我が家のもうひとり ・・・ 老犬ヨーキー ~ 木と土の家の恩恵を最大限受ける犬の目線 | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

今日のこの稿は、いつもの石場建て伝統構法の家のことというより、

そこで一緒に暮らすウチの飼い犬の話題。



 

ところで・・・。

早過ぎる梅雨入りだったというのに、先週は梅雨らしくない天気が続き、

最高気温は連日30℃超えでした。


でも、日中は対面する窓を開けて通風を確保しておくことと、

小屋裏換気扇でテッペンに溜まる暑気を排気することで、

最高室温は27℃ほどで収まっているので、まだエアコンは要りません。


縁側代わりの玄関引戸を開け放っておくと(参照:​5/26稿「・・・内と外を繋ぎ遮る仕掛け」​)、

午後はその東面は日陰側になり、

結構いい風が入ってきて心地いいです。


 

軒が深いことと、障子があることで、

窓からの日光の直射が抑えられていることも、

板張り土壁のお陰だけではない大きな要因だと思われます。


夜は気温がまだちゃんと20℃ほどまで下がるので、

格子窓を空かしていれば屋外と屋内の温度差で外気が入ってきて、

暖かくなった室内を冷ますことができます。


4/29稿「​伝統構法の通風思想・・・ゼロエネルギーの換気計画​」でも触れましたが、

実際この半年この家で暮らしてみて、

機械換気装置に頼る必要はない家が実現できているなというのが実感です。


 

さて、ウチの飼い犬に話しを戻しましょう。

一日のほとんどを家の中で過ごす、ヨークシャーテリアの老犬のことです。



この犬、もう2年ほど前から体調を崩していたのですが、

5か月ほど前にこの家に転居してきて以来、この家が快適だからか、

どうもこのところ持ち直してきているように見受けられるのです。


もう15歳ですから、人間に換算すると76歳だそうで、

小型犬の平均寿命に既に達しています。

一日の大半は、お気に入りのインド綿カバーのクッションの上でじっとしています。

年齢的なこともあり、この一年ほどはずっと1週間に5日の病院通い。

一時は餌も食べようとせずグッタリ状態が続いてもう危ういかも・・・だったのですが、

今は老いは感じさせるものの以前に比べれば目に見えて元気です。



体重もいっときは1.4kgほどまで落ちて吠えることもなくなっていたのに、

このごろは1.8kgほどまでに回復(*)してときどき元気に吠えるようになってきており、

主治医も驚いているぐらいです。(*元は2.4㎏ほど)


 

思い返せば生まれてこの方、ビニルクロスの部屋、

合板の硬く冷たいフローリングに敷いた化繊のカーペットでの暮らしでした。


大人になってからは、階段から落ちて頭蓋骨骨折でICUに入院したり、

化学物質の煙に巻かれて肺が真っ黒けになったり、

腎臓を患ったりといろいろ大変で、身体はかなり傷んでるはずです。


それがなぜ今になって回復傾向なのか・・・?!



もちろん​病院​の優れた先生方による治療のお陰は言うまでもありませんが、

この体調が持ち直してきた数か月の大きな変化といえば、

なんといっても居住環境!


 

無垢の杉床板と無垢の檜柱と土・漆喰壁に囲まれて暮らし始めた・・・ということです。
 

特に犬は、鼻も口もそれらから数cmのところ。

視界はこんな感じでしょうから、

視力も色覚も人間よりかなり弱いそうですが、

それでも無垢材や土や漆喰を視覚的によりダイレクトに感じそうです。


さらに、犬の嗅覚は人間より桁外れに優れているそうですし、

身体が小さいぶん体重・体積当たりの匂い物質は人間の何十倍にもなりそうです。

そういえば、この家に来てから、クシャミが減ったように思われます。
 

私たち感覚の鈍い人間でも、この家の心地よさは言い表せないほどです。

ましてや犬にとっては、病さえ癒すほどなのでは・・・?


科学的な根拠は私には言えませんが、

この心地よさの体感は、物言わぬ小さな犬が顕著に表しているように思われるのです。

イヌもヒトも、森から生まれ進化した動物。

森由来の自然素材そのまんまの家に親和性が高い・・・というより、

それが動物としての本来の免疫力や治癒力、ひいては生命力を高めているのかもしれません。


自然素材の家に移り住んでから、

ひどいアトピーなどの不調が治まったという話しはよく聞きます。

それなら、最初から住んでいたら、発症しなかった(軽かった)かもしれません。


ここで科学的データを示して根拠を論証することは私にはできませんが、

ウチの犬を実際に見ていても、

この家のような無垢材と土や漆喰の家が体に良いことは間違いなさそうです。




しばらく梅雨の中休みが続いていましたが、

ようやく今日だけは久しぶりに本格的に雨が降っています。


軒の深いこの家は、雨でも窓を開けて外気を採り入れます。

雨の匂い感じながらも、木と土の家は湿気を感じることはありません。
乾いた家には、恵みの雨です。