伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

4/13、隣町の交野で開催された削ろう会に行ってきました。
4/12稿「4/12㈯13㈰削ろう会全国大会大阪交野大会…ガッカリ万博も開会~伝統木造を守る?!」
我が家を建ててくれた地元の​日伸建設​が​事務局​。お陰さまで大盛況!


それにしても大阪・関西万博、初日こそ大入りだったものの、そのあとは入場者激減とか。
ニュースを見ていると問題点噴出だし、能登の震災復興に労力や資材を回すべきだったんでは?!
このせいで住宅価格も高騰してるようですが、何より​カジノのインフラ整備のための万博​なんて!

削ろう会で盛り上がった翌々日4/15(火)、私は手術のため入院。鼠経ヘルニアの手術。
手術が怖くて十数年放置してたんですが、一昨年末に大手術をしてもう手術は平気になった?!
2023/12/29稿「入院中の病室の窓から…家づくりの気づき~窓からの光をどう楽しむか」

東に生駒山系が見えるのが北河内・枚方の原風景。
病院からはよく見えます。マンションからならいつでも見える光景でしょうけど、
戸建ての我が家からは全く見えません。

それでも今日4/18(金)退院して帰ってきた、木と土と竹と紙でできた我が家。
高層階からの景色よりも癒されます。
春ののどかな陽射しのなか、窓を全開にして、まずは庭の土いじり。

春と秋。網戸なしで全開放できる一年に二度の貴重な時候。

猫の額の庭ですが、妻が大好きなヤマブキをシンボルツリーにしました。

植えたときは小さな苗木だったものが、ワッサワッサになりました。
2021/5/22稿「シンボルツリー(?!)・・・入居半年後にして植付け~植木職人の技から始まる庭づくり」

このヤマブキを眺めるため?に大開口にした掃出し窓、実は
他は樹脂アルミ複合サッシのところ、ここだけは木製サッシにしたかったものが、
どうしても予算の都合でアルミサッシになってしまったのが残念!

ウッドデッキとさらに一体化するよう、木質化を模索しているところ・・・。
と思って早ズボラ3年、遠からずDIYを記事にしたいと思っているのですが・・・。


我が家にはもう一か所、大開口の縁側的なところががあります。
それが玄関。どうしても両開きに!とお願いしたところです。

今の季節は網戸は要らないんですが、ここは網戸も木製。
この網戸、外からは開けらないようになっています。

玄関ホールと居間は、全開にできる格子戸で仕切ることができるようにしてあります。
玄関の外側にも格子があるので、前の通りからは中は見えません。

この手彫り名栗の式台に腰かけて、通りで遊ぶ子どもたちの声を聞いているのも、
街の活気が感じられて我が家で最も気に入っているところの一つ。
2020/8/10稿「京名栗 杉の玄関式台~京都京北 原田銘木店の名人技」

土間は、土とニガリを混ぜて突き固めた本物の三和土(タタキ)。
我が家が木と土と竹と紙でできた家たる所以の一つです。
2020/10/15稿「三和土 たたき タタキ・・・本来の土間~日本の住居の原点」


天然乾燥の木と自然の土に囲まれて外と繋がる家。
新建材に密封されて数値上の「性能」を追求するような家と、
その心地よさは比べるべくもありません。

今日4/12(土)明日13(日)は、待ちに待った「​削ろう会全国大会大阪交野大会​」。


会場は、大阪・交野市、​いきいきランド交野​。


我が家を手掛けてくれた棟梁、
なんと「削ろう会」薄削り鉋掛けで全国優勝した経験の持ち主!

