伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

今日6/11は、定期通院日。昨年12/7の入院手術から早半年。
今日の検査・診察で、8月には肝臓に入れている管を外せそうだとのこと。
今はシャワーしか浴びられないので、早く湯舟に浸かりたい! 温泉に行きたい!!
(参照:​2023/12/29稿「入院中の病室の窓から・・・」​)



近畿地方の梅雨入りは平年6/6だそうですが、今年は当分まだのよう。
今日の枚方、我が家の2階インナーバルコニーの外気温は、31℃!…真夏日。
朝の天気予報から​「室内での熱中症に注意!エアコンを入れて室温を28℃に。」​と。



こんな日でも、木と土と草と紙でできた伝統構法の我が家に、エアコンはいりません。
家中の窓を全開。軒が深いので、高い高度の日光は遮られます。
玄関の扉も、両側に全開。格子で外からの視線を遮りつつ、縁側のようにそよ風が通ります。



書斎の窓も全開。
明かりは上側の窓から入れて、風は下側の窓から通します。
格子と障子が程よく表からの視線を遮ります。



真夏日の外気を敢えて入れてみて、1階の最高室温は28℃。エアコン推奨温度。
外壁は土壁に3cm厚の無垢杉板張りのみ。断熱材は一切入っていません。
(参照:​2020/4/25稿「土壁:荒壁付け・・・」​)
(参照:​2020/8/30稿「外壁材は無垢杉・・・」​)

2階も窓全開。さすがに屋根には​、杉皮製の断熱材フォレストボード​が入れてあります。
それで最高室温は29℃。涼しくはないけど、風の動きもあって実体感として暑くはない。
午前中の室温が25~26℃ぐらいで窓を閉めた方が、涼しいかもしれませんが。



窓は断熱・気密の敵!とばかりに窓を極力小さく少なくして、
エアコンが最も省エネの空調!とばかりにエアコンを入れて24時間機械換気。
そんな現代の家は、本当にエコなんでしょうか?

さすがに35℃以上の猛暑日になろうかという日はエアコンを使えばいいですが、
日本の伝統的な造りの家は、そもそも電気で空調することが前提になっていない。
本当の省エネとは、消費電力が少ない電気機器ではなく、電気が無くても大丈夫ということでしょう。

そんな家、古民家ではなく現代の新築が、ここにあります。
そして、全国にあって、今でもあちこちで建築中です。
「伝統構法」「石場建て」「気候風土適応住宅」などのキーワードで検索してみては?!

刳物・漆芸職人の息子によるDIYシリーズ第3弾です。とはいえ、

3/28稿「杉皮塀DIY・・・」​が3月7日と22日のこと、

3/30稿「木製ベッドDIY・・・」​が2月6日と9日のことと遡ってきて、

今日4/2の投稿は昨年12月26日のことですから、実のところは第1弾。


一度目の入院・手術から帰宅したのが12月26日だったことは、​12/29稿​で述べました。

その日は、以前から息子に頼んであった栗無垢材一枚板テーブルの搬入の日でもありました。


このテーブルの天板だけは、実は2021年1月の入居時に持ち込んで、

あり合わせの既製品の机の脚と仮組して、とりあえず使い始めていたたんです。

そのことは​2021/1/15稿​にも記載しましたが、この栗の無垢板は2018年に

刳物・漆芸職人の卵だった息子が、師匠と一緒に岐阜の原木市で入手してきたものです。


けれど、仮組だったのでグラつき始めたのと、まったくの無塗装だったので

3年ほど使う間に表面にかなりシミがついてしまっていました。


そこで私が入院してダイニングテーブルなしでも何とかなる間に、

脚を新たに制作してもらうことにして京都・園部の工房に一旦引き取ってもらい、

病院から私がデザインイメージだけ送って、息子のオリジナルで作ってもらっていたんです。


工房の在庫材から天板と同じ栗材をチョイス。手刻みしていきます。

天板は一枚板で幅が狭いので、元のようにT字型してくれるよう頼みました。

元のは木ネジやボルトで組んであったんですが、今回は完全に​仕口​の木組みのみ!

