I-O DATAのオーディオ用NAS『HDL-RA2HF』を買ってみた
吉祥寺のMEGは閉店しても、私はオーディオも、ジャズも辞めるわけは無いのでありまして、今回はオーディオネタです。
今までネットワークオーディオをやろうかな・・・どうしようかな・・・と思いつつ、QNAPのNASを買い、RATOC systemの外付けDVDドライブケースにPioneerのハイエンドBDドライブを組み込んだ物をセットにしてリッピングシステムを構築しましたが(そのときの記事はコチラ)、肝心のネットワークオーディオプレイヤーをどうしようか・・・。
結局今までネットワークオーディオ環境は構築出来ていませんでした。
しかし、アイ・オー・データが「fidata」ブランドで培ったソフトウェアノウハウを使った安価なオーディオ用NAS(ネットワークオーディオサーバー)『HDL-RA2HF』を発売するとのことで、速攻で予約をして購入してみました。
だって、PCを介さずに外付けDVDドライブをUSB接続すればスタンドアロンで音楽データリッピングも自動でやってくれるとか言うんですもの!!
因みに、Amazonで予約注文したらLANケーブルが同梱されていないECOパッケージとかいうモデルでした。
まぁ別に、LANケーブルなんていくらでも余っているので要らないので結果オーライです。
で、週中(発売日)で届いたのですが、流石にセッティングしたり、音楽データを入れたり・・・と言う作業を考えると平日、仕事から帰ってきてからではしんどかったため、土日で準備~セッティング~音出しをすることに。
というわけで、土曜日に開梱~音楽データの取り込みです。
箱を開けると、中に入っているのはこんな感じのもの。
うんうん、確かに「fidata」の様な高級感こそ無いですが、NASにしてはそこそこしっかりした作りのケースです。
ただ、NASはNASでもRAID0やRAID1で構成されているわけでは無いのでHDDが1ドライブ入っているだけのものなので、外付けHDD等を接続して定期的にバックアップをとらないと怖そう。
本体の前面はこんな感じ。
背面はこんな感じで、左側に端子がぎっしり。
ノイズ対策とかは大丈夫なんだろうか・・・・。
ちなみに、電源ケーブルはこんな感じで頼りない。
さて、コイツをまずはPCのある部屋にセッティングです。
理由は、前述のRATOC Systemの外付けDVDドライブケースにPioneerのハイエンドBDドライブを入れた物(以下、RATOC)があるので、まずはそいつと直結してCDから音楽データを取り込もうというわけです。
そんなわけで、PCに接続されていたRATOCからUSBケーブルを外し、そのままRATOCとHDL-RA2HFを接続。
WireWorldのUSB3.0のケーブルでバッチリ接続し、LANケーブルもPC等がつながっているHUBから引っ張って接続。
これでネットワークにもつながるし、DVDドライブとは直結している状態になりました。
ここでまず、PCのブラウザからNASの管理画面にアクセスし、設定の確認です。
ここでNASのネットワーク上の名前の設定や、外付けDVDドライブなどをUSB接続したときの動作等を設定します。
メニューが面的には各項目が丁寧に説明されているので分かりやすいかも・・・とは思いますが、慣れない人にはなんのこっちゃ分からないかも。
因みに設定自体は、同一ネットワーク上にあればスマホからでもすんなり出来ます。
というわけで、PCからNASの初期設定を済ませた後、いよいよRATOCからCDのリッピングです。
USB接続したRATOCの電源を入れ、ドライブにCDを入れると・・・・勝手にHDL-RA2HFにリッピングがはじまります。
(写真の木の箱は大宮氷川神社で買ったお守りで、ただ単に「初期不良が発生しませんように!」という願掛けです)
RATOCのPioneerドライブ側の設定で「PureRead」などの機能をONにしているので、スムーズに読み込めるディスクもあれば時間のかかるディスクも有り、とりあえず次から次へとリッピングです。
CDのリッピングが終わると、BDドライブのトレイが自動的に開いて、次のCDを入れることが出来ます。
とりあえずわずかではありますが、バーッと持ってきたこれだけのCDをリッピング。
CD30枚。
これだけ入れておけば、とりあえず試聴は出来るでしょう。
そんなわけで、土曜日の作業は完了。
続く日曜日は、オーディオ部屋にこの「HDL-RA2HF」をセッティングし、実際に音出しをすることに。
まずは昨日PC部屋に設置したHDL-RA2HFとRATOCのドライブを取り外し、まるっとオーディオ部屋に持って行きます。
ちなみに、オーディオ部屋への設置の際には、各機器の接続にこれらのケーブルを使用します。
RATOC(USB3.0) ← WireWorld Starlight7 USB3.0ケーブル → HDL-RA2HF(USB3.0)
