盛岡散歩・旧石井県令邸 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

昨日紹介した新渡戸稲造生誕の地を出て、2つ目の交差点。

昨日はTOMATOという名前のパチンコ屋の角を左に曲がりましたが、

 

ここを右に曲がると、

 

盛岡市内で最古の洋風建築物の旧石井県令邸があります。

 

ところが、その旧石井県令邸、道路沿いにはないのです。

 

 

目印はこの看板。

左手の路地の入口に「キンダーホーム保育園」の看板があります。

 

 

この路地を覗いてみると、ツタに覆われた洋館を見ることができます。

細い私道のような路地の奥にあるので入り辛い…。

 

この時もご近所さんが井戸端会議中。

 

写真を撮っていたら不審者だと思われ、警戒されてしまいましたあせる

 

逆に、いいチャンスかも!と思い、レトロ建築のファンなので、

 

写真を撮りに入らせてもらっても良いか聞いてみました。

 

「いいと思いますよ」というご婦人方の了解を頂き、いざ敷地内へ!

 

ご婦人方も「写真ね~」っとホッとしたトーンに戻って井戸端会議再開。

 

お騒がせしました祈

 

 

まずは斜めから建物を観察。

2階の窓があると思しき場所は、ツタで覆われてしまっています。

 

 

建物の角にはアジサイ。

咲き始めのようでまだ淡いブルー。

 

隣はバラが満開でした。

 

 

屋根の上には可愛いドーマー窓がありました。

屋根裏もあるのかしら?

 

 

正面から。

旧石井県令邸の竣工年や設計者は分かっていないそうです。

 

明治19年(1886年)に盛岡監獄移転建築用の煉瓦を使い、

 

囚人使役によって造られたと伝わっているそうです。

 

建物の煉瓦はフランス積みだそうですが、

 

モルタルで覆われちゃってますね汗 更にツタにもw

 

この洋館は現在の県知事に当たる

 

第二代岩手県令の石井省一郎の私邸として建てられたものです。

 

 

この日は玄関が開いていました。

少し前までは事前予約をしないと内部見学ができなかったので、

 

もしや中を見ることができるかも…と思い、

 

中に入って声をかけてみました。

 

 

玄関を入ると廊下。

声を掛けると「どうぞ」と返答があったので、お邪魔させて頂きました。

 

もちろん土足厳禁。

 

入口には遠山病院のスリッパが揃えて置かれていました。

 

この建物は戦後、進駐軍に接収された後、

 

岩手県文書庫、恩賜財団済生会盛岡産院、山本バレー団を経て、

 

昭和42年(1967年)に遠山病院が買い取り、

 

遠山准看護高等専修学校として長年使用されていました。

 

スリッパの文字から推察すると、

 

今でも遠山病院が所有しているのでしょう。

 

 

廊下を進むと階段下に玄関ホールがあり、受付がありました。

この右手に長机があって受付。

 

やたら歓迎されてしまい、なんでだろうと思ったら、個展の初日でした。

 

作家さん本人もいたので申し訳ないと思いつつ、

 

建物を見学させて頂けないかと切り出しました。

 

個展の客じゃないと分かり、明らかにがっかりした作家さんとスタッフ。

 

この日は作品のある1階部分しか開放していないものの、見学はOK。

 

ただ、作品は撮らないでくださいと言われました。

 

お礼を言ってから左手を見ると、

 

文化財保護のための1口200円の寄付を募る募金箱がありました。

 

せっかくなので…とお財布を取り出すと、

 

早々と「ありがとうございます」と言われてしまい、

 

苦笑しながら財布を開けて絶句。

 

小銭は500円玉しかなく、あとは万札のみ。

 

流石に福沢さんは入れられないので、

 

2口半として500円を募金しました汗

 

するとお返しなのか記念品なのか、絵はがきを1枚頂きました。

 

 

さて見学へ。

2階への階段。

 

アーチ型の窓の部分から腰壁が高くなっているのが面白い。

 

上も見たかったなぁ。

 

 

暖炉のある部屋。

暖炉の上の写真は遠山富夫さんと婦人の遠山未知さん。

 

ドアの脇の写真は石井省一郎県令。

 

この部屋は書斎だったそうで、

 

書類を焼却するための小さい暖炉もあったのだとか。

 

建物の隅々まで見たいのですが、何しろ作品はあるし、

 

写真は撮れないしで、ちょっとがっかり…。

 

作家さんからしたら、全く作品も見ずに、板の張り方や壁、

 

暖炉の装飾ばかり見ていて張り合いのない来訪者だったでしょうね汗

 

 

お隣の応接間のドア。

こちらの部屋も作品があちこちにあるので、部屋の全景が撮れず…。

 

アングルによっては作品が入ってしまうので、妙な姿勢で何とか撮影。

 

 

説明書きを読むと、天井からはシャンデリアが下がっていたそうです。

その跡でしょうか。

 

シンプルなメダリオンです。

 

 

こんな可愛いいメダリオンもありました。

作品のない天井だけは自由に撮れました。

 

 

天井の端は板張りで、飾りがありました。

通気口は素敵な装飾が透かし彫りになっていました。

 

2階は違うデザインだったりするのかしら。

 

 

応接間の暖炉です。

可愛い飾りタイルがあしらわれていました。

 

建築年代を考えると、海外から輸入したタイルでしょうか。

 

 

アーチ窓。

もう少し違うアングルから撮りたかったのですが、

 

こちらも作品が入らないようにこのアングルです。

 

なので少し分かり辛いですが、

 

よく見ると内側と外側にガラスがある二重窓になっています。

 

煉瓦造りなので、壁がかなり厚いのでしょう。

 

 

あっと言う間に見学終了。

 

作家さんに感想を聞かれ焦りました。

 

作品、ほとんど見てません…がーん

 

そして現代アートって、よく分かりません汗

 

 

当り障りない感想とお礼を告げ、玄関へ。

階段上から見た玄関。

 

外から見た時は

 

上のアーチがツタに覆われてしまって見えませんでしたが、

 

葉っぱがデザインされている素敵なガラスがはめ込まれていました。

 

 

外に出て、裏手から建物を堪能。

裏手の方がツタと白壁のコントラストがあって綺麗。

 

 

屋根の上に煙突がチラッと見えました。

コーニスもありましたが、割とシンプル。

 

アーチ窓のアーチ部分だけ、2階と1階でデザインが違います。

 

 

1階のアーチ窓。

細部までこだわっているからデザインを変えているのでしょうね。

 

あ~、2階や屋根裏、そして半地下も見てみたかったえーん

 

また散歩のついでに行ってみたいのですが、

 

アート作品が展示されている時しか開放されていない様子。

 

となると、また自由に見ることができなそうですし、

 

何より興味のないアート作品の感想をまた求められたらどうしよう…。

 

それを考えると気が重くなり、この日以来再訪せず、

 

キンダーホームの看板前から路地を覗くだけで通り過ぎています歩く

 

 

 

今回のおでかけ

★旧石井県令邸

  住所:岩手県盛岡市清水町7-51

  電話:019-651-1606

  開館日:ギャラリー使用時のみ

  開館時間:11:00~18:00

  休館日:不定休

  公式ブログ:旧石井県令邸へようこそ!旧石井県令邸公式blog

 

 

 

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