手刻みの我が家の柱は、3年以上たって今も艶光りしています。


2021年の​京都亀岡大会​に見に行きましたが、
(☞2021/11/14稿「削ろう会全国大会㊗優勝 … 我が棟梁! ~ 伝統の大工技能を磨く」)

​トップクラスの腕利きの大工さんたちが全国から集まって、
ミクロンの透けて見える鉋掛けをするさまは、圧巻です。


(☝昨年春のプレ企画)
体験コーナーや飲食の模擬店もあって、子どもたちも楽しめます。

JR河内磐船・京阪河内森から徒歩圏、第二京阪高速交野南ICすぐと交通の便もいいので、

ぜひお誘い合わせのうえ行ってみては?オススメです!

https://kezuroukai-katano.to-ryou.com/

https://www.facebook.com/profile.php?id=61559706958175

https://www.instagram.com/kezuroukai_osaka.katano/


ちょうどこの土・日は、大阪関西万博の開会式・初日。
今朝のテレビは、万博の話題テンコ盛り。
でも地元大阪でも、ほとんど盛り上がりを感じません。

というのも、大阪湾の埋め立て地「夢洲」にカジノをつくりたいがために、
インフラ整備を税金で賄おうというのがこの万博だから。
しかも「大阪都構想」同様、ウソにまみれているから。

そのひとつ、もっともガッカリしたのが、
大阪関西万博の目玉、ギネス世界最大の木造建築「大屋根リング」。
清水の舞台と「同じ」伝統工法だと?!


その構想が発表されたとき、本当にワクワクしたものでした!
(☞2022/07/19稿<br>「大阪・関西万博のシンボルが世界最大級の木造建築って … しかも伝統的構法 ~ 我が家と同じ!規模違い過ぎ!!」)

なのに、国産材の振興などと言いながら、ほとんど​フィンランド​からの輸入材。
しかも​集成材​、ボルト止め。会期の半年もてばいいという設計。
何百年もつ日本の匠が受け継ぎ発展させてきた古来の​伝統工法とは似て非なるもの​!

デザインはアップル本社の​パクリ疑惑​が言われてるし、

雨曝しの集成材だから​雨滲み​がひどいのは言わずもがな。

とてもじゃないけど何十年さえもちそうにないし、​木材の再利用​なんてできない。

マスメディアは協賛してるから、ネガティブなことはほとんど報道しない。
けど、大阪はウソとゴマカシがまかり通るということを世界に晒すような大阪関西万博。
1970年の大阪万博に胸躍らせた世代だけに、本当にガッカリさせられます。

伝統工法の担い手の匠たちが全国から集まる
「削ろう会全国大会大阪交野大会」
大阪に来るなら、紛い物の万博より、本物に出会える「削ろう会」!

この石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の新居に、

暮らし始めてから、4度目のお正月を迎えました。


​​(昨年末、息子の家のすぐ近くの畑付きの古家を、縁あってセカンドハウスにすることができました。)​​

一昨年12/8に肝臓癌の摘出手術をし、

昨年はその合併症に難儀しましたが秋にはすっかり回復。

12/12には白内障の手術、晴れて眼鏡なしの新年です。


そんな病院通いの続く一年間、ブログの更新も滞りがちでしたが、

元気になった勢いで、年末12/29には名古屋に妻と久しぶりの旅行。

我が家と同規模の伝統構法の家が竣工と聞いて、その見学会です。

(これはウチではなく、名古屋の石場建てです。)


「​水野設計室​」「​紬建築​」による、都会の住宅地の小規模な石場建て。

木組み、土壁・板壁が美しい。木製サッシも際立っています。

我が家同様、大都市圏の伝統構法の家の好実例です。


あわせて知多半島・武豊の「​家工房 風​」にもお伺いしました。

徹底的に自然素材にこだわる工務店。

このホンモノの家を求めて名古屋の旅は、また稿を改めて。


さて新年を迎えて、恒例の​ことほき​のしめ飾り。

いつも庭にあるものでアレンジするんですが、

ブログを見返してみると毎年違っていることに気が付きました。



そしてこれまた恒例の、the実家しつらえ。

昨年末にダイニングテーブルの向きを変えてみたんで、

座卓の配置が昨年の正月と同じとはいかず・・・。



たった6畳+8畳に、大人こども親戚十数人が集まります。

昨年は座布団で脚がしんどかったというので、

妻の発案でスタッキング座敷椅子を購入しました。


そして大量の食材、冷蔵庫に入り切りません!

