その2.イジメ事件をめぐる学校の隠蔽体質(後編)

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

大阪市立K中学校:ユーチューバーが介入

【いじめ】学校/教頭の隠ぺいを加藤が徹底して暴く!少女の遺書から分かった自

 の真実とは 2022/03/06 加藤秀視 37:53

【暴露!】担任の隠ぺい対応の音声公開!学校/教頭の隠ぺいを加藤が徹底して暴

 く! 2022/03/14 加藤秀視 32:46

4/1 19時プレミア公開【遂に!突撃】隠ぺいし続ける学校と直接対決⁉︎隠ぺい教

 師を加藤が追い詰める! 加藤秀視 41:36

【完全決着⁉︎】隠ぺいし続ける学校と3時間を超える戦い⁉︎担任と学校は中1少女に

 謝罪したのか? 2022/04/22 加藤秀視 43:02

◎【学校名公開】今日すべてを晒します。2022/05/13 加藤秀視 41:57

【証拠暴露】学校名、担任、事件内容、すべて晒します。

 2022/05/14 加藤秀視 22:18

【緊急収録】思わぬ展開に!2022/06/04 加藤秀視 28:23

【緊急保護者会】大阪中1女子自未遂!全音声公開74 分  2022.6.5 

 加藤秀視 26:26

【大阪中1女子自○未遂事件】2万人の想いを背負い!大阪へ出陣

 加藤秀視 2022/11/06 25:29

 これも大阪で学校の隠蔽体質が露見したケース。ただし行政のバックアップも乏しい中で現場の教師が抱えている膨大な仕事量と大きなストレスへの理解は学校が頑固な隠蔽体質を持つに至った背景を知る上で欠かせまい。学校や教師を一方的に断罪するだけでは教育現場の絶望感を深めていくだけであり、教師志望者をさらに減らしていくだけとなりかねない。そもそもこれまでに挙げてきた数々の隠蔽事件を振り返ってみれば、これだけ数多く隠蔽に走る教師たちの異様さの裏側に一体、何が隠されているのか、徹底的に追及していくべきであろう。

 当たり前のことだが、多くの教師は犯罪者や精神異常者ではない、ごく普通の人々である。いや、どちらかといえば善良な市民の方に属するであろう。そして善良な市民が巻き込まれ、結果的に加担してしまった凶悪な犯罪の代表例がナチス政権下での大量虐殺。かつてドイツ人が誰によって、何によって戦争犯罪に加担していくことになったのか…が戦後の世界において真っ先に問われるべき本質的ポイントであった。同様に現在の学校や教育委員会が少なからず隠蔽に走ってしまう背景、要因こそ、探られるべきポイントなのである。

 もちろん学校の伝統的な隠蔽体質が学校教師への世間による共感的理解を妨げてしまい、隠蔽に走る学校や教師に対する厳しい批判を招いてしまう一因ではあるだろう。加藤氏らにバッシングされている学校の惨めで情けない現状は厳しく言えば自己防衛ばかりに腐心し、自己改革をサボってきた学校側の自業自得と言えなくもない。これからは学校をもっともっと大胆に世界や世間に向けて開いていく努力をしていかなければなるまい。さもなければ日本の学校は児童生徒および教師にとってさらに辛い場所になってしまうだろう。

 加えて何よりも重大なのは教師及び管理職の採用条件であろう。たとえばこれまで日本の教育行政のあり方に批判的な意見を面接試験の場で一度でも表明した人物は教員採用試験や管理職登用試験で必ずと言って良いほど落とされ続けてきたと考えられる点である。学校の現状に批判的で学校改革を進めていけるだけの意欲と可能性を秘めた人物を予め現場から排除しようとするような、閉鎖的で変革を好まない村社会的人事を教育行政側が続けている限りは教育委員会や管理職が「いじめ問題」の隠蔽をやめることはまず期待できないだろう。

 これまでの教員養成教育や教科書検定制度を含めて学校教育をあらゆる角度から根本的に見直さない限り、日本の保守的で閉鎖的な学校体質に何一つ変化は訪れないと考える。実際、悲惨の極みに思えたあの大津イジメ事件からですら、多くの管理職や教育委員会が何一つ学ぶことの出来ていなかった証拠が、神戸、大阪、枚方、流山、西宮、堺、名古屋、酒田、静岡、川口、旭川、尼崎、町田、川口などでの出来事で立て続けに露呈してきている。おそらく根本的な見直しがされないままでは同様の事件が各地で続発していくに違いない。

 加藤氏らの挑戦が請願権を楯に大きな燎原の火となって政治を動かし、法制度を変えていくまでにはやはり相当の困難と時間を要するだろう。つまり学校教育の現場と行政側はとっくの昔に自浄能力を無くしてしまい、ほとんど自己変革を期待できないほどに組織の腐敗と衰弱が進んでいると思えるからである。学校現場の関係者に「イジメ」事件を円満に解決する能力や時間的、体力的余裕が残されているとは最早、到底考えられない。逆にこうした事件が明るみに出れば出るほど学校では「やってる」感を演出するための体裁作りばかりが増えていき、教師達はいよいよ疲弊していくに違いない。これが教育現場に携わる人々の大方の実感ではあるまいか。

 元教師という立場からは余りにも情けない言い草なのだが、正直なところ、日本の学校を変革するためには教育行政や学校関係者以外からの第三者によるさらなる強烈な「外圧」、「黒船来航」を必要としていると個人的には感じている。

・大阪府枚方市:被害生徒に謝罪を求める…

いじめ相談『7か月間放置』か...さらに顧問や教頭は被害生徒に「まず謝れ」「周

 りに責任あるという考え方が...」市教委は『重大事態』に認定(2022年12月14

 日) MBS NEWS 2022/12/15 8:43

いじめ相談『7か月間放置』か...さらに顧問や教頭は被害生徒に「まず謝れ」「周

 りに責任あるという考え方が...」市教委は『重大事態』に認定

 毎日放送 2022.12.15

 大阪府枚方市の事件。イジメ問題に対する学校や教師側の典型的なダメ対応が理解できる。動画も合わせて視聴させたい。

熊本県高3自殺事件

福岡高裁、県にいじめ関与生徒名開示命令 熊本高3自殺報告書巡り

 毎日新聞 2022.12.6

いじめ関与の生徒名開示決定、県が特別抗告 熊本高3自殺報告書巡り

 毎日新聞 2022.12.7

 司法の場がようやくイジメ加害者の氏名を開示する命令を県に示した。2013年の事件なので10年近く、経過しており、遺族の心労は言葉に尽くせないものがあるだろう。旭川の場合、校長や教頭及び教育委員会の生ぬるい対応から加害者によって被害者がネット上で卑猥な画像を晒されて続けてしまうなど、被害者のプライバシーは惨いほどにズタズタにされてしまった。さらに繰り返される教育委員会の無策ぶりと校長らの隠蔽工作に憤慨したネット民が加害者と思しき関係者と教員の画像を次々とネット上に晒すなど、大津事件に匹敵する人権無視の醜い応酬、泥仕合を招いてしまった。

 今回の判決はそうした事件を踏まえた上での判断と思われる。また、遺族が熊本県に加え、当時の加害者8名に損害賠償を請求している事も裁判所が加害者の氏名を裁判の場で公開すべきとした判断の一因なのかもしれない。そもそも加害者が誰であるのか知ることの出来なかった遺族は独自の調査で8名を特定し、訴訟に踏み切った。だからこその氏名公開である。

 専ら教育的観点から氏名の開示を渋ってきたのだろうが、ならばこの8人に対して学校側はこれまでどのような教育的指導を行い、再発防止のために何をしてきたのか、教師・学校側の落ち度は無かったのか、あったとするならばどのような処分、指導が施されたのか、公の場で厳しく問いただされなければなるまい。

 被害者や遺族の人権を軽視する一方で加害者の人権及び教師側の保身を考慮するあまり、遺族に寄り添う姿勢に欠けていた学校や行政の対応も、この際、きっちりと糾弾されるべきだろう。イジメが自殺といった重大事態を招いたときには最早、学校側の論理、教育的観点からだけでは対処できないし、決して対処してはなるまい。今や刑事事件や民事事件に発展することを前提とした法的専門性を持つ対応が学校側にも求められてきているのだ。しかし県は最高裁に特別抗告を行うという。県は一体、誰を、何を守ろうとしているのか、今後もしっかりと注視していきたい。

熊本県央の県立高いじめ訴訟、関与の生徒名「開示」確定 最高裁、県の特別抗告棄

 却 熊本日日新聞社 によるストーリー 2023.4.4

県立高校女子生徒自殺 いじめ関与生徒名開示確定 知事「命令に従う」

 テレビ熊本 によるストーリー 2023.4.5

 最高裁でもイジメ関与の生徒名開示が決定した。イジメはもはや明白な犯罪であり、学校現場においても司法で裁かれるべき案件として対応すべき時代になった。当然、学校や教育委員会によるイジメ事件の隠蔽も犯罪として対応すべきであろう。

 ※関連記事

  ◎クラスやLINEで"無視""仲間外れ"それでもいじめ認定しない司法に「もう絶句」中1女子が自

   死 被害者に立ちはだかる壁の正体 毎日放送 によるストーリー 2023.5.27

   訴える側に証拠を提出する義務を課す司法制度の問題点がこの裁判で明確に示されている。特に

   隠蔽体質が根強い教育行政を相手にした場合、被害者側の証拠集めにおける苦労は並大抵ではあ

   るまい。ここで躓いた被害者遺族の多くは泣き寝入りを余儀なくされ、かくてイジメははびこり

   続ける。しかも裁判所における相次ぐ裁判記録の破棄に見られるように、裁判所自体が強力な隠

   蔽体質を抱えているのだから日本の闇は深い。日本では知る権利をしっかりと保障するための法

   制度上の新たな工夫が随所に求められているはず。しかしやはり隠蔽の大好きな多くの政治家が

   国民の知る権利を保障するための立法作業に消極的なのは当然であろう。相変わらず大川小学校

   の遺族たちのような執念と努力がイジメ被害者の遺族にも必要不可欠とされている。

「いじめを隠蔽する教員ほど出世する」学校現場がいじめ認定に消極的な根本原因防

 止法の趣旨がねじ曲げられている

 PRESIDENT Online編集部 森下 和海 2021/11/13 9:00

いじめ被害児童を1年半「別室隔離」 小学校で何が?校長と教頭を取材 市教委職員

 による馬乗り暴行も公表せず【大阪発】

 5/29(日) 11:01 FNNプライムオンライン

 それにしても大阪府や兵庫県での不祥事がやけに目立つように感じる。

 

・長崎海星学園での連続自殺事件

「この学校は普通ではない」2年余りで生徒2人が自殺いじめを黙殺する「長崎・

   海星学園」と我が子を失った「両親」の葛藤

  『いじめの聖域』 #2 文春オンライン 石川 陽一 2022/11/03

「いじめが自殺の主要因」と第三者委指摘 認めない高校を遺族が提訴

 朝日新聞社 2022/11/04 19:30

 長崎での事件。学校の村社会化がついに来るところまで来たか、という感は否めない。第三者委員会の指摘をも無視できるほど、学校は排他性、閉鎖性を強めていて、自浄能力の欠片すら失ってしまっているようだ。

 第三者委員会の報告書すら受け入れないという非常識までに頑なな自閉性は極めてストレスフルで異常な状況に学校が常時さらされている事をも示しているだろう。これは一つの高校の問題では済まされない、県教委や文科省レベルの悪しき同調圧力に基づく、教育行政全体が根強く抱えてきた牢固な隠蔽体質が根底に横たわっている事を予想させる。

ある高校生の自殺を巡る記事を書いた僕が記者職を外された顛末

   Jbpress 長野 光 によるストーリー 2023.10.11

 未だ事実関係が確定していない部分も多く残されていそうだが、非常に錯綜した事件であり、問題の根は多岐にわたって深そうだ。私立名門高校でのイジメによる自殺という重大事件でかつ第三者委員会による調査も行われており、イジメによる自殺、という判断が第三者委員会から既に出されている。にも拘わらず学校はその判断を否定し、県もそれを支持しているかのような姿勢。

