永禄6(1563)年。

松平元康(22歳)は家康に改名し、

9月大規模な一向一揆が勃発。

このもとは松平家康だった。

家臣のひとり夏目吉信は、家康に一

向宗に不入権を認め、敵にしないよう

にと願い出る。

 

ー夏目吉信と家康ー

夏目吉信こと夏目広次(旧名)。

家康(1542-1616)は、この吉信の

名を聞いても、記憶と結びつかないこ

とがよくあった。

それは、夏目広次がのちに吉信と名を改

めるも通称広次でとおっていた。

 

<夏目家(夏目広次)>

夏目家の先祖は清和源氏(第56代清和天

皇の皇子・諸王が祖)の満快流(源経基

の五男)の夏目氏の一族で、先祖が夏目

国平(初代)であり、武田家に仕え、甲

斐国八代郡夏目邑を賜っていた。

三河徳川氏の家臣であった夏目広次は、

甲斐の夏目氏と同族であった。ちなみに

小説家夏目漱石は夏目広次を祖とする。

 

(夏目広次と竹千代)

かつて家康が幼い若君(竹千代)のとき、

織田方に奪われ、人質(5歳-7歳)とな

った。そのとき切腹に値する失態を犯し

た家臣の夏目広次は、このとき名前を広

次から吉信にかえた。

 

<夏目吉信と三河一揆>

 

 

家康(松本 潤)と夏目吉信(甲本雅裕)

 

夏目吉信は家康に進言したことを聞き入れ

られず一向一揆側につき、続いて吉良義昭、

大草松平昌久らが蜂起し、三河国内は内戦

状態に陥った。そして翌年永禄7(1564)

年春、空誓と家康の間で和睦がなされる。

 

 

 

空誓(市川右團次)

 

永禄9(1566)年家康(25歳)は、三河

一揆で空誓と和睦後に吉良義昭、大草松平

昌久らの反乱軍を鎮圧により三河を統一・

平定し、従五位下三河守に叙任せられ、松

平から徳川に改姓する。

ところで夏目吉信は多くの家臣からの助命

嘆願が出されたため、家康は、夏目吉信の

謀反の罪を不問とした。

 

三方ヶ原の戦い

ー夏目吉信と家康ー

一向一揆勃発の1563年。

家康の嫡男の信康は、織田信長の娘・徳姫

と婚約。そこで家康は、信康に岡崎城を譲

り、浜松城を居城とした。

 

元亀3(1572)年晩秋。

浜松城を居城としていた徳川家康。

甲府から突然、遠江に侵入の武田軍。

武田信玄は風林火山の如く、天竜川を下

り、北遠江に侵入してきた。

 

武田は大軍2万5千、一方徳川家康は、織

田の援軍加えても1万1千の軍勢だった。

 

 

武田信玄(阿部 寛)

 

武田信玄は北遠江の城を落とし、家康の

居城を攻めることせず、そのまま西に進

軍していく。

このとき家康は浜松城を討って出た。が

武田軍は、三方ヶ原台地を下ることなく、

徳川軍を待ち構えていた。

 

夕刻午後4時にはじまった戦闘は2時間後、

日没に勝敗は決し、徳川兵の死屍累々と

なり、三方ヶ原の台地を覆い尽くした。

その夜、家康の討死が岡崎城と岐阜城に

伝えられた。

 

この間の夏目吉信。

夏目吉信は、咄嗟に「殿、具足をお脱ぎ

くだされ」と自分の具足を外し、傍の者

らで脱がした、家康の金茶美具足を身に

つけていく。

名前をかえたところで、その罪は消えぬ。

「夏目吉信、ようやく殿のお役にたてま

す!」と。夏目吉信は敵兵の声のする方

へ駆け出した。

 

翌朝武田軍は陣を引き払い、西に向けて

出立。家康は、本多忠勝(平八郎)、榊

原康政(小平太)、鳥居元忠(彦右衛門)

に守られながら、三方ヶ原付近の集落に

潜んでいた。のち家康は命からがら浜松

城に帰還する。

 

 

 

 

<どうする家康>

脚本:古沢良太

松平元康     :松本 潤

瀬名(築山殿)  :有村架純

今川義元     :野村萬斎

関口氏純     :渡部篤郎

織田信長     :岡田准一

木下藤吉郎    :ムロツヨシ

石川数馬               :松重 豊

酒井忠次     :大森南朋

大久保忠勝(平八郎) :山田祐樹

鳥居忠吉    :イッセー尾形

服部半蔵    :山田孝之

本多正信    :松山ケンイチ

千代      :古川 琴音

空誓      :市川右團次

 

 

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