・国家資格キャリアコンサルタント・Gallup認定ストレングスコーチ
・TRE（トラウマ＆テンション・リリース・エクササイズ）国際認定アドバンスプロバイダー
・自我状態セラピー（パーツ心理学）セラピスト
４つの顔で、ライフブロック（生きづらさや停滞感）から強みの人生への転機をバックアップする皆川公美子です。
これまでにのべ7,300名ほどの方のご相談を伺ってきました。
さて、今日は
なぜ最初からワークとやスキルを取りそろえた教え方をしないか
というところについてお伝えをしたいと思います。
昨日ポリヴェーガル理論のワンデー講座の8月回1回目が終わりました。
あと残すところ1回、8月の22日と23日の夜に3時間ずつ計6時間という回があって
一旦この講座は終わりになります。
（これから唯一無二の対人支援家になるための連続講座をリリースしますので
ご興味のある方はこのポリヴェーガルをぜひ受けていただきたいと思って
開講していました）
講座内で様々なご質問とか
対人支援をしてらっしゃる方たちの熱い疑問点みたいなものをたくさんいただきまして
今日はその一つについてお伝えしてみたいと思ったんです。
このポリヴェーガル理論というのは本当に膨大な理論なんですが
今回はその中でも大事なところとか対人支援に使えるところだけをまとめて
短いコンパクトな講座にしてお伝えをしています。
カウンセラーやコーチのところへお悩みを持ってきてくださるクライアントさんは
少なからず生きづらさを抱えている方が多いと思いますが
そのことに根本対応できていますか？
実際の具体的な手技とかソマティックのワークの種類については
この講座ではそんなにたくさんお伝えしなかったんです。
その上で、やっぱりもっと具体的なスキルとしての知識が欲しかったという要望が少なからずありました。
それをどうしてしなかったのかということについて、
またオンリーワンの実力ある支援家になるための原則を
今日はご説明したいと思います。
22日と23日の回は、6月から続いたシリーズの一旦最終回ですが
まだお申し込みを受け付けております。
こちらからどうぞ。
ポリヴェーガル理論と支援設計の大切さ
ポリヴェーガル理論は、とても奥が深く、学ぶことがたくさんあります。
今回のワンデー講座では、その豊富な内容をできるだけ皆さんにお伝えするため、多くの時間を使いました。
特に、支援の現場でこの理論をどのように活かすか、
また、職務範囲や倫理についての重要なポイントもお話ししました。
これらは、対人支援に携わる方にとって、ずっと大切にしていくべきテーマです。
クライアントさんを理解する技術が鍵
講座では、スキルをたくさんご紹介することよりも、まずクライアントさんを見る技術がいかに重要かをお伝えしました。
売れているカウンセラーはクライアントの理解力（アセスメント）が7割！
たとえば、クライアントさんの神経の活性度を見極める力です。
これは、限られた時間の中でも、支援の成果に大きく影響する部分です。
ポリヴェーガル理論を活用するためには、ただスキルを知るだけでなく、その背後にある深い理解と経験が必要だからです。
対症療法と根本的なケアの違い
私たちが現代社会において
直面する多くの問題、例えば慢性疲労や不定愁訴は、簡単に解決できるものではありませんよね。
生活習慣や考え方、そして身体との対話が欠かせません。
症状を一時的に和らげる投薬も大切ですが、根本的な原因を取り除かないと、また同じ問題が繰り返されてしまうんです。
クライアントさんが、心身ともに健やかに暮らしていくには
医療でなく予防の観点では、もっと身体と心をじっくりと見直すことが大切です。
ひとことで言うとそうなるのですが
この現代社会においては
活性度を下げること＝がんばらないマインドと身体を
一緒に再構築していくことが
大事です。
それがウルトラ難しい！
クライアントさんの身体と心をしっかりと見立てる
先ほども言及しましたが
支援者として、クライアントさんの防衛反応や生活の中での困難さを理解することが、
最初のステップです。
幼少期の経験やビリーフを見極め、
その上で支援スキルを組み立てることが求められます。
だからこそ、ただ「たくさんワークやスキルを教えてください」というご要望もあることは理解しているのですが、それだけでは十分でないと感じるのです。
クライアントさんとの深い理解のうえで
今はどのような段階で何をするか
支援家側がきちんと意図して
スキルやワークを繰り出す支援が、最も重要です。