 さらにもう一つ、同校生徒の自殺事件が加わり、これまで取材してきた共同通信の記者石川氏がこれを本にして学校や県の対応を批判した(その後も同校では何と2件の自殺が生じているらしい)。

 ところが長崎新聞から共同通信社へ圧力がかかり、石川氏が左遷されてしまう…まるでテレビドラマのような少し現実離れした展開。

 

 この高校の卒業生は地元の有力企業や県庁、マスコミ各社、政界、財界にも少なからず存在している全国区の有名進学校である。当然、同校の同窓会に属するそれなりの大物が複数いて背後で動いた可能性はあるだろう。残念ながら加害者側の働きかけがあった可能性まで疑われる案件。

 これまでの単純な責任逃れの隠蔽工作とは比較にならないほど闇の広がりと深さを感じさせる、まさに暗黒事件である。

 それにしてもジャニーズ事務所における性加害事件へのマスコミやジャーナリストらによる、見て見ぬふりの及び腰、弱腰姿勢が批判されている現在、構図的には同じように見えてしまう案件が浮上しているように思えるのだが、いかがだろう。

 宮台氏の言葉を借りれば「ヒラメ、キョロメ」たちが学校や地方行政の世界だけではなく、芸能界、マスコミ、ジャーナリズムの世界にも大勢おられるようである。

 

イジメ調査の裏側

いじめ61万5千件で過去最多 不登校は24万人超 文科省調査

 産経新聞 2022/10/27 17:25

都道府県別の「いじめ認知率」3位は大分県、2位は新潟県では、1位は?《文科

 省の最新調査》 文春オンライン 渋井 哲也 2022/11/18 06:10

 学校や教育委員会の頑強な隠蔽体質を前提にすれば、明らかにすべきはいじめ認知率の低い都道府県や市町村の側の実態であろう。記事にある通り、認知率が高い都道府県は調査が比較的公明正大にしっかりと行われ、調査結果もきちんと把握されている可能性はむしろ高いと思われる。当然、いじめ問題解決に向けた具体的な努力・工夫もある程度まで行われていることが期待される。

 とするならばメディア側は過去の隠蔽事例を鑑みて、むしろ実態よりは認知率が低いと勘ぐりたくなるような都道府県や市町村をピックアップし、隠蔽工作の確認を中心にその教育委員会、及び学校への綿密な取材を行うべきではないのか。

 たとえば大阪府(認知率11位)や兵庫県(同21位)、北海道(同23位)、特に神戸市、西宮市、尼崎市、堺市、泉南市、旭川市、名古屋市などにおいては本来、市町村別データや問題となった学校の個別データまで詳細に公開すべきだろう。問題解決に向けた取り組み姿勢を明確に示す上でも詳細な調査結果を積極的に公開すべきなのである。いずれにせよ隠蔽問題の解決にあたっては今後、文科省以下、各都道府県教育委員会や市町村教育委員会の情報公開に向けての学校に対する指導力がより一層厳しく問われなければなるまい。

 なお調査年度が少し異なるものの、不登校の都道府県別発生率(2020年度調査)では北海道が小学校で7位、中学校で2位と上位を占める。兵庫県も中学校で4位、大阪府は高校で3位とやはり上位にある。不登校の原因はクラス内や部活動内の人間関係のこじれがかなりの割合を占めており、不登校の背景に「いじめ」があるケースは多々考えられよう。つまり、いじめ認知率と不登校発生率とは多少の相関が見られてもおかしくはないデータなのである。また学校や教育委員会による不登校数の操作がまったく無いとはいえないだろうが、不登校発生率は少なくともいじめの認知件数よりは信頼できるデータといえるだろう。たとえば北海道の場合、いじめ認知率が全国で21位というデータと不登校発生率小学校7位、中学校2位という、二つの調査間でのデータ上の大きなズレ具合をどう評価すべきなのか…ここは是非、マスコミが突っ込んだ取材をして欲しい部分である。

関連記事

いじめ解決に市役所が積極介入 全国が注目する「寝屋川モデル」の本気度

 産経新聞 守田順一 2022.11.29

 同じ大阪府でも市町村によってこれだけの違いがなぜ生じてしまうのか、不思議でならない。府教委の指導力に問題があるのか…いずれにせよ、イジメ問題に対してすら市長頼みの現状が露呈している大阪府における学校管理職の力量には当然の事ながら強い疑念がつきまとってくる。

 「教育の中立性」や児童生徒のプライバシーへの配慮を逆手にとって学校教育村の安泰だけを図ろうとする教育風土の閉鎖性に風穴を開けるには、やはり「外圧」としての第三者や行政や司法の力を借りるほかないのだろうか。教員養成だけでなく、管理職の登用や養成上の問題もこの際、厳しく見直すべきだろう。他方で首長のリーダーシップによって大差が生じる以上、隠蔽問題が連発する神戸市でも学校への市長による積極的な介入が求められるはずである。

いじめの対応、「教育の中立」はもう「害悪」? 内田良教授に聞く

 朝日新聞社 2022.12.9

 「教育の中立」が認められるためには教育が不当な政治圧力に屈しない、それなりの正当性と中立性を保持できるだけの教育を実現させているという裏付けが必要なのではないか。中立性を楯にして外部からの介入を退けることで事件の隠蔽と自らの責任回避を図るみっともないケースが日本の学校に目立ってきた現在、むしろ学校教育村への積極的介入が必要とされているとすら思える。

 そもそも今の公教育には教育の中立性なるものが存在しているのだろうか、大いに疑問であろう。社会科の教科書の内容一つとっても肝心な箇所は穴だらけではないのか。何を教え、何を教えてはならないのかを巡って過去、激しい政治介入が続いてきた事は確かである。だいたい統一教会問題で表面化したように政府与党自身が政教分離の原則を守ってきたとは言えないような実態がある。きれい事のスローガンに騙されてはなるまい。

あなた会社や所属する団体は大丈夫?ヤバい集団の3つの特徴とは?【社会心理学】

 ラブすぽ の意見 2023.6.17

 集団的浅慮はメンバーの結束力が強く、反対意見の出にくい閉鎖的な集団に発生しやすいといいます。また、集団的浅慮が起きる兆候として、自分たちは大丈夫という無根拠な過信、外部からの忠告の軽視、自分たちにとって不都合な情報や反対意見の遮断といったことを挙げ、これらを改善しなかった場合には意思決定のプロセスにおいて、「他の案を充分に検討しない」「その案が抱えるリスクやコストが検討されない」「非常事態での対応策を考えない」といった問題が起きる…との指摘は隠蔽に走る多くの学校職員集団にズバリ、当てはまりそうだが、いかがか。

 

その他の関連動画

教育委員会の隠蔽体質にせやろがいラップをお見舞いしてみた【せやろがいおじさ

 ん】グッとラック!OA動画 2019/10/04 ワラしがみ 3:33

 討論のたたき台に使えるだろう。

児童の被害訴え放置問題 文科大臣「極めて遺憾」(19/12/06)

 2019/12/06 ANNnewsCH 1:06

児童の深刻ないじめ“3年間放置 隠ぺい行為も?(19/10/21)

 2019/10/21 ANNnewsCH 1:19

【教育】いじめ防止法はなぜ機能不全に?隠ぺい&責任逃れの学校や教育委員会の

 課題は?子どもたちを守るために今必要なことを考える【EXIT】【いじめ探偵】

 2021/05/08 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 17:56

静岡・御殿場市の公立中学に通っていた男子生徒が、いじめ訴訟

 静岡朝日テレビニュース  2021/09/22 4:02

いじめを受けた少女の告白と訴え 6分半 「学校は何もしてくれなかった」(静岡

 県) 2022/03/21 SBSnews6 6:28

いじめを訴えた少女 再調査委が学校や教育委員会が不十分な対応を認定(静岡県) 

 SBSnews  2022/03/22 7:06

 静岡県でも学校、教育委員会の問題が頻発している。

【学校いじめ問題】学校は加害者に甘過ぎる! 学校を訴えることはできるの? 

 弁護士北村晴男ちゃんねる  2023/03/07  4:51

 まずは法的側面から捉えていかないと冷静な判断が難しくなるだろう。いじめ問題をテーマとする場合、最初に視聴させたい動画だと思う。

いじめを受けた人のその後 #うつ病 #PTSD #早稲田メンタルクリニック #

 精神科医 #益田裕介 精神科医がこころの病気を解説するCh 11:46

 いじめる側の心理にも言及しており、教師側にとって非常に役立つ内容。

 

その他の関連記事

元生徒へのいじめ認定 市教育長が親に謝罪「長期間苦しませた」

 毎日新聞 によるストーリー 2023.6.7

「謝罪会」で加害者側が被害者糾弾 認定された二次被害 埼玉・生徒いじめ自殺

 テレ朝news によるストーリー 2023.8.14

 軽度の知的障害を持つ生徒の自殺事件。何と4回も自殺未遂事件を起こした挙句の自殺。しかも加害者側の謝罪の場となるべき話し合いが加害者側家族による被害者への一方的断罪となり、被害者を徹底的に追い詰めてしまったらしい。学校側は話し合いの場を設けただけに過ぎず、加害者側の暴言や威嚇に対して何一つ対応しなかったという。あまりにも学校の無能ぶりが痛ましいレベル…ただ呆れてしまうほかない。

   ※参考動画

  ◎“命の法律”が守られない現状とは(語り:中井和哉) [クロ現] | NHK

            NHK 2023/10/25 9:14

いじめで不登校のまま卒業 学校は卒業証書渡さず、報告もせず 堺市

 朝日新聞社 2022/10/13 21:15

 これこそ究極の隠蔽体質と言えるだろう。

「隠すつもりなかった」 堺市の小学校長、体罰を4カ月報告せず

  朝日新聞社 2022/10/14 16:10

 堺市における連日の隠蔽事件。根は相当深い。

東浩紀「物事を記録し保存することに鈍感な日本。あらゆる事件がすぐ忘れ去られ

 ていく」 AERAdot. 2022/11/08 17:00

 短い記事なのでプリントで全文紹介できる。頑固な隠蔽体質は何も教育界に限ったことではなく、行政全体にはびこっている。あたかも封建時代における「知らしめず 依らしむべし」との愚民化政策が現代においても温存されているかのような、悲惨極まりない日本の現状。

「少年A」事件記録も迷わずにポイ記録保存の概念が根本的にずれている日本の残念

 すぎる現状 PRESIDENTOnline 川名 壮志 2022/11/09 17:15

いじめ被害者が別室登校に 教室に通い続ける加害生徒

 朝日新聞社 2022/11/12 11:00

 なぜ日本の学校では被害者ばかりが別室登校になるのか、議論させたい。

なぜ先生たちはいじめを認めないのか」学校がいじめ問題を解決できない根本 原因

 森田 志歩 - プレジデントオンライン - 2022年2月26日

いじめ対応 教育的アプローチの「限界」 いじめ加害者の出席停止の勧告等、市

 長による積極介入から考える 内田良名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教

 授 Yahoonews 2021.12.31(金) 10:36

なぜ若者は「よろしかったでしょうか」と聞いてくるのか…現代社会に「過剰な敬語」

 があふれる根本原因 PRESIDENTOnline 橘 玲

  2022/11/03 08:00

担任のいじめ問題 県教委に報告促されたのに野洲市教委対応せず

 毎日新聞 2022.12.14

 大津市イジメ事件で話題となった滋賀県ではあるが再び、残念な事件が野洲市で発生している。今回も学校や市教委による「隠蔽」とも受け取られかねない事案である。教師が特定の児童をいじめるという大問題に対して校長や市教委の不誠実な対応は確かに許容できないだろう。しかし、こうした問題が各地で続々と生じてしまう背景に教師や教育委員会の人手不足および過重労働の深刻さが背景にある事が予想される。確かに教師や教育委員会、学校への批判も必要ではあるが、人員及び予算不足の深刻化と同時にそれと反比例するような仕事量の激増が一気に学校教育界隈を追い詰めている感は否めない。