ホゾ穴​に​ホゾ​を差し込むだけで組み立てていきます。


この足を天板に取り付けるのは・・・。

天板の栗無垢板は、入手してから5年ほどになる天然乾燥材。

よく見ると​木表​側に少し反ってきていたので、

メープルの無垢材を手刻みした蟻桟を天板の裏に組み込んで反りを止めます。



これを、​蟻形吸付き桟接ぎ(アリガタスイツキザンツギ)​というそうです。

多少でも反っている板に真っ直ぐな蟻桟を叩き込んでいくのはなかなか難しいのですが、

さすが師匠のお墨付きで仕入れた素性のいい栗無垢板、

粘り伸びながら入っていったそうです。


そして天板の表面は、当初も手鉋をかけてあったんですが、

シミなどの汚れを消しつつ平滑にするために再度手鉋をかけ直します。

サンダー仕上げにはない艶が生まれます。



以前はとりあえず無塗装で使ってみてたんですが、

今回は亜麻仁油ベースの浸透性自然塗料​ワトコオイル​仕上げになりました。



工房で仮組してうまくいったので、昨年12月26日、私の一回目の退院の日に、

一旦バラして我が家に搬入、天板の蟻桟に脚を差し込んで、接着剤で完全固定しました。



丸一日養生して、元の定位置に設置。

元のと比べて、すごくいい感じ…大阪弁で言う「シュッとした」感じになりました!

飼っていた室内犬​(2021/6/13稿参照)のために敷いてあったコルクマットは、

もういらなくなってしまったんで、このあと撤去しました。


難点?は、もう解体できないこと。
足元の木組みは、接着剤なしでもグラつかず二度と抜けない強固な仕口。


蟻桟は理屈の上では叩いたら抜けるはずですが、
天板が反っていくので抜けなくなるかもしれません。



もしお入り用でしたら、オリジナル制作のご相談にも応じるとのことです。
家具職人や大工職人ほどのクオリティーではないでしょうけどね!

今日は3/30、久しぶりに朝から晴れの土曜日。

朝の最低気温は12℃、一昨日ぐらいまでは最高気温がそんなもん。

今朝まで全館暖房用の1階のエアコンだけは20~22℃設定で24時間点けっぱなしでしたが、

今日は最高気温20℃超えの予報。朝起きてエアコンを切って、名実ともに春を迎えました。


東の窓に朝陽が射し、気分も浮かれます。

今日は近所の桜並木で桜まつり。3月当初の開花予報は3/25頃だったので、

この土日にお花見を計画していた人も多かったんじゃないでしょうか。

ところが! 暖冬だった割には3月に入ってからずっと寒く、まだほとんど咲いていません。


私は​3/28稿「杉皮塀DIY・・・」​に書いたように入院からの病み上がりで、

花見って気分でもないのですが、それでもこれから一気に咲きだすのが楽しみになる陽気。

ウッドデッキに出てみると、窓の格子を照らす朝陽が心地いい。
近所の子どもたちが繰り出してきてワイワイ。気分も自ずと明るく前向きになります。

手術の合併症による2度目の入院から帰宅したのが、2/6。

今日の投稿は、その時に​Instagram​​にアップした内容です。

かなり時機を逸してしまいましたが、遅ればせながら、その文章をぼぼそのまま引用します。


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2/6、ようやく退院。息子が迎えに来てくれて、我が家に帰ってきました。

自宅療養にはベッドが必要との医者の指示により、

息子がその日のうちにベッドを作ってくれました。(​3/28稿​の杉皮塀を作ってくれた息子です。)
これまで畳にスノコを敷いて布団に直に寝ていたんですが、

穿刺ドレナージからの排液のために高低差をつけないといけなくなったんです。

年齢的にそろそろベッドかなぁ…とも思っていたので、ま、潮時でしょう。


そのスノコがそのまま利用できるように採寸して、ベッドにしてくれました。

日暮れまでに9割方できあがり、さっそくその夜の就寝に何とか間に合いました。


翌2/7は、晴れたり降ったり不安定な天気。ふと気付く・・・

冬至ごろは南側に迫った隣家に低い太陽が隠れていたんですが、

立春を迎え、隣家の屋根の上に太陽が出てる!

19日間も家を離れていて、この少しずつの変化が感じられなかったのが残念です。


真冬には午後には陽が射さなかったのに、

午後からもこうして部屋に日光が入ってくると、春を感じます。

今日は11℃を超えて、窓全開でも陽が射せば寒さは感じません。
一昨日は東京は大雪で大変だったようですが、大阪はあんなことには例年ほとんどなりません。


なんで大阪で北国仕様の高気密高断熱住宅が必要なのか・・・?

高気密高断熱は否定しないけど、北国仕様の数値を追いかけても無意味じゃない?

無垢材・土壁・石場建ての家で、特に寒さに困ることはないんですけどねぇ・・・。


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そして2日後の2/9には息子がまた来てくれて、妻のベッドも作ってくれて、
お陰で二人とも寝起きがすごく楽になりました。

畳と土壁と障子の和室の雰囲気を損なわず、いい感じです。

それにしても、2/7は11℃で温かく感じていたんですねぇ・・・今日3/30の最低気温より低い。

20℃を超えた正午ごろ。掃出し窓を全開。今日の最高気温は22℃。

冬場は南隣の隣家の影に入って陽が当たらず、夏場は深い軒が日射を遮るので、

春と秋が我が家はいちばん明るい季節です。

いちばん隣家が込み合っている南西側にも陽が射します。



陽気に誘われて、昼間は庭いじり。どうも黄砂が・・・目が少しかゆい。

夕方のニュース・・・大阪でやっと今日、桜の開花宣言!

