吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑥ (寺島靖国さん、そして編) | UNTITLED
2018-03-01 17:30:17

吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑥ (寺島靖国さん、そして編)

テーマ:映像・音楽関連全般

そんなこんな、思い出を大量に残してくれた、色々なことを学ばせてくれたMEGが2018年2月28日で閉店となりました。

 

 

閉店イブの2018年2月27日には、寺島レコードの看板ピアニスト、大橋祐子さんのライブがありました。

メンバーは、寺島レコードの大橋祐子トリオ作品1作目から参加されているドラムの守新治さん、2作目からレギュラーになっているベースの佐藤忍さん。

いよいよ翌日が最終営業日と言うことで大勢のお客さんが来店し、補助席を出しても入りきれないほどの大入りでした。

 

演奏はもちろん白熱し、メンバー全員がMEGでの最後の演奏を噛みしめながら、お客さんもそれをひしひしと感じながら素晴らしいライブを堪能しました。

 

 

寺島さんは最終日は予定が入ってしまっていて来店出来ないとのことで、この日が自身がオーナーを務めるMEGへの最後の出勤。

既に店内からはレコードやCDなどの備品は全て撤去され、営業するために必要な最低限の飲食関連の設備とオーディオ機器しか残っていなかったため、ライブが始まる前はBGMも無く異様な雰囲気でしたが、お客さんが持っていたCDをかけることで、なんとかジャズ喫茶としての体を保っていました。

それを皮肉ってか、寺島さんは「後藤さんさぁ、あそこ(客席側のレコード陳列棚)に何も無いのは、こうやって見ると清々しくて良いな。」と苦笑いしていました。

 

そして最後、ライブMCで大橋さんが寺島さんに今の心境を聞くと、

 

「敗軍の将、兵を語らずということでね、今の私の気持ちを推し量って下さい」

とだけ答えていました。

 

思えば、昨年末のイベントの2次会で閉店の意志を固めたことを公言した時に、フと寺島さんのホンネというか、弱音というか、我々に対しての恨みというか、甘えのような雰囲気で「もっとね、普段、平日から店に来てくれていればね、こうならなかったんだ。」とポツリとつぶやいた寺島さんは、何か一見弱々しく肩を落としつつも、憑き物が落ちたような清々しい顔で中華街の天井を眺めていました。

 

 

 

4月1日からはオーナーが変わり、「音吉MEG」として同じ場所にオープンします。

 

今後もライブやイベントなどが新オーナーの元、開催されていくことが決まっており、寺島さんも「ジャズオーディオ」イベントには参加されるとのこと。

「俺もこれからは客としてさ、ジャズオーディオの会に来るから、後藤さんも来てくれよ。な?」とにっこり笑った寺島さんの優しい笑顔が帰路の途中ズッと頭に残っていました。

 

そう、MEGは閉店しますが、寺島さんはこれからも寺島レコードや執筆活動を続けられていくので、お店の状況(売り上げ)にやきもきしなくなる寺島さんがこれからどんな活躍をしてくれるのか、寺島ファンとしては悲しむよりもワクワクしないといけないわけです。

 

MEGを長年切り盛りして、MEGも寺島靖国イメージも守ってきた店長の新井さん、本当にお疲れ様でした。

なにやら次の活動の話も漏れ伝わってきていますので、そちらでのご活躍も心からお祈りいたしております。

また是非、色々なお話を聞かせて下さい。

 

そして、寺島靖国さん、MEGを作ってくれてありがとうございました。

おかげでジャズの楽しさ、オーディオの楽しさを更に深く、楽しく知ることが出来ました。

これからもご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。

 

吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」、1970年から48年間、本当にお疲れ様でした。

 

 

 

吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出① (出会い編)
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吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出② (ライブ編)
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吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出③ (イベント編)
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吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出④ (MAYA編)
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吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑤ (岩波洋三さん編)
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吉祥寺のジャズ喫茶「MEG」の思い出⑥ (寺島靖国さん、そして編)
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