週休2日を廃止せよ
ですが、自分自身週休2日が当たり前になっています。
確かにGDPが労働量×資本ストック×技術力ということからGDP増が説明できます。
日本人の平均年収
http://www.777money.com/torivia/torivia4_4.htm
手取りで、5番目ほどの平均月収。
業種・業界別平均年収ランキング(平成21年版)
http://nensyu-labo.com/heikin_gyousyu.htm
(うーん、これ本当・・・なのですよね?
自分の年収、50位以内にかすりもしませんが。
同じ業種でも、大企業だとそうなのかもしれません。)
日本は有給の労働のみに限ると6.3時間で最長となった。最短はデンマークの3.75時間だった。
http://www.cnn.co.jp/business/30002441.html
ですが、今でも長時間労働で、サービスでの残業、休出などもあると思います。
これって海外と比較して手取りが少しばかり多くても、時間当たりにしたら少ないです。
要は、今でも少ない給与で労働時間が多いのに?
平均年収はさらに下がらないのでしょうか?
それとも多面的に見て、仕事が増えて相殺されるのでしょうか?
不況の根元
著者: 田邊幹雄
http://books.google.co.jp/books?id=MNwBez2w76wC&pg=PA27&lpg=PA27&dq=%E6%99%82%E7%9F%AD%E3%80%80%E4%B8%8D%E6%B3%81&source=bl&ots=scUd0yYaBm&sig=qO3EMlxWsaw_l_BWwPYAEPeeRE8&hl=ja&ei=NZawTeGlMIycvgP8guiMBw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CBkQ6AEwAA#v=onepage&q=%E6%99%82%E7%9F%AD%E3%80%80%E4%B8%8D%E6%B3%81&f=false
グーグルブックより
会社でざっと計算してみたのですが(僕の計算なので、小学生レベルの・・・ですが)
週休2日を廃止した場合。
社員100人規模の中小企業を想定。
サービス残業などが無いと仮定します。
社員の平均残業・休出時間が合計30H。
残業・休出代が時間2000円。
この場合、会社の負担は6万円×100人で月に基本給とは別に600万円。
これが、土曜日も仕事になると労働時間は週4回土曜日があるとして8H×4で32Hに増えます。
社員の平均残業時間と同じ程度の労働時間を増やせました。
ということは、単純に今まで支払っていた残業代600万円以上の経費を抑えることが出来るか、その分が浮きます。
会社にとっては人件費の削減。
ですが、社員にとっては給与は残業代分減ってしまいます。
しかしながら、こういうことも言えます。
よく聞く意見で、休みは増えたけどお金が無い。
これウチの会社でよく聞くのですが、休みだとお金を使ってしまうのと、休んでも遊ぶお金が無い・・・など。
休みが増えると、レジャーなどで出費が増えて景気が良くなるという意見もありますし、それもそうだとは思いつつ、実は休みの日に仕事が続いた月はお金がいつもより残っているということもあります。
いきなり話が飛躍しますが、休みが多いと小出しにお金を使ってしまい、満足が薄いのでは?
ですが、日々仕事に追われ、気が付くとお金が貯まっていた・・・やっと休日が取れた、久しぶりの休みだし、よし旅行でも行くか!!で、貯めたお金を行った先で使ってしまう。
となった方が景気にはいいのでは?
それか、このままもっと貯めて、もっと大きい家とか車とか買うか!!
になったら・・・。
貯蓄率も増えるかも?
一考の余地はありますね。
上記リンク先の「不況の根元」でも、大企業が週休2日だと下請けも休まざる得ない。(そうでも無いんですけどね)
とりあえず、昨今、その給与に風当たりの強い公務員の方には申し訳ありませんが、実験的に週休2日を廃止にしてみてはどうでしょうか?
実質的に給与カットにもなりますし。
学校では、学力向上が、市役所などは週休1日と言わず土・日曜日も窓口サービスをすることによる、サービス向上を。
平日に休暇を取って屋j区書に出向くという、書類手続きが無くなり、経済効果もあるかもしれませんよ。
消費税を上げよ
消費税は被災地の方にも負担増になる。
所得税は・・・?(すみません忘れてしまいました)
法人税は企業に悪影響と書かれていました。
ですが、僕は消費税の増税もありかなと思っています。
日本はピンチです。
そのピンチに国民が一緒に協力したいと願っている。
そして日本人は、楽してお金をもらうことを良しとしないようなところがあります。
被災者の方々が各国の支援活動に一緒になって協力していた。という話を聞きました。
そのような方々です。(全員ではもちろん無いでしょうけれど・・・)
お金を恵んでやる・・・なんて気持ちは他の日本人には微塵もありませんが、そんな風に取られてしまいかねません。
むしろ復興に限定された税を、消費税で支払うことによって、自分たちも助けられてばかりではないんだ・・・ということになるかもです。(もちろん、その後減税で還付して支援というのもありです。)
反対多数なことを承知で言わせてもらいます。
今こそ消費税アップで復興財源化を!!
超スピードで、インフラと住環境を整備して、人々が働ける場所を日本人同士協力して成し遂げましょう!!
スピード追求で、一日も早い復興と生産性のアップ。資金の有効活用です。景気にも好影響。
それが被災者支援、別の形の義援金ならば、喜んで消費する人が増え・・・大丈夫。個人消費は落ち込まないでしょう。(すみません無責任な発言ですね)
そして数年後に、PBが改善されていれば一石二鳥です。
金融緩和もよろしくね。デフレ脱却。
格差はどこに?