殺風景だった我が家の庭も、芽吹き始めました。

実に約3か月ぶりの更新となってしまいました!

昨年末の退院後に年始は自宅療養していたことを​1/2稿​で書きましたが、

1/19には手術の合併症で再入院。2/6には退院していたんですが、

なかなか調子が出ず書く気になれなかったんです。

 

そうこうしている間に立春を迎え、春の陽射しが居間に届くようになりました。

我が家は住宅密集地なので、冬場は南側の隣家の影に入ってしまうんです。

夏場は深い軒の陰で日射を遮蔽しているので、

春分・秋分前後だけ午前~午後と1階にも日光が届きます。



居間の掃き出し窓を全開にしても心地いい日和。

ところが残念なことに、みすぼらしい衝立が目にとまってしまいます。

掛けてあった葦簀の編み糸が切れ、大繁茂していた琉球朝顔が冬に枯れ、

どうしようもなくなっていました。


 

もとは​2020/12/19稿​にあるように、隣家のエネファームの低周波対策に立てた防音壁です。

ただ、このままではあまりにも無粋なんで、葦簀を掛けてあったんです。

けれど2年もすると劣化が激しく、琉球朝顔が繁茂している季節はいいんですが、

3年目を過ぎようとする今、抜本的に見直すことにしたのです。


とはいうものの、さて、どうしよう?!

ふと浮かんだのが、京都・京北の​原田銘木店​。

2020/8/10稿​にある、我が家の玄関式台の杉名栗をつくってくれた名匠の店。

以来その​Instagram​をフォローしていて目にした投稿、杉皮のこと・・・これだ!


さっそく原田さんと懇意にしている刳物/漆芸作家の息子に連絡。

一坪足らずなんて少量を譲っていただけるか気がかりだったし、

そもそも杉皮なんて扱ったことなくてどうしたらいいやら不安でしたが、

ともかく息子が発注をかけてくれて、手に入れる段取りがつきました。


そして3月7日、息子が京都・園部の工房から材木を抱えて来てくれました。

地元の元棟梁の在庫を譲ってもらったという、天然乾燥の杉や米ヒバ材。

野ざらしになるので、耐水性・防虫・防腐に優れた材です。

これを杉皮を張る土台にするべく、アルミ製の防音壁に取り付けます。


さて、どうやって取り付けたものか・・・。

両端の支柱は、元もと防音壁にあったボルトを利用して固定。

上部を表裏から挟み込み、笠を掛けることにしました。

施工第1弾は夕方までかかって、あらためて見てみると、町内会の掲示板みたい!


日を改めて3月22日、施工第2弾。

杉皮押さえの竹と、原田銘木店からの杉皮1束とを抱えて、息子がまた来てくれました。

といっても、息子も杉皮なんて扱ったことなく、

杉皮の裏ってこんなんなんや!と、開けてビックリ。

しかも水盤や植込みとフェンスの間の僅かな隙間。
腕が入る余地もなく、施工はなかなか大変です!

原田さんに施工のことはある程度教わってきてくれましたが、

現場は現場なりの工夫が必要です。

あーでもない、こーでもないと父子で知恵を出し合いながらの現場合わせ。

なんとか夕方5時には一応の完成を見ることができました。


これで、居間の掃き出し窓を開けて見たときの印象が、断然よくなりました。

まさか防音壁とは思えない!

ホンモノの杉皮塀はこんなものではないのかもしれないけれど、

DIYとしては上出来。石場建て伝統構法の我が家に、今風に言えばバエます!


翌3/23~26は、あいにくの菜種梅雨。でも、雨に濡れる杉皮もいいもんです。

むしろ乾いているよりいい表情。

木の皮はそもそも雨風や虫害から身を護るもの、耐久性にも優れています。

3/27には朝陽が射して、濡れた杉皮塀が輝いていました。

暖冬だった割には寒さが長引いたこの春。
いよいよ今週末からは、桜が咲き始めます!

