盛岡市長田町の住宅街にある高いブロック塀に囲まれた一画。
こちらは盛岡市の保護庭園であり保存建物がある武田邸です。
普段は硬く閉ざされている表門。
表門の手前の鉄扉も絞められています。
一般公開の時は開かれ、係の方が入口で待機されていました。
一般公開は期間限定で、
５月から１１月の第２・第４土曜日の午後１時から４時まで。
一昨年は一般公開が終わった直後に公開されていたことを知り、
「来年こそは！」と気合を入れて一般公開を心待ちにしていました。
しかし、月２回で時間も短く、なかなか行けず…。
万障繰り合わせ、やっと７月１日に行くことができました
門を入ると茂った樹木のお陰でひんやり涼しい空気に包まれました。
アプローチの左右にも植栽がたくさんあります。
敷地の中の門。
ここをくぐるといよいよ庭園です。
門の手前には盛岡市の看板がありました。
保護庭園と保存建物の看板です。
庭園は江戸末期から受け継がれてきた池泉築山回遊式庭園。
こちらは建築家・横濱勉の生家で、
横濱家が京都から庭師を招いて作庭した庭園で、広さは６００坪。
その後、土木建築業で財を成した鳥取出身の武田好明が買い取り、
武田氏が庭石や庭木を集めて現在の庭園になったそうです。
横濱勉が見ていた庭園とは、少し変わっているのかな？
ここを訪れる楽しみの一つが、
少し前に武田邸の前で出会ったカルガモの親子との再会でした。
ご近所の方が武田邸の池に住んでいて、
武田邸の裏手から出入りして散歩していると教えて下さったのです。
しかし、カルガモの姿はありませんでした。
２週間くらいしか経っていないので、どこかに飛んで行ってしまった…
ということはないでしょう。
庭園を散策しつつカルガモの姿を探してみました。
しかし出会えたのは錦鯉のみ。どこにいるのかな？
庭園も楽しみですが、入母屋造りの武田邸も楽しみ。
建物の前庭は狭いため、池越しの方が全景が綺麗に撮れました。
こちらの建物は昭和２５年（１９５０年）竣工。
青森ヒバをふんだんに使った堅羽目板張りの外壁が素晴らしい。
庭園を散策。
敷石が色々な形で面白い。
真ん中に四角い穴がある石もあったりして、
もしかして石燈籠を解体したものなのかしら…。
石灯籠も庭園のあちこちにありました。
一つとして同じ形の石灯籠がないので、石灯籠を見て歩くのも楽しい。
小さな石橋の横の石灯籠。
池に張り出すように設置されていました。
夜、灯りを入れたらまた綺麗なのでしょうね。
モミジ越しの武田邸。
紅葉の季節も見事でしょう。
奥には茶室らしき建物がありました。
横濱勉の夫人が武者小路千家のお茶を盛岡に持ち込んだそうで、
武田邸を盛岡市に寄贈された武田榮枝さんも
武者小路千家岩手官休会の会員だそうです。
建物と庭園を末長く残すというご両親の遺志を継ぎ、
この場所にマンション建つよりはという思いで寄贈されたそうですが、
中々できることではないですよね。
市街地の中の静寂の地。
一歩外へ出ればマンションやビルがあり、
騒がしい日常生活と隣り合わせなのが信じられない静けさです。
帰るのが名残惜しく、別のアングルから武田邸をもう１枚。
しかしこの場所には蚊が沢山いて、早々に退散。
建物内部は非公開なので、間近から１枚だけ撮影。
ところが、後から来た御婦人は勝手にガラス戸を開けて内部を撮影。
そして縁側に上がり込んでしまいました
関係者？
係の方にお礼を言い、建物の北側にある常用門も見学。
表門よりはシンプルですが、それでも立派な門です。
盛岡の古い建物に今でもよく残っている電話番号のプレート。
武田邸の常用門にも残っていました。
そしてぐるりと一周してみました。
裏手も高いブロック塀に囲まれていました。
カルガモが歩いて出入りできるような場所なんてなし！
近所の人のあの話はなんだったんだ…
言われたことを真に受けるなんて…。
盛岡に慣れたつもりだったけど、まだまだ甘かったと思い知りました
そしてこの夕方、帯状疱疹に罹っていることが発覚。
武田邸にいる時から熱っぽく、変な頭痛がしていたので、
早々に辞去しておいて良かったと思いました。
会ったのは係りの方と帰り際に入れ違いで会った御婦人のみ。
妊婦さんと接触しなかったのが幸いでした
今回のおでかけ
★武田邸
住所：岩手県盛岡市長田町１９－１
電話：０１９－６５１－４１１１（盛岡市景観政策課）
公開日：毎年５月から１１月の第２・第４土曜日
公開時間：１３：００～１６：００
公開エリア：庭園のみ
駐車場：なし
公式ウェブサイト：保存建物 武田邸（盛岡市）
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