そこで役立ったのが、昨年秋に息子に建ててもらった倉庫。

冬は冷蔵庫ぐらいの温度なので、ちょうどいい。


(これについても、稿をあらためて・・・。)
 

さあ、今から来るので、家の前を空けておきましょう。

我が家の車は軽だったんですが、

冒頭に述べた園部に通うのに普通車を手に入れました。



しばらくブログの更新を怠っていたので、ネタが溜まっています。

今年はせっせと投稿していければと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

8/2稿「連日の猛暑日…最高気温40℃に迫る!~地球沸騰化時代に相応しい家とは」​で、

その日はこの夏最高気温の猛暑だったなか退院したことを載せましたが、

今日8/6の午前中は通院で出かけたので、試みに朝からずっとエアコンなしにしてみました。
 

というのも、愛知県で伝統構法に取り組まれている

『木と土と風の家 家工房』​代表の鹿嶌さんが、以下のように言われていたので、
我が家でも試してみたんです。

(鹿嶌さんのfacebookより要旨↓)

・・・我が家にはエアコンがないので昼間も夜も窓を開け放っていて、その日の外気温35度で室温29度。

そんな暮らしをかれこれ30年続けているが今年の夏も変わらず涼しく暮らしている・・・云々と。

今日は朝から照り付ける太陽! グングン気温が上がり・・・

帰宅した14時ごろには、このところ連日のように体温を超える猛暑。
我が家の2階インナーバルコニー(日陰)で外気温は36.9℃=この日の最高気温。

 

でも、家に入ると心持ちヒンヤリ。といっても、32.5℃。

これを涼しいというか?
 

朝から窓は全開で、直射日光は室内に射さないよう遮ってありました。

軒が深いので腰高窓には陽は射しませんが、

​掃出し窓はスリットシャッターを下ろして施錠し、障子は上下を開けてありました。

​(↑スリットシャッターと障子を少し開けてみたところ。)​​

32℃台といえば、大阪の1970(昭和45)年8月の最高気温はだいたい33~せいぜい34℃台。
​​(↑気象庁の統計より)☜気象庁link

家にはクーラーなんてなく、窓全開放で扇風機を回して過ごしていました。

暑かったけど、それで外で遊んでいました。

そんな時代の大阪・千里万博でした。暑いなか、アメリカ館やソ連館に並びました。

来年は大阪・関西万博。あのころと違って体温を超える猛暑のなか、大丈夫なんでしょうか。


そんなことを思いながら、最高気温の時間をあの頃のように扇風機だけで過ごしてみました。

さて2階はといえば、今日14時の室温は・・・さすがに暑い!34.4℃。

でも、このところの連日の体温を上回る気温のことを思えば、

エアコンなし扇風機だけで過ごせないわけではないか。
 

私は「男はつらいよ」の映画が好きで、ネット配信で見ることがあるんですが、

お団子屋「とらや」は真夏でも表も裏も開けっ放しで、もちろんエアコンなし。

その店内も、32℃ぐらいだったんでしょうか。

(去年のちょうど今頃、葛飾柴又に行ってきました。)


先述の鹿嶌さんの、知多半島の付け根、海にほど近いお宅よりはずいぶん暑い大阪・枚方ですが、

石場建て伝統構法…無垢材・土壁・和瓦葺の家は、なんとかエアコンなしで過ごせないことはない。

鹿嶌さんのおっしゃるように、
我が家も外気温が30℃台前半の時季は、室温は30℃未満だったので、エアコンは不要でした。
(6/11稿「窓全開…最高気温31℃~遅い梅雨入り」参照)

猛暑日に停電しても、クーラーが故障しても、なんとかなる・・・。

新建材で密封して機械空調に頼る家とは、ここが大きく異なるところ。
 

今日は15時過ぎから、雷鳴と共にものすごい夕立! 17時過ぎまで降り続きました。

もちろん窓は全開のまま。軒が深いので、雨は入ってきません。

31℃台に下がった外の風が入ってくるんで、結局ずっとエアコンなしで過ごせました。
 

とはいえ、私は通院で仕事を休んでゆっくり過ごしていましたが、

妻がもうすぐ疲れて帰ってくるんで、今からエアコンは入れましょう!