まずは元旦早々「​令和6年能登半島地震​」で被災された方々にお見舞い申し上げます。




例年1月1日には投稿していたんですが、

退院後体調が本調子ではなく、ちょっと余裕がありませんでした。

(参照:​23/12/29稿「入院中の病室の窓から・・・」​)


それで妻の実家に挨拶に行ってのんびりしてたら、緊急地震速報! 午後4時過ぎ。

大阪・枚方でも震度3、けっこう揺れました。

築五十年ほどの家、​耐震改修リフォーム​をしておいて良かったです。


我が家を新築するにあたり、石場建て・伝統構法を採用したのは、

第一に耐震性を考えてのことでした。

(参照:​石場建てのすすめ​)

(参照:​伝統的構法木造建築物のための耐震設計法・耐震補強設計法​)


南海トラフ大地震が遠からず予想されています。

地震への備えは万全を期しておきたいものです。



さて、​退院後体調が本調子ではなく​・・・と言いましたが、

​12/29稿​では触れていませんでしたが、実は入院中に4人部屋の同室の方が新型コロナ陽性に!

私はPCR陰性だったんですが、濃厚接触者として個室隔離になっていました。


そして退院間際の12/25、PCR再検査でなんと!陽性反応が出てしまったのです。

今はコロナもインフルエンザと同じ5類扱いで退院はできたんですが、

12/29まで自宅内隔離となってしまいました。

 

私自身はとりたててコロナの症状はなかったのですが、

お正月を前に妻に移してしまっては大変!ということで、

臨時に3畳の小上がり書斎に布団を敷きこんで、隔離個室としました。

私自身はとりたててコロナの症状はなかったのですが、

お正月を前に妻に移してしまっては大変!ということで、

臨時に3畳の小上がり書斎に布団を敷きこんで、隔離個室としました。

 

この部屋は今は日常的に書斎ですが、

将来的に介護が必要になったときを想定して設けた部屋でもあります。

それがさっそく役に立ったというわけです。

小上がりですから、ベッドと同じように使えます。

トイレに行くにも立ち上がりやすいし、

ダラダラ寝転んだり敷きこんだ布団に腰かけたり、WEB環境も完備。


幸いコロナ自体は熱もなく症状も何ということなく隔離期間は終了。

でもやはり大きな手術を受けたあと。

多少の痛みは残っているし、体力もかなり落ちています。


それでも少しでもお正月の準備をと鏡餅を飾ったり、

今年もしめ飾り作りプロジェクト​「ことほき」​のしめ飾りを、

自分でいろいろ飾り立てて玄関先にかけてみました。


 

そして今日1月2日は、我が家がTHE実家になる日。
1年に1度だけの折りたたみ座卓を引っ張り出してきました。

夫婦2人住まいの僅か建延30坪ほどの狭い家に、

2組の息子夫婦と孫たちや親戚が集まってきます。



今もウクライナやパレスチナで戦火が絶えないなか、

ポカポカ11℃の暖かい陽射しに平和が身に沁みます。

今年も健康第一に、前向きにいこうと思います。


この家に暮らし始めてから3年間。このブログには、

今どきの新建材で密閉し機械換気に頼った高性能高気密高断熱住宅とは敢えて逆をいく、

日本古来の現代的建築手法による家の四季を通した実際の住み心地を綴ってきました。


今年も同様に、この石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家の経年変化を踏まえつつ、

これまでとは異なった視点も織り交ぜていきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

帰ってきました!! 12月26日。

12/7から入院、手術を受けて、一昨日ようやく退院して20日ぶりに自宅に戻ってきたのです。


いつもの玄関、本三和土(たたき)、鞍馬石の沓脱石(くつぬぎいし)、京名栗の式台、青森ヒバの建具。


無垢材と土が醸し出す空気感。やっぱり我が家はいいもんです。


ということで・・・。

今日は我が家…石場建て伝統構法の家の話ではなく、入院してた病院のこと。

まだ築17年という新しい病院。病室の窓に興味を覚えたという話し。



我が家から徒歩圏の場所ですが病室は9階だったのでとても眺望がよく、

入院のお陰で我が家からとは全く違った風景を眺めることができました。


特にありがたかったのは、日の出を拝むことができたこと。

我が家は東側が高くなっているので、日が昇ってくるのはかなり遅く、この時季は9時前。


ここ枚方(ひらかた)に半世紀ほど暮らしていますが、

日の出を目の当たりにしたのは初めてかもしれません。


朝7時過ぎ。生駒山系の北の端あたり、交野の竜王山(?)から顔を出す冬至前の日の出。


さて、12/22冬至の日。枚方もついに氷点下。

最低気温−1℃!朝陽に結露の滴りが輝いています。


この窓、アルミサッシの二重窓になっていて、結露しているのは外側の窓。

これが昔ながらの一重窓だと、室内がこうなってるわけですね。


この頃の家の窓はアルミ樹脂複合あるいは樹脂サッシの複層ガラスなので、

大阪あたりなら窓が結露することはほとんどないと思います。


古いアルミサッシ単層ガラスの家だと、

二重サッシにリフォームするだけで、大幅に室内環境が良くなるでしょうね。

もちろん内側のサッシは、普通の家屋なら樹脂サッシ一択でしょうけど。


(プラマード☟)