相対的貧困率ですが、貧困率と言いながらそれを示す数値では無く、経済格差を表す指標です。
国全体の所得が多い国の貧困率と、国全体の所得の低い貧困率の層とでは、その貧困率の意味も変わってきます。
等価可処分所得の意味についても知る必要があります。
等価可処分所得
OECDによる定義:世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値
wikiより
可処分所得
家計の収入から、税金や年金などの社会保険料といった非消費支出を差し引いた残額。実際に財やサービスの購入(消費活動)に使用できる額。
wikiより
√2≒1.41421356
√3≒1.7320508075
√5≒2.2360679
可処分所得を世帯員数ではなく、平方根で割るところがポイントです。
何故平方根でかというと、同居の場合一人当たりの可処分所得は増加すると考えられるので(一人当たりの家賃などが少なくなるなど)単純に人数で割って可処分所得としないためでしょう。
ジニ係数という指標も同じように等価可処分所得を扱うので、注意が必要です。
■ジニ係数について
0に近いほど格差が無い=0に近いほど良いことである
とは断定できないところでしょう。
それは、このジニ係数の見方からも理解が出来ます
ジニ係数 意味合い
~0.1 極めて平等な社会。現実には存在しがたい。
0.1~0.2 ほとんど格差がない社会。個々人の努力を阻害する懸念がある。
0.2~0.3 格差が少なく安定した社会。
0.3~0.4 格差がある社会。競争・活力という面からは好ましいこともある。
0.4~0.5 格差がきつく、社会を不安定にする要素がある。
0.5~ 不平等な社会。さまざまな問題が生じやすい。
日本がどこを目指すのかにもよってその価値は変わってくるので、一概にこことは言い切れないとはいえ、一般的には0.3前後が競争もありつつ、平等が実現できている状態と考えられているようです。
実際に福祉国家と言われる国の問題点も多々あるようです。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&client=firefox-a&rls=org.mozilla%3Aja%3Aofficial&q=%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%9B%BD%E5%AE%B6+%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%82%B9&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=&aql=&oq=
相対的貧困率について
同じ企業で働く、300万円の可処分所得の方が5人いたとします。
1、Aさん。一人暮らしなので、等可処分所得は300万円になります。
2、Bさん。専業主婦の妻と二人暮らしなので、300万円÷1,14≒263万円。よって等可処分所得は263万円になります。
3、Cさん。共稼ぎで子供1人、可処分所得が500万円とします。500万円÷1,73≒289万円。よって等可処分所得は438万円になります。
4、Dさん。専業主婦の妻と、中学生以下の子供2人の4人家族です。300万円÷2≒150万円。よって等可処分所得は150万円になります。
5、Eさん。実家でそれぞれ所得のある家族3人と同居。可処分所得は800万円とします。800万円÷1,73≒462万円。よって等可処分所得は462万円になります。
これを、等可処分所得の多い順番に並べてみます。
Eさん、462万円(3人世帯)
462
462
Cさん、438万円(3人世帯)
438
438
Aさん、300万円(1人世帯)
Bさん、263万円(2人世帯)
263
Dさん、150万円(4人世帯)
150
150
150
全世帯で2200万円。可処分所得が、4162万円になっていますね。
このモデルでは、Aさんの150万円が中央値になります。
仮に、世帯で並べたとしても下の数値になり、結果が変わらいことを確認しました。
Aさんの等可処分所得300万円の半分の
1人世帯 150万円
で、世帯数の平方根をかけて
2人世帯 212万円
3人世帯 260万円
4人世帯 300万円
となります。
これは世帯で見た場合に対象になる可処分所得の金額です。
4人世帯で300万円以下で、Dさん世帯が貧困ということになります。
13人中4人が150万以下、つまり相対的貧困率30%です。
もしくは世帯単位でなら20%。
ここで、Cさん世帯に子が産まれ、妻が会社を辞めました。その結果可処分所得が300万円になったとします。300万円÷1.73≒173万円。よって、等可処分所得は173万円になります。
すると、等可処分所得の多い順番が変わります。
Eさん、462万円
462
462
Aさん、300万円
Bさん、263万円
263
Cさん、173万円
173
173
173
Dさん、150万円
150
150
150
2000万円の可処分所得が等価可処分所得3504万円に。
今度は
Cさんの173万円(世帯でならBさんの266万円)が中央値となり、87万円(133万円)以下が貧困世帯になるのですが、
Eさん、462万円(3人世帯)150万円以下が対象(可処分所得の場合)
Cさん、438万円(4人世帯)174万円以下が対象(可処分所得の場合)
Aさん、300万円(1人世帯)87万円以下が対象(可処分所得の場合)
Bさん、263万円(2人世帯)123万円以下が対象(可処分所得の場合)
Dさん、150万円(4人世帯)174万円以下が対象(可処分所得の場合)
すると、Dさんの所得は変わっていないのに、貧困率は0パーセントで貧困(経済格差)が無いことになってしまいます。
問題点は、実際の可処分所得は減っていますが、このように貧困率は0となってしまうこともあり得るという点です。
日本が核家族化していることを考えると、生活は苦しいのに、貧困率改善に貢献しそうです。
逆に、低額年金生活者、もしくは生活保護世帯など低所得者が多くなると貧困率は増加しそうです。(それこそが貧困なのでしょうけれども)
例えば海外の平均可処分所得が低くても(福祉国家の高税率も、これに含まれるのでは?)中央値の半分の金額を上回る世帯しかいなければ、貧困率0%の素晴らしい国家ということにもなります。
日本の中間層から控除廃止などの実質増税で中央値を減らすと貧困率は下がります。
中間層より上の層にはまったく関係も無く。
ある地方新聞に日本の片親世帯の相対的貧困率は、他国に比べて高い。だから母子加算の継続と、生活保護の充実をという社説が載っていました。
これは貧困率の言葉と数字のインパクトだけを利用したものではないでしょうか?
