刳物・漆芸職人の息子によるDIYシリーズ第3弾です。とはいえ、
3/28稿「杉皮塀DIY・・・」が3月7日と22日のこと、
3/30稿「木製ベッドDIY・・・」が2月6日と9日のことと遡ってきて、
今日4/2の投稿は昨年12月26日のことですから、実のところは第1弾。
一度目の入院・手術から帰宅したのが12月26日だったことは、12/29稿で述べました。
その日は、以前から息子に頼んであった栗無垢材一枚板テーブルの搬入の日でもありました。
このテーブルの天板だけは、実は2021年1月の入居時に持ち込んで、
あり合わせの既製品の机の脚と仮組して、とりあえず使い始めていたたんです。
そのことは2021/1/15稿にも記載しましたが、この栗の無垢板は2018年に
刳物・漆芸職人の卵だった息子が、師匠と一緒に岐阜の原木市で入手してきたものです。
けれど、仮組だったのでグラつき始めたのと、まったくの無塗装だったので
3年ほど使う間に表面にかなりシミがついてしまっていました。
そこで私が入院してダイニングテーブルなしでも何とかなる間に、
脚を新たに制作してもらうことにして京都・園部の工房に一旦引き取ってもらい、
病院から私がデザインイメージだけ送って、息子のオリジナルで作ってもらっていたんです。
工房の在庫材から天板と同じ栗材をチョイス。手刻みしていきます。
天板は一枚板で幅が狭いので、元のようにT字型してくれるよう頼みました。
元のは木ネジやボルトで組んであったんですが、今回は完全に仕口の木組みのみ!
この足を天板に取り付けるのは・・・。
天板の栗無垢板は、入手してから5年ほどになる天然乾燥材。
よく見ると木表側に少し反ってきていたので、
メープルの無垢材を手刻みした蟻桟を天板の裏に組み込んで反りを止めます。
これを、蟻形吸付き桟接ぎ(アリガタスイツキザンツギ)というそうです。
多少でも反っている板に真っ直ぐな蟻桟を叩き込んでいくのはなかなか難しいのですが、
さすが師匠のお墨付きで仕入れた素性のいい栗無垢板、
粘り伸びながら入っていったそうです。
そして天板の表面は、当初も手鉋をかけてあったんですが、
シミなどの汚れを消しつつ平滑にするために再度手鉋をかけ直します。
サンダー仕上げにはない艶が生まれます。
以前はとりあえず無塗装で使ってみてたんですが、
今回は亜麻仁油ベースの浸透性自然塗料ワトコオイル仕上げになりました。
工房で仮組してうまくいったので、昨年12月26日、私の一回目の退院の日に、
一旦バラして我が家に搬入、天板の蟻桟に脚を差し込んで、接着剤で完全固定しました。
丸一日養生して、元の定位置に設置。
元のと比べて、すごくいい感じ…大阪弁で言う「シュッとした」感じになりました!
飼っていた室内犬(2021/6/13稿参照)のために敷いてあったコルクマットは、
もういらなくなってしまったんで、このあと撤去しました。
難点?は、もう解体できないこと。
足元の木組みは、接着剤なしでもグラつかず二度と抜けない強固な仕口。
蟻桟は理屈の上では叩いたら抜けるはずですが、
天板が反っていくので抜けなくなるかもしれません。
もしお入り用でしたら、オリジナル制作のご相談にも応じるとのことです。
家具職人や大工職人ほどのクオリティーではないでしょうけどね!