クライアントさんにそれをきちんと説明できる段階をふまないと
うまく作用しないからです。
あなたならではの支援スタイルを見つけてほしい
私は、支援に携わる皆さんが、それぞれの個性を生かして、オンリーワンの存在になっていただきたいと願っています。
生成AIが活用できる世の中になって
もうロジックだけ、
ただスキルをなぞるだけの支援では
長く対人支援としてやっていけないのではないかと思います。
クライアントさんは最高にクオリティの高い、
自分のことを最高に理解してくれるカウンセラーやコンサルを望んでおられると
毎日のセッションのなかでひしひしと感じるんですよね。
そのうえで
ただ瞬間的にポジティブになれるだけではなくて
これまでの人生的な悩み
生きづらさなどを
手放して
本当に身体がラクになって生きられることを
ちっから強く応援していきましょう。
だからこそ
心（言葉）の技術と
身体（ソマティック感覚）の技術の両方が
あることが
大事です。
そのうえでセッションの技術には以下のようなことも必要になります。
クライアントさんの自己決定権を尊重する
トラウマを抱える人々は、しばしば自由意志や選択の力が弱められている可能性があります。
そのため、カウンセラーは以下の点に注意を払う必要があります:
- クライアントさんの気づきを引き出すことを優先し、信頼すること
- 強制や説得ではなく、起こりうる結果を一緒に検討すること
- カウンセラーの考えや別の選択肢をならべて、クライアントが自ら決定できるよう支援すること
安全で受容的な環境を作る
トラウマを抱える人々にとって、安全で受容的な環境は非常に重要です:
ポリヴェーガル理論を通して安全とは何か、
ということもお伝えしました。
- 安心とはその人の身体反応です
あたまで考える安心安全と - 身体が安心だと反応することは違います。
リソースとレジリエンスに焦点を当てる
クライアントの内なる力や回復力に注目することが大切です。
- クライアントの強みやリソースを見出し、強化する
- 小さな成功体験を積み重ねることで、自信を育む
自分を生かし切れるような満足のいく人生を生きたいと
誰もが望んでいます。
それには
身体が安心を再構築していくような支援がこれからは求められると思います。
身体感覚を磨き
自分の神経状態に何が起こっているのか
それを観察する技術をこそ、鍛えていきましょう！
ともに進んでいけたらと思います！
まず一つは、ポリヴェーガル理論という
膨大な理論を扱ったので
ワンデーの中の時間がかなり取られたというのは物理的な理由としてあります。
そして、支援の現場の設計をどのようにしていくかっていうことについても
大枠から見たサポート設計の概論をお伝えしていたりとか、
どこまでが自分の職務範囲なのかとかそういう倫理に関わるところっていうのも、
お伝えしていました。
これは対人支援家にとっての一生のテーマなんですよね。
そこのところなしにして、ラジオ体操のようにこのワークをたくさんしていると
対人支援が軌道に乗るのかといったらそんなことはない、ということなんですね。
何が足りないのかというとクライアントさんを見る技術。
これが足りません。
クライアントさんの現在の状況については
限られた時間でという程度ではありましたが
「神経の活性度ということを見るんだ」ということをすごく丁寧にお伝えしたつもりです。
これを実際に活用しようと思うと、膨大な技術や膨大な知見、膨大な経験が必要なんですね。
クライアントさんが持っていらっしゃる視座というのは超難しいことばかりなんですよ。
例えば、慢性疲労に近くて病院に行ってはいないけれども疲れが取れない、という状況。
このようなことを結構皆さんは簡単に考えておられるとわたしは思います。
これは薬についての考え方の裏表だと思うんですよね。
とても痛みがあったり急性な場合は、投薬することが威力を発揮して
ぱっと効いてくれる便利な世界ですけれども、それは対症療法ですよね。
症状のところだけを切り取る、表から見えなくするっていうようなことが投薬の主な機能なわけです。
そうなったときに、身体の根源的な原因っていうのは取り除かれていないですよね。
生活習慣だの考え方だの身体に何か負荷がかかるようなことをしている場合、
例えば栄養剤とか、何か化学的なドリンクなど一瞬バーチャル元気が出るようなものっていうのを飲んで頑張ると
結構ああいうバーチャル元気な元気の出し方っていうのはその後ガクッときますよね。