 教職員の待遇改善と教師の質の向上は同時進行であるのが望ましいのだろうが、逆にこのような報道が続くと若者の教師離れがさらに加速し、教師の質の低下に歯止めがかからなくなるおそれも出てくる。そうなってしまってはかえって教師や学校、教育委員会の不祥事を多発させる最悪の事態を招き寄せるだろう。すなわち大学での教師養成の在り方を根本的に見直しつつ、教師の待遇改善と採用基準の見直しを同時進行で可及的速やかに実行していく事が日本の教育界の喫緊の課題ではあるまいか。

横浜市教委裁判傍聴妨害問題

横浜市教育委員会「被害者に配慮し発表を遅らせた」と説明 昨年度「懲戒免職処

 分」の小学校校長など3人を発表 

 TBS NEWS DIG_Microsoft 2024.12.26

 これまた珍妙な対応である。教職員を動員して一般人の裁判傍聴を妨害した横浜市教育委員会の罪は極めて重く、「不祥事隠し」の疑いを広げて教育行政への信用失墜を引き起こした責任もまた極めて重い。したがってまず処分すべきは当時の教育委員会の責任者の方であろう。

 学校現場で不祥事を起こした3人は既に懲戒免職となっているのだから、今回は自分たちの責任を果たすべき番だったのだ。まさに教育委員会の自浄能力が問われていたはずなのに、今度もただの言い訳と責任逃れ…これで教育行政がまともに務まるのだろうか?もう被害者側のプライバシー保護を盾にした教育委員会や学校による隠蔽工作や言い訳を私たちは聞き飽きてしまったと思うのだが…

 なお、公開の裁判で被害者側のプライバシー漏洩が心配されるのは裁判に不慣れな人からすれば当たり前の心理ではあるが、仮に漏洩した際に責任を負うべきはあくまでも裁判所の方である。しかもこうしたことの専門機関である裁判所が未成年である被害者側のプライバシーに対して素人に心配されるほど鈍感であるわけがあるまい。そもそも裁判の素人であるはずの教育委員会がこの件に関して敢えて出しゃばるべき筋合いのものでもあるまい。

 また漏洩を防ぐ措置を裁判所にお願いする権利は優先的に被害者側家族にあるだろう。変な出しゃばりはやめて教育委員会側が取り組むべきだったのは学校と教育委員会側がグルとなって事件の隠蔽をしようとしているのでは…と世間から疑われないための言動であったはず。当時、騒がれていた旭川や神戸の教育委員会のような、怪しい言動を真似ないことが最優先されるタイミングだったはずである。にもかかわらず、教育委員会が不法にも不自然なほどに出しゃばってしまった…隠蔽を怪しまれて当然の、極めて軽率で悪質な行為である。

 以上の点から、教育委員会の責任者は厳しくその責任を問われるべきだろう。

教員の裁判で傍聴席が満員「動員されているのでは…」尾行、質問状、記者会見。

 取材を重ねて組織の不祥事を明らかにした2か月半

 47NEWS によるストーリー 2024.6.17

 この記事のポイントは「被害児童・生徒の保護目的と言いつつ教員以外から性暴力を受けた場合には傍聴動員をかけていなかったことや、動員による傍聴を業務として扱い職員に交通費を支給していたことも露呈した。」という箇所。この一点で横浜市教委の隠蔽体質が明るみになったと捉えて間違いあるまい。

教員わいせつ事件の裁判、横浜市教委が職員動員して傍聴席埋める…4事件で1回

   に最大50人 読売新聞 によるストーリー 2024.5.21

揺らぐ教育行政への信頼 横浜市教委の教員性犯罪公判への職員動員、教育長も了承 

 産経新聞 2024.5.21

 今の日本でこんなことをしたらマスコミや世間はどんな反応をするのか、横浜市教育委員会は教育長を含めておそらくまったく読めていなかったようだ。この一件だけでも井の中の蛙状態の教員がいかに多いか、学校社会の閉鎖性、保守的体質がどれほどのものか、よく分かるだろう。

 被害者の生徒たちのプライバシーを守るため、という使い古された誤魔化しにも呆れてしまう。教育委員会側が恐れているのは不祥事を起こした教員を雇っている教育委員会の管理責任への追及が法廷において公然と行われてしまう事であろう。それを覆い隠すために生徒たちのプライバシー保護を謳っているだけなのは、これまでの様々な学校、教育委員会による隠蔽事件で嫌というほど世間に知れ渡っている。にもかかわらず、世間知らず、というか世間を知ろうともしない教育委員のメンバーは相も変わらず厚顔無恥のお粗末な対応を繰り返している。

 もはやこの組織に自浄機能が働くわけはない。一刻も早く教育長は引責辞任すべきである。

参考動画

高知の廃校で見つかった超一級資料 95年分の「学校日誌」戦時中は多くの“墨塗

 り”…山梨では「頭部粉砕」子どもたちの犠牲の記録も【news23】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/08/15  12:26

 戦時中の学校日誌の記述に墨塗が見られる理由について考えたい。このケースからも学校の隠蔽体質は伝統的なものだったことが窺えるだろう。また学校が敢えて空襲の対象とされた背景に何が考えられるのか、生徒たちに問いたい。

参考記事

高知の廃校で見つかった超一級資料 95年分の「学校日誌」戦時中は多くの墨塗

   り”…山梨では「頭部粉砕」子どもたちの犠牲の記録も【news23】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.8.15

「雨ニモマケズ」の「玄米四合」が「三合」になった教科書に感じたうそくささ 終

   戦迎え「自由になれた」東京新聞 2024.8.15

 学校教育の目的とは何だろうか。この記事から考えさせたい。また本当に終戦を迎えたことで私たちは「自由になれた」のだろうか、ぜひ生徒たちに問いかけたい。

カッパの伝言板53 高校教育の無償化

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【日本の公教育は、古くて貧しい】東京と地方の差が大きい/不登校34万人/知識

   の詰め込み方も多様/学校のWiFiが繋がらない/フリースクールの月謝補助を/教

   育機会確保法による変化/軍隊教育マインドの名残

   PIVOT 公式チャンネル 2025/03/22  29:56

   白井氏が指摘しているように公教育の古さと貧しさは確かに日本の学校教育における大問題であろう。そしてフリースクールを含む学校の多様化を生み出すにはまず国家による学校教育への統制を緩めることが必要である。

   公教育だから統制を厳しくするのは不可避だ、とするのは教育観の古さと教育予算の貧しさに由来する側面が小さくないのではあるまいか。教育行政の画一的管理主義こそが学校教育の管理主義を蔓延らせている根源ではないのか。

 軍隊教育のマインドが残存する学校教師の問題は確かにあるが、そもそも軍隊教育のマインドを持つ政治家と官僚の責任こそ、強く問われるべきであると考えるが、いかがか。教師の質の低下を問う以前に、問われるべき問題は数多くあるはずだ。

参考記事

公立学校の廃校、延べ数は8,850校現存廃校の活用は7割超

 リシード 2025.4.10

 このデータが意味しているのは、かつて白井智子氏が指摘したごとく、まさに日本の公教育の古さと貧しさそのもの、であると考えるが、いかがか。

 将来的に児童生徒数が大幅に減少していけば、やがて学校の施設や教職員にゆとりが生まれる、一学級の児童生徒数が劇的に減少し、一人一人の児童生徒へのきめ細やかな配慮が可能となってくる…などといった30年ほど前の教師たちが抱いた期待は無残にも悉く裏切られてきた。

 むしろかつてよりも教師の負担が増大し、しかも不登校やイジメ件数は増加している。一クラスの児童生徒数が最悪の50人から35人程度まで減少したにもかかわらず、教師たちの中途退職や休職は増える一方となり、教員志望者数と正規教員数とが同時進行で急速に減少し、地方によっては学校としての体裁を保つこと自体が危ぶまれるレベルにまで不足してきている。

 今後、高校の無償化が進むにつれて、公立を中心に高校の統廃合は一層加速していくに違いあるまい。そして東京や大阪に限らず、将来的に公立高校はいよいよジリ貧となり、全国規模で一気に縮小、削減されていくのかもしれぬ…

 児童生徒数の大幅な減少という、教育環境の改善においてはせっかくの追い風を有効に生かせなかったばかりか、かつて以上に負担増という形でひたすら教師への逆風を吹かせ、教師の疲弊と若者の教職離れを加速させてしまった…教育行政の責任は、今こそ間違いなく「万死に値する」ほど重い…と言うべきではないのか。

橋下氏知事時代に教育委員会と激突して進めた教育改革 少子化で定員割れの公立

 校に統廃合必要と主張 関西テレビ 2025年3月12日

 橋下氏の主張に対し、私としてもかつては新自由主義的な側面を危惧し、大きな懸念を抱いたことがあったが、今となっては十分な説得力があると考える。今日、全日制普通科の府立高校の半数以上が定員割れを起こした背景には公立高校における改革の歩みの鈍さがあるだろう。旧態依然のままの公立はもはや時代の急激な変化についていけなくなったのだ。その責任の過半は学校ではなく、個々の学校の自由な取り組みをひたすら妨害してきた文科省と教育委員会にある。

 この公立離れ現象は4月からの「高校無償化」によって瞬く間に全国に拡大するであろう。確かに詳しく政策を見れば、「高校無償化」とは名ばかり、高所得者層のニーズにばかり対応することでさらなる格差拡大へと向かってしまう懸念は大きいが、何はともあれ全国的なレベルでの公立の没落自体は大歓迎されるべきことである。

 こうした事態を招いてしまった文科省や教育委員会の責任は極めて大きく、結果的に教育行政全体への根源的批判が大きく広がることを私は願っている。こうした動きが文科省や教育委員会のあり方、教員養成や教員採用のあり方、学習指導要領のあり方などを根本的に見直す、絶好の機会だと捉えたい。

知っておきたい!新しい教育の形「メタバースの学校」とはどんな場所?メリッ

   ト・デメリットも紹介 saita 2025.3.12

   こうした斬新な学校の在り方も視野に入れて高校教育の無償化を論じていく必要があるだろう。税金が投入されているがゆえの制約、不自由さが公立高校にはある。学習指導要領などでガンジガラメに学校を縛り付けてきた教育行政の在り方を根本から見直す上で、先進的な取り組みは大きなヒントとなるだろう。

 N高やメタバースを利用した学校を念頭に置くことは柔軟な発想を生み出す上で役立つに違いない。たとえば週の二日は通学し、三日はメタバースの学校を利用する…といったような、まったくタイプの違う学校を組み合わせた通学もOK、とする視点は、学校への固定的な観念を柔らかくほぐし、自由な発想を可能にするはず。

 しかし、日本の画一的で管理主義的な教育行政の現状ではこうした取り組みはとりわけ公立学校では極めて難しいだろう。大胆な発想の転換はN高のような私学の取り組みに期待するほかない…違うだろうか。

実はデメリットだらけの「高校授業料無償化」 日本維新の会による党利党略で「大

   阪府」が丸もうけ AERA dot. 古賀茂明 2025.3.11

   古賀氏の意見の多くは確かに正論であるが、やや現実的ではあるまい。公教育の動きを振り返ると、公立高校の改革を望むことをもはや諦めるほかないほどに迷走を繰り返してきたからである。少なくとも今の政府、文科省に本質的で根本的な取り組みは出来ないだろう。まず文科省自体を一度、全面的にリセットしなければ教育改革は前に進みようがないからである。文科省の迷走ぶりについてはブログの随所で指摘してきたのでここでは割愛するが、そのトンチンカンさには呆れるほかないのだ。