(インプラス☟)



南向きの窓なのに、朝は南向かいにある北東向きのビルの反射で、


ガーンと朝日が南から射してものすごく明るい…いい目覚めになります。


東に窓がなくても、立地次第ではこういう反射光を活かした窓配置もいいかもしれません。

昼は、冬至の頃は太陽の高度が低いので、部屋のかなり奥まで陽が射します。


冬至のこの日は枚方の最高気温は6℃までしか上がりませんでしたが、

陽射しがとっても温かく、22℃設定のエアコンは送風になっていたので暖房は切りました。


この病院の建物は鉄筋コンクリートのビルですが、各階に深い庇が掛かっています。

冬場の日射取得には影響ありませんが、夏場はこれで室内への日光を遮ることができるので、

二重サッシと相まってかなりの省エネになっているのではないでしょうか。


今どき軒も庇も無い家が幅をきかせていますが、

SDGsの観点から軒・庇の復権が望まれるところだと思います。


そしてこの病院ビルの窓の面白いところは、

外窓と内窓の間にブラインドが仕込んであるというところです。

日射遮蔽には窓の外側に簾を掛けるほうが窓の内側にカーテンを吊るより効率的なんだそうです。

 

このブラインドは冬の陽射しも明るさをそのままにうまく調節してくれます。


しかも内窓と外窓に挟まれているので、ブラインドが傷みにくい。

古い家に内窓を設置するリフォームをする場合、こういうのもいいかもしれません。


昼下がりから夕暮れにかけて、南の窓から東の内壁に、西から陽が射します。

太陽の高度が落ちてきて、部屋のかなり奥まで照らされます。


こうして見ると、昼間の日光の色とずいぶん違うのが見て取れます。


こういう低い陽射しこそ、こまめに日射をコントロールできるブラインドが功を奏します。

アメリカ映画を見ると、アメリカの普通の家の窓には、ブラインドがかなり多いようです。

ツーバイフォーとか工法だけでなく、こういうところも倣うといいんじゃないかと思います。


そして夕方5時前。淀川の河口の向こう、神戸の方角に輝く夕日。


枚方の真西の方は写真中央の箕面(みのお)の山々なんですが、
冬至頃はずっと南(左)側に沈んでいくのがよく分かります。


日没は、我が家からも見ることができます。というか、見えるように窓の位置を考えました。

けれど真西の方角、春・秋ごろは見ることができますが、

今ごろの冬至や夏至のころは隣家の陰で見られないので、ありがたい眺めです。

(参照:2021.5.4稿「西陽を楽しむ窓配置…窓からの眺望と陽の光による空間デザイン~窓の役割を見直そう」)


ここ病院では一年じゅう「朝(あした)に礼拝(らいはい) 夕(ゆうべ)に感謝」。

病気治癒の一助となるやもしれません。


冬至ということで、晩の病院食は冬至定食。


夜に見舞いに来てくれた妻は、あまりの寒さに、帰りに生姜たっぷりうどんを食べて銭湯に行ったとか。


薄味を常日頃から心がけてはいますが、久しぶりにガツンと食べたいかな。

まだ手術の傷口が生々しいので大好きな銭湯は控えるとして、

病院はシャワーしかなかったし、久しぶりに我が家のスパージュで肩湯にのんびり浸かりましょう。

(参照2022.2.19稿「極楽!肩湯…我が家のスパージュ~木組み土壁の家のユニットバス」)


それにしても、ビニルクロス張りでエアコンで空気がカラッカラの病室から

無垢材土壁の我が家に帰ってくると、あまりの住環境の違いを再認識。

本当に落ち着きます。


お正月には孫たちが来て、大騒ぎになるんやろなぁ・・・それも楽しみ!

11/7稿​「秋分の頃(今さら)…陽射しが映える木の家~街中でも日光を積極的に楽しむ」​と、

立冬(今年は11/8)に秋分の話題を掲載しましたが、

またまた…筆不精…ちょっと前、木枯らし1号が近畿で吹いた11/11頃の話題。


かかってしまいました! 大流行のインフルエンザ。出勤できません。

それで、お陰で…と言うのもおかしいですが、

普段は目にすることのない昼間の寝床からの視界を新たに知ることがでたという話。



この季節、ようやく9時頃になってから東の窓に直接陽が射し始める我が家。

東側が高い地形なので、いつもなら陽が射す前に出勤してしまいます。

サッシのペアガラスのスペーサーに反射する陽光が眩しい。


せっかくの青空、障子を全開にして熱でボーっとする目を覚まします。

引き違いではなく、2枚全開に引き込めるようにしてもらった障子。

このために​棟梁​に無理を言ったようなもの?!