なんせ窓全開だったので、部屋の湿度が外と同じ70%ですから・・・。

 

今日は広島原爆の日。朝から30℃ほどのなか、

平和記念式典での小学生による​『平和への誓い』​が胸に刻まれました。

79年前1945(昭和20)年8月6日の広島の最高気温31.5℃は、耐えがたいものだったことでしょう。
 

この夏、「ひろしま-1945年8月6日、原子雲の下の真実-デジタルリマスター版」を見に行こうと思います。

出町座(京都)​・​シアターセブン(大阪)​などで、8月上映。


<8/7追記>
鹿嶌さんがおっしゃるには、
土壁・土葺き屋根・長い軒・木製建具・通風計画・・・等、
エアコンを使わないで生活する為に考えられる事は全て設計の段階で取り入れたので、
エアコンはどの部屋も設置しておらず、よく風が通るけど無風の時は扇風機い、
窓は全開にして網戸もなく、寝間は蚊帳を使っているそうです!
※お問い合わせ・・・​『木と土と風の家 家工房』​​


明日は立秋! 暑さピークの時季。
我慢しない程度に、できるだけ機械に頼らない暮らしをしたいものです。

6/11稿「窓全開…最高気温31℃~遅い梅雨入り」​で、
「8月には肝臓に入れている管を外せそう」と書いて・・・
その入院(7/29~)から今日(8/2)退院してきました。

結果的、血液検査の値により管を外すのはしばらく延期になったんですが、
入院を続ける理由がないほど元気なんで、想定外に早く帰宅できました。
冷房完備、高層階で眺望が良く、三食付き! リゾート気分の5日間。

出てきたら、暑い!!! 今日の枚方は、この夏一番の猛暑。

深い軒とウッドデッキの琉球朝顔のお陰で室内には直接の陽射しはありませんが、
猛暑日(外気温35℃以上)とあってはさすがにエアコンなしとはいきません。

2階のインナーバルコニーの温度計で最高気温38.5℃
NHKの天気情報​によると、40℃に迫ったようです!

しかも、風がほとんどない。

1階はエアコン37℃設定で、室温38℃。

外壁は無垢杉板と土壁で、断熱材は入っていません。
石場建てなんで、床下に空気が澱まないのも、効果があるんでしょうか。

我が家は1階と2階は空気の断絶がないので2階のエアコン1台でも1階まで冷やせるんですが、
今日は2階はエアコンは入れずに窓全開。超低気密状態です。

2階の東側の部屋は朝陽は射しますが、窓格子に簾を掛けてあって、障子を閉めています。
午後からは直射日光は屋根だけということもあってか、室温は最高34.5℃でした。

2階の西側の部屋は、さすがにそうはいきません。
東側と同様に簾も障子も有りですが、35.5℃まで上がりました。

暑くないとは言えませんが、不思議とそれでも実感として不快感があまりないのは、
無垢材と土壁の家たる所以でしょう。

これで風が通り抜けて風鈴でも鳴ればればいいんですが・・・とはいえ、
39℃の風が入ってきても、かえって暑そう!・・・無風でも今日はよかったのかな?
日が暮れて外気温が室温より下がったら、小屋裏換気扇で排気しようと思います。

この後、21時でも31℃、最低気温も28℃の予報。
連日の猛暑日・熱帯夜! やっぱり冷房完備の病院に入院しとく方がよかったかな?!
いやいや、夏を旨とする伝統構法の家で自然と共存している方が、健康的でしょう。

今日6/11は、定期通院日。昨年12/7の入院手術から早半年。
今日の検査・診察で、8月には肝臓に入れている管を外せそうだとのこと。
今はシャワーしか浴びられないので、早く湯舟に浸かりたい! 温泉に行きたい!!
(参照:​2023/12/29稿「入院中の病室の窓から・・・」​)



近畿地方の梅雨入りは平年6/6だそうですが、今年は当分まだのよう。
今日の枚方、我が家の2階インナーバルコニーの外気温は、31℃!…真夏日。
朝の天気予報から​「室内での熱中症に注意!エアコンを入れて室温を28℃に。」​と。



