注 この日記は漫画『大蛇に嫁いだ娘』(フシアシクモ著)のネタバレを含みまーす照れ

知りたくない方はスルーしてくださーい目

また文末の日記より続きます。

 

放課後、

寺から出てきた時太郎に子供達が怯えます。

ゆらっ

と鎌首をあげる時太郎。

 

「フッ その判断が正しい…

怪我をしたくないならな…」

 

ぽかんと見つめる子供達をみて

 

―決まった!

 

と自己陶酔する時太郎。

和尚さんが開放してくれた土蔵で

おばあちゃんにあげる絵の手直しに勤しみます。

 

和尚さんやミヨ、叔父渉に褒められ、

すっかり自信をつけた時太郎は

蛇身を呪った事もあったけど、

自分は

特別な存在なんだ、と今は思います。

 

-仲間?友達?…俺には必要ない!

孤高であることが俺を高めてくれ…

 

自己陶酔が頂点に達しようと言う時に

ミヨと和尚さんが現れる。

二人は絵を褒め、

ミヨが土蔵開放の礼を言うと和尚、

 

「安憬が居なくなって八年だ

好きに使ってください」。

 

安憬(当時29歳)は8年前、

兄弟子が倒れたため故郷に帰りました。

和尚、ミヨに

 

「貴方も安心した事でしょう

あいつはもう戻ってこないだろうなあ…」

 

大蛇様を仕留められない無念を残し安憬さん、帰っちゃったか。

 

森の中では。

 

「あんた誰よ?」

 

「ああーっ!!!お守りっ!!」

 

男、イナをいきなり突き飛ばし起き上がります。 

男はとても大事なお守りだと騒ぎ、

慌ててあたりを探しまわります。

 

「お守りって…何?」

 

イナが尋ねると、男は急に振り向き、

ずいっと身を乗り出してイナを見つめる。

 

「君すごいね。

旅をしていろんなものを見たけれど

まだまだ知らないことってあるんだなあ…」

 

イナの頬に手を伸ばす。

イナ怒りの一撃を男の横っ面にお見舞い。

 

「触んな!

馴れ馴れしいのよあんた!!」

 

ごめんつい…と男は謝り

でも君みたいな子がいるなら

目的の場所も近そうだ、と喜びます。

男、再びお守りを探し回った挙句、

困り果てる。

声を掛けるイナ。

 

「いいよ私も探す 

まあ…私にも責任あるし…で、どんなの?」

 

「お守りは

君みたいなやつなんだ!」

 

「お守り」。これってミヨさんが嫁いで間もない頃大蛇さまの脱皮殻で作ってたやつに似てるー
 

さて、寺の土蔵。

ミヨはもう母の元へ出かけています。

時太郎の傍らで絵を眺める和尚。

(慈空さんと言うそうです照れ

時太郎の海は繊細で穏やかだ、と感心します。

観てきた絵や和尚さんの話で

想像して描いてるから…と答える時太郎に

和尚は、きっと時太郎くんはこういう海が

好きなんだろう、

ミチさん(ミヨの母)にあげる絵も海なんだな

と和尚。

 

「おばあちゃんは俺の描く絵が好きなんだ

きっと海って雄大で

どんな悩みも苦しみも

受け入れてくれる

そんな不思議な力があるんだ

俺はいつか

きっと本物の

海を見にいく」

 

力強く答える時太郎に素敵な夢だな、

と和尚は微笑み頷きます。

さらに。

 

「最近の君は

強がる言葉をよく使うけれど

本当は心の中が優しさでいっぱいだと分かるよ」

 

と言ってくれます。

カァアアッと赤面する時太郎。

 

「そんなことはない!

俺は心に獣を飼ってるのさ!」

 

とブンブン尾を振って強がります。

 

 

再び森の中。

「あっ  ほら これじゃない?」

 

イナが見せたのは、蛇の脱皮殻で作った花。

男は喜び

 

「本当に大切なものだったんだ!」

 

とうるうるしながら受け取ります。

男がぐっとイナに近づく。

 

「そうだ!名前まだだったね

俺は鷹彦!君は?」

 

日に焼けて暑苦しくて遠慮を知らない旅人・鷹彦くんである。

 

-やっぱこいつ面倒くさい…

 

イナは仕方なく名前を言います。

イナの迷惑顔に構わず鷹彦は

君に似てるだろ?

だの

君の村に案内してくれない?

だのと畳みかけます。

 

驚き、村で何をするのか尋ねるイナ。

鷹彦は

 

「ある人にお礼を言いにきたんだよ」

 

と嬉しそう。

考え込むイナの着物から除く膝を

まじまじと眺め今度は鷹彦は

少し戸惑いながら

 

「ねえ 君の村の人って

みんな君みたいな見た目をしているの?」

 

と尋ねます。

そんなわけないじゃん!と

ちょっといきり立つイナに

そっかごめんと鷹彦は目をそらします。

 

調子狂うなー…

-旅人か…

 

8年前に寺を去った安憬の後姿が

頭に浮かび、そのまま

物思いに耽るイナ。

 

8年ずっと、思ってたんだねえイナちゃん。

赤ちゃんの頃、イナはほぼ安憬にしか懐かなかった。
 

イナは立ち上がり尋ねます。

 

「…あんた どこから来たの?

もしかして 東とか?」

 

「え?ううん!違うよ

俺は海の方から来たんだよ」

 

寺では時太郎が未だ海の絵を

手直ししている…

 

→Pixivコミック『大蛇に嫁いだ娘』

★本日現在、

残念ながらこの日記に出てきたお話は公開期間終了しています。