寝床から見上げる木組みにも、癒されます。

垂れ下がったリボンは、照明のプルスイッチ。寝たままON/OFF。
リモコンを探す手間もなく、昔ながらのこれがいちばん便利。


お昼前、南側の窓から陽が射します。

我が家は軒が深い(約半間=90cm)ので、日の高い夏場には射さない日光。

日の低いこの時季ならではの表情です。


陽射しを眺めていると、熱は下がらないけど、寝てる気分ではありません。

昼食をとりに1階に下りてみると、ウッドデッキの琉球朝顔が満開です。



午後からは赤紫(↑)に色が変わっていきますが、

朝のうちは真っ青(↓)だったんです。
 

琉球朝顔はものすごい繁茂力で、手入れを怠っていると、

ウッドデッキの屋根を越えて2階のベランダまで咲き乱れています。

 

琉球朝顔は意外と10月中旬~11月中旬が満開の時季だそうで、

夏の7/28稿​「猛暑酷暑~最高気温日本一の枚方…伝統構法の家の真夏の作法」​を

振り返ると、葉っぱは鬱蒼としていい日除けになってるけど、あんまり咲いていません。



午後からまた2階で寝ていると、日が西に傾いた夕方になってまた陽が射してきました。

ん? 西側の土壁に、東側から!射した日光が…。


これ、東向かいの家の窓ガラスに西陽が当たった反射光。

我が家は南と南西側に隣家が迫り、冬場には午後から陽が射さないんですが、

お陰で夕方に東からの光の演出を、束の間ですが楽しめるんです。


秋分の頃は西の窓から何とか日没が直に見られるんですが、
もう今ごろ11月も下旬になると、それも南西の隣家の向こうに沈んで見られません。


(参照)11/7稿「秋分の頃(今さら)…陽射しが映える木の家~街中でも日光を積極的に楽しむ」

・・・もちろん今は簾ははずしています。

木と土と紙の家の表情が、病床を和ませてくれたという話でした。
それも「健康住宅」たる所以でしょうか。


11月の初旬にはまだ夏日(最高気温25℃超え)があったのに、

1か月もしないで最低気温が10℃を下回って、秋らしい秋を経ず一気に冬へ。


11/23勤労感謝の日、京都・南丹市園部町の紅葉の名所龍穏寺(リョウオンジ)に行ってみましたが、

色付き方が何か変? けっこう黄色いまま散り始めてる。

例年は一面真っ赤に染まっていた印象だったのですが・・・。

異常気象? この冬は暖冬傾向との予報。地球温暖化?

このところ冬を旨とする高気密高断熱住宅へと一気にシフトしようとしていますが、

やはり今こそ古来の夏を旨とする​「気候風土適応住宅」​にもっと脚光を当てていいのでは?

今さら! 秋分の日9/23に投稿しようと思いつつ、
延び延びになってしまっていた記事を・・・。



思い返せばこの秋は9月に入っても35℃を超える真夏日が続いたと思えば、

10月にはいきなり晩秋を思わせる冷え込みがあったりで、

なかなか秋らしく窓を開放して過ごすという心地よさを味わえずにいました。


そんななか本当の晩秋を迎えようというこの三連休(11/3~5)、

連日25℃を超える季節外れの夏日。窓全開というこの家らしい秋がようやく訪れた感。

けど昨夜の雨で本来の11月らしく気温はぐっと下がり、また窓を閉めることに。


夜明けが目に見えて遅くなり、日暮れもつるべ落とし。

こんなこれからの季節は昼間に日光をいっぱい室内に取り込みたいところですが、

我が家の立地は住宅の密集する街。南側に隣家が迫り、それも難しいのが辛いところ。


それでも本来なら窓全開で心地いい時候の秋分の頃には、

写真のように陽射しが当たってたんだったよなぁと、

今になって思い返してみました。




我が家のすぐ東側は河岸段丘崖。

ようやく7時40分ごろに上の団地に朝陽が反射して我が家に射し始めます。


そして8時50ごろになって、ようやく朝陽が直接あたりだします。


​​
 

それでも1階は東側の家の影に入ったまま。



 

