子どもHAPPY化計画 佐藤です。
9月も第3週目、もうお彼岸も過ぎ、朝晩はめっきり涼しくなって過ごしやすくなりました。8月末から代々木公園などを中心に感染し始めたデング熱は秋が近づいた今も感染者が確認されています。代々木公園A地区は今も閉鎖(東京都公園協会 )されています。
世界情勢に目をやると、国際的に国家と承認されていない「イスラム国」という勢力が、武力によりイスラム国家統一を目指し、各地で武力制圧を続けています。ニュース等でしか情報を得ることができませんが、武器を持たない人々、特に子どもや女性にとって、こうした無差別の紛争こそ、理不尽なことはないでしょう。どこに解決策を見出せばいいか、簡単に答えが出せるようなことではないでしょう。
でも、日本が今平和であることを感謝し、紛争ある国の人に祈りを捧げることはできると思います。まずは、そこから考えていくしかないように思います。
さて、ここからは日本の話題。9月12日、厚労省は全国の100歳以上の高齢者は5万8000人を越えたと発表しました。
詳しくは→厚労省HP
百歳以上の高齢者の数は、老人福祉法が制定された昭和38年には全国で153人でしたが、昭和56年に千人を超え、平成10年に1万人、平成24年に5万人を超え、今年は5万8820人(前年比+4,423人)だそうです。また、百歳以上の高齢者のうち女性は5万1294人(全体の約87%)とのこと。
なんと、今年度中に百歳になる人には、厚労省からお祝い状と記念品が贈呈されるそうです。今回の対象者数は、平成26年9月1日現在で3万人弱人。百歳以上が10万人になるのも、ここ数年のことでしょう。ちなみに、日本人の平均寿命は、男性80.21歳、女性86.81歳。
また、総務省では「敬老の日」にちなんで、高齢者のすがた(人口等)を公表しています。
詳しくは→総務省HP
高齢者の人口は3296万人、総人口に占める割合は25.9%と供に最高となり、8人に1人が75歳以上なんだそうです。
総務省が「子どもの日」になんで毎年5月に子どもの数を公表しています、平成26年4月1日現在における子どもの数(15歳未満人口)は、前年に比べ16万に減少し1633万人(33年連続の減少)に、子どもの割合は12.8%と公表しています。
関連ブログ→平成26年5月12日
子どもの数と高齢者の人口を比べると、75歳以上の高齢者は子どもの数とほぼ同数、65歳以上の高齢者は子どもの数の2倍になります。少子高齢化の将来は人口減少です。高齢者の話題はこれくらいにして、いよいよ本題です高齢者の話題はこれくらいにして、いよいよ本題です高齢者の話題はこれくらいにして、いよいよ本題です。
9月19日、厚労省は「子ども虐待による死亡事例等の検証結果」を公表しました。
詳しくは→厚労省HP
同検証結果は、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に、子ども虐待による死亡事例として厚生労働省が各都道府県を通じて把握した78例(90人)について分析、関係機関の関与があった一部の事例について個別にヒアリングを実施し、明らかになった課題を受けて報告がまとめたものです。
ちなみに、昨年の虐待死は85例(99人)でした。少し長くなりますが、以下、集計による分析(概要)です。
<心中以外の虐待死>
○ 死亡した子どもの年齢は、0歳が22人(43.1%)と最も多く、0歳から2歳を合わせると32人(62.7%)と大部分を占めた。
○ 虐待の種類は、身体的虐待が32人(62.7%)、ネグレクトが14人(27.5%)。
○ 主たる加害者は、「実母」が38人(74.5%)と最も多く、次いで「実父」と「実母と実父」がそれぞれ3人(5.9%)
○ 加害の動機としては、「保護を怠ったことによる死亡」と「泣きやまないことにいらだったため」が多かった。
<心中による虐待>
○死亡した子どもの年齢は、0歳から13歳までの各年齢に分散している傾向。
○ 主たる加害者は、「実母」が24人(61.5%)と最も多く、次いで「実父」が6人(15.4%)。
○ 加害の動機(複数回答)としては、「保護者自身の精神疾患、精神不安」、「経済的困窮」が各12人(20.8%)と多かった。
<関係機関への関与>
○ 児童相談所の関与は、心中以外の虐待死事例が15例(30.6%)、心中による虐待死事例が10例(34.5%)であり、市町村(児童福祉担当部署)の関与は、心中以外の虐待死事例が13例(26.5%)、心中による虐待死事例が8例(27.6%)。
○ 要保護児童対策地域協議会で取り扱われていた事例は、心中以外の虐待死事例で8例(16.3%)、心中による虐待死事例で5例(17.2%)。
今回、第1次から第10次の「0日・0か月児死亡事例」と「精神疾患のある養育者における事例」について詳しく検証しています。
<0日・0か月児の死亡事例>
第1次から第10次報告までの心中以外の虐待死事例における0日・0か月児事例:111人
○死亡事例全体に占める0歳児の割合は4割以上
○ 0歳児の虐待死に占める0日・0か月児の割合は4割
○ 0日・0か月児事例の中では日齢0日児が8割以上
○加害者の約9割は実母(3割は19歳以下)で、8割が親族と同居
※支援策
○ 妊娠から出産に至るまで、切れ目のない相談・支援が行える体制の整備と相談窓口に関する周知。
<精神疾患のある養育者における事例>
第5次から第10次報告までの実母による虐待死事例の中で、実母に精神疾患のあった事例:73例、79人
○ 実母の年齢は30歳以上が約8割
○ いずれかの支援者がいた事例が約9割(内訳は配偶者や親、行政の相談担当課が多い)
※支援策
○ 地域における保健・医療・福祉のネットワークを活用した支援(養育者の主治医と市町村職員や児童相談所等との連携による支援。
支援策まで記載されており詳細に丁寧にまとめられた検証結果だと評価できます。
特に、個別調査票にまとめられた事例 は、痛ましく、胸が潰されそうになります。
○転居を繰り返すことにより社会的に孤立していた事例
○精神疾患のある養育者の事例
○日齢0日児の遺棄事例
○入所措置解除後のネグレクトの事例
私たちに一体何ができるんだろうと自分の無力さに愕然とする思いです。
百歳を超える長寿は社会的に歓迎され、国からお祝い状まで贈呈されるのに、たった1時間、たった1日を生きることもできなかった命がある・・複雑な諸事情を考えると親の身勝手と片付けることもできないでしょう。
一つ一つの事例を見るとなんとも切なくなりますが、本検証結果から見える現実もあります。まずは、現状をしっかりと知ることが大事なんだと思います。