カウンセラー中島知賀です。
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では、今日のお題は「聴き手が防衛的になるとき」です。
前回は、
「聴き手のどんな在り方が、話し手にどう影響を与えるか?」についてお伝えしました。
聴き手が、「無防備でありのままでリラックスしている在り方」のとき、話し手の心の中に自己治癒力が働き出し、癒しや成長に向かう心の動きが自然に起きてくることをお話しました。
今日は、反対である「聴き手が防衛的になるとき」についてです。
援助者である聴き手が、
「話し手の想いを、あたかも自分の経験であるかのように、ありありと想像して理解する」
「話し手を無条件に受け容れて尊重する」
こうした援助者と、話し手との関係性の中で、話し手の心の中に自己治癒力が働き出し、癒しと成長へと向かっていきます。
しかし、
聴き手、援助者の心の中に、まだ癒されていない心の痛みがあるほど、話し手の似たような心の痛みを「あたかも話し手であるかのように、ありありと想像して理解する」ことができなくなります。
防衛的になるのです。
例えば、
悲しい出来事や、気持ちを話し手が語るのを聴いて、聴き手も悲しくて落ち込んだり、涙が止まらなくなることがあるかもしれません。
また、話し手が、誰かに対して腹を立てているのを聴いて、聴き手までが「なんてひどい奴!許せない!」と一緒になって怒りだすこともあります。
しかし、こうした反応は、聴き手が「あたかも話し手であるかのように理解している」のではなく、
聴き手自身の心の奥底にあって、まだ癒されていない心の痛みが反応しているのです。共鳴、共振(同調)している状態です。
あるいは、傾聴トレーニングでよく見かける光景としては、
聴き手が話し手の感情にピンと来なくて、感情をスルーしてしまったり、怒りの感情に共感できずに、苦笑いをしてしまったり、あるいは、聴き手自身が感情を感じることが怖いために、気づかない内に心を固くして、話し手と距離をとってしまったりするために、話を聴いても何も感じなかったりすることがよくあります。
また、話し手の話にイラついたり、話し手の考え方や態度が許せなくなって説教したり、批判的な言い方になったりして、話し手を傷つけてしまうこともあります。
他には、
聴き手の心の奥底に癒されていない心の痛み、無価値感や劣等感が強いほど、「良い援助者だと思われたい」「自分を必要として欲しい」という気持ちが強くなり、そのことをクライエントに求めてしまいます。
すると
「話し手に良くなって欲しい、変わって欲しい」というニーズが強くなりますし、さらに「あなたが変わってくれないと私が困るんです」という押しつけがましさも交じってきます。
このことは、話し手に気のレベルで伝わっていくので、話し手にとっては負担になります。
援助者のニーズを満たすために、良いクライエントを演じないと見捨てられる不安が大きくなるからです。
それから、援助者自身がこうした自分の奥底にある自分の無価値感から発生する欲求に気づいていないと、正義感や良い人を装うことで、相手(話し手やクライエント)をコントロールしていることにも気づきません。
「あなたのためにしているのよ」という援助者の正しさという殻に包まれているものに、クライエントや話し手はなかなか反発できなくて苦しくなることがあります。
さて、私たちは、100パーセント無防備であることは難しいと思います。
自分でも気づいていない部分で、防衛的になっていることがあるからです。
ただし、心の援助者として関わるからには、自分の中にある防衛的な部分を限りなく少なくしていくことが、心の援助者として求められます。
ですから、心の援助者は、自分の心の中にある防衛的な部分に気づき、そして、癒していく作業が必須になります。
それには、何度も繰り返しになりますが、自分自身が自分の心にガチで取り組んで、自分の中の葛藤をできるだけ解決することは話し手の気持ちを理解し、受容する能力を高めるにとても有益です。
心理カウンセラーなど専門家になろうとする人にとっては必須だと思います。
参考にしてみてくださいね。
本日もお読みいただきありがとうございました♪
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