ちょうど正午ごろには、1階リビング↓にも陽が射し込んでいます。


2階のインナーバルコニー↓にも。

真夏には深い軒のお陰で陽射しが遮られていたところです。

これが冬に向けてもっと南中高度が低くなる今ごろは

本来ならば陽射しが部屋の奥まで届いて温かいはずなんですが、

我が家の場合は南側の隣家の影に入ってしまって残念・・・住宅街のつらいところ。



夕方も秋分のころには、ちょうど2階の西の窓から夕陽を拝むことができます。

西側に、夏には忌み嫌われる窓を敢えて設けた、この時季ならではの醍醐味です。


しばし2階西側の座敷の畳に腰をおろして、

ぼんやりと西陽の明かりを眺めながら日没までのひと時を過ごすのもいいもんです。


今の時季になると南西の家の向こうに陽が沈んで日没は直には見られないんですが、
ちょうど秋分と春分のころの我が家の楽しみです。

昨日8/15は、終戦の日。台風7号が近畿地方を直撃。

正午の枚方市の防災無線による平和の鐘の放送は中止になりましたが、

1分間の黙祷を呼び掛ける知らせがLINEで届きました。


2018年の台風21号直撃のときは枚方でも被害が出たので心配されましたが、

お昼ごろ風速9m/s、雨量5mm/hになった程度で、

とりたててどうってこともなく夕方には警報も高齢者等避難も解除。




その程度だったので、我が家では窓も玄関の戸も開けて過ごしました。


外は気温27.7℃、湿度85%、室内は28.6℃、72%。不快指数79.6「やや暑い」。
けれど、土壁・無垢材の家だからか。さすがに不快感はまったくありません。

こんなときに窓を開けていても雨が吹き込まないのは、軒が深いから。



外からの風がそよいで、エアコンどころか扇風機さえいりませんでした。



何事もなかったんで今こうして書けるんですが、今日の話題は雨天時の駐車スペース。

実は、梅雨どきに書こうと用意しかけて保留になっていたネタ。

梅雨の後半は思ったほど降らず、真夏の晴天続きに突入してしまって、それっきりになってたんです。


この家を建てるときの外構整備のなかで最後まで悩んだのが、

家の横の駐車スペースに屋根を掛けるかどうか。


木製の屋根を掛けて車庫にできたら…とも思ったんですが、

何せ敷地が狭いもんで、家の横の余地は超ギリギリ5ナンバー1台分。

木製だと細い柱で片持ちってわけにいかず、四本脚では車が入るかどうか。


それに、車庫は建築面積の対象になるので、建ぺい率に含まれます。

アルミカーポートなら一定の条件を満たせば緩和措置を受けられます​​が。


(※参照:カーポートとは?・・・注意すべき点を解説)

 

・・・なら、アルミカーポート? 石場建て伝統構法の家に?!

建ててくれた​日伸建設​の棟梁、ものすごい難色!!

確かに誰が見てもこの家には釣り合わない。


以前の家は地下ガレージだったんで、車の雨ざらしに抵抗あったんですが、

どうしてもアルミカーポートの無粋さを受け入れがたく、見た目を優先!

これがサイディングの家なら、アルミでも妥協したかもしれませんが。


そう思ったのは、住宅系YouTubeで有名な

オーガニックスタジオ新潟の論説を見たことがあったのも影響しています。

アルミカーポートは景観上よろしくないという、その要旨は・・・

庭もほとんど取れない位の狭い敷地、道路からの目線で、

まず目に飛び込んでくるのは家ではなくカーポート。

これではデザイン住宅もへったくれもない、街並の潤いも失せる云々。


(参照:オーガニックスタジオ新潟 > 家づくりの知識)


そうは言っても、車の雨ざらしは仕方ないにしても、

雨の日に傘をささずに車の乗り降りができる!ということには、

設計段階からこだわりました。


そこで役立つのが、冒頭に述べた深い軒です。

雨が降っていても傘いらず…傘をさす余地もないけど…、

乗り降りに濡れることはほとんどありません。


大雨のときは、車を奥まで入れずに、玄関ポーチの下屋の下で。

これなら、そこそこ荷物があってもドアを大きく開けられます。


 

後席に乗っている人がいる場合は、玄関ポーチの下屋の前に横付け。

これで、バックドアからの荷物の出し入れも、濡れずにできます。



 

アルミカーポート屋根単体で考えると、一般的なサイズは幅2.7m×奥行5.0m。

ということは5ナンバー車を入れると、乗降する余地は90cmもないわけです。

背の高いミニバン用なら高さは2.8mほど、それでは雨は多少入り込みます。


つまり、確かに車が雨ざらしになるのは防げますが、黄砂は防げないし、

結局は雨の日に傘いらずというには不十分ですし、

しかも玄関から離れていると傘は必須になります。


それなら、別にカーポートの屋根はなくてもええやん!

