【古事記神話】本文 (~その18 国生みその他主要六嶋)
このところ精力的に参拝を行っているため少し日にちが空きましたが…
前回の記事までで「大八嶋國」が出揃いました。
淡道之穂之狹別嶋(淡路島)
伊豫二名嶋(四国)
隱伎之三子嶋(隠岐島)
筑紫嶋(九州)
伊伎嶋(壱岐島)
津嶋(対馬)
佐度嶋(佐渡島)
大倭豐秋津嶋(本州)
そして今回は主要な小島が生まれます。
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【読み下し文】
然る後 還り坐しの時 吉備兒嶋生みき 亦たの名建日別と謂ふ 次に小豆嶋生みき 亦たの名大野手[上]比賣と謂ふ 次に大嶋生みき 亦たの名大多麻[上]流別と謂ふ [多自り流至るまで以て音] 次に女嶋生みき 亦たの名天一根と謂ふ [天の訓みは天の如し] 次に知訶嶋を生みき 亦たの名天之忍男と謂ふ 次に兩兒嶋生みき 亦たの名天兩屋と謂ふ [吉備兒嶋自り天兩屋嶋に至るまで并せて六嶋]
【大意】
大八嶋國を生んだ帰途で「吉備の児島」を生みました。別名「建日別」と言います。次に「小豆島」を生みました。別名「大野手比賣」と言います。次に「大嶋」を生みました。別名「大多麻流別」と言います。次に「女嶋」を生みました。別名「天一根」と言います。次に「知訶島」を生みました。別名「天之忍男」と言います。次に「両児島」を生みました。別名「天両屋」と言います。【以上を併せて「六嶋」】
【補足】
◎主要六島が生まれました。あれ?あの島が入っていない!…などと多々あるでしょうが、あくまでも古事記編纂時に主要な島と認識されていないということ。面積が小さいなどの理由もあるかと思います。
◎六嶋を整理しておきます。
・吉備児島(児島半島)…建日別
・小豆島…大野手比賣
・大島(不明、伊豫国「大三島」或いは周辺を含めてか、もしくは周防国「屋代島」か)…大多麻流別
・女嶋(豊後国の姫島か?)…天一根
・知訶島(五島列島)…天之忍男
・両児島(五島列島南の男島&女島か)…天両屋
◎問題が2点。「大島」が不明であることと、「両児島」が比定違いではないかということ。
まず伊豫国「大三島」と、周防国「屋代島」のどちらも、外すことができない由緒ある重要な島。どちらか一方は落選しているわけです。他にも筑紫国「大島」などいくつか。有力なのは周防国「屋代島」ですが、写真は「大三島」周辺のものしか無いのでそちらにて。
次に「両児島(ふたごじま)」。上記の如く比定島はありますが、あまりに小さすぎます。比定間違いではないかと思えて仕方がありません。
今回の記事をもって「国生み」は終了。
次回より「神生み」が始まります。
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