こんな日でも、木と土と草と紙でできた伝統構法の我が家に、エアコンはいりません。
家中の窓を全開。軒が深いので、高い高度の日光は遮られます。
玄関の扉も、両側に全開。格子で外からの視線を遮りつつ、縁側のようにそよ風が通ります。



書斎の窓も全開。
明かりは上側の窓から入れて、風は下側の窓から通します。
格子と障子が程よく表からの視線を遮ります。



真夏日の外気を敢えて入れてみて、1階の最高室温は28℃。エアコン推奨温度。
外壁は土壁に3cm厚の無垢杉板張りのみ。断熱材は一切入っていません。
(参照:​2020/4/25稿「土壁:荒壁付け・・・」​)
(参照:​2020/8/30稿「外壁材は無垢杉・・・」​)

2階も窓全開。さすがに屋根には​、杉皮製の断熱材フォレストボード​が入れてあります。
それで最高室温は29℃。涼しくはないけど、風の動きもあって実体感として暑くはない。
午前中の室温が25~26℃ぐらいで窓を閉めた方が、涼しいかもしれませんが。



窓は断熱・気密の敵!とばかりに窓を極力小さく少なくして、
エアコンが最も省エネの空調!とばかりにエアコンを入れて24時間機械換気。
そんな現代の家は、本当にエコなんでしょうか?

さすがに35℃以上の猛暑日になろうかという日はエアコンを使えばいいですが、
日本の伝統的な造りの家は、そもそも電気で空調することが前提になっていない。
本当の省エネとは、消費電力が少ない電気機器ではなく、電気が無くても大丈夫ということでしょう。

そんな家、古民家ではなく現代の新築が、ここにあります。
そして、全国にあって、今でもあちこちで建築中です。
「伝統構法」「石場建て」「気候風土適応住宅」などのキーワードで検索してみては?!

刳物・漆芸職人の息子によるDIYシリーズ第3弾です。とはいえ、

3/28稿「杉皮塀DIY・・・」​が3月7日と22日のこと、

3/30稿「木製ベッドDIY・・・」​が2月6日と9日のことと遡ってきて、

今日4/2の投稿は昨年12月26日のことですから、実のところは第1弾。


一度目の入院・手術から帰宅したのが12月26日だったことは、​12/29稿​で述べました。

その日は、以前から息子に頼んであった栗無垢材一枚板テーブルの搬入の日でもありました。


このテーブルの天板だけは、実は2021年1月の入居時に持ち込んで、

あり合わせの既製品の机の脚と仮組して、とりあえず使い始めていたたんです。

そのことは​2021/1/15稿​にも記載しましたが、この栗の無垢板は2018年に

刳物・漆芸職人の卵だった息子が、師匠と一緒に岐阜の原木市で入手してきたものです。


けれど、仮組だったのでグラつき始めたのと、まったくの無塗装だったので

3年ほど使う間に表面にかなりシミがついてしまっていました。


そこで私が入院してダイニングテーブルなしでも何とかなる間に、

脚を新たに制作してもらうことにして京都・園部の工房に一旦引き取ってもらい、

病院から私がデザインイメージだけ送って、息子のオリジナルで作ってもらっていたんです。


工房の在庫材から天板と同じ栗材をチョイス。手刻みしていきます。

天板は一枚板で幅が狭いので、元のようにT字型してくれるよう頼みました。

元のは木ネジやボルトで組んであったんですが、今回は完全に​仕口​の木組みのみ!