これも代表性バイアスの一つかもしれません。
リストラ
格差社会
派遣切り
こういうことが大きく報道されるので、それがよくあることと考えてしまうのでは。
参考リンク
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51699151.html
池田信夫氏のブログ「バイアスに迎合するマーケティング」より
日本の場合、格差はどこに?
インフレーション
2011年4月の静岡新聞より
需要インフレ
ディマンド・プル・インフレ(デマンド・プル・インフレ)
供給を大幅に超える需要があることにより、物価が上昇する。
供給インフレ
コスト・プッシュ・インフレ
供給側に原因、スタグフレーションなど。
原油価格の高騰によるインフレーションが典型的な例。
とウィキよりコピペしたわけですが、ディマンド・プルとかコスト・プッシュとか難しい専門的な・・・と思ったら高校の教科書、現代社会 第一学習社P99にもそういう名称を用いて説明されています。
貨幣的要因によるインフレーション
貨幣の供給量が増えることによって発生する。
貨幣の供給増加は、他のあらゆる財に対する貨幣の相対価値を低下させるが、これはインフレーションそのものである。
さらに、貨幣の供給増加は貨幣に対する債券の相対価値を高めることになり名目金利を低下させる。
このため通常は投資が増大し、需要増大をもたらす。
そのプロセスが最終的に、需要インフレに帰結することでもインフレーションに結びつく。
インフレへの妄執はもう終わりにすべきだ。いまやインフレは「長期の安定と経済成長と人の幸せを犠牲にして、おもに金融資産所有者を利する政策」を正当化するのに利用されるお化けになってしまっているのである。
ハジュン・チャン著 「世界経済を破綻させる23の嘘」P97より
インフレを一定に抑えてることも、日本がゆるやかなデフレを維持することも同じようなもの?
3月の米失業率8・8%に改善 2年ぶりの低水準(4/ 1 22:12)
【ワシントン共同】米労働省が1日発表した3月の雇用統計(速報、季節調整済み)によると、失業率は8・8%と2月の8・9%から0・1ポイント改善、2009年3月以来2年ぶりの低水準となった。
景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数も前月比21万6千人増と大幅に伸びた。増加幅は10年5月以来10カ月ぶりの大きさで、市場予想の19万人程度を上回った。雇用情勢が着実に改善傾向を示したことで、米国が金融緩和策を正常化するとの観測が一段と高まりそうだ。
米雇用情勢は昨年秋から改善傾向が鮮明になり、雇用創出のペースも勢いづいている。
静岡新聞ニュースより
http://www.at-s.com/news/detail/100016128.html
この記事では、緩和(だけ、ではないでしょうけれど)が雇用を改善したと読み取れます。
増税やむなし
子ども手当、10月以降廃止へ…復興財源を優先
読売新聞 4月13日(水)3時3分配信
政府・民主党は12日、中学生まで1人当たり月1万3000円を支給している「子ども手当」について、支給期限が切れる10月以降は廃止する方向で調整に入った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110412-00001200-yom-pol
ヤフーより
子ども手当てに反対してきましたが(知らないかもですが政権交代以前にテーマにしていました)復興財源のためとはいえ、政権交代の目玉の一つで子育て世代の期待を受けて実施されたというのに、支給は半分でわずか数年で廃止になるかもなんて・・・。
しかも選挙後になるといろいろ都合の悪いニュースが出てきますね。
気のせい?
財源が無いって・・・
だったら消費税10パーにしたらどうですかね?
えぇ?
ラブログさんよ、あんた増税反対だったんじゃねぇっすか???
うん、思いつきなんですけどw
最高税率(トリクルダウンは起きなかった)と法人税引き上げて、消費税も10パーで。
追記:子ども手当て廃止で廃止された控除も元に戻らないと、実質増税では?
で、その徴収した分は全部期限付きで復興財源で、東北をスーパー耐震特区にするのはどうでしょうか。
多分復興が経済に好影響してくるので、上手く行くのではないでしょうか。
その後(か同時進行で)に全国レベルで耐震対策していくとか。
日銀さんも世界同時不況のときよりも買いオペするとかしないとか新聞にありましたが、アメリカもまだまだ緩和を続けるということなので、がんばってくださいね。
日銀、追加金融緩和協議 不安防止へ18兆円供給
同日は銀行などが資金取引する短期金融市場に即日の15兆円を含め計18兆円を供給する公開市場操作(オペ)を実施。過去最大規模の緊急資金供給で金融市場の動揺を抑え、景気の腰折れ回避も狙う。
日銀は即日供給とは別に16日に実施する3兆円の資金供給も通知。
http://www.at-s.com/news/detail/100009878.html
静岡新聞ニュースより
米、景気判断を上方修正 FRB、金融政策は維持(3/16 04:11)
米失業率は引き続き高止まりしたままだとも指摘。現行の事実上のゼロ金利と量的金融緩和政策を維持する方針を全会一致で決めた。
http://www.at-s.com/news/detail/100010599.html
静岡新聞ニュースより
デフレの正体への反論
著者への反論があることは知っていましたが、読んでいないのでスルーしていました。
ですが、読んでみるとそれ以外にもいろいろと突っ込みどころがあったので、このようなエントリを書くきっかにもなりました。
政府統計より筆者作成
政府統計より筆者作成
将来はあくまで予測ですが、人口は著者の書くようになっているのが事実ではあります。
デフレの正体というか、前半の国際競争の勝者・日本の章が、国際競争に勝者とかあるのかというのは別にして、普段から日本に対して悲観的であろう多くの日本人にベストセラーだというこの本が読まれることで、そういう悲観的な部分が少しでも払拭されたら良いと感じた。
1、貿易について
P31
今がピンチだというなら、0二年までの日本はもっとピンチであったというのでしょうか
と、輸出が激減した最近と、過去の輸出額を絶対数で比較して言及していますが、こういうときこそ著者の批判する率での比較でなければそのダメージは計れないと思います。
たとえば、給与が10万円だったのが10年で2倍の20万円になったとします。
それが不況で3割減の14万円になったとしたら、その生活レベル(経済規模)が20万円の状態で、
10年前に比べたら4万円もまだ多い、それでピンチなの?
