ときは移ろいゆく。

街には梅が咲きはじめ、春の気

配を感じる今日。2月4日は立春。

 

平安時代に季節の移ろいを宮廷

を舞台に恋の歌が詠まれ、物語

が描かれる。

源氏物語を描いた紫式部はじめ

高位の女官に歌などを師範し

た赤染衛門。

 

「月百姿」

「月百姿」は月岡芳年が明治18年

から明治25(1892)年の7年かけ

て、月にちなんだ物語を各時代の人

物をモデルに百の物語風の絵を描い

ている。

 

月百姿「石山月」

「石山月」の紫式部。

紫式部は琵琶湖のほとりである石山

寺に籠り、湖に映る満月を眺めてい

た時に『源氏物語』の構想がひらめ

いたと伝えられている。

かの女は文机に頬をつきながら月明

りのもとで考えている。その視線の

先には、湖に映る月があるのだろう。

 

 

月百姿「石山月」

 

月百姿「赤染衛門」

月百姿の赤染衛門(あかぞめえもん)

は平安時代の女流歌人。

藤原道長の正妻・源倫子(りんし)

についで倫子の娘・藤原彰子(しょ

うし)の女房として仕えた。

その代表作が題名の和歌。

 

やすらはで寝なましものを

小夜更けて

かたぶくまでの月を見しかな

 

恋人の訪れを夜が更けるまで待ち、

西の空に沈んでいく月をみてしまっ

た。こんなことならぐずぐず起きず

に寝てしまったのに。

という内容で『後拾遺和歌集』に収

められ、藤原定家撰の『小倉百人一

首」(第59番)にも載る。

 

 

『小倉百人一首』(第59番・赤染衛門の歌)

 

月岡芳年の「月百姿」の絵には、

恋人の訪れを待ちわびるかの女の

心情を、沈みかける月を眺める視

線に込め描かれている。

「月百姿」のかの女らには月に照ら

され、また月が沈む中で描かれる。

その先の視線にどこかもの悲しげな

ところが感じられる、女性が男を想

う月姿の物語。

 

 

百人一首「やすらはで…」の歌の赤染衛門

 

 

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