 どうやら同じ官僚出身の古賀氏の認識には公教育への危機感が、文科省の官僚並みに欠如しているようなのだが、いかがだろう。

 古賀氏の論点で特に違和感を覚えるのは「第2に、私立高校への志願者が増えると、財政的に楽になるため、一部の私立はあぐらをかいて努力を怠り、本来は淘汰されるべき質の低い私立高校の温存につながる可能性もある。」という指摘。「あぐらをかいて努力を怠り、本来は淘汰されるべき質の低い」教育を行ってきたのは一体どこのどなたなのか。それは日ごろから淘汰圧にさらされてきた私学ではなく、官僚制の下で上意下達のお役所仕事に甘んじて責任逃れに終始し、学校経営の当事者意識が校長ら管理職たちにスッポリと抜け落ちていた公立高校の方ではなかったか。

 続発してきた学校、教育委員会によるイジメ事件等の隠蔽工作、入試を巡る数々の不祥事、繰り返される部活動や学校行事における体罰や学校事故などはまさに中央集権的で画一的管理主義をとってきた教育行政の有り難き賜物というほかあるまい。

 文科省の致命的欠陥は地方の教育委員会以下、学校現場の実情にまったく無頓着で興味関心が無い、という点である。このお役所の現状把握の意欲の低さは驚くばかりであり、教育現場への認識能力が大きく欠ける組織にまともな教育改革を期待する方こそどうかしているのだ。教育予算を引き上げて教育の質向上と教育環境の整備、充実、とりわけ教師の労働環境の改善に早急に努めなければならない中での、文科省が次々と打ち出す的外れな政策の連打にはもはや絶望しか感じられない。

 高校の無償化が公立高校の衰退を招いたとしても、それが直ちに高校教育全体の荒廃を招くわけではあるまい。私学、公立を問わず、高校における学校間格差は極めて大きい。むしろ当初は「安かろう、悪かろう」の公立が真っ先に淘汰されることで一時、学校の質が整う可能性だって無きにしも非ず、なのだ。これは古賀氏の言う、暴論などではない。それほどまでに文科省直轄下の公立高校は行き詰まり、停滞を極めている…違うだろうか。

 私学のN高のような、新鮮で大胆な取り組みを、公立においてはひたすら妨げてきた教育行政の在り方を変えない限り、公立高校の再建は不可能であろう。つまり私たちが教育改革への期待を寄せられるのは個性的で大胆な私学の試みの方ではないか。したがって公立中心から私学中心へと高校教育の軸を変えていく事こそ、現状では高校改革の王道であり、「正義」であり、「正論」そのものかもしれないのだ。

 ただし私学中心の高校改革を実現する上で重要な条件がある。当然すぎる事であるが、市場における自由競争に委ねればダメな学校が淘汰されて自動的に教育の質が向上する…とは限るまい。これは古賀氏の懸念する通りであろう。今後、どのような高校教育が望ましいのか、意見は大きく分かれる。今こそ、じっくりと腰を据えて現状をきっちりと把握した上で、時間をかけて検討を繰り返し、根本的で効果的な改革の道筋をつけていく時なのではあるまいか。

 その検討を始めるためにはこれまで教育予算を削り続けて子ども、若者、女性を見下してきた老害政治家たちを政界から追い出す事が先決となるだろう。そのためにも政権交代がまずは必要不可欠となる。さらに文科省とは独立した審議会を設けて教育改革の方向性を定めていく必要が出てくるだろう。

 「国家百年の大計」…拙速は禁物なのである。

ちょっと待て!「高校授業料無償化」で得するのは年収910万以上、私立に通わせ

   る恵まれた世帯のみだ/佐藤治彦「儲かる“マネー”駆け込み寺」

   アサ芸biz 2025.3.10

   国民民主党が主張する「103万円の壁」の撤廃に対抗するために維新や立憲民主党と「高校無償化」で手を組み、政府の予算案を通過させて「103万円の壁」問題から国民の目を逸らそう、骨抜きにしよう…という魂胆を感じて政府に反発する声が出てくるのは至極、当然のことである。しかし高校の無償化自体はいずれ必要だろう。そして無償化の結果、公立高校が淘汰されてしまう事には、もちろんマイナス点があるだろうが、積極的な意義もまた見い出せないわけではあるまい。

   加えて高校の無償は年収910万以上の恵まれた世帯のみ得をする…とはあまりにも視野が狭い指摘であると思うがいかがか。たとえ通学が不便でも我慢して遠隔地の公立高校に通っていた児童生徒にとっては、公立高校の没落によってバスの送迎でたやすく私学に通えるようになった方がよほど助かる話であろう。一部の私学の通信制高校では極めて意欲的に授業改革を推進しており、公立高校での「金太郎飴」のような没個性的授業を受けるよりは遥かに有意義な授業を受けられる可能性がある。地方にはびこる保守的な公立高校信仰を払拭する上でも、公立高校の衰退は高校教育全体においてむしろ極めて有益なのではあるまいか。

高校無償化「ますます教育格差進む」…知事、政府予算案修正案受け

   読売新聞 2025/03/07 12:00

 公立高校への依存度が高い地方では今後、少子高齢化の急速な進展に伴い、通学の便の悪さがさらに増大し、生徒数と教員数の不足による公教育の質の低下がいよいよ放置できないレベルまでに達していく可能性があるだろう。富裕層と貧困層との教育機会の不均衡は確かに問題であろうが、児童生徒の居住地間における教育環境の格差拡大にも目を向けるべきであると思うが、いかがか。

   地方の私学の多くは送迎バスを用意して広範囲から生徒を集め、定員拡充や受験倍率の向上に努めている。一方、予算の無い公立高校は生徒たちの通学上の不便を解消する手立てをほとんど講じられていない。公立高校しか存在しない地域では私学こそが通学上の不便を解消してくれる唯一の高校なのであり、地方においても私学に進学希望者が殺到するようになるのは必然的なのだ。

 現在、高校の無償化に対して経済的格差拡大の観点から盛んに批判する風潮が見られるようだが、無償化は公立の没落を招くことでむしろ格差の縮小と教育の質の向上にもつなげられる可能性を持っている、といった考えも成り立つはず。

 無償化に反対する人々は、本音の部分では批判する目的を格差拡大への懸念には置いておらず、教育への国家統制を強化、ないしは維持することに主眼を置いて批判しているのではあるまいか。私学よりも公立の方がより画一的であるがゆえに文科省や教育委員会の統制下に置きやすい…したがって公立高校の衰退は好ましくないと考えている向きは、おそらく保守的勢力において決して少なくあるまい。

高校無償化は「地方公立に不利」 細る通学の足、私立は県境越えバス

 朝日新聞社 2025.3.9

 高校無償化が公立高校の没落を加速するのは大阪府や東京都の現状を見れば明らかであろう。最大のポイントは公立の没落が高校受験生にとって不利になるのか否か、である。すなわち全国すべての公立高校が消滅し、すべて私学となってしまう事でどんな事態が予想されるのか、よくよく考えておくべきだろう。

 朝日新聞が指摘するように、通学の便からみて私学は圧倒的な優位に立っている。

交通の便の悪い地域の生徒たちはこれまで、本数の限られた電車やバスを乗り継いだりしながら1時間以上、場合によっては2時間近くもかけて遠くの公立高校に通学している。当然、放課後の部活動に参加することは極めて難しい。地方のこうした地域では私学が存在しないことが多いので、今まで進学先に私学の選択肢はほとんど視野に入れていなかった。そうした地域に私学のバスが自宅近くまで来てくれて送り迎えするようになれば、進路先にもっぱら私学が選ばれるようになるのは必然であろう。

 私学の中にはドワンゴ学園の様に通信教育を柱にして全国から大勢の生徒たちを集めている学校もある。少子高齢化が進み、ローカル鉄道やバス路線の廃止、縮小が進む厳しい地方の現状がある。したがって今後、一層多くの中学生たちが通信制をも含めた私学を有力な進学先として視野に入れてくるに違いない。無償化が進めば、何も無理して地元の公立へ進学する必要は無くなるのだ。結果的に公立高校の多くは淘汰されてしまうだろう。

 仮に公立高校へ通学するメリットがあくまでも教育費負担の軽さだけであったとしたならば、無償化の結果、公立高校が消滅していくとしても地方の中学生にとっては痛くもかゆくもあるまい。むしろ学校経営の個性と手腕が問われる私学を軸とした高校教育の方が選択肢の幅が広がり、受験生のメリットは大きい。これまで公立高校でも個性化が進められてきたものの、公立はやはり予算の制約が大きく、限界がある。たとえ授業がユニークで面白い、といったことなどで人気のある教師が複数集まり、高校の評判が一時的に良くなったとしても、公立では瞬く間に教師たちが異動してしまう。公立の評判は一部の伝統的進学校を除くとそのほとんどは極めて不安定。しかし教師たちの顔ぶれが急激に変化しない私学の評価は経営側が大きく失敗しない限り、さほど変動はない。

 経済的負担の軽さ以外で公立高校へ通学するメリットはあるのだろうか…おそらく無いだろう。もちろん個々の学校をつぶさに見れば、状況にはかなり学校間格差があるだろうが、総じて通学の便、施設の充実度、個性的な学校経営…ほとんどの観点において、私学は公立よりも有利である。結論として今後の高校教育は私学が軸となっていく他あるまい。

 もっとも私学に負けてしまう責任は公立高校側にはほとんど無い。先進国の中で教育予算が最低レベルまで低い、教科書検定制度など、公平さを求めるあまりの行き過ぎた画一的で管理主義な教育行政…つまり、これまでの政治が悪いから公立高校が没落するのだ。そして「安かろう、悪かろう」の公教育が淘汰されていくのは児童生徒にとって、むしろ大変喜ばしい出来事なのかもしれない。

 結局、若者や子ども、女性、そして学問や教育を軽視する日本の政治が変わらない限り、公立高校のみならず、義務教育から国公立大学までの公教育全体が徐々に劣化していくのは不可避であろう。

「ますます教育格差も」 自公維の高校無償化に、和歌山県知事が苦言

   毎日新聞 2025.3.7

 高校の無償化が公立高校の志願倍率を下げ、私立高校のシェアを拡大することで教育格差の問題を悪化させるという意見は、保革の立場を超えてかなり多く支持されているように見受けられる。確かに東京都や大阪府のような、公立高校の低受験倍率状況が全国に広がっていくことの可能性は決して低くは無いだろう。

 教育無償化を進める本来のメリットの一つは、この政策が一見すると、家庭間の経済格差によって生じてしまいがちな、教育を受ける機会の不均等さへの是正措置となりうるように見える点にある。しかし、維新の会の真の狙いは、それよりも無競争的であるがゆえに自己改革を怠りがちな公立高校の淘汰、すなわち学校間、教師間の競争を煽って公教育の民営化を強力に推進することにあるように見受けられる。そうした立場からは公立高校の没落はむしろ大歓迎されることになるだろう。

 ところがこれまで文科省が及ぼしてきた高校教育における影響力と教育内容への統制力の大きな低下を恐れる官僚たちや自民党の保守派は、管理統制しやすい公立高校の没落を必ずしも歓迎しないのではあるまいか。だからこそ和歌山県知事のような論理を用いて高校無償化を危惧し、本音では公教育の保守性を固守せんとする…そういった動きも各方面で見られるのだろう。

 教育の画一性を緩め、過剰な管理統制主義を排して児童生徒の個性や多様性、自己決定権を重んじる方向へと大胆に舵を切ろうとするのであるならば、改革への動きの鈍い公立高校の淘汰は少なからずプラスに働くかもしれない。

   私立高校のシェアがたとえ半分を超えたところで、和歌山県知事のように教育の格差が拡大すると決めつけるのはいかがなものだろう。実際には、彼の主眼は教育の格差拡大を脅し文句に使って財政負担の避けられない高校教育の無償化を妨害しつつ、公立高校のシェアを守ることで公教育が孕んできた頑迷な保守性の存続を画策することにあるのではあるまいか。