という問いは成立するのでしょうか?
更にブランドをということを主張していますが、
それ自体は10年以上も前から高付加価値という目標が製造現場では言われていて、何ら目新しいことではないのですがそういう仕事というのはそもそも絶対量が少ない。
つまり、日本人全体がそういう高級品ばかり作っても需要がなければそれだけで良い、ということにはならないのです。(ということを本人自身が、後半部で書いています)
2、車について
(P54から引用)
大都市圏の中心近くに住んでいるごく一部を除いた日本人のほとんどは、車は嗜好品ではなく必需品です。
飽きたから買わないというものではない。
ないと生活できないのだから、興味ないから安いのですませておこうという人は増えているかもしれませんが、そういうのは単価減少→売上高の減少の理由になっても、販売台数減少の理由にはなりますまい。
ましてや〇六年あたりの「好景気」の最中においてすら、売上げだけではなく台数までも減ってしまうという理由として、「車離れ」では説得力がない。
P54
車は嗜好品ではなくて必需品です。飽きたから買わないというものではない。
車が必要なのだから買わないはずが無いと受け取れます。
P54
興味が無いから安いので済ませておこうという人は増えているかもしれませんが、そういうのは単価減少→売上高の減少にはなっても、販売台数減少の理由にはなりますまい。
その必需品なはずの車を、安い車で済ませるというのなら、売り上げが減るなら分かると書いています。
販売台数は変わらないはず、
だけど減っている。
と主張しています。
P54
何か経済的に見て構造的な理由がなければ、こういう長期的トレンドは出てこないのです。
筆者の主張は生産年齢人口の減少という構造の変化が最初から前提にあるため、人口的に需要があるのなら新車が売れないはずはないという切り口なのでしょう。
つまり、車は嗜好品ではなく必需品だという前提です。
なので、車離れが販売台数減少の理由にはならないと主張しているのですが・・・
保有台数は鈍化しつつも微増。
ということは車の販売は増えていなければおかしいですね。
では、何故新車売台数が減少してるかといえば、新車を長く乗る人が増えたこともあります。
あとは、中古車の存在を忘れてはいませんでしょうか?
車を買う人はすべて新車でという前提になっていませんか。
(P215)
たとえば自動車産業。全体的には不振の中、よく売れているのがハイブリッドカーで、(中略)
これらの成功は、すでに何でも持っている高齢者に買い替えの「言い訳」を与えることがいかに重要かを示しています。
ですから、筆者も主張するように言い訳を与えれば、高齢者でも財布の紐も緩むのです。
とプリウスの売れる理由もあげているのに・・・政府がお金をばらまいても(エコカー減税とは言っていませんが)
(P184から引用)
車は生産年齢人口減少という制約がかかってくるので(もう車を十分持っている人は車ではなく他の人気商品を買うので)やっぱり車そうそう売れないのです。
としている。
保有台数が微増の現在では、新車の需要はあることから存在需要を引き起こしたと考えます。
需要はあるのです。
3、住宅について
住宅もです。
世帯数は増加しています。
独身者が増えているのだと思います。あとは結婚して家を出るなど。
住宅の需要はありそうです。
一戸建てではなく、コンパクトな分譲マンションの建設と販売や賃貸(高額な家賃の取れる付加価値の高い物件など)物件の建設など。
データないですが、独身女性がマンションを購入するという記事も読んだことがあります。
マンションは、土地代はGDPに含まないので土地の価格が高い日本では、ほぼローンも住宅代として支払うことで経済効果があると思われます。
では何故住宅は売れないのでしょうか。(売れていないという前提で、データは持っていませんが)
これもやはり人口だけが原因では無いのでは?
考えると、投資減少によるマネーサプライ減少が加わり、お金が回らない理由になっていると思われます。
この負のサイクルやバブル崩壊後の負債に対するアレルギーも加わり、借金してモノを買うことに抵抗があることや、生活様式の変化などもあるでしょう。
4、GDPについて
(P168)
…消費者人口の減少→供給能力過剰→在庫積み上がりと価格競争激化→在庫の時価の低下(在庫が腐る)という現象です。(中略)腐った在庫は最終的には叩き売られて企業収益を下げています。
在庫に関して僕からは製造現場に携わる立場として意見させてもらいますと、在庫を積み上げて安値で処分ということは製造現場ではほとんどありません。
なぜなら、在庫が増加したら必ず生産調整をするからです。
P169
売れようが売れまいが在庫を積み増しながら生産を続ければ、GDPは増え続けるわけです。
在庫分に関してGDPに加わりという内容も書かれていますが、それは次年度のGDPで生産調整の結果、製造数の減少からその分は必ず縮小するはずです。
なので、上記の引用のような減少はGDPに影響するほどの規模では起こりません。
GDPが中古や骨董などの美術品の取引を含まないことも加味すると、需要のありそうな新築住宅や新築マンションの建設と販売、車の需要を新車の販売に向けるなどGDPを成長させる手法はありそうとも言えますね。
5、消費について
ところで、高齢者は本当に消費しないのでしょうか?
