京都の寺院は雪に包まれるなか、

暖かい陽を受け、梅が咲く頃を

むかえている。

 

醍醐寺

京都の醍醐寺は、大河ドラマ「光

る君へ」で登場する人物、藤原倫

子、紫式部そして倫子の夫となる

藤原道長(のち関白)などともゆ

かりがある。

 

 

醍醐寺(京都市伏見区醍醐東大路町22)

 

醍醐寺は醍醐天皇御願寺であり、

ときの和尚・聖宝が、宇多法皇の

子ども、のちの朱雀帝・村上帝と

のふたり誕生を祈ったという寺院

である。

 

 

醍醐寺の五重の塔

 

宇多法皇と醍醐天皇

醍醐天皇(897-930)は、宇多法

皇の第一皇子で祖父は内大臣藤原

高藤で、祖母は宮道列子である。

 

藤原高藤と妻・列子

醍醐天皇の父は宇多天皇で、母は

藤原高藤の娘・藤原胤子。

高藤は、左大臣藤原冬嗣の孫にな

る。

高藤の妻は宮道弥益の娘・列子で、

高藤と列子のあいだに男子2人、

長男・藤原定国、次男・藤原定方

がいる。

 

紫式部と藤原倫子

高藤・列子のあいだにできた藤原

定方が紫式部の曽祖父になる。

源氏物語の光源氏と明石の御方の

モデルになる。

土御門邸には紫式部の縁者の敦実

親王の子・左大臣雅信と穆子のあ

いだにできた倫子がいる。

倫子らが宮廷で漢字合せの遊びに

興じ、紫式部はその才を発揮する。

 

 

左より源(藤原)穆子(石野真子)、赤染衛門、源(藤原)倫子(黒木華)

 

 

醍醐天皇(誕生秘話)

醍醐天皇誕生にまつわる噺が「今昔

物語」にある。

今は昔。ある日、都の藤原の高藤さ

ま(16歳)が南山科へ鷹狩にゆく。

途中、一天かき曇り雨が降る。山陰

に人家あり、「雨宿りに来た」とい

う。家の主、供の舎人から身分、名

を聞き驚く。休んでいると、娘が高

杯を持って部屋を出てゆく。夜深く

なるがあの可憐な姿が焼きついて寝

つけない。「どうぞあの子を」とい

われ、お召になられる。長月の夜は

長い。若者は好きでたまらない子を

優しく撫で、娘も温かい肌のぬくも

りを感じ、清らかな泉は熱く湧き、

めずらしき宝物をさずかる。

こうして夜が明ける。

彼は別れ際に「どうか私を忘れない

で。他の男と結婚しないで。」と

都に帰った。

その後父君が亡くなり6年の歳月が

経った。

ある日。京から舎人が雨宿りの家に

やって来、京にもどっていった。

梅の花が咲く頃。高藤さまは、その

娘を屋敷に迎えた。几帳の傍の少女は

大人びて、匂やかな輝くばかりの美し

さの女性がいた。

形見の太刀を見つつ、何と深い契りの

仲だったろうと思う。

高藤さまは、生涯他の女人に目もくれ

ず男の子2人ができる。その後出世し、

大納言に上られる。

高藤さまとの雨宿りの娘とのあいだに

できた姫君・胤子は、宇多天皇の女御

に上がられ、醍醐天皇と敦仁親王をお

産みになる。

雨宿りの少女は、醍醐天皇の祖母にな

ったという噺。

 

藤原高藤と宮道列子

 

藤原高藤━|

       |━藤原胤子・藤原定国・藤原定方

宮道列子━|  

(雨宿りの娘)

 

藤原胤子━|

       |━醍醐天皇・敦実親王

宇多天皇━|

 

左大臣藤原雅信

醍醐天皇の子・雅信(左大臣)と藤原

高藤の曾孫・穆子の間にできた子が藤

原倫子。倫子は、のち藤原道長の正室

となる。

 

宇多法皇ー醍醐天皇ー村上天皇ーー今上天皇

     敦実親王ー藤原雅信

 

藤原高藤ー定方ー朝忠ー穆子

 

藤原雅信(宇多天皇の孫) 

          |━藤原倫子

藤原穆子(藤原高藤の曾孫)

 

 

左より左大臣源(藤原)雅信(益岡徹)、関白・藤原頼忠(橋爪淳)

 

藤原倫子と紫式部

高藤・列子のあいだにできた藤原定方

が紫式部の曽祖父になり、紫式部は、

縁者の左大臣雅信(左大臣)・穆子夫

妻・の倫子の屋敷の女房として仕える。

 

 

 

醍醐寺(京都市伏見区醍醐東大路町22)

 

 

 

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