高校無償化巡り、教育の質の重要性を石破首相強調「卒業証書さえもらえばよいと

   いうものではない」 読売新聞 2025.2.26

県立高校一般入試、最終倍率は0.82倍 志願者は3159人

   朝日新聞社 2025.2.26

     県立の全日制普通科高校の受験倍率が県単位で平均1倍を割り込んだのは宮崎県だけではない。富山県では史上初めて0.99倍となっている。高校教育全体の無償化が検討されている中で、公立から私学へと受験生がかなり流れてきているのだろう。このようなことは大阪府や東京都では以前から表面化していた。当然、早くから予想されていた事態ではある。

   競争原理が働かない上に、「金太郎飴」のような没個性の公立をできるだけ数多く淘汰して高校教育全体の質を向上させる、維新の会の目論見はいよいよ全国レベルで進んでいくだろう。しかし、無競争もあって停滞気味の公立高校の没落を今後、加速させていくことが実際に高校教育全体の質を上げていく…という保証は必ずしもない。私学の教育の質が公立よりも本当に高いのかどうか、は多少、議論の余地があるだろう。もちろん、公立高校の質は全体として決して高いレベルではないが…

   真っ先にここで問われるのは学校教育における「質の良さ」とは一体、何なのか?ということだろう。石破首相が言葉にする「質の良さ」とは具体的に何を意味しているのか、詳細に問うべきである。学校教育を語る際、抽象的な美辞麗句、理念は誤魔化し、誤解、曲解を避ける上でも語るべきではあるまい。

東京都立高の一般入試スタート 全日制の倍率は過去最低1・29倍 無償化が影響か

 産経新聞 2025.2.21

   大方の予想通り、東京都も大阪府と同様、公立高校の入試倍率が低下している。しかし、それ自体は高校教育の改善に関してプラスでもマイナスでもないだろう。

   府立高校や都立高校が多少、統廃合されたとしても高校教育の改善には必ずしも結びつかない。問題は教科書検定制度と共通テストによる授業内容の過剰な画一化や統制強化、教育行政の過剰な管理主義化、知識偏重主義の横行、一斉講義形式の蔓延、肥大化するばかりの学校業務、大学での教員養成教育の遅れ、旧態依然の教員採用試験と管理職登用試験、各高校における不公平な校内人事・・・などなど数多い。これら、山積する難題を学校間、教師間の新自由主義的競争、単純な市場原理だけで解決できるわけがあるまい。法制度の大幅な見直しを前提とする、1980年代の臨時教育審議会並みの、腰を据えた本格的で中長期的な展望に立った議論が、今後は避けて通れない、と考えるべきだと思うのだが、いかがか。

「大阪ではタダなのに…」大阪で私立人気高まり公立70校定員割れ 兵庫県の県立高

   は独自策で志願者増 高校無償化巡る維新・与党議論は平行線

   FNNプライムオンライン   2025.2.11

   高校の授業料を完全無償化すること自体に反対する人は少ないだろう。現状として義務化と言って良いほどに高校の進学率は高い。同調圧力の強い日本である。高校への通学を半強制的に強いる日本社会ならば保護者の経済的負担は少ない方が好ましいに決まっている。しかし高校授業料の無償化自体は授業改革を柱に据えた、高校教育の質を高める経営努力に直結するわけではあるまい。

   もちろん授業改革を軸に据えて学校の個性化を大胆に推進し、教育の質を高める経営努力を行えるような環境がしっかりと公立高校に存在していれば、授業料の無償化は教育の質を上げていく可能性が出てくるだろう。授業料という壁が取っ払われる分、授業の良し悪しを巡って公立と私立との競争が激化し、授業の質が良くない高校や教師は淘汰され、質の良い教師や高校は生き残る…結果的に高校教育全体の質は向上する…という事態は考えられなくもないからである。

   問題ははたして公立高校が授業改革を軸とした独自の経営努力を行えるほどに自由な環境にあるか否か、という点。あたかも金太郎飴みたいに授業内容から授業方法まで均質で、共産主義社会の様に厳重に管理されてきてしまった伝統を持つ多くの公立高校は、決して民間企業のような、独自の経営努力を行えるような環境に置かれてはいない。そもそも校長を含めた教師自体、自分の所属する学校への帰属意識は極めて低いのが現実であろう。

     社員ならば企業の成長が自分の生活に直結するため、管理職を含め、私企業の社員たちは会社の経営状態に無関心ではいられない。しかし公立高校の多くの教師は、勤務校の定員割れや中退者の増加に、我、関せず。公立高校教師の多くは運命共同体的帰属意識など勤務校に対してほとんど持っていない。学校経営の責任者たる管理職自体、勤務校の経営に無関心であるばかりか、授業の質を高める事への意欲、知識すら皆無の人物が少なくない。そもそも勤務校へ3年間しか在職しない管理職に独自の学校経営など出来るわけが無いのだ。彼られのほとんどは自己保身に走り、ひたすら不祥事が起きない事だけを欲している。ゴールはあくまでも自身の円満退職とその後の好条件な再就職先の確保なのであり、本音では目の前にいる生徒たちの人生など知ったこっちゃない…

   管理職に授業改革の意欲、資質すらほとんど存在しないような公立高校と、少子化の中で必死に生き残ろうとあがき、独自の経営努力、授業改革を強いられてきた私立高校とがこれまでのような公私の「棲み分け」をやめて生徒募集で激しい競争を行うことになれば、その勝敗は明白である。大阪府や東京都の様に公立高校の過半は淘汰されていく他あるまい。もちろん、それは好ましくもあるのだが、視聴率稼ぎに奔走するあまり、不祥事を招いてしまったフジテレビの例もある。中学生の人気取りに走るだけの高校は大きな危険性も秘めているだろう。

   特に管理主義的傾向の強い千葉県などでは学校経営という言葉が教師や生徒たちへの管理統制、というマイナスの意味合いでしか用いられてこなかった伝統が濃厚に受け継がれてきた。だからこそ入学試験の志望者が入学定員の3割にも満たない県立高校が毎年のように複数、存在しているのだ。そうした高校を含めて授業の見直しを軸とした独自の経営努力を目に見える形で行っている学校を、私自身も経験したことはまったく無い。

   つまり、今、根本から見直すべき重要案件は公立高校の硬直した管理主義、画一的教育の在り方なのである。もちろん、授業料無償化は直ちに実現すべきであるのだが、授業改革もまた別途、真剣に検討されるべきである。ただし、授業改革にあたって先立つものがある。学校のブラック化対策である。授業料完全無償化と教師の仕事の削減は喫緊の課題であり、どちらも蔑ろにはできない。授業料の無償化に加えて、教師たちが自己の授業改善に取り組めるだけの時間的体力的余裕を生み出すべく、学校の仕事量の大幅な削減こそが、現在、真っ先に求められていると考えるが、いかがか。

なぜ今になって…? 教育研究者が「日本の公教育の崩壊が大阪から始まる」と嘆 

   く“納得の理由” 文春オンライン 鈴木 大裕 2024.12.5

   新自由主義的な観点から導入された全国学力テストの点数争いと入学希望者数を軸とした学校間の競争が一体、学校現場に何をもたらしているのだろう。大阪府民の多くはこのことにあまり関心が無いようだ。

  公教育の解体と教育予算の削減、節約が文科省の真の狙いならば大阪府の取り組みはモデルケースとしてかなり高く評価できるだろう。実際、大阪府の公教育は衰退の道を順調に辿っている。維新の会が大阪府政を掌握してから廃校に追い込まれてしまった府立高校は既に20校以上にも上っているのだ。東京都も大阪府に追いつけ追い越せとばかりに新自由主義的立場からの都立高校再編を矢継ぎ早に進めている。事は大阪や東京に限るまい。少子化という追い風に乗って全国的に公立高校の多くが定員割れを続け、統廃合の嵐が吹き荒れている。

 はたしてこれで良いのか、真剣に問い直すべきだろう。

東京都立高校の4分の1が定員割れ。授業料の実質無償化で私立or都立のどちらを選

   ぶべき? ダイヤモンド・教育ラボ 2024.12.5

   いわゆる公立高校民営化の動きは大阪府、東京都で真っ先に先鋭化してきている。少子化への強い危機感をバネにして柔軟かつ大胆に改革を進める私立校の人気は今後、一層増大していくだろう。他方で硬直した官僚主義のシステムに縛られがちになり、改革が遅れ気味な公立校の人気はさらに低下していく。これは教育予算のさらなる削減を狙う都道府県としてはまことに好都合な状態であろう。

   少子化に便乗して学校の統廃合を推進し、教職員のリストラも同時に実現できれば、行政としては願ったり、かなったり。確かに地方財政の赤字は緩和されるだろう。しかし選択肢の多い都市部はともかくとして、公立しか選択肢の無い地方はどうなっていくのだろう。実はこの問題もコンパクトシティ構想の枠からすれば想定内であり、財政的に重荷となってきた地方が今後はさらに情け容赦なく切り捨てられてていくことになるのだろう。地方もどんどん「スマート」になっていくのだ。

  動きの取れない高齢者も切り捨てられ、公教育の改革は中途半端なまま、公教育の衰退だけが進行していく。現今の教員不足も、都道府県の財政からみれば人件費節約につながり、実に好都合。だからこそ文科省も都道府県も市町村も、軒並み、本音の部分では公教育の改革に消極的なのではないか。行政側は表向き、批判をかわすために「教育改革」を声高に叫ぶが、本当に改革する気は毛頭無い…とすればこれまでの文科省の的外れな弥縫策の連発も、実は本当の意図を知られないための、国民への「目くらまし」戦法として極めて有効なのかもしれない。

 何よりも目先の損得勘定を優先すれば、確かにこうしたプランが生まれてくるかもしれないのだが、はたしてこれで良いのか、疑念は尽きない。

㉚「教師のバトン」の皮肉と学校のブラック化

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

1.「教師のバトン」ってどんなバトン? 

 かつて文科省が上から目線で使った「教師のバトン」というフレーズは教師の皆様方にどのように響いたのだろう。カッパはむしろ全国の教育現場に絶望的な思いを一層募らせただけだと感じている。多くの教師が激しい憤りを持って受け止めたに違いないとさえ思っている。

 「教師のバトン」という本質的に重い言葉は、悲惨な学校現場の泥水を一切浴びたことのないただの第三者、高学歴エリート役人達が脇からしゃしゃり出てきて云々するものであってはなるまい。当たり前過ぎることだが話の本筋としては学校という現場において日々行われている魅力的な教育活動を通じて当事者である教師自らが次世代の生徒達にバトンを渡していくはずのものである。とりわけ学校の教師が日常的に面白くて有益な授業をすることこそが生徒達に教職への憧れを募らせるのであり、そのことこそがバトンを次世代に渡していく行為そのものだと思うが、いかがだろう。

 

 そうであるにもかかわらず、目標申告シート(自己評価シートetc)の記入、学習指導計画の作成、朝令暮改を繰り返す大学入試改革へのネコの目対応、学習指導要領の改訂、進学用調査書や指導要録の改訂、果ては混乱ばかり招いた不備だらけの校務IT化、意味不明な校内研修のつるべ打ち・・・息つく暇も無く矢継ぎ早に文科省や県教委から下々へ、あたかも罰ゲームのように押し寄せてくる仕事の山、山…

 その多くは教育行政を熱心に「やってます」感を演出すべく仕組まれた、いざというときのためのアリバイ作りに過ぎないような、絶望的なまでに不毛感漂う雑務の塊。そして過熱する一方の部活動と噴出する学校や教師への批判、モンペアへの対応…これらに忙殺される余り、肝心の生き生きとした授業実践に手が回らなくなるどころかついには本務であるはずの授業までもが教師及び生徒達にとっても耐えがたい苦痛になってきている…

 日本の学校教育が直面している本当の危機はそこにあるはずであった。

 

 そうした学校の惨状に一切目をくれず、「定額働かせ放題」とか「やりがい搾取」という罵声が激しく飛び交い始めた学校に対して、現場で悪戦苦闘する教師の立場からすればどう見ても皮肉としか受け取りようのない「教師のバトン」という、美しすぎるほどセンチメンタルな表現を文科省の官僚は用いてしまった…

