※この日記は漫画『大蛇に嫁いだ娘』のネタバレを含みます。知りたくない方、スルーして下さーい。

また文末の日記より続きます。

ミヨとイナ、鷹彦、一番後ろに

ため息をつきながら時太郎が

大蛇様の元へと山道を進みます。

 

慣れない山道に遅れがちな鷹彦の言葉、

 

「俺 海の出身なんですよ」

 

に時太郎は驚きます。

 

-海!?

この子、海から来たんだ!

 

山奥の家に着くと、ミヨは

大蛇様に話してくるけど

時間がかかるかも知れないから

夕方頃戻ってきてほしい、と伝え

家に入ります。

 

さっそくイナは、

晩御飯の食べ物を狩ってくるからと

鷹彦を時太郎に託し、

そそくさと姿を消します。

 

-やばいやばいやばい

何を話せばいいんだ?!

 

だらだらと冷や汗を流す時太郎。

鷹彦が話しかけてくる。

 

「あー…時太郎君」

 

びくっとする時太郎。

 

「君、海の絵描くんだよな?」

 

かあぁっと赤面。

なんで知ってるんだ聞くと

 

「イナちゃんが教えてくれたんだよ」

 

と屈託なく鷹彦は答えます。

 

-あいつ。

 

「俺、海が好きなんだ

だから海のこと教えてくれないか?」

 

ずいっと顔を近づけ、鷹彦に迫る時太郎。

 

「…おう いいけど。」

 

異種交流って絵柄に関わらずなんかメルヘンちっくでほのぼの照れ
 

漁の話、

ウミガメ、タコ、鮫、

巨岩に巣をつくるカモメの話…

鷹彦はいろいろな話を聞かせてくれ、

矢継ぎ早に質問を浴びせる時太郎に

懸命に答えてくれます。

 

すごい 本当に

海を知っているんだ

やっぱり海は本当にあるんだ!

楽しい!!

 

夕方になっても時太郎は質問を

止めません。

 

「あー ごめん…

海の話はちょっと休憩な

質問胃答えるのも体力使うっていうか…」

 

ついに鷹彦がネを上げます。

家まで戻りながら時太郎は

鷹彦の事を考えずに自分の興味ばかり

考えていた自分に落ち込んでしまいます。

 

-恥ずかしい!

…楽しかったのは俺だけだったんだ

俺ってなんでこうなんだ?

 

大蛇様の家では、ミヨが笑顔で迎えます。

部屋いっぱいに

威厳たっぷりの大蛇様が現れます。

 

「お前が鷹彦とやらか」

 

畏まる鷹彦に、大蛇様は

自分はただの蛇で特別な力は無い、

父親が治ったのは自身の力だと言い、

数日逗留するよう勧めます。

 

一度は断るも、大蛇様の圧に負け

鷹彦はお言葉に甘える事に。

時太郎とイナは、大蛇様がやけに

優しいと訝ります。

 

子供たちと鷹彦が居なくなると

 

「ミヨ、これでよかったのか?」

 

と大蛇様。

鷹彦が気になっている時太郎のために、

ミヨが大蛇様に鷹彦を引き留めるよう

頼んでいました。

時太郎が友達を欲しがっている事に

気付いていた大蛇様を

ミヨは親として成長したと褒めてやります。

大蛇様はぽっと赤面。

 

イナちゃんはもっと厄介そうな男に惚れてるぞ

 

夕飯時。

ミヨの手料理を褒め、上手そうに食べる

鷹彦を大蛇様はご満悦で眺めます。

落ち込んだままの時太郎は

「こないだ食べたからまだ平気だ」

と食べようとしない。

 

みんなが寝静まった後も、

時太郎は画材の散らばった自室で

自分を責め続けます。

 

-ぐすん

蛇とは嫌われる宿命…

何を忘れてるんだ

夢をみてはいけなかったのに…

 

 

翌朝、腹を空かせた時太郎は

朝ごはんを狩りに森へ入ります。

その様子を盗み見た大蛇様。

顔を洗い終えた鷹彦に

愛想笑いをしながら近づきます。

 

「鷹彦君、実は…」

 

森の中奥深く進みながら

時太郎は考え続けます。

 

-別にいいじゃないか

…今までと変わらない

それでいいんだ

 

なのに……

ついてきてるなあ……

 

時太郎の後をつけ、

木に隠れて鷹彦がじっとこちらを

見ています。

 

-一体どうして…

これじゃ 狩りができない

人間は驚くに決まってる!

絶対に見られるわけには…

 

その時。

 

ピクッ

びゅっ

 

素早く時太郎が動き出す。

 

「どこ行くんだよ!」

 

鷹彦も走り出します。

時太郎の先には一頭のシカが。

 

ガブ

牙の尖った口を大きく開け、

目を血走らせ、

時太郎はシカの腹に噛みつきます。

 

ドク ドク ドク ドク ドク…

 

時太郎にくわえられたまま、

シカは痙攣し、

口から血を垂らしうなだれ

動かなくなる。

時太郎、静かにシカを地面に置きます。

 

「死んだの?」

 

鷹彦の声にはっと我に返る時太郎。

 

はっと我に返る時、時太郎の目だけ描くコマがとっても秀逸ラブでしたー

 

鷹彦は後をつけた事を謝り、

なんの毒かと聞いてきます。

分からない、噛み続けるとみんな死ぬ

と答えながら悔やむ時太郎。

 

-どうしていつもこうなんだ!

臭いを嗅いだ瞬間我を忘れて…

こんなんじゃ俺は本当に

ただの獣だ

絶対怖がられ…

 

「やっべー かっこいいよ!!」

 

時太郎の後悔を打ち消すように

鷹彦が叫びます。

 

「ええ?」

 

ぽかんとする時太郎。

鷹彦は毒を使えて最強だ、

自分も毒が欲しいと叫び、

 

「やっぱり すげえよ 時太郎君!

絵もうまい

でかい

毒使えるし!」

 

と頬を紅潮させ時太郎を

ほめちぎります。

舞い上がった時太郎jはあまりのことに

正気を失いあらぬ強がりを

言ってしまいます。

 

「俺に近づくと怪我するぜ…」

 

-またやっちまったー!!

…本当は…

本当は…!

鷹彦くんと、

 

心折れそうな時太郎に

鷹彦が言う。

 

「なんで

俺と君は友達だろ!」

 

鷹彦の言葉に、

まるで光がさしてきたかのように

鎌首を持ち上げる時太郎。

 

「…お おう そうだったな」

 

ははは、と笑い

早く食べろと促す鷹彦。

 

「よろしくな時太郎!」

 

鷹彦は時太郎を親し気に

呼び捨てします。

時太郎は思います。

 

-ずっと憧れていた

海の方からこちらに近づいてきた

 

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時ちゃん、よかったねぇえーんえーんえーん

おばさん、君が幸せになること

祈ってるよー

読みながら思わず「よかったねえ!」

とパソコン画面に声かけてしまった

あたしでした照れ