8/22「・・・外壁材にとりかかり始めました・・・」の稿で
外壁材の下地の胴縁の打ち付けが始まったことに触れましたが、
数日前からはいよいよ外壁材張りが始まりました。
この週はついに私が還暦。建てるのは2軒目なんですが、今さらのマイホーム新築なんですよね!
でも建築もこの段階までくると竣工が見えてきます。
第二の人生が始まるのにちょうどのタイミング・・・。
ひょんなことからこの新築プロジェクトが始まって3年半ほど。
2018年3月に設計変更で石場建て伝統構法プロジェクトが始まって2年半ほど。
2019年11月に着工して早9か月半ほど。
これだけ時間がかかったからこそのタイミングとも言えるわけで、
来年のお正月は新居やな!と3度家族と話した甲斐があるってもんです。
で、次に左官さんが内装塗に入るのは来週だと聞いていたんですが、
その腕利きの左官さん、引っ張りだこの忙しさで、9月になりそう・・・と。
さて、着工から竣工まで1年でできるのでしょうか?!
そして着工以来お天気には恵まれ続けた棟梁、ここにきて自然の気まぐれに翻弄されます。
梅雨明けが8月初旬にズレ込んだのは異例でしたが、
それでも屋内工事だったので特段の影響もなく・・・。
☀表面温度は6000℃
ところがいきなり盛夏に入ったと思ったら連日晴天続きで、最高気温が40℃に迫る勢い。
いくら木組み土壁の家でも外壁材も未だでは、屋内作業もさすがに暑い!
で、今週に入って屋外作業にかかったら、連日の夕立☂⛆
これにはどうしようもありません! 水曜には2時間以上の豪雨で作業がストップ。
でも3時の休憩に入ろうというときの降り始めで、びしょ濡れは免れたとのこと。
さすが晴れ男の棟梁の面目躍如です。
・・・いつものように、ちっとも本題に入れませんが、
屋外で外壁材を張る作業に入ったって話し。
まずは8/24(月)、先週のうちに取り付けてあった下地の胴縁と、
下から1mまで全体に床下も、防蟻・防腐剤を噴霧しました。
エコボロンというホウ酸塩系の物です。
ホウ酸塩は安定した無機物なので分解されず、また哺乳類にとっての急性毒性は食塩と同程度で、
揮発蒸発しないので効果が長期間持続するだけでなく、吸入のリスクもありません。
外壁材は、3cm厚の赤身勝り無塗装の杉無垢板。
土壁・透湿防水シート・胴縁による通気層を挟んで、
断熱材を入れずにこの分厚い外壁無垢材を張ることで、断熱材としても機能させています。
杉の芯に近い部分の赤身は油脂分とタンニンが多く含まれていて耐久性が高く、
屋外の雨ざらしになる部材としては国産材の中で最も優れている材の一つです。
その杉板、赤身勝りとはいえ白太の具合も見極めながら、
適材適所を考えて使っていくためまず選別していきます。
8/25(火)、本格的にその外壁材を張り始めました。
隣家が迫る北側の壁面から。60cmほどしか余地がない隙間での作業。
しかも北面は1階から2階まで通しの壁面なので、長尺の板。搬入するだけでも一苦労。
ところどころ壁面から梁の先が出っ張っていたり、小さい窓がこまごま開いていたり、
それらに合わせて切り欠いていかないといけないので、大変です。
継目は斜めに切ってあります。水が切れやすいようにするためです。
で、そんな細かいところをよく見ると、通気層の隙間から虫が入り込まないように、
ネット状のアルミ部材が入れられていて、芸が細かい!
夕立で多少の遅れは生じたものの、8/28(金)には西側の壁面まで回り込みます。
西側は1階と2階とで下屋を挟んで壁面が別々です。
1階は隣家のブロック塀が迫っているので、これまた身をすくめるような作業。
室内で加工した板を狭いところ持ち出して、2人がかりで上と下で息を合わせて打ち付けます。
8/29(土)、天気が良ければ良いで、暑い!
作業箇所はとりあえず隣家の日陰とはいえ、現場は13時半で実測32℃台。
先週は連日35℃を越していたので、そのことを思えば残暑なんですが・・・。
この西面は壁から丸太梁が突き出しています。
角材の梁なら四角なので切り欠くのは直線と直角で比較的簡単なのですが、
丸太はマルいけど真円ではないので、実際に当てがっては少し削り・・・の繰り返し。
そして3時の休憩までに、なんとか西側1階の壁面は終わり、
夕方までに南側の壁面まで少し回り込むことができました。
あとは南側、東側、2階と、多少は身動きのとりやすい箇所の作業です。
とはいえ、
実はこの外壁材、大きな羽目板を張れば終わりってわけじゃないんですよね!
その目地を、さらに目板という棒状の材で塞いでいかなければなりません。
このことについては、また日を改めて。
あ、そうそう、火曜日には建具屋さんが来てくれて、棟梁と打合せ、採寸。
この家にはカーテンが一切ありません! あのヒラヒラするのがどうも好きになれなくて・・・。
なので、採風小窓を除いて窓には全て紙障子を付けます。
紙障子は光の拡散や目隠しの機能だけでなく、
樹脂アルミ複合サッシ・low-e複層ガラスの断熱性能の補完という意味もあります。
まさに、世界に誇る日本オリジナルのスグレモノです!
ウチは既製品の建具がユニットバスの扉以外ひとつもないので、
建具屋さんの造作に依頼するところが小さい家の割にはすごく多く、大活躍です!
それと今日、日曜日にも関わらず、電気屋さんが配線の修正に来てくれました。
猛烈な残暑のなか床下に潜って点検・・・石場建てなので、床下は比較的楽かな?
大工さんだけでなく、いろんな職人さんが頑張ってくれています。
本当にありがとうございます。
来週は左官作業も入るらしいよ!と、電気屋さん。
また楽しい1週間が始まります。明日からもよろしくお願いします。