ホゾ穴​に​ホゾ​を差し込むだけで組み立てていきます。


この足を天板に取り付けるのは・・・。

天板の栗無垢板は、入手してから5年ほどになる天然乾燥材。

よく見ると​木表​側に少し反ってきていたので、

メープルの無垢材を手刻みした蟻桟を天板の裏に組み込んで反りを止めます。



これを、​蟻形吸付き桟接ぎ(アリガタスイツキザンツギ)​というそうです。

多少でも反っている板に真っ直ぐな蟻桟を叩き込んでいくのはなかなか難しいのですが、

さすが師匠のお墨付きで仕入れた素性のいい栗無垢板、

粘り伸びながら入っていったそうです。


そして天板の表面は、当初も手鉋をかけてあったんですが、

シミなどの汚れを消しつつ平滑にするために再度手鉋をかけ直します。

サンダー仕上げにはない艶が生まれます。



以前はとりあえず無塗装で使ってみてたんですが、

今回は亜麻仁油ベースの浸透性自然塗料​ワトコオイル​仕上げになりました。



工房で仮組してうまくいったので、昨年12月26日、私の一回目の退院の日に、

一旦バラして我が家に搬入、天板の蟻桟に脚を差し込んで、接着剤で完全固定しました。



丸一日養生して、元の定位置に設置。

元のと比べて、すごくいい感じ…大阪弁で言う「シュッとした」感じになりました!

飼っていた室内犬​(2021/6/13稿参照)のために敷いてあったコルクマットは、

もういらなくなってしまったんで、このあと撤去しました。


難点?は、もう解体できないこと。
足元の木組みは、接着剤なしでもグラつかず二度と抜けない強固な仕口。


蟻桟は理屈の上では叩いたら抜けるはずですが、
天板が反っていくので抜けなくなるかもしれません。



もしお入り用でしたら、オリジナル制作のご相談にも応じるとのことです。
家具職人や大工職人ほどのクオリティーではないでしょうけどね!

今日は3/30、久しぶりに朝から晴れの土曜日。

朝の最低気温は12℃、一昨日ぐらいまでは最高気温がそんなもん。

今朝まで全館暖房用の1階のエアコンだけは20~22℃設定で24時間点けっぱなしでしたが、

今日は最高気温20℃超えの予報。朝起きてエアコンを切って、名実ともに春を迎えました。


東の窓に朝陽が射し、気分も浮かれます。

今日は近所の桜並木で桜まつり。3月当初の開花予報は3/25頃だったので、

この土日にお花見を計画していた人も多かったんじゃないでしょうか。

ところが! 暖冬だった割には3月に入ってからずっと寒く、まだほとんど咲いていません。


私は​3/28稿「杉皮塀DIY・・・」​に書いたように入院からの病み上がりで、

花見って気分でもないのですが、それでもこれから一気に咲きだすのが楽しみになる陽気。

ウッドデッキに出てみると、窓の格子を照らす朝陽が心地いい。
近所の子どもたちが繰り出してきてワイワイ。気分も自ずと明るく前向きになります。

手術の合併症による2度目の入院から帰宅したのが、2/6。

今日の投稿は、その時に​Instagram​​にアップした内容です。

かなり時機を逸してしまいましたが、遅ればせながら、その文章をぼぼそのまま引用します。


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2/6、ようやく退院。息子が迎えに来てくれて、我が家に帰ってきました。

自宅療養にはベッドが必要との医者の指示により、

息子がその日のうちにベッドを作ってくれました。(​3/28稿​の杉皮塀を作ってくれた息子です。)
これまで畳にスノコを敷いて布団に直に寝ていたんですが、

穿刺ドレナージからの排液のために高低差をつけないといけなくなったんです。

年齢的にそろそろベッドかなぁ…とも思っていたので、ま、潮時でしょう。


そのスノコがそのまま利用できるように採寸して、ベッドにしてくれました。

日暮れまでに9割方できあがり、さっそくその夜の就寝に何とか間に合いました。


翌2/7は、晴れたり降ったり不安定な天気。ふと気付く・・・

冬至ごろは南側に迫った隣家に低い太陽が隠れていたんですが、

立春を迎え、隣家の屋根の上に太陽が出てる!

19日間も家を離れていて、この少しずつの変化が感じられなかったのが残念です。


真冬には午後には陽が射さなかったのに、

午後からもこうして部屋に日光が入ってくると、春を感じます。

今日は11℃を超えて、窓全開でも陽が射せば寒さは感じません。
一昨日は東京は大雪で大変だったようですが、大阪はあんなことには例年ほとんどなりません。


なんで大阪で北国仕様の高気密高断熱住宅が必要なのか・・・?

高気密高断熱は否定しないけど、北国仕様の数値を追いかけても無意味じゃない?