HDL-RA2HF(USB2.0) ← audioquest Carbon USB2.0ケーブル → B.M.C. DAC1 Pre(USB2.0)
大丈夫、今回はケーブルが機器本体価格を上回っていない(笑)。
・・・あ、でも、RATOCの電源ケーブルでPADのAqueousを使っちゃったから・・・超えちゃったか。
それはさておき、この「HDL-RA2HF」の良いところは自動リッピングだけで無く、ネットワークオーディオプレイヤー不要で、ダイレクトにUSBでDACを接続すれば、中に保存した音楽データを再生出来るところでしょう。
というのも、「fidata」用に作られたスマホやタブレット用の再生ソフトウェアを使用出来るからで、スマホやタブレットにアプリを入れてリッピングされたデータを選択すれば再生してくれるのです。
まぁ、その辺りはまた後で・・・。
最初、下の写真のようにオーディオラックのDACの上の段に設置をしようと思っていたのですが・・・
残念ながらテレビ用に引っ張っていたLANケーブルの長さが微妙に足りず、「HDL-RA2HF」本体はレコードプレイヤーの背後にこっそりと設置することに。
というわけで、コレで全ての配線、設置は完了です。
HDL-RA2HFの電源を入れ、DAC1 Preの電源を入れ、パワーアンプの電源を入れて・・・あ、iPhoneに「fidata」アプリをインストールして、リッピングしたデータの再生です。
リッピングデータは、HDL-RA2HFがインターネットに接続された環境の場合、Gracenoteに接続をしてCD情報を追加されます。
うんうん、なかなかの情報ヒット率です。
・・・が、ジャケット写真がつけられなかったアルバムへのジャケット写真の追加や、Gracenoteで情報を引っ張ってこられずに「不明」のままになってしまっているアルバムの情報修正って・・・どうやってやるんだろう??
気になって仕方ないんだけど・・・
それはそれとして、早速音楽データを再生してみます。
最初、音楽を再生しようとしてもウンともスンともだったのですが、どうやらレンダラー(プレイヤー)を設定しなければならなかったらしく、USB DACを使用する場合は、HDL-RA2HFを選んであげれば良いようなので、選択をして再度再生・・・無事に音が出ました。
まずは長谷川陽子さんの「ノルウェーの森」を44.1kHz/16bitのWAVでリッピングしたデータです。
・・・・なるほど。
かなり音の響きが豊かで、ステージの広がりが普段よりも大きいようです。
静寂感もかなりの物で、ノイズ感はほとんど感じません。
音の沈み込みはわずかに浅いかな?
次にヘルゲ・リエントリオの「スパイラル・サークル」を44.1kHz/16bitのWAVでリッピングしたデータで、TAKE FIVE。
冒頭のドラムソロが聴き所のこの曲、ORACLE CD1000MK2トランスポートで聴くのに比べて、やや力感が後退した印象があるが、シンバルやハイハットの炸裂音はかなり鮮烈。
かといって、刺々しい音では無いので、少しボリュームを上げてやると後退したアタック感も前に出てきてかなり良い感じです。
バスドラムはもっとドスッと、腹に突き刺さるような力感があると良いなぁ。
他にも色々と聴きましたが、全般的に感じたのは、ORACLEのCD1000MK2トランスポートの方が暖かみと湿度のある生々しい音であるのに対して、HDL-RA2HFの音はよりクリアでステージ感が広く、非常に冷静な透き通った音・・・という印象。
コイツはもっと色々なCDをリッピングして聴き比べてみたいなぁ。
そうそう、このHDL-RA2HFはe-onkyoにデバイス登録をしておけば、e-onkyoで購入した音源を自動ダウンロードしてくれる機能もあります。
というわけで、試しに「ドラゴンクエスト11」の東京都交響楽団演奏のハイレゾ音源(96kHz/24bit WAV)を購入してみることに。
購入後しばらくすると、自動的にダウンロードがはじまり、先ほどのiPhoneに入れた「fidata」アプリにアルバムが登録されました。
B.M.C. DAC1 Preは192kHz/24bitまで再生可能なので、そのまま再生をしてみると・・・・ん?なんだ?このノイズは!?
シャワシャワしたノイズがズッと音楽の背後に載っており、曲の切り替わりの時にはノイズもフェードアウト、フェードインしてくる・・・
試しに他のハイレゾ音源もダウンロードしてみましたが、コチラは問題なし・・・
なんなんだ?
そうこうしていると、いつの間にかドラクエ11のハイレゾ音源でもノイズが聞こえなくなりました。
なんなんだ?
なんだかよくわかりませんが、ソフトウェアのバグなのかな?
一度ノイズが消えると、ノイズが再度乗ってくることは無いので、とりあえずこのまま様子見をして使ってみることに。
とりあえず、しばらくはコイツに色々リッピングしたり、ハイレゾ音源を入れて聴いてみることにします。
ようやくコレで、オイラもネットワークオーディオデビュー出来ました!・・・・かな?