・・・ということをきちんとわかってどの程度のクライアントさんの生活の見直しとか、思想とか主観とかビリーフとかそういうものの見直しとか、あとクライアントさんがどの程度乖離しているのか、自分の感覚と離れて暮らしているのか。
身体が感覚の中に存在しないっていう場合はですね、
やはり身体は不定愁訴としてねサインを送り続けているということがわかりますよね。
この状況を変えてほしいというサイン。
不都合が起こると身体はいろいろと小さなサインを出してくるわけですよね。
ほんのちょっとした偏頭痛とか、あのすぐ終わる何かの痛みとか
これはクライアントさんが自分の身体との対話を始めない限り
いつまでもその根本的な原因が取り除かれない。
ここが予防領域の一番味噌になる観点ですよね。
医療の現場ではもう身体が病変を起こしているような状態になると
もっと劇的な介入が必要になりますよね。
でも予防の領域に関しては自分でその自分の身体を扱っていくという技術を
トレーニングすることが必要になっていくわけじゃないですか。
そのときに、クライアントさんのこれまでの人生の中で
どのぐらい身体の防衛反応が起こってきたのかっていうこととか
防衛反応がどのぐらい進んで重篤な縛りのきついものになっているのか、
今どのぐらいクライアントさんがそのことによって生活に困難・支障をきたしているのか。
またはクライアントさんの考え方とか幼少期に縛られた何かのビリーフであり
それはクライアントさんの性格ではありませんよね。
元々の性格ではなくて、その幼少期のパターンというものが誰しもあるわけなんですね。
そのパターンを見ていくとか、そういうきちんとしたそのクライアントさんの見立ての上に
そういうスキルっていうのは乗っかるわけです。
ですので、スキルだけくださいっていうふうに言われると
私はいつも困ったなって思うんですよね。
手っ取り早くスキルだけお渡ししても多分何の役にも立たないというか、
クライアントさんからしてみたら、なんかよく訳のわからない効かないことをされてるみたいな納得感のない感じになっていくはずなんですよ。
クライアントさんの心からカチッとはまる感覚とか
これというこの体幹のエサがあるとか
そうなんだっていう自分理解に役立つとか
そういうような段階を踏んで初めて、スキルによるものがじわじわと
クライアントさんの神経パターンを変えていくので
そこで設計理念みたいなものをこちらがしっかり持っていないと
やはり何かちぐはぐなものになったり、
クライアントさんから見て何か違和感のあるものになりがちになってしまうということなんですね。
だからすぐに効くスキルをちょうだいっていうのは
何か万能薬をちょうだいと言うことに近い感じなんですね。
それとて現代ではそういうような総合漢方薬とか、万能さをうたうような薬がよくあるので
そういう世界観に慣れている、または慣らされているということがあるんだと思います。
予防の考え方としては投薬をしない、薬に頼らないというスタンスなので
そういうことっていうのはなかなかに難しい。
対象療法をぱっとするっていうのは一瞬楽になるかもしれないけど、
またっていう状況に戻っていってしまうということが予想されるわけなんですよね。
要するに、アセスメントと組み立てっていうのは
とても密接に絡み合ってお互いに反映し合っているものなので
その全体像をきちんと理解していくっていうことが
スキルを使う第1条件になるということなんですね。
そして私は私のお伝えする方々に、対人支援をやっている方々に、
オンリーワンの仕事をして長く愛される対人支援家になっていただきたいなと強く願っています。
ご本人ならでは組み立て方っていうのがやっぱりあるはずで
こういう順番でこういうふうにすればいいですよという設計図みたいなものはあるにしても
それをご自身ならではの対人支援としてのスキルに落とし込むときにどうするかということを
まずは考えていっていただきたいなっていうふうに強く願います。
対人支援家がそれで生活できるくらいにお金をいただいて仕事をしていくっていうことは、
オンリーワンの対人支援家にならないと難しいと思うんです。
何かの組織でもってですね時間を売っているっていうのだと、
他のバイトと変わらないじゃないですか。
その方ならではの存在価値とか付加価値とかそういうものを掛け算にしていく。
そして、何万人に1人のまたは何百万人に1人の対人支援家になっていくという夢を
皆さんに描いていただきたいなってそのように思っています。