無垢材・土壁・石場建ての家で、特に寒さに困ることはないんですけどねぇ・・・。


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そして2日後の2/9には息子がまた来てくれて、妻のベッドも作ってくれて、
お陰で二人とも寝起きがすごく楽になりました。

畳と土壁と障子の和室の雰囲気を損なわず、いい感じです。

それにしても、2/7は11℃で温かく感じていたんですねぇ・・・今日3/30の最低気温より低い。

20℃を超えた正午ごろ。掃出し窓を全開。今日の最高気温は22℃。

冬場は南隣の隣家の影に入って陽が当たらず、夏場は深い軒が日射を遮るので、

春と秋が我が家はいちばん明るい季節です。

いちばん隣家が込み合っている南西側にも陽が射します。



陽気に誘われて、昼間は庭いじり。どうも黄砂が・・・目が少しかゆい。

夕方のニュース・・・大阪でやっと今日、桜の開花宣言!

殺風景だった我が家の庭も、芽吹き始めました。

実に約3か月ぶりの更新となってしまいました!

昨年末の退院後に年始は自宅療養していたことを​1/2稿​で書きましたが、

1/19には手術の合併症で再入院。2/6には退院していたんですが、

なかなか調子が出ず書く気になれなかったんです。

 

そうこうしている間に立春を迎え、春の陽射しが居間に届くようになりました。

我が家は住宅密集地なので、冬場は南側の隣家の影に入ってしまうんです。

夏場は深い軒の陰で日射を遮蔽しているので、

春分・秋分前後だけ午前~午後と1階にも日光が届きます。



居間の掃き出し窓を全開にしても心地いい日和。

ところが残念なことに、みすぼらしい衝立が目にとまってしまいます。

掛けてあった葦簀の編み糸が切れ、大繁茂していた琉球朝顔が冬に枯れ、

どうしようもなくなっていました。


 

もとは​2020/12/19稿​にあるように、隣家のエネファームの低周波対策に立てた防音壁です。

ただ、このままではあまりにも無粋なんで、葦簀を掛けてあったんです。

けれど2年もすると劣化が激しく、琉球朝顔が繁茂している季節はいいんですが、

3年目を過ぎようとする今、抜本的に見直すことにしたのです。


とはいうものの、さて、どうしよう?!

ふと浮かんだのが、京都・京北の​原田銘木店​。

2020/8/10稿​にある、我が家の玄関式台の杉名栗をつくってくれた名匠の店。

以来その​Instagram​をフォローしていて目にした投稿、杉皮のこと・・・これだ!


さっそく原田さんと懇意にしている刳物/漆芸作家の息子に連絡。

一坪足らずなんて少量を譲っていただけるか気がかりだったし、

そもそも杉皮なんて扱ったことなくてどうしたらいいやら不安でしたが、

ともかく息子が発注をかけてくれて、手に入れる段取りがつきました。


そして3月7日、息子が京都・園部の工房から材木を抱えて来てくれました。

地元の元棟梁の在庫を譲ってもらったという、天然乾燥の杉や米ヒバ材。

野ざらしになるので、耐水性・防虫・防腐に優れた材です。

これを杉皮を張る土台にするべく、アルミ製の防音壁に取り付けます。


さて、どうやって取り付けたものか・・・。

両端の支柱は、元もと防音壁にあったボルトを利用して固定。

上部を表裏から挟み込み、笠を掛けることにしました。

施工第1弾は夕方までかかって、あらためて見てみると、町内会の掲示板みたい!


日を改めて3月22日、施工第2弾。

杉皮押さえの竹と、原田銘木店からの杉皮1束とを抱えて、息子がまた来てくれました。

といっても、息子も杉皮なんて扱ったことなく、

杉皮の裏ってこんなんなんや!と、開けてビックリ。

しかも水盤や植込みとフェンスの間の僅かな隙間。
腕が入る余地もなく、施工はなかなか大変です!

原田さんに施工のことはある程度教わってきてくれましたが、

現場は現場なりの工夫が必要です。

あーでもない、こーでもないと父子で知恵を出し合いながらの現場合わせ。

なんとか夕方5時には一応の完成を見ることができました。


これで、居間の掃き出し窓を開けて見たときの印象が、断然よくなりました。

まさか防音壁とは思えない!