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑥ (寺島靖国さん、そして編)
そんなこんな、思い出を大量に残してくれた、色々なことを学ばせてくれたMEGが2018年2月28日で閉店となりました。
閉店イブの2018年2月27日には、寺島レコードの看板ピアニスト、大橋祐子さんのライブがありました。
メンバーは、寺島レコードの大橋祐子トリオ作品1作目から参加されているドラムの守新治さん、2作目からレギュラーになっているベースの佐藤忍さん。
いよいよ翌日が最終営業日と言うことで大勢のお客さんが来店し、補助席を出しても入りきれないほどの大入りでした。
演奏はもちろん白熱し、メンバー全員がMEGでの最後の演奏を噛みしめながら、お客さんもそれをひしひしと感じながら素晴らしいライブを堪能しました。
寺島さんは最終日は予定が入ってしまっていて来店出来ないとのことで、この日が自身がオーナーを務めるMEGへの最後の出勤。
既に店内からはレコードやCDなどの備品は全て撤去され、営業するために必要な最低限の飲食関連の設備とオーディオ機器しか残っていなかったため、ライブが始まる前はBGMも無く異様な雰囲気でしたが、お客さんが持っていたCDをかけることで、なんとかジャズ喫茶としての体を保っていました。
それを皮肉ってか、寺島さんは「後藤さんさぁ、あそこ(客席側のレコード陳列棚)に何も無いのは、こうやって見ると清々しくて良いな。」と苦笑いしていました。
そして最後、ライブMCで大橋さんが寺島さんに今の心境を聞くと、
「敗軍の将、兵を語らずということでね、今の私の気持ちを推し量って下さい」
とだけ答えていました。
思えば、昨年末のイベントの2次会で閉店の意志を固めたことを公言した時に、フと寺島さんのホンネというか、弱音というか、我々に対しての恨みというか、甘えのような雰囲気で「もっとね、普段、平日から店に来てくれていればね、こうならなかったんだ。」とポツリとつぶやいた寺島さんは、何か一見弱々しく肩を落としつつも、憑き物が落ちたような清々しい顔で中華街の天井を眺めていました。
4月1日からはオーナーが変わり、「音吉MEG」として同じ場所にオープンします。
今後もライブやイベントなどが新オーナーの元、開催されていくことが決まっており、寺島さんも「ジャズオーディオ」イベントには参加されるとのこと。
「俺もこれからは客としてさ、ジャズオーディオの会に来るから、後藤さんも来てくれよ。な?」とにっこり笑った寺島さんの優しい笑顔が帰路の途中ズッと頭に残っていました。
そう、MEGは閉店しますが、寺島さんはこれからも寺島レコードや執筆活動を続けられていくので、お店の状況(売り上げ)にやきもきしなくなる寺島さんがこれからどんな活躍をしてくれるのか、寺島ファンとしては悲しむよりもワクワクしないといけないわけです。
MEGを長年切り盛りして、MEGも寺島靖国イメージも守ってきた店長の新井さん、本当にお疲れ様でした。
なにやら次の活動の話も漏れ伝わってきていますので、そちらでのご活躍も心からお祈りいたしております。
また是非、色々なお話を聞かせて下さい。
そして、寺島靖国さん、MEGを作ってくれてありがとうございました。
おかげでジャズの楽しさ、オーディオの楽しさを更に深く、楽しく知ることが出来ました。
これからもご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」、1970年から48年間、本当にお疲れ様でした。
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出① (出会い編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356502556.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出② (ライブ編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356503720.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出③ (イベント編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356504433.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出④ (MAYA編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356504962.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑤ (岩波洋三さん編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356505447.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑥ (寺島靖国さん、そして編)
https://ameblo.jp/keita-goto/entry-12356505925.html
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑤ (岩波洋三さん編)
MEGで知り合いになった方の中には、ジャズ評論家の岩波洋三さんもいらっしゃいました。
MEGのライブやイベントに足繁く通っていた頃、岩波さんとは頻繁に一緒になりました。
ライブが終わってメンバーの皆さんの集合写真を撮らせてもらうときにも、「不意をついて写真を撮るのが良いんだよ」と笑いながらミュージシャンの不意を突いてパシャパシャ写真を撮っていたり、ライブの合間に色々なお話を伺いました。
ライブやイベントが終わった後の2次会では、下ネタだらけの輪に率先して入っていき、「僕がジャズで食えなくて風俗のライターをしていた頃はね・・・」などと、ニコニコしながらエロトークに参加をされていたのも懐かしい。
そういえば、パソコンを初めてみたいという岩波さんにパソコンをプレゼントし、大泉学園のご自宅まで持って行って使い方のレクチャーなどもさせていただきました。
その後、体調不良で入院され、退院後にはMEGで岩波さんの復帰祝いイベントを開催。
2012年10月に岩波さんが亡くなるまでの間、本当に色々な事を教えていただきました。
寺島さんとのトークバトルで少しムキになった岩波さん、質問するとニコニコと答えてくれる岩波さん、ライブで興奮してくると自然と体が動いてしまう岩波さん、いつまでも忘れません。
吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出① (出会い編)
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