。しっかりと休息を取ります。心の中を整理するのは、しばらく休んでからでも遅くはありません。むしろそうしないと冷静に把握することが難しくなります。

 

明確ないじめがある場合は別ですが、そうではない場合は理由がはっきりすることの方が少ないです。まずしっかりと休む。心の整理はその後に行うことを心がけてみましょう。

 

【お子さんとの上手な対話法についてはこちらもご覧ください】

 

3. 昼夜逆転問題

不登校には必ずといっていいほど起こるのが「昼夜逆転」です。昼過ぎ〜夕方頃に起きて、夜中中ゲームやスマホで過ごし、朝方になってから寝るという生活です。

 

昼夜逆転が起こると、生活リズムが乱れ、情緒も不安定になりやすくなります。また家族とも接触する機会が減り、話をすることも難しくなることがあります。

 

静かに夜を過ごすこともあれば、大音量で音楽やテレビを流し、家族の睡眠が阻害されることもありますし、親は翌朝からも仕事があるのに、夜中中話に付き合わされることもあります。夜なので、テンションも高めになり、親を攻撃したり、誇大妄想的な発言も起こりやすくなります。

 

対応:昼夜逆転の背景を知る

ただ昼夜逆転にも理由があります。日中同級生が学校に行っている間に、一人家にいる時間は想像以上に苦痛です。自分だけが社会から疎外されたような気持ちになり、取り残されたような思いになります。

 

学校に行っていたら観ることのできないお昼の生番組を観ても、嬉しくありません。「どうして自分はこの番組が観れてしまっているのだろう」と考えることになります。

 

これは大人でも同じです。例えば鬱になり仕事を休職せざるを得なくなった方は、日中一人で家にいると言いようのない孤立感を抱えることがあります。「もう自分は社会に必要とされていない」と感じ、意欲も湧きにくくなります。

 

子供たちも同じです。そんな苦しい時間を過ごすくらいならば、寝て過ごすことで時間を「ワープ」させることができます。

 

夕方になると学校も終わる時間です。同級生も帰宅することになるので、自分だけが学校に行っていないということにはなりません。

 

また夜は家族も寝静まり、誰もうるさく言ってくることもなくなります。またオンラインゲームの世界には、自分と同じような境遇の人たちもたくさんいます。そういった方達と触れ合うのはお子さんにとっても癒しの時間になります。

 

昼夜逆転は頭ごなしに否定するのではなく、どうしてそうならざるを得ないかを考えることから対応が始まります。

 

お子さんが安心して日々を過ごせるようになると、日中に起きることもできるようになります。

 

無理に早起きを奨励しなくていい

また昼夜逆転をしている場合に、無理に早起きをするように伝える必要もありません。まずは必要な睡眠をとることから始め、それができたら、「午前中には起きるようにしよう」と幅を持たせた時間に起きることを伝えます。

 

午前中なので11:59までに起きれればいいのです。そこから11時までに、10時までにというように少し早めていきます。

 

9時くらいに起きられるようになると、朝早く起きる必要がある場合も対応できるようになります。朝早く(6時や7時)に起きても、やることがなければ早く起きる必要も感じられなくなります。

 

例えば朝に起きたら、散歩をしてみたり、軽く運動をしたり、家事を手伝ったりなど午前中にやることができると起きやすくなります。

 

昼夜逆転の改善は、早起きをさせすぎないことです。まずは午前中から始め、9時~10時くらいに起きられるようになったらそれでいいとし、午前中の予定を入れるようにしていきます。
 

社会的時差のずれを無くす

睡眠においては、「社会的時差」という考え方があります。これは就寝してから起床するまでの時間の「ちょうど半分の時間」というものです。

 

例えば、夜12時に寝て、朝8時に起きたとしたら、間の時間は4時になります。これが朝3時に寝て、昼12時に起きたとしたら、間の時間は7時半になり、3時間半ずれることになります。

 

この就寝から起床までのちょうど真ん中の時間(中央値)のずれが大きくなると生活リズムは乱れやすくなると言われます。

 