ホンモノの杉皮塀はこんなものではないのかもしれないけれど、

DIYとしては上出来。石場建て伝統構法の我が家に、今風に言えばバエます!


翌3/23~26は、あいにくの菜種梅雨。でも、雨に濡れる杉皮もいいもんです。

むしろ乾いているよりいい表情。

木の皮はそもそも雨風や虫害から身を護るもの、耐久性にも優れています。

3/27には朝陽が射して、濡れた杉皮塀が輝いていました。

暖冬だった割には寒さが長引いたこの春。
いよいよ今週末からは、桜が咲き始めます!

まずは元旦早々「​令和6年能登半島地震​」で被災された方々にお見舞い申し上げます。




例年1月1日には投稿していたんですが、

退院後体調が本調子ではなく、ちょっと余裕がありませんでした。

(参照:​23/12/29稿「入院中の病室の窓から・・・」​)


それで妻の実家に挨拶に行ってのんびりしてたら、緊急地震速報! 午後4時過ぎ。

大阪・枚方でも震度3、けっこう揺れました。

築五十年ほどの家、​耐震改修リフォーム​をしておいて良かったです。


我が家を新築するにあたり、石場建て・伝統構法を採用したのは、

第一に耐震性を考えてのことでした。

(参照:​石場建てのすすめ​)

(参照:​伝統的構法木造建築物のための耐震設計法・耐震補強設計法​)


南海トラフ大地震が遠からず予想されています。

地震への備えは万全を期しておきたいものです。



さて、​退院後体調が本調子ではなく​・・・と言いましたが、

​12/29稿​では触れていませんでしたが、実は入院中に4人部屋の同室の方が新型コロナ陽性に!

私はPCR陰性だったんですが、濃厚接触者として個室隔離になっていました。


そして退院間際の12/25、PCR再検査でなんと!陽性反応が出てしまったのです。

今はコロナもインフルエンザと同じ5類扱いで退院はできたんですが、

12/29まで自宅内隔離となってしまいました。

 

私自身はとりたててコロナの症状はなかったのですが、

お正月を前に妻に移してしまっては大変!ということで、

臨時に3畳の小上がり書斎に布団を敷きこんで、隔離個室としました。

私自身はとりたててコロナの症状はなかったのですが、

お正月を前に妻に移してしまっては大変!ということで、

臨時に3畳の小上がり書斎に布団を敷きこんで、隔離個室としました。

 

この部屋は今は日常的に書斎ですが、

将来的に介護が必要になったときを想定して設けた部屋でもあります。

それがさっそく役に立ったというわけです。

小上がりですから、ベッドと同じように使えます。

トイレに行くにも立ち上がりやすいし、

ダラダラ寝転んだり敷きこんだ布団に腰かけたり、WEB環境も完備。


幸いコロナ自体は熱もなく症状も何ということなく隔離期間は終了。

でもやはり大きな手術を受けたあと。

多少の痛みは残っているし、体力もかなり落ちています。


それでも少しでもお正月の準備をと鏡餅を飾ったり、

今年もしめ飾り作りプロジェクト​「ことほき」​のしめ飾りを、

自分でいろいろ飾り立てて玄関先にかけてみました。


 

そして今日1月2日は、我が家がTHE実家になる日。
1年に1度だけの折りたたみ座卓を引っ張り出してきました。

夫婦2人住まいの僅か建延30坪ほどの狭い家に、

2組の息子夫婦と孫たちや親戚が集まってきます。



今もウクライナやパレスチナで戦火が絶えないなか、

ポカポカ11℃の暖かい陽射しに平和が身に沁みます。

今年も健康第一に、前向きにいこうと思います。


この家に暮らし始めてから3年間。このブログには、

今どきの新建材で密閉し機械換気に頼った高性能高気密高断熱住宅とは敢えて逆をいく、

日本古来の現代的建築手法による家の四季を通した実際の住み心地を綴ってきました。


今年も同様に、この石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家の経年変化を踏まえつつ、

これまでとは異なった視点も織り交ぜていきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。