「子供の貧困対策に関する大綱」閣議決定 | 子どもHAPPY化計画のブログ

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子どもHAPPY化計画 佐藤です。


子どもたちの夏休みももう終わりですね。蝉の声がコオロギたちの声に変わりつつありますが、今年の夏は広島をはじめ各地で大きな土砂災害、水害が発生し、多くの命が犠牲になりました。

自然の脅威の前では人は無力なのだと思い知らされるのと同時に、不幸な状況の中でも地域の人々が助け合い、支え合っている姿を見ると、そこに救いがあるのだと気づかされます。


さて、8月29日に、「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定され、公表されました。大綱は、超党派の議員立法で昨年6月に制定された「子どもの貧困対策法」に基づきまとめられたものです。

詳しくは→内閣府HP

大綱のPDFは→こちら


大綱には「全ての子供たちが夢と希望を持って 成長していける社会の実現を目指して」という副題がつけられています。


大綱の「はじめに」を一部紹介しましょう。


明日の日本を支えていくのは今を生きる子供たちである。その子供たちが自分の可能性を信じて前向きに挑戦することにより、未来を切り拓いていけるようにすることが必要である。しかしながら現実には、子供たちの将来がその生まれ育った家庭の事情等に左右されてしまう場合が少なくない。

(略)

子供たちの将来と我が国の未来をより一層輝かしいものとするためには、子供たちの成育環境を整備するとともに、教育を受ける機会の均等を図り、生活の支援、保護者への就労支援などとあわせて、子供の貧困対策を総合的に推進することが何よりも重要である。いわゆる貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない。

(略)

日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝である。貧困は、子供たちの生活や成長に様々な影響を及ぼすが、その責任は子供たちにはない。子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要である。そうした子供の貧困対策の意義を踏まえ、全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、子供の貧困対策を総合的に推進するため、政府として、ここに「子供の貧困対策に関する大綱」を策定する。


子供の貧困対策大綱に盛り込まれた主な重点施策


●教育の支援

・福祉面の相談に応じるスクールソーシャルワーカー増員
・高校生への奨学給付金の増額
・児童養護施設などで暮らす子供の学習支援

●生活の支援

・児童養護施設などを退所した児童の就職支援
・ひとり親家庭の住宅環境を安定

●保護者に対する就労支援

・ひとり親家庭の保護者の就職を支援
・保護者が高い学歴を得られるよう学習を支援

●経済的支援

・ひとり親家庭の支援策を調査・研究

児童養護施設、ひとり親家庭という言葉が大綱の中には多くあります。まさに、貧困の代表格ということなのかもしれませんが、子供の貧困率16・3%という数字から見ても、見えない貧困はもっともっと身近にあるということだと思います。


法律ができて大綱がまとめられ、政府が政策的に対策を講じようとしているのは一定の評価に値するでしょう。ないより、あった方がどんなこともでいいでしょうしかし、現実の社会はもっともっと切なく厳しい面もあります。その逆で、楽しくHAPPYにすることもできます。保護者を就労させ、子どもの教育の機械の均等を図れば、貧困は連鎖しないのか・・本当にそうか・・私たちは、常に問い続ける必要があると思います。


そして、貧困対策と同じくらい大事なことは、平和なそして安全な社会を、次世代にバトンタッチできるかということだと思います。


経済同友会の前原金一専務理事が文科省の「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」で、奨学金延滞者に対し、警察庁、消防庁、防衛省などで1-2年インターンをさせることを提言しています。


以下は、平成26年5月26日に開催された「学生への経済的支援の在り方に関する検討会(第11回)」  の前原氏の議事録です。


今,労働市場から見ると絶好のチャンスですが,放っておいてもなかなかいい就職はできないと思うのです。前も提言したのですが,現業を持っている警察庁とか,消防庁とか,防衛省などに頼んで,1年とか2年のインターンシップをやってもらえば,就職というのはかなりよくなる。防衛省は,考えてもいいと言っています。前の学生・留学生課長の松尾課長にも申し上げました。文科省だけで解決しようとしないで,国を挙げて,厚生労働次官にも申し上げたのですが,百数十万人いる無職の者をいかに就職させるかというのは日本の将来に非常に大きな影響を与えるので,それをやってほしいとお願いしているのですよ。もちろん負担が重くなった人を救うことは大事だけれども,もっと大事なことは,きちんと就職できるようにしてあげることだと私は思います。ですから,是非,文科省からそういう働き掛けをしていただき,こういう情報をきちんとつかんだ上で,地方自治に関わる総務省にも,そういう動きをしていただくと有り難いのですが。


と発言したあと、


今が,吸収していくチャンスだと思います。労働力が不足気味になっていますから。


と続け、


防衛省は,2年コースを作ってもいいと言っています。


とも言ってます。


この前原氏、日本学生支援機構の政策委員会の委員 でもあります。前原氏の発言を「経済的徴兵制」を想起させると危惧する声もあります。

今はまだ一委員の発言にすぎないかもしれません。でも、子供の貧困の解決の真意がこんなところにあったらと思うとなんだか怖いです。常に問い続けることが、大事なことのように思えてなりません。


長くなりました。今日はこの辺で。9月1日は防災の日ですね。無事を感謝して、家族や友人と連絡を取り合うのもいいかもしれません。