盛岡散歩・一ノ倉邸のひな遊ぶ | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

盛岡市内にある一ノ倉邸で

 

ひな遊ぶというイベントがあると聞き、行って来ました。

一ノ倉邸は盛岡市の保護庭園で、

 

貴族院議員で東京府知事を務めた

 

盛岡市出身の阿部浩によって造られた建物と庭園だそうです。

 

何故阿部邸ではなく一ノ倉邸なのかと言うと、

 

阿部氏から一ノ倉氏へ譲渡され、

 

その後盛岡市が取得したからなのだそうです。

 

 

庭園は明治35年(1902年)から明治36年(1903年)頃に

 

東京の庭師を招いて造ったそうで、

 

中尊寺ハスの植えられている池などもある回遊式庭園だそうです。


しかしこの日は先週のドカ雪がまだ残っていて、

 

お庭はこんな状態…雪

除雪がされていないので、スノーシューズや長靴でなければ厳しい。

 

 

庭園はまた良い季節に訪れことにして、

 

今回は邸内で催されているひな遊ぶへ。

 門の中にも塀がありました。

 

 

塀に沿って進むと建物がありました。

 

こちらは明治40年(1907年)竣工の数奇屋造り風の邸宅。

 

日本橋の常盤楼などを模して造られたのだそうです。

 

 

ひな遊ぶの期間中なので、玄関にも陶器の人形が飾ってありました。

洋服を見ると中国の人形でしょうか。

 

 

反対側には古い雛人形が飾られていました。

何の説明もないのがちょっと残念。

 

右側の「阿部」と書かれた木箱は、阿部氏所有のものでしょうか。

 

 

入口で名前を書いて座敷へ。

打掛と共に様々なお雛様が飾られていました。

 

毎年この時期開催されているひな遊ぶ。

 

今年のテーマは「春の光」ということで、

 

柔らかな春の日差しが座敷に差し込んでいて、

 

少し早い春の日を満喫できました。

 

 

左側が大正のお雛様、右側が昭和30年代のお雛様。

お人形もお道具も大正期のものの方が少し小さいのがよく分かります。

 

 

大正期のお内裏様とお雛様。

顔も昭和のお人形に比べると目が細く、大人びた顔つきでした。

 

 

3つ並んだ雛飾り。

奥から享保びな、昭和16年のお雛様、昭和30年のお雛様。

 

 

享保びなも保存状態が良くてお顔も綺麗でした。

江戸期のお雛様の飾り方は、お内裏様とお雛様の位置が逆です。

 

今でも京雛はこの飾り方ですが、

 

関東雛は向かって左がお内裏様、右がお雛様です。

 

大正天皇が即位の礼で洋装をされた際、

 

西洋に倣って皇后陛下の右にお立ちになられたことで広まり、

 

お雛様の飾り方にまで影響したそうです。

 

 

江戸期のお雛様のお顔は、大正期よりももっと大人顔ということで

 

アップで撮ってみました。

目も小さく、お顔もやや下膨れな感じ。

 

お雛様のお顔には、その当時の美人顔が投影されているそうです。

 

 

ほかにも現代のお雛様や、小さなお雛様も飾られてました。

かなり古そうですが、説明がなく時代がわかりません。

 

 

お雛様を見た後は、更に奥の座敷へ。

座敷のあちこちに

 

陶芸家・谷口勇三さんの作品が展示されていました。

 

 

作品を見つつ、調度も拝見。

皆朱膳椀戴拾人前とか

 

飯汁壺平二吸椀拾人前などの文字が書かれた木箱がありました。

 

 

すぐ近くの棚の上には朱塗りのお椀が置かれていました。

こういう素敵なお椀が、

 

あの木箱の中に収納されているのかもしれません。

 

 

年代物と思われるダイニングテーブルもありました。

時代を感じるものと器のコラボレーションがいいなぁと思いました。

 

 

一番奥の座敷には、大正時代のグランドピアノが置かれていました。

鍵盤は象牙だそうですが、

 

蓋が閉まっていたので残念ながら見る事ができませんでした。

 

残念に思いつつ出口に向かった時、ピアノの音が聞こえてきました。

 

もしや後ろにいた家族連れが弾いたのか!?

 

手を触れるなとは書いてありませんでしたが、

 

普通勝手に蓋を開けないし、弾かないよね?

 

 

ポロンポロンと鳴るピアノの音色をBGMに、

 

入口で暖房費と維持費のための寄付を入れるカゴに

 

二口分(一口100円にこっ)を入れ、

 

係りの方にお礼を言って失礼することに。

 

ところが記念として一ノ倉邸管理保存委員会の会長さんが

 

筆で文字を書かれたトイレットペーパーを一巻き頂きました。

入館料は無料ですが、いいものを見せて頂いたお礼の気持ちと

 

維持管理に使って頂ければという気持ちでお金を入れたのに

 

記念品を頂いては申し訳ないと辞退しましたが、

 

「会長の気持ちですので」と仰るのでありがたく頂くことにしました。

 

気持ちと気持ちが触れ合い、お互いが笑顔になる出来事でした。

 

 

ひな遊ぶの期間は3月3日まで。

 

お近くの方やこの時期に盛岡を訪れる方は、

 

是非お出掛けになってみてくださいな雛人形

 

 

 

本今回のおでかけ本

  ★一ノ倉邸

   住所:岩手県盛岡市安倍館町19-64

   電話:019-646-1817

   開館時間:10:00~15:00

   休館日:毎週月曜日、火曜日、

        8/10~8/20、12/25~1/15

   入館料:無料

   駐車場:9台(無料)

   ウェブサイト:保護庭園「一ノ倉邸」(盛岡市)

 

 

 

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