 この人たちの究極的とも言って良いほどの現場に対する理解の無さ、鈍感さがSNS上での大炎上を招いた主な原因であったはずである。当然の帰結として現在、全国的に教師のなり手が不足してしまい、いよいよ学校教育の危機が深まってきている。

 

 そんなことにすら今の今まで気付くことのできない、学校現場に恐ろしく無知な官僚や政治家が厚かましくも学校教育行政を動かしているのだから、学校現場が萎える一方となるのも致し方あるまい…などと思わず毒づいてしまうほどに学校現場のお上に対する積年の恨みが溜まりに溜まっている。これが現在の学校教師達の実情ではないのか。

 

 もちろん文科省の官僚にも言い分はあるだろう。文科省に限らず、官僚の多くが安月給で過労死ラインを遙かに超える重労働を常時強いられているという。つまりお互いの職場がブラック化しているのだから、実はお互いに被害者でもあり、今こそ鬱憤をぶつけ合っている場合ではないのだ。官僚も教師も、同じ公務員として分断と対立を乗り越え、お互いに連携し、自分たちの労働環境の劣悪さを世間にもっとアピールして労働環境改善に持ち込んでいくのが事の本筋であろう。

※参考動画

公立学校教員の4割が偏差値50未満の大学出身という時代に突入

    Morite2 English Channel 2025/02/06  8:43

    大学入試における偏差値がそのまま教師の授業力に反映するわけではないので、このデータが教師の力量の低下に直結するものではあるまい。しかし教員採用試験の倍率低下も考え合わせると、若手教員の学力低下の可能性は決して低くはあるまい。とはいえ、教師の学歴、学校歴、さらには当該教科の学力ですら、教師の授業力との相関は一般に予想されるほどに高くはないと考える。

    担当する教科、科目への一定程度の理解、知識は確かに教師として全員が備えておくべき最低限の条件ではある。ただし多くの児童生徒にとっては教師の授業力、すなわち授業の魅力こそが肝心な要件であり、教師の学歴などは、ほぼどうでもよいことだろう。

 高校教師の授業力の向上を図るには第一に大学での教員養成教育の改革が必須となるはずだ。同時に教師の負担を軽減して教師が授業準備等に専念できるよう、労働環境の大幅な改善を図ることが切実に求められていると考えるが、いかがか。

「今も一気に絶望の淵に立ってしまう」 心療内科に通院する現役教員の思い 精神疾患による病気

 休職の教員が7000人超えで過去最多に 文科省調査

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2024/12/20  2:53

 こうした事態が生じてしまった背景には一体何があるのだろう。生徒たちに動画を視聴させ、まずはできるだけ多くの理由を考えさせたい。次に以下の参考記事をもとにして学校や教師のあり方を見直すべく、議論を深めていきたい。

※参考記事

「主体性の評価」見直し、高校教員83%が賛成教員の負担軽減へ    リシード 2025.8.22

    こんな程度の事で教師の負担軽減につながるわけはない。また生徒の主体的な学びを抑圧する画一的一斉講義形式の授業がいまだに残存している日本の現状がある。加えて職員会議の形骸化やブラック化などによって教師側の主体性がそもそも奪われ、損なわれてきた経緯もある。

    教師は自分たちの主体性が喪失してきているのに、生徒の「主体的な学び」を奨励し、評価sしなければならない…この皮肉、矛盾はどう捉えるべきなのだろう。まったくブラックジョークとしか言いようのない、珍妙な事態である。

子どもの自殺防止、教員向け新指針作成へ…学校と医療機関が連携強化

 読売新聞 2025.8.22

 …文部科学省は、学校が医療機関との連携を強めて、児童生徒の自殺を防ぐための教員向け指針を新たに作成する方針を固めた。自殺の危険性がある児童生徒を早期に把握し、適切な対応を促す狙いがある…とのこと。

 一体、文科省はどこまで間抜けなのか、厚顔無恥なのか呆れ果てるばかりである。そもそも精神科の医者ですら、自殺防止は極めて難しい。しかも専門家であるはずの医者の中には東京の滝山病院のように、唖然とするほど質の悪い医師がいたりする。

精神医療への疑念が消えない中で、素人に過ぎない教師に医師の技量や資質を見抜けるわけがない。

 そうした状況の下で、一体、どのような連携を学校と医療機関がとれるというのだろう?この程度の事、少し考えれば分かるはずだ。しかも文科省のおかげで加速した学校のブラック化がこうした難問への教師の対応力をひたすら削り続けている。

 あまりにも当たり前のことなのだが、どう見てもこの問題の主体となるべきは校内においてたった一人、学校カウンセラーしか見当たらないはずである。

 文科省は一体、教師に何を期待しているのだろう。仮に文科省の言う通り、教師が医療機関と好ましい連携をとるべきだとするならば、教師全員、最低でも学校カウンセラーの資格を必要とすることになる。無論、そんなことは不可能だ。

 実際のところ、当の学校カウンセラーですら、自殺防止にむけて役立つような医療機関を探し出すことは至難の業であろう。自殺予備軍が抱える問題は多様であり、千差万別である。しかも多くの場合、彼らは重いうつ状態や希死念慮だけではなく、家族の問題や身体的疾患、経済的困難、対人関係の問題、低学力、不眠などの深刻な課題をいくつも同時に抱えている。カウンセラーや精神科医ですら、単独では対応困難なケースだって決して少なくない。であるにもかかわらず、文科省のおかげで疲弊の極にある素人集団の教師如きに、一体全体、この件についてどれほどのことができるというのだ。

 学校が医療機関と連携する、ということは、医療機関との連携に対して学校や教師がそれなりの責任を負わされる、ということに他なるまい。仮に、それでも児童生徒が自殺した場合、教師側によってどのような連携がなされたのか、が問われてしまうからである。これでは教師たちまでもが深いウツと猛烈な希死念慮を抱くようになるに違いない。

 文科省が考えるべきは教師の負担を増やす事ではなく、教師の負担を大胆なレベルまで削減することであり、思い切った学校カウンセラーの増員と待遇改善である。そのための予算が確保できないのならば、文科大臣以下、教師や学校カウンセラーたちに平身低頭して謝罪し、自分たちの無力さ、無能さを深く恥じるべきだろう。

保護者からの過剰な苦情・不当要求「学校以外が担う」文科省が改訂案    リシード 2025.8.20

 この程度の業務見直しで教員の負担軽減になるとは到底思えない。そもそもが学校の事務職員自体、人数不足であり、学校カウンセラーなどの専門家も不足しているところが多いはずだ。実際、事務職員の不足によって高校入試事務や受付の仕事を一部、教師が負担するようになったのは千葉県の場合、二十数年前からだったように記憶している。カウンセラーやケースワーカーに至っては、ほとんどの場合、千葉県では一つの学校に常駐できておらず、複数校を掛け持ちするのが普通だった。しかも様々な面で待遇が悪く、学校、教育委員会に対して大きな不満を抱えている方もおられたようだ。

 既に過剰な負担にあえいでいる方々に教員の負担の一部をただ押し付けるだけ…これが文科省にとってはお手軽でとりたてて経費も要しない(財務省との勝ち目のない予算折衝を回避できる)、いかにも「賢明」な解決策なのだろうが、本来、検討すべきは教育予算の増額を前提とする事務職員の定数増加、カウンセラーらの待遇向上の方ではあるまいか。

 軽減すべき教員の負担は他にもまだまだ沢山あるはずだ。学校行事の大胆な削減、無駄な官製研修の削減等々、肝心な改革にはこれまたノータッチ…にもかかわらず本来、学校の当事者が果たすべき保護者のクレーム対応を学校外に任せる…この発想自体、おかしくないか。むしろ学校内にスクールローヤーを含む複数の専門家を配置する形にして保護者との話がこじれないようにするのと同時に、担任や学年主任が一定程度まで関われる余地を残しておくことの方が学級、学年の経営上、都合が良い場合だって少なくあるまい。

 文科省の官僚たちよ、今後は財務省と互角に戦えるレベルの予算折衝ができるよう、学校現場の生の声を少しでも直接、聞いて回る努力をしていただきたい。生の声が届いていないからこそ、この程度の下らない改訂案しか出てこないのだ。

教員採用試験、約50自治体が共同実施へ 負担軽減、面接などに注力    毎日新聞 2025.8.6

    一見すると合理的な対応に見えるが、かなり危険な方向性を感じる。確かに性犯罪に走る人物を簡単に合格させるわけにはいくまい。しかし小論文や面接で人物、特にその性癖を見抜けるとは到底思えない。一体、どのような質問をすればそれを見抜くことができるのか、じっくりと担当者に伺ってみたいものだ。

    大学入試での共通テストと同様、一次試験の足切りに利用する目的で共同実施する意図が見受けられる。だが、ただでさえ採用試験の倍率低下が深刻な状況下で、はたして合同実施の試験に「足切り」機能をどれほど期待できるだろうか。
    加えて合同実施の試験はどのような組織が、どういう内容で作成するのだろう。場合によっては大学入試での共通テストのように、受験生の学習内容への過度の統制、画一化が進んでしまう恐れもあるだろう。大学での教員養成教育内容の均一化が生じてしまい、個性や多様性が侵害されないとも限るまい。新米教師への国家による妙な思想統制だけは避けたいものだ。

 そもそも教員採用試験で厳しく問うべきは受験生の授業準備の在り方、発問の仕方など、実践的授業能力の方であろう。受験者数が多い場合、授業能力を問うことは時間的に難しいだろうが、人数の絞れてきた二次試験ならば可能ではないか。

 大して判別力が期待できそうにない面接試験や小論文を二次試験とするような時代遅れの発想ではいよいよ日本の公教育はお先真っ暗、というほかあるまい。試験の合同実施によって教育委員会の仕事を削減するよりも前に、鋭意、学校現場にいる教師の仕事削減を優先してもらいたいものである。

教育現場のリアルな実態…教員の8割が10時間以上勤務    リシード 2025.7.29

 …出勤してから退勤するまでの教員の勤務時間は平均11.17時間であることが2025年7月29日、小学館が運営する教員向けWebメディア「みんなの教育技術」の調査結果から明らかになった。8割を超える教員が10時間以上、4人に1人が12時間を超えて勤務している状況にあった。

 教員の勤務実態に関するアンケートは、5月20日から6月30日にかけて全国47都道府県の教育関係者を対象に実施。Webメディア「みんなの教育技術」でのアンケート形式で実施され、有効回答数は5,412人だった。…

 この調査は文科省や各教育委員会による同様の調査よりも、はるかに信用できる。私の実感に近い結果が出ているからだ。生徒たちには「公立教諭の時間外勤務、「月45時間」以下は小高7割   朝日新聞社 2024.12.26」のデータと比べて議論させると面白い授業になるだろう。

公立中35人学級、教員1万7000人増必要 400億円の予算見込む   毎日新聞 2025.6.17

 少子化が急速に進む先進国であり、いまだに経済大国の端くれであるはずなのに、何とした事か、デレダラと何十年もの間、40人学級を放置してきた国があった…この日本と言う国は少子化という、学級の定員削減に絶好の追い風が吹き続ける中で、学級定員の見直しすら、まともに取り組もうとはしてこなかった。その国力から見ても35人学級程度の事くらいとっくの昔に実現できていたはずである。マスプロ教育の弊害が叫ばれてから一体どれほどの歳月が経ったと思っているのだろう。

    にもかかわらず、21世紀に入って四半世紀が過ぎ、マスプロ教育という言葉自体がとっくの昔に死語となった今の今となってようやくにして法改正を行い、35人学級を徐々に実現させていくのだという。かねてから口では「個別最適化」を唱えて生徒の多様性に応じた丁寧な教育の実現を謳ってきたクセに、「個別最適化」の足を引っ張る張本人たる40人学級を文科省は長らく放置してきた。