P135
「昔ほど車を買わない、そもそも以前ほどモノを買わない、最近余り本や雑誌を読まない、モノを送らなくなったし車にも乗っていない、近頃あまり肉や脂を食 べないし酒量も減った、水も昔ほど使っていない」ということです。これは正に退職後の高齢者世帯の消費行動そのものではありませんか。
と著者は高齢者が消費しないという主張を繰り返します。
しかし、平成22年 経済白書では
第一に、60歳以上の高齢者世帯による個人消費の押上げ寄与は非常に大きい。
すなわち、2003年以降、おおむね一貫して60 歳以上世帯が個人消費にプラスの寄与をしており、かつ、個人消費に対するプラス寄与のほとんどはこの世代による。
例外はリーマンショック後の急激な消費の落ち込みのときだが、そのときもマイナス寄与は小さかった。
2009年後半以降の個人消費の持ち直しも高齢者がけん引している。
実際には35~59 歳世帯の減少が消費押下げに働くが、高齢者世帯の増加が一世帯当たりの消費押下げにつながるとは限らない点に注意が必要である。
消費の中心はすでの高齢者?
そして、消費支出の推移を見ても・・・
(名目)
内閣府の国民経済計算確報より筆者作成
日本はモノが売れないというイメージと少し違うようです。
(名目)
内閣府の国民経済計算確報より筆者作成
P67
「モ ノは売れていないが、サービスの売上はどんどん伸びている」というような事態が起きているのでしょうか。旅行産業を見ても外食産業を見ても、残念ながら まったくそんなことはありません。それにそもそも「日本はモノづくりの国」でありまして、国内でモノが売れないところへ輸出(=外国へのモノの売上)まで 急落して皆さんが困っているのです。
旅行産業や外食産業だけがサービス業ではないです。
事実、筆者の指摘とは逆にサービス業は増加しています。
サービスは増加していると書きましたが、では何のサービスが?
その前に、何が売れなくなっているのでしょうか?
被服と履物・・・ファッション関係のようです。
食品関係やアルコールやタバコなども多少減少傾向のようです。
これは藻谷氏の例に取り上げられた、まさに小売の実態と一致します。
ですが、藻谷氏は意図的にかサービスを旅行産業と外食産業の例だけしか取り上げません。
旅行産業を見ても外食産業を見ても、残念ながらまったくそんなことはありません。
ところが、その例に挙げた旅行産業と外食産業をこのグラフで見ても横這いか微増で推移してきており、それほどひどい状況でも無いとは思いませんか?
デフレの正体の冒頭で書かれていた、思い込みの殻にヒビを入れてみようという藻谷氏のいう事実は、殻を割ってみたら思い込みでも何でもなく、思ったとおりだったということに・・・。
ここ10年で見比べても、娯楽・レジャー・文化(その詳細は調べていませんが)は倍増しています。
更に住居・電気・ガス・水道も・・・。
他の項目以上にこの2つは金額的に伸びています。
水道使用量は最近では減少していますが、97年がピークというか横這いでは?
水道だけで使用量が減っている、それは人口の減少のせい、とする指摘とも違います。
人口減が理由なら、他の光熱費が増加している説明ができません。
データで事実をと書きながら、ところどころでそれを省いたりデータの確認もしないのはページや構成の都合もあるのでしょうけれども、それではやはり説得力に欠けます。
果たして、SYはどちらなのでしょうか?
藻谷氏は消費活動時間の不足による制約も主張します。
労働時間が長くなると、消費時間は減ります。
しかし、通販は買い物時間の節約を可能にする代表的な例でしょう。
確かに高価なヨットや車に乗って・・・という時間は余暇がなければできません。
ところで実際に労働時間は過去に比べて長時間化してるのでしょうか?
主な産業別平均週間就業時間及び延週間就業時間数のグラフで推移を見ても、労働時間は減少傾向です。
実感としては、そんなことは無いという反論もあるとは思います。特に残業の付かない課長職以上の方などの数値はおそらく入っていないでしょうし。
ですが、全体的な傾向程度は分かるでしょう。
業種により、多少の増減の違いはあるものの、労働時間は減少傾向です。
これは、よくよく考えてみれば過去には週休2日もありませんでした。
月間でみても減少傾向。
年間の労働時間を見てもアメリカより下回っている状態。
では、増えた余暇に何をしているのかというと、
付き合いやテレビを見る時間を減らし、趣味や買い物などそれこそ睡眠時間を減らして余暇を過ごしているようです。
6、経済学への批判について
P90
「こいつは片隅の事実を誇張して自説を強引に正当化している」と決め付ける前に、同じ数字をネットで確認いただいて・・・
P12
お話しするのは事実だけで、何かの方向に皆様を誘導する意図はありません
本当でしょうか?