軒や庇や玄関ポーチの下屋などと駐車スペースの配置を工夫すれば・・・ってことに。


家の外観を損ねるアルミカーポートなんてのは、選択肢から外す!
それで、結果的には良かったわけです。


深い軒って、室内への雨除け日除けだけでなく、

車の乗降の際の雨除けとしても活用できる!という話しでした。





台風一過、今日はまた厳しい暑さ!

でも、これは残暑。晩方には、秋の虫が聞かれます。

お盆を過ぎると、確かに真夏の峠は越えたなって実感させられます。
 

あと半月~ひと月もすれば、秋雨の時季。

雨もまた、いとをかし。

2023年の今もウクライナでは戦禍が続くなか、1945年の今日8/14は、

大阪・京橋駅が爆撃された忘るべからざる日。明日は終戦という日でした。


すぐ近くの今のOBP(大阪ビジネスパーク)は、大阪陸軍造兵廠(砲兵工廠)…東洋一の軍需工場でした。

B29爆撃機145機の650発に及ぶ爆撃が京橋駅も直撃、五百人以上の民間人が犠牲になったのです。

あれから78年、先の大戦を人類最後の戦争とするべきだったのに・・・。


NHK関西 NEWS WEB「京橋駅空襲から78年 遺族らが犠牲者を追悼」

総務省「大阪大空襲 京橋駅爆撃被災者慰霊碑」



さて、昨日8/13、京都・南丹市園部の息子一家の家に、孫に会いに行ってきました。

息子は駆け出しの木工(刳物・漆芸)作家で、自宅に工房があって、

地元の廃業した大工さんから廃材をいただいたというので、見せてもらいました。


その内のフローリング材を利用して、我が家のユニットバスの壁の一部を板張りにしようと思い付いて、

少し分けてもらって、息子に切ってもらいました。

昨日は枚方は酷い暑さ39.2℃! 園部は37.8℃・・・暑いけど木陰は風がそよいで涼しい。


天然乾燥、もう十年は寝かせてあったものでしょうか。

日焼けして赤く色づいてしまっていて、一見なんの樹種か分かりにくい。

けど、どの面を見ても節のない柾目! すごく良い材のようです。


これまた別の廃業した大工さんから譲っていただいたという年代物の鉋(カンナ)盤をかけてみます。

すると、ものすごくいいヒノキの芳香が立ちます!

いや、檜にしては香りが強すぎるというか・・・もしかして檜葉/明日檜(ヒバ/アスナロ)?!




それならヒノキチオールの効果により耐久性・耐水性が非常に高く、

まな板や桶などにも使われるほどですから、風呂にはうってつけかも!

またα-ピネンによりストレスを和らげ、気持ちをリラックスさせる効果もあるようです。

 

給湯追い炊きコントローラーのところを、鑿(ノミ)でくり抜いてもらいました。

工房には糸のこ盤もあるのですが、手引き鋸(ノコ)と鑿の方が早いそうです。



そして今日、さっそくユニットバスの壁に張ってみました。

​といっても、ユニットバスですから、釘では打てません。
そこで、こんな両面テープを使ってみました。

​(これと同じ物ではありません。)​​


耐久性は分かりませんが、貼り付けてみると、ちょっとやそっとでは剥がれそうにありません。

貼りそこなうと、やり直しが大変です!・・・ま、とりあえず3年もてばいいか。

屋外可・防水と表示してあるし、はがしても跡が残らないらしいので、また貼り直せます。



これがビフォー。このユニットバスについては、2022/2/19稿

「極楽!肩湯…我が家のスパージュ~木組み土壁の家のユニットバス」​に掲載してありますが、

なんか湯につかって正面が殺風景な気がしてたんです。


で、木張りにしてみた、これがアフター。

天井まで張ることもできたんですが、裏に通気層をとったので、

粘着力が弱ってきてもし倒れてきたら危険なので、下半分、正方形にしてみました。


もうちょっと色の薄い樹種でも良かったし、節があった方が味があったのかもしれませんが、

なんせたまたま手に入れた板なので、贅沢は言えません。

天然乾燥、しかも素人細工なんで、反りも隙間もあるのはご愛嬌!


上辺に見切り材を当てた方が腰壁としてはカッコがつくんですが、

敢えて無しにして、空気が抜けやすく水はけをよく・・・を見た目より優先しました。

ちょっと取って付けた感が強すぎたかな?


でも、湯に浸かったときの視界として、

浴槽の右横の石目模様だけでなく、温かみがでたように思います。

で、ほのかに木の香りも漂います。


今晩、今から風呂にしましょう。濡れたらどうなるかな?

妻には内緒で施工したので、どう言われるか・・・!



明日は台風7号が大阪を直撃するとの予報。

思い起こされるのは、2018年の台風21号の直撃による大きな被害。
今(21時)のところは、まだ風も雨も穏やかですが・・・。