    何という怠慢であろう。何という欺瞞であろう。国家百年の大計たるべき学校教育ですらこのザマである。この国の無策ぶりに呆れ果てるしかあるまい。しかも政府の無策ぶりが祟って学校のブラック化が進行し、近年は若者の教職離れが顕著となって深刻な教員不足が慢性化している。こうした状況下、一体、どうやって公立中学校の教員を17000人も増やそうというのか。文科省はこれまで通り、自らの責任は棚に上げて厚顔無恥にも各教育委員会に、ひたすら困難を極めつつある教員募集という難題を平気で丸投げするつもりなのだろうか。

 このニュース、個人的には絶望しか感じられないのだが…

「子どもを救いたい」 その思いと現実の狭間で 採用数の4割超が退職…“子どもを守り職員も守る”

   児童相談所の挑戦を密着取材【news23】 TBS NEWS DIG_Microsoft  2025.1.25

   この国の老害政治家による若者や子どもたちへの切り捨て政策が、いかに学校の荒廃と児童生徒の不登校や自殺、引きこもり、非行、親による虐待、育児放棄などの諸問題をこれまで量産してきたか、しっかりと直視したい。不足しているのは教師たちや児相職員、民生委員だけではあるまい。何のための子ども家庭庁設置だったのか、もう一度、文科省、厚生労働省の責任を含めて厳しく問い直すべきだろう。

危機的状況な高知の教育界 「学校の存在意義を考え直さねば」相次ぐ教職員不祥事

 で“緊急会議” KUTVニュース 2025.1.24

 はたして高知県教委の対応はいかがなものだろう。かなり疑問のある、トンチンカンな方向性を感じてしまうのだが…教職員の不祥事が発生する背景に何があるのか、把握しようと努力した痕跡がこの教育委員会には見られないのではあるまいか。

 もちろん、不祥事の多発が教師たちの規律の乱れに起因することも有るだろう。特に管理主義的な体質の組織ならば、なおさら服務規律の整備や罰則の強化などで教員の不祥事にゴリゴリの対応をしようとするに違いあるまい。

 昔、校内暴力が吹き荒れた際、教師たちが体罰をも辞さない覚悟で厳しい生徒指導を行い、学校の沈静化に努めたように…かつての経験から、上から目線で生徒管理と教師管理の徹底を図ろうとする、老害管理職は高知県においても少なくあるまい。

 そもそも高知県での教師たちの不祥事は本当に規律の乱れだけに起因するのであろうか。高知県の教員採用試験における倍率は全国的にもかなり低いと言われる。倍率の低下によって生ずる教員の質の低下は不祥事発生の土壌を形成する一因となるだろう。加えて教育環境のブラック化が教員不足によって一層、加速してきている現状も考慮する必要があるだろう。今、教師たちのストレスがどれほど蓄積してきているのか、県教委としてきちんと調べたうえで対応しているのならば良いのだろうが…

 学校のブラック化を招いた責任は、もっぱら教師たちの仕事と責任をひたすら増やし続けてきた文科省と教育委員会にあり、現場の教師たちはそうした愚かな教育行政の被害者側に過ぎない…そうした側面があることを教育委員会はまったく把握できていないようだ。加害者のクセに被害者面して一方的に現場の教師たちを取り締まろうとする教育委員会の、居丈高な姿勢が教育界全体の崩壊を加速させかねない、最悪、最大の危険因子となってしまわないことを祈るばかりである。

 「今の若い教師はたるんどる。実にけしからん!」とばかりに管理職らが老害風を吹かせているだけであるならば、高知県の教員採用試験の倍率は今後、さらに低下し、教員不足は一層、深刻となるだけだろう。そして教師の休職や中途退職が激増する危険性まで招いてしまうかもしれない。

 「学校の存在意義を考え直さねば」ならないのは一体、どちらさんなのか…教育行政のお偉方自身、しっかりと謙虚に考え直した方が良いのではあるまいか。

6時間授業、授業内容増で子どもも教員も疲弊 現役小学校教員が語る「詰め込みす ぎカリキュラム」

   の実態 AERA dot. 西島博之 2025.1.24

   日本のカリキュラムがあまりにも過大であり、結果的に「詰め込み教育」がいつまでも改善されないままになっていることは、とっくの昔から明らかであるのに、今も何一つ反省されることなく平然と英語教育、情報教育や金融教育などが次から次へと教師の仕事として上乗せされてくる。そして教材研究の不足、授業方法の工夫の不足を日常的に自覚しながらも、疲弊しきった教師たちと、その教師たちから矢継ぎ早に、かつ大量に教え込まれる児童生徒たちとは、結局、退屈で未消化なまま、ひたすら前へ前へと勝手に進んでしまう授業自体を苦痛そのものと感じる点で、実は一心同体なのかもしれない。

 「スクラップ・アンド・ビルド」の原則は守られることもなく、仕事量が教師たちの力の限界をとうに超えているにも関わらず、非情にも様々な課題が際限もなく学校に丸投げされてくる。教師たちの疲弊には目をつぶり、現場の悲痛な叫びに耳を貸すこともなく、淡々と学校現場の仕事を増やし続けてきた教育行政側の責任は万死に値するほど重い。

 新たな仕事を次々と快く引き受けることが官僚たちの大きな手柄とされ、文科省や教育委員会での出世を約束する構造があるのだろう。しかし、結果的に児童生徒らの不登校は増える一方であり、教員の休職者や中途退職者も増える一方。当然の事、教員志願者は減り続け、教員不足が学校をギリギリの瀬戸際まで追い詰めている。そしてこれらの問題解決もまた、学校現場にほぼ丸投げされてくる。

 何が間違っていて、誰が悪いのか、明確なのに誰も罰せられず、だから何も変えようとしない…今の自堕落な教育行政に自浄能力を期待するのはあまりにも愚かであろう。

公立教諭の時間外勤務、「月45時間」以下は小高7割   朝日新聞社 2024.12.26

   こういう文科省がマスコミに垂れ流したまがいものの情報を、しっかりと学校現場の実態と照らし合わせることなく鵜呑みにし、短絡的にオウム返しするマスゴミの姿勢には怒りしか覚えない。ここで数値としてもっともらしく示されている「残業時間」はあくまで学校における残業時間であり、それが教師たちの残業の実態とはまったく乖離した数字であることは私も再三、指摘してきた。

 既に10年ほど前から高校でも定時を過ぎる頃に、教頭から半強制的にしつこく帰宅を指示されるようになっていた。まだ業務を終えていない教師たちの多くは、どうしても校内でしか処理できない業務を除き、渋々、多くの仕事を抱えて帰宅している。そして自宅で採点や提出物のチェック、授業準備などの「お持ち帰り残業」を続けている。つまり文科省のいう「働き方改革」という美名はその実、学校の光熱費の節約と管理職の手柄稼ぎとしての名目的な残業時間の削減に過ぎない。実際の教師の職務はかえって家族へ転嫁され、教師たちの家計を削ることになっただけである。これはむしろ「働き方改悪」と呼ぶべき文科省側の悪辣な策略であり、ただの誤魔化し、イカサマに過ぎない。

 こんなことだからマスコミは「マスゴミ」と呼ばれ、この10年ほどの間に教員不足がかえって深刻になっているのだ。文科省もマスコミも、もういい加減にしてほしい。

まだ8割の学校で“FAX使用” 校務デジタル化の進捗は? 教員の働き方改革にも関連 文科省調査 

   TBS NEWS DIG_Microsoft 2024.12.26

   もはやどこのご家庭でも骨董品となっているはずのFAXを、いまだに学校の8割が使用していることの持つ意味を軽く見過ごすことは許されまい。すなわち日本の学校自体が骨董品と化している、と言っても良いほどに、日本の学校はあらゆる面で先進国の教育から遅れをとっているのだ。

 もちろんハード面では児童生徒一人に一台、タブレットが支給された学校もあるだろうが、タブレットを学校でどう利用していくのか、授業ではどのような利用の仕方があるのか、きちんと理解できている教師がどの程度、いるのかは疑わしい。そもそもタブレット導入の先頭に立つべき管理職自身、タブレットの利用自体が心もとない人は決して少なくあるまい。

 学校でのFAXの残存はDX化の流れに日本が取り残されているのみならず、個別最適化と自律協働型の学習導入にも完全に乗り遅れ、惨めにもガラパゴス化した日本の学校の現在を象徴していると思うのだが、いかがか。もちろん、これを打開するのはそんなに難しい事ではあるまい。DX化の推進役であるべき管理職や教育委員会のメンバーを大胆に若返らせれば良いだけである。

 多少の例外もあるだろうが、多くの場合、DX化への抵抗勢力、すなわち老害教師が実は管理職や教育委員会に数多く潜んでいることは疑いようもあるまい。もちろんメンバーの若返りは年功序列の人事に囚われている限り不可能なので、まずは文科省が率先垂範、年功序列人事を辞めてみたらいかがだろう。いや、その前に都道府県教育長を文科省官僚などから選ぶことをまず、禁止してみてはいかがか。

教職大学院、定員充足率85.6%…18校が100%以上   リシード 2024.12.27

   高校での授業内容や技術は科学技術の急速な発達、目まぐるしい世界情勢の変化などによって年々、アップデートされる必要性が増してきている。特に難易度の高い生成AIの修得が教師にとって必須になりつつある現在、その修得の機会を教師たちから奪うような、ブラック化した学校のままではかなりマズイだろう。

   仮に校務の削減がなかなかはかどらない場合には、当面、教師が己の知識、技術をしっかりとグレードアップするために、煩雑な校務を一旦離れて教職大学院に進学することがより一層奨励されるべきだろう。でなければ肝心の教師たちがIT化、DX化の流れから取り残されてしまう。ところが、そうした危機的状況であるにもかかわらず、教職大学院の定員割れが常態化している。これこそがまさに日本の未来を危うくする重大事態だと考えるが、いかがか。

 教職大学院の定員割れはなぜ生じているのか、文科省は一刻も早く、その原因を探り、具体的な打開策を提示すべきである。

給特法は枠組み維持、抜本的改正は議論なし 教職調整額は10%

   毎日新聞 によるストーリー 2024.12.25

   やはり予想通りの、最悪の結果になってしまった。全国の教師たちの多くが求めているのは際限のない仕事量と重責の積み重ねによる疲弊の軽減、解消であったはず。年1%の給与の増額など、「焼け石に水」どころか、まったくの見当はずれ。むしろ絶望感だけが深まる結果となった。これで次年度もまた全国的に教員不足が深刻化し、休職や退職に追い込まれる教師が増え続けるに違いあるまい。

 物価上昇率はその上を行くことが予想されているというのに、そもそも、年1%の給与引き上げに私たちは一体どんな魅力を感じたらいいのだろう。馬鹿にするのもいい加減にしてほしい…いや、つまりそういう事なのだ。

   日本の教師たちは150年を超える近代的学校教育の歴史の中で、ひたすら馬鹿にされ続ける存在に過ぎない…先進国内における教育予算の圧倒的な低さがそれを物語ってきたはずである。教師に向けられる世間の視線の冷たさもまた、その社会的地位の低さを物語ってきたはずである。

   文科省が示す働き方改革の方向性が残業時間の削減という、ほとんど意味の無い、それでいて数値でゴマカスたぐいの詐欺的政策に集約されようとしている。そのことこそ、文科省が本当に意味のある改革を決して志向していないことをいよいよあからさまにしている。それでも教師たちは年1%の給与引き上げに狂喜乱舞する、と思われているのだから、もはや絶望するしかあるまい。

   表向き、残業時間の削減は既に相当程度進んでいるはずだ。10年近く前から、学校に遅くまで居残る教師は年々、減少しているという印象は強い。ただしその裏側では自宅への「お持ち帰り残業」が増え続けてきたはず。業務が削減されていないのだから、それは当たり前である。つまり文科省は学校での残業を減らすことで電気代や水道代などを教師たちに節約させる一方で、本来、国家や自治体が負担すべきそれら業務上の必要経費の多くを教師たちの家計に転嫁させる、というとんでもない欺瞞を力強く推進してきたに過ぎない。