ところで、著者はマクロ経済学に否定的です。
ですが、言葉の定義や前提が曖昧なままです。
なので、意味を取り違えた指摘が多くなります。
キーワード1「投資」
P165「内需がなければ国内投資が腐る」
ところがさらに開き直った第三の反論として、「高齢者の貯蓄大いに結構」という考え方もありうるのです。
マ クロ経済学では、貯蓄は投資の源泉です。高齢者が死ぬまで貯蓄を抱え続けても、よしんばそれが株価下落や為替変動で目減りしたとしても、貯蓄は債権、株券 などの購入を通じて投資側に回るので、その投資を受けて経済は拡大する。だから問題はないではないか・・・・・というわけですね。
と書いています。
高齢者の貯蓄とマクロ経済学での貯蓄は意味が違います。
これは堂免氏も書きましたが、
投資→貯蓄について
貯蓄→投資は、投資資金集めを意味してると思われますが、貯蓄はその年のフローの中で蓄積されるお金で、まだ使われていないお金すべてのことです。
預金はストックのことです。
フロー上では、貯蓄=投資ですが、ストックは一部しか投資に回せないので預金の一部としてという表現である。
ということを理解していないのではないか?
と思われます。
なので、高齢者の貯蓄という表現が出てくるのでしょう。
P167
もうお分かりかと思いますが、投資があれば経済は拡大するというマクロ経済の定式?は、この「投資が腐る」という、市場経済の現場では当たり前に起きている現象を勘案していないのです。
この表現にも違和感があります。
貯蓄=投資+財政赤字+貿易黒字
マクロ経済の定式とはこれのことを指していると思いますが、この意味を理解していないのではないか?(いえ、自分もそんなに理解していないので偉そうに言えないんですけどね・・・)
ここでいう貯蓄とは高齢者の預金などではなく、その年の消費、納税に回らなかったすべてのお金を指します。
そして、企業への投資、政府などの公債、海外への投資などに振り向けられることになります。
つまり、貯蓄から企業が投資して余った金額は、財政赤字と貿易黒字を合わせた金額と言うことです。
貯蓄=投資+財政赤字+貿易黒字
政府の赤字が何故か突然均衡したとします。
貯蓄=投資+貿易黒字
となります。
貿易黒字も国内資本の流出という側面もあるので、国内が好景気で投資が盛んであるならば均衡もしくは赤字でしょう。
なので、
貯蓄=投資
となりました。
つまり、国債の是非は別として、結果的に経済全体では国家のバランシートは拡大中なことからも投資が経済を拡大させているのです。
市場経済の現場では当たり前に起きている現象を勘案していないのです。
現場というミクロではなく、マクロという全体を見れば勘案していないのでもなく、結果はそうなっている、ということでしょう。
キーワード2「内需」
内需の不振についても、小売だけをみて全体を見ません。
それで、何かの方向にとか、片隅の事実を誇張して自説を強引に正当化してないと断言しています。
内需(ないじゅ)
内需とは、国内の需要のこと。個人消費、民間の住宅購入、民間企業の設備投資、民間企業の在庫増加などで構成する民間需要と、政府の最終消費支出、公的固定資本形成、公的在庫の増加から構成する公的需要がある。
All Aboutより
上の引用のようにそもそも内需とは、小売だけではありません。
このグラフを見ると、内需不振の原因が見えてきます。
著者の指摘どおりに小売が伸びれば内需は拡大でしょうけれども、消費自体は増加傾向でした。
では、内需の不振はどうして?
それ以外が・・・ということがが考えられます。
著者は、このように自説を正当化するために都合のいい数字(小売販売額減少)と単語(内需)を使っています。
更に生産年齢人口の減少を、小売の縮小と関連付けて説明しています。
青森県を例に挙げ、県民所得は個人所得とはまったく違う動きと説明。
ところでこの税務署由来の個人所得の代わりに、家計調査などの各サンプル調査を使うのはまだいいのですが、「県民所得」といった、名前は「所得」ですが個人所得とはまったく違う動きをするマクロ指標を使いたがる人がいます。
しかし、県民所得というのはたとえば、県内の近代化された工場が県外から機械設備を買ってきて、雇用を増やさないままフル操業して出荷額を増やすだけで、ポンと跳ね上がります。
ですが青森では特に違和感の無い動きをしています。
指数にすると、青森の県民所得の方が個人所得より増加は少ない。(90年を100として、一番増加した96年でも10ポイント程度の増加でしかありません)
これについて説明しないで、他県の逆の状況での批判では説得力に欠けます。
その上で、どうして青森の所得が上がったかというと、
青森県の経済報告より
も、あります。
補足で、その後に何故所得が低下したかも・・・
筆者は経済の循環やGDPで景気は語れないと批判しています。
ですが、失われた10年で元気の良かった理由は公共工事では説明できないとしながら、青森県自身はそうであったという分析をしています。
GDPでも上のグラフの赤丸部分、98年以降の成長率の低下による、販売不振が説明できます。
キーワード3「生産性」
生産性
生産性(せいさんせい:productivity)とは、経済学で、生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度のこと。あるいは資源から付加価値を生み出す際の効率の程度のこと。
一定の資源からどれだけ多くの付加価値を生み出せるかという測定法と、一定の付加価値をどれだけ少ない資源で生み出せるかという測定法がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
生産性の種類
1 資本生産性
2 労働生産性
3 全要素生産性