乱れの目安は2時間です。2時間以内であれば、リズムは大きく崩れることはなくなります。つまり12時に寝て8時に起きる人が、2時に寝て9時に起きても、中央値はそれぞれ4時、5時間半となるので、大きくずれることはなくなります。

 

睡眠リズムがうまく維持できないお子さんは、社会的時差がずれている共通点が挙げられます。試しに一週間ほどお子さんの様子をデータに取ってみましょう。2時間以内に収まっていたら、安定していると考えられます。ずれていたらまずそのずれを修正することから始めてみましょう。

 

【昼夜逆転のご相談はこちらからどうぞ】

なかがわひろか 不登校の相談

 

4. スマホ・ゲーム問題

昼夜逆転同様(もしくはセットで)に起こるのが「スマホ・ゲーム問題(戦争と言ってもいいでしょう」です。

 

中学生くらいになるとスマホを持ち始めます。SNSに没頭したり、友達とオンラインで繋がることで、就寝時間が遅くなることもあります。

 

1日に何時間もスマホやゲームに没頭することもあります。学校に行かないのはまだ許せるとしても、一日中ゲームばかりしている姿を見ていると、親御さんとしても腹が立ってきます。不登校に限らず、多くのご家庭でこのルール作りについては悩まれています。

 

かといって、ゲームを隠したり、Wi-Fiを使えないようにするという方法はまたやりすぎで、お子さんとの関係性が悪化する要因になります。

 

スマホ・ゲーム問題については、親子で話し合いながらルールを作る必要があります。

 

 

5つのコツを大事にルールを作ってみましょう

スマホやゲームのルール作りにはコツがあります。まず大前提として、没頭しなければならない背景を知ることです。多くの子どもたちは、「現実から逃避するため」に行うことが多いです。

 

学校に行けていないという現実を直視するのはとても辛いことです。そこから目を背けるためのやむを得ない手段の一つとして、没頭することがあります。この背景を理解した上で、次の5つに基づいてルールを作ってみましょう。

 

【スマホやゲームのルールづくり:5つのコツ】

1.  楽しんで取り組めているかの確認

2. お子さんの意見を聴く

3. 現実的な提案を行い、再度お子さんの意見を聴く

4. 1ヶ月ほどをかけながら修正しルールを固めていく

5. 決めたルールは守る

それぞれについて、👇の記事で詳しくお伝えしています。こちらもご参考ください。

 

 

5. 学校とのやりとり問題

毎日の連絡や、プリント類をどうするのか、先生の家庭訪問をどのように受け入れるのか、スクールカウンセラーとの連携をどうするのか、また外部機関との連携をどのようにするのかなど、学校とのやりとりで疲れてしまう場合もあります。

 

またPTAの役員などに当たってしまうケースもあり、この場合、お子さんが行事に参加していないのに、親だけが行かないといけない状態が生まれます。

 

さらに年度が変わると、担任の先生が変わったり、スクールカウンセラーが異動になることもあります。せっかくこれまで関係性を築いても、また一から信頼を築かないといけなくなります。

 

まとめるとこのようなことがよく起こる問題です。

 

【不登校親あるある「学校編」】

1.    毎日の欠席連絡

2. 担任の先生の「熱血」問題

3. プリント問題

4. PTAなどの役員問題

5. 担任やSCの変更問題

 

こちらについては、「不登校親あるある『学校編』」でも詳しくお伝えしています。ご覧いただけたら嬉しいです。

 

 

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多くの親御さんが同じような思いを持っている

ここに挙げた「あるある」はよくある5選になります。他にも友達との付き合いや、勉強面での問題も挙げられます。(勉強面については、それだけで記事を作ります)。

 

あるあるの対処法についても、皆さんでもやり方が異なることもあると思います。口に出さないだけで、多くの方が思っていることでもありますので、親の会などに参加したり、同じような子どもさんがいらっしゃる親御さんと話をしてみると共感できることもあります。

 

【不登校対応に疲れた親御さんへのメッセージはこちらです】

 

「誰かに相談したいけれど、なかなか言いにくい」という方もいらっしゃると思います。そのような思いを持たれている方は、一度当事業所にご相談ください。方向性を見出し、きっとご安心いただけると思います。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 
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