子どもHAPPY化計画 佐藤です。
速報です。
8月4日、厚生労働省は「児童相談所での児童虐待相談対応件数」を公表しました。
詳しくは→厚生労働省HP
平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は速報値で7万3765件と過去最多でした。平成24年度は6万6701件ですから、前年比110.6%となります。
昨年度のブログ→こちら
都道府県で一番相談件数が多いのは大阪府の6,079件。東京都は4,788件。
また、平成25年度に全国の児童相談所長が行った家庭裁判所に対する親権停止の審判の申立ての実績は、16自治体で23事例、法人又は複数人の未成年後見人の選任申立ての実績は、10自治体で11事例あったそうです。
事例の一部が紹介されていますが、どれも胸が痛くなるような事例です(詳細は割愛します)。
厚生労働省では、「児童虐待」を以下のとおり定義づけ(4分類)ています。
【身体的虐待】
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など
【性的虐待】
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など
【ネグレクト】
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など
【心理的虐待】
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV) など
言葉だけを見ても、愛情のかけらを感じることができません。明らかに「躾(しつけ)」や「事故」とは違うものだと思います。
子どもが安心して過ごせるはずの「家庭」が危険な場所だとしたら、子どもはどこに逃げ場を見つければいいのでしょう。虐待がエスカレートしてからでは、子どもの受ける傷(精神的にも肉体的にも)も大きく、回復に時間がかかります。一生、癒えない傷になることだってあります。早い段階で周囲が気づいて、子どもを守るしかないのかもしれません。
ただ、児童相談所も相談件数の増加に人手がついていかず、どこも人手不足の現状があります。児童福祉士といった専門家の不足も指摘されています。通報から初動までの人員確保が難しく、また、、虐待の背景には、複雑な家庭要因等があるため、虐待の相談を受ければ、解決までに時間がかかり、そこでも人手を割かれてしまうという二重苦、三重苦の状況です。
何か事件があるたびに、児童相談所の対応が矢面にたたされますが、根本的に人手不足なら、限界があるのも必然です。児童相談所の機能を確保できるだけの人員を増やし、地域や学校等との連携を密にして、早期発見、早期治療につなげるしか策はないように思います。
なお、今回、子ども虐待による死亡事例等の検証結果は公表されていません。公表され次第、ブログでお知らせする予定です。