4 国民経済生産性
の4種類もあるのに生産性=労働生産性として読者に生産性向上の定義確認をしていない・・・思い込みだと決めつける。
資本生産性
これは、資本(機械・貨物自動車等の設備)1単位に対してどれだけ価値が生めたかを指す。通常、資本が遊ばないようになるだけ多く労働者を充てると、資本の回転率が上昇し資本生産性が高まる。ただ、この場合は労働生産性が低下する。
他の生産性という言葉を意図的にかは分かりませんが隠し、生産性向上が付加価値にはつながらないと主張します。
7、まとめ
P90
「こいつは片隅の事実を誇張して自説を強引に正当化している」と決め付ける前に、同じ数字をネットで確認いただいて・・・
P12
お話しするのは事実だけで、何かの方向に皆様を誘導する意図はありません
と断言する喪谷氏ですが、
P18
・・・学術用語で言えば「演繹」だけで「帰納」できないわけです。
と、経済論も否定します。
ウィキによると
帰納法の欠点
確証性の原理をとるにせよ、斉一性の原理をとるにせよ、帰納法で仮説を正当化する企ては、なんらかの壁にぶつかるのである。
特によくあるのは、早すぎる一般化である。帰納法が間違う有名な例として、"「ビールには水が入っている」、「ウィスキーにも水が入っている」、「ブランデーにも水が入っている」、よって「水を飲むと酔っ払う」" というものがある。
http://www.abysshr.com/mdklg010.htmlより
帰納法の欠点は、全事例を網羅するか、それと同等の論理証明をしない限り、帰納した結論(帰結)は必ずしも確実な真理ではなく、ある程度の確率を持ったものに過ぎないことです。(故に帰納法は帰納的推理ともいいます)
この著書が経済の全事例を網羅していない点と、著者が事実だとして帰納したという論ですが、前半部分に最も突っ込みどころがある時点で主張に無理があることは明らかです。
そして、マクロ経済学への批判なども。
これらのことからデフレの正体が、生産年齢人口減少だけでは説明できないと言えそうです。
需要はあるけど、買わないという需要減が供給力はあるけれど作らないという供給過剰や貨幣の需要増と供給不足などデフレの原因は他にもあると考えます。
あと著者は、マクロ経済や経済学を著書の中でたびたび批判しますが、果たして経済学、特にマクロ経済について熟知したうえでの批判でしょうか?
少なくとも、木下氏「経済学はなぜ間違い続けるのか」や堂免氏の「経済学の大間違い」はケインズやマクロ経済について勉強したうえでの検証でした。
著者が自説を出版することになんら異論はありませんが、ベストセラーであるこの本が経済学を否定するような風潮、高齢者との世代間対立を産みかねないかを危惧しています。(逆に高齢者が若者を批判するなど)
マクロ経済を批判するなら、もっと勉強するべきですし(僕が勉強していて、著者がしていないという意味ではないです、念のため)むしろ、この本は素直にご自身の得意分野や生産年齢人口減少のデータの説明に徹して、後半の意見、提言にページを費やした方が良かったと考えます。
低賃金国(中国)の輸出増加は、高賃金国の失業増加・賃金低下の原因に、十分なり得る?2
ジェトロより
さて中国の輸出増が日本に与えた影響は?
直接的な影響はあったのかどうか???
では、雇用は?
これを見ると逆に増加傾向ですね。
最小値を0にすると受ける印象が変わります。
ですが、これでも変化があったようには感じません。
給与への影響はどうでしょう。
かなり減少傾向に見えますが・・・
最小値を0にすると・・・中国の影響と言って良い変化なのでしょうか?
さて、中国の輸出が日本のデフレを、という意見もありますが・・・。
消費者物価指数は、確かにマイナスで推移してます。
ところが・・・
世界で見ると、デフレの輸出とまで表現される中国の輸入増加にもかかわらずインフレのようです。
世界で日本だけが?デフレ。
ということは、中国の輸出増加が失業率と低賃金、デフレをもたらすというのもどうやら違うようです。
低賃金国(中国)の輸出増加は、高賃金国の失業増加・賃金低下の原因に、十分なり得る?
ところが、あらためてこの本を読み返すと違和感を感じる部分があるので説明したいと思います。
1、投資→貯蓄という堂免氏の主張はその通りというか、別に過去の経済学が間違えていたとも思わないのですが。
GDPを進行形で捉えると、そうなるでしょうけれども、結果としてみた場合は貯蓄→投資でも意味が通じると考えましたが、どうでしょう。
2、堂免氏は金融資産が無価値とも説いているのですが、団塊の世代の取り崩しによる問題を、お金は消えると主張していると勘違い?をしているようです。
3、低賃金国(中国)の資本流入と貿易黒字は両立可能であり、矛盾しない。
財務省資料より筆者作成
日本の国際収支ですが、このグラフから分かるとおり収支はバランスしており、儲けでも損でもなんでもないのです。
堂免信義氏の「日本を貧困させる経済学の大間違い」P123
堂免信義氏の「日本を貧困させる経済学の大間違い」中からクルーグマンの著書「良い経済学 悪い経済学」の?抜粋より。貯蓄-投資=輸出-輸入
低賃金国には外国資本の対内的投資があるために、国内の貯蓄以上に投資できるとされ、したがって左辺の値はマイナスになる。すると同時に右辺がプラスになることはあり得ない。低賃金国は、資本流入に見合った分、貿易赤字になる。生産性向上と共に賃金も上がるからだ。
堂免氏は3、を根拠に経済学の間違いを主張しています。
堂免氏はこの公式には異論を持っていないと主張。
この式が投資と貯蓄の順番が違うと主張します。
貯蓄=投資+輸出-輸入
を主張します。
ですが、これは公式としても成り立つので、別に経済学が間違えているという主張になり得ないのではないでしょうか?
経済学が間違っていないのでこの主張の論拠に上記はなり得ないと考えます。
これも堂免氏が、経済学は中国が資本流入なのに貯蓄超過だし、貿易赤字にならないのはおかしいという主張をしていると勝手に勘違いしてるのではと思われます。(国際収支を理解していない?)
資本収支黒字と貿易黒字の2つが同時に達成できているからというのが、論拠のようですが、これも上記グラフの
平成15年と16年を見てもらえば、日本の国際収支でも分かります。
資本収支と経常収支の2つが黒字になっています。
4、低賃金国(中国)の輸出増加は、高賃金国の失業増加・賃金低下の原因に、十分なり得る。
堂免氏は3、を根拠に4、を主張しています。
ですが、先程の説明したように、経済学が間違っていないので、この主張の論拠に上記はなり得ないと考えます。
まず貿易黒字は中国の儲けではありません。
そして、中国は貯蓄超過なので、その分が海外への投資となった結果です。
上のグラフを見れば分かりますが、経常収支と資本収支がプラスなら反対側はマイナスになるからです。
その原因は外貨準備増(国際収支ではマイナスに表記されます)によるものです。これが中国のインフレの原因でもあります。
外国からの資本の流入より、海外への投資のほうが上回るので貿易黒字になるのです。
中国総貯蓄率はGDPの50パーセント(日本で約30パーセント?)にもなります。これは各主体の合計。
なので、それが消費されずに海外への投資になり経常黒字になるのです。
中国の輸出増加
ジェトロより筆者作成
確かに輸出が増加しています。
高賃金国は先進国ということでよろしいかと。
一番影響がありそうなのは、消費大国のアメリカ?
低賃金国からの輸入で、輸出産業はいったいどうなっているでしょう。
ジェトロより筆者作成
確かに輸入が増加していますが、輸出も増加しています。
さてGDPは国民所得も意味します。
GDPが増加傾向ということは、賃金の低下とは言えないのでは?
先進国と思われる国の失業率です。
ジェトロより筆者作成
中国の輸出増加との関連は見られないと思います。
どうやら堂免氏の4、の十分なり得るとは違うようです。
コマーシャル・ペーパー(CP)
企業が短期で資金調達するための、無担保の約束手形のこと。
goo辞書より
以前にも書きましたが、短期的に資金調達するための手形だそうで、これは優良企業のみに許されるとか。
詳しいことは
http://www.nikkei4946.com/zenzukai/index.asp?BackNumber=27
で読んでもらうことにして・・・
不況になって、日銀が異例のCP買取(金融機関からも)をしました。
そんな大企業でさえ金融機関がCPの購入を減らすだけで、資金調達が難しくなるのです。
つまり、資金繰りが悪化するので資金の流出を防ぐために生産調整をしたり、雇用の調節・・・非正規従業員の雇い止めや解雇、正規従業員の人的なリストラをしたのです。
コメントの補足8
厳密に言えば給与ではないです。
GDP=国民所得(労働者の所得+企業の所得)
とケインズ経済学という入門書では書いてある。
マクロ経済学という入門書では・・・
国民総生産=雇用者所得+営業余剰+固定資本減耗+間接税-補助金
という風になっています。
間接税はGDPには税金分も含むため。
補助金はその逆に税の還付とも言えるので補助金分マイナス。
営業余剰が企業の儲け。固定資本減耗は設備などの減価償却分みたいなもの?よく分からないですが生産にかかる費用みたいなものでしょうか。
それも含めて給与の出すための費用と考えれば、GDP=給与も理解できるかと。
国民全員が自営業ということを思い浮かべるのが一番分かりやすいかも・・・。
さて、この営業余剰に内部留保などが含まれていて、派遣切りが起こった時などその内部留保で雇用の維持を訴える論調もありましたが・・・
こ れもまたスットクからフローが無理なように、内部留保はストック上にあるだけで、バランスシート左側の設備や資源などの投資に使われているお金であるの で、それを取り崩すことは会社の規模を縮小するという意味にもなり、かえって雇用の維持が難しくなることも考えられます。
個人で言えば、家や土地、クルマ、家財などの財産がストック。
ですが、これらがいくら手元にあっても現金化がスグには出来ず、給与(フロー)が急に無くなる方が支払いに困るのということが理解できると思います。
しかもバランスシート右側の負債は、上場企業の合計で右側の資産の6割とも。
企業も政府も借金が多いので、国民の取り崩しの肩代わりも難しいのです。
企業は流動性の高い手元資金は少ないということなのですが、このことが金融資産を取り崩せないという理由にもなります。
企業のフロー増なく手元資金を使ってしまえば資金繰りに詰まる企業も出てくるということです。
ちなみに、家計資産を取り崩すことが可能になる条件ですが・・・
取り崩す分の消費財、それを作り出す産業に労働力と資本。
要はGDPの増加です。
ですが、莫大な金融資産分の、おそらくGDPの潜在成長率をも超えるような消費財、それを作り出す産業に労働力と資本はどこから???
ということになります。
しかも、家計の消費額は増加傾向で、すでに消費の主役は高齢者なのです。
ただ、この高齢者需要は、今後まだまだ成長できる分野とは思います。
それには投資、開発、政府の支援も必要です。
災害対策もまだまだ。
エネルギーもです。