   実に教師たちを馬鹿にしきった「働き方改革」である。だから、今後も淡々と日本の教師たちは絶望し続けるのだ。

精神疾患で休職の教員、過去最多に 生徒指導や人間関係が負担   毎日新聞 2024.12.20

   若い教師、とりわけ女性教師の休職件数の多さは、相も変わらずの年功序列によって男性の老害教師が幅を利かす日本の学校現場の特色が背景にありそうだ。すなわち管理職の無責任な人事による若者への仕事の集中と学校での男女平等度の低さが休職という最悪の事態を招いていることを示しているに違いない。またその結果、児童生徒に大きな悪影響が及んでいることも推察できるだろう。加えて教師不足が叫ばれている中での休職の多さは、いよいよ日本の学校教育全体が軋みだし、破綻しつつあることを物語っていると思われるが、いかがか。

   こうした事態を招いた背景には、既にポンコツと化した男中心の老害政治家が国政のみならず、地方政治にも幅を利かしている、情けない現状がありそうだ。そうした閉塞的な政治のあり方が、少子高齢化の急速な進展とともに日本社会の隅々にまでしっかりと浸透してしまったのだろう。すなわち、この問題は遅かれ早かれ学校社会を大きくはみ出していき、広く日本社会全体を機能不全に陥れていくのではあるまいか。

三重の公立校教員採用、受験者数が最少に 試験の前倒しも効果なし?    朝日新聞社 2024.12.5

   一体、いつまでこうした的外れの、泥縄式対策が続くのだろう。教育行政への不信感は募るばかりである。高知では近年、教員採用試験の合格者の7割ti近くが教職に就くことを辞退している。実際、どの都道府県でも文科省が推薦する受験日の前倒しが何らの効果も見られない理由は誰の目にも明らかなのに、なぜ文科省や教育委員会はこうした不毛な駄策、的外れの弥縫策を繰り返すのだろう。

 こうした惨めな状況を創り出し続ける教育行政側に最も欠けているのは、自分たちの過ちを認めようとしない、恥知らずなまでの頑迷さにあるのではあるまいか。企業側の採用試験が教員採用試験よりも早い日程だから、結果的に教員採用試験の受験者や教職に就く者の減少を招いている、との認識は見当外れも甚だしいのだ。

 おそらくこうした自責の念を欠いた他責的認識が文科省には広くはびこっているのだろう。間違いなく若者の教職離れの主因は学校のブラック化にある。ブラック化への対応が不十分なまま、教師たちに過重な負担を課し続けてきた教育行政側の責任は極めて重大であろう。

 ただし一番の責任を負うべきは教育改革をとなえて学校に大きな負担を課しながら、ひたすら教育予算を削り続けてきた歴代内閣である。立場からすればむしろ文科省の官僚はその被害者に過ぎないと言えるかもしれない。もちろん、おぞましいほど時代遅れで的外れな教育行政によって最も大きな被害を被っているのは児童生徒たちであり、それは教員の中途退職と教員不足の増大に比例するよう、徐々に増加してきたイジメ件数、不登校者数を見れば明らかである。

 改革を阻む老害政治家たちが実権を握る日本政治の弊害、毒素はまず年功序列の世界の住人、とりわけ官僚たちに垂れ流されるに違いない。やがて官僚たちは地方に天下り、老害政治の毒素を地方にも浸透させる。いや、地方議会もまた老害地方議員たちによって既に国政以上に酷く汚染されているかもしれぬ。その毒素は末端の公務員、とりわけ教員に浸透し、無残にも児童生徒をくまなく汚染するはずだ。まさに老害のトリクルダウンが隅々まで行き渡っているのが日本の現状ではあるまいか。

なぜ若い教師の代わりを私たちが…割を食う「氷河期世代の40代教師」の嘆き【学校現場の働き方改

   革の実情】 THE GOLD ONLINE によるストーリー 2024.7.9

   割を食っているのは40代だけではあるまい。大胆な負担の軽減と公平な職務の分担が実現出来ていない責任を教育委員会や管理職が一切負わないままで済んでしまうような人事考課システムこそ、大きな問題なのではあるまいか。思い切った職務の削減と公平な校内人事を上手にできない管理職の存在こそが学校のチームワークを崩壊させる側面を決して過小評価してはなるまい。

   当然、文科省の当てにならない調査結果も決して鵜呑みにしてはなるまい。「働き方改革」の推進が管理職のお手柄となるような、「見せかけ」の定時退勤が横行している学校現場の実態は文科省の調査結果にはまったく反映されていない。信頼に足るデータを持たないままブルシットジョブをひたすら垂れ流してくる教育行政のあり方を根本から変えていかない限り、教員不足は加速するだけであろう。

教師の過酷残業と消える ”当たり前” テレ朝news によるストーリー 2024.3.28

 日本の教師不足の現状は私からすれば予想以上に軽度と言えるだろう。個人的には日本の学校教が直面している絶望的な現状においてすら、まだ教師を志望する若者が今それなりに存在していること自体、実に不思議なことだと感じているのだ。

   内田氏が指摘しているように「半世紀遅れの教育現場」がほとんど改善されることなく、「もはや学校教育は崩壊している」と捉えるべき現状があるのに一体なぜ、一部の若者は「沈む船」に乗り込もうとするのか…どうして日本では少なからずの若者が敢えて教師を志望しているのか、その動機と原因が何としても気にかかってしかたない。つまり若者たちは「教育」というバラ色の幻想に目をくらまされ、大学の古臭い観念にとりつかれたままの教師たちによっていまだに洗脳されているのでは あるまいか。

   仮に私が大学の教職課程を教える立場ならば、現状では学生に教職を積極的には勧めないだろう。 むしろ学校現場で教師が直面する数々の問題点を講義の中で赤裸々に取り上げていき、決して教職に関してはバラ色の未来を語るまい。そしてそれでもなお問題点を克服する意欲、体力、能力のある若者に限り、教職に就くことを渋々黙認する、という立場を選ぶだろう。

 つまり私が大いに懸念しているのは大学での教員養成の中身が日本の学校の悲惨な現状をきちんと捉えたものにはなっていない、という恐るべき可能性なのである。一部の大学では相変わらず大昔の「教師聖職者論」に依拠した、教職の無限の可能性…などといった古の幻想を学生たちに無責任にもばらまき続けているのではあるまいか。その一方で学校の急速なブラック化による児童生徒及び教師の心身の不調や幸福度の低下問題をひどく矮小化してしまっているのではあるまいか。つまり今、教職を魅力あふれる聖職として大学が宣伝することは極めて罪深い、詐欺的所業ではないのか。

   若者をだまして先々精神疾患などに追い込むことは犯罪的行為に等しいと言っても過言ではない、と私は思うのだが、いかがだろう。

 「無理ゲー」の霞が関 退職官僚がつづった思いとは   毎日新聞 によるストーリー  2024.1.9

  諸悪の根源は政治家の見識の低さであり、そうした政治家を選び続ける選挙民の意識の低さである。そして選挙民の意識の低さを巧妙に醸成してきたのはもっぱら日本の因循姑息にまみれた学校教育であろう。時間はかかるが、学校教育のあり方を根本から見直さないと日本の政治はいよいよ低次元の俗悪なポピュリズムに流されてしまうに違いない。

 ○日教組加入率2割切る=過去最低更新―文科省 時事通信 2024.3.1

 学校のブラック化を止められなかった原因の一つが教職員組合の衰退。組合はなぜ衰退したのか、組

合のあり方を含めて問い直さなければなるまい。

 

 …と思いつつも、「どうせお上はきれい事を並べては自分たちの手柄稼ぎのためにこれからも次から次へと現場の仕事を増やすつもりであろう。これまで通りに学校で生じた問題の責任も教師の資質の問題としてひたすら下々へ押しつけるだけであるに違いない」などとついつい愚痴ばかり並べてしまう。 

 この官僚達に対する根深い不信感とひがみ根性はもちろん健康的でも建設的でもない。それにわざわざお上から言われるまでもなく「教師のバトン」自体はしっかりと次世代へつないでいかなければならぬ教師自身の大切な使命であることに誰だって異論は無い。

 バトンをつないでいくためにはまずもって教師のゆとりを回復することが最優先されるべきであるのは現状からして当然である。そのための制度的見直しは大いに必要だ。しかし制度面の見直しに関しては現場の教師が出来ることは極めて限られている。せいぜいSNS上で学校の実情を訴えるべく、「先生、死ぬかも」といった苦痛に満ちたうめき声を上げるくらいしか出来ることはないのである。ただし折角勇気を絞り出して教師が「死ぬかも」とまでつぶやいたにも関わらず、文科省は一切聞く耳を持たないまま、例の「教師のバトン」の炎上騒ぎを引き起こしているのだから教師側としてはもう、どうしても憤懣やる方ないのだ。

2.学校のブラック化

 ※カッパの伝言板でも詳しく紹介されている。

・教師も生徒も息苦しい学校という空間

元気な小学生が中学生になると面白みのない生徒になる…「みんなも我慢している

 んだから我慢しろ」無能教師がはびこる日本の同調圧力教育

 集英社オンライン 2023.08.07

なぜ多くの日本人は昔から、同調圧力が「好き」なのか…自由を「わがまま」や

 「自分勝手」ととらえ、厳しい校則で圧をかける教師もいる

 集英社オンライン 2023.8.8

日本はなぜ幸福度が低いのか? キーワードは「寛容さ」

  世界経済フォーラム  ForbesJAPAN 2022/10/20 09:30

 人生における選択の自由度の低さ他者への寛容性の低さが日本人の主観的幸福度を先進国最低のレベルとしている原因・・・だとすればその原因に大きく関わってしてしまっているのが多様な価値観を認めようとしない日本の画一的学校教育であろう。

参考動画

【教育】日本の教育現場、問題点山積み…

 2020/02/24 たかまつななチャンネル 4:39

 日本の学校での授業の問題点が短時間で整理されている。導入時に「授業への不満、要求アンケート」をとり、その分析を行う際に利用できるだろう。

【給特法】「むしろ残業を増やすかも」定額働かせ放題?教師の仕事はどこまで?

 田村淳と議論

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】  2022/08/03  15:02

【多忙な先生】「休むのが逆に違和感あるくらい」朝から晩まで多忙な教員の1

 日...一方で府を訴えた教員は完全勝訴「自主性の一言で片付けていいものなのか」

 2022/06/28 MBS NEWS 10:46

 教師の「やり甲斐搾取」、「定額働かせ放題」の側面についてアンケートをとっておくと良いだろう。特にどのような教師が生徒にとって理想なのか、どのような授業が良いのか、さまざまなアングルから質問してみたい。

【給特法】月4%上乗せで"定額働かせ放題"に法律が残業増加の温床に?教育現

 場の働き方を考える ABEMAニュース【公式】2022/08/02  18:52

【ブラック教師】「残業はしてないコトに‥」教師の"定額働かされ放題"の実態と

 は|#アベプラ 2020/03/18 38:35

【#先生死ぬかも】現役教師「過労死でも好きで働いただけとされる」ブラックな

 教育現場の背景にある給特法とは?コロナ禍で業務量が膨大に|

 #アベプラ 2020/08/19 15:52

【#教師のバトン】現役教師「閉鎖的な組織」先生たちがブラック労働をTwitterに

 暴露?前川喜平元文科事務次官と考える教師の働き方改革【EXIT】|

 #アベプラ 2021/04/10 

【#教師バトン】悲痛の叫び…なぜブラック労働?橋下徹「チームで分業でやらな

 きゃいけない」『NewsBAR橋下 #116 』2021/04/18 6:02

【ブラック労働】教員不足を加速させる部活の負担 外部の指導員を雇う学校も‥ひ

 ろゆき「教育に専念すべき」教師&先生の仕事って何だ?【働き方】|#アベプラ

 《アベマで放送中 2020/12/06

【内田良が語る】『ブラック部活動』 2018/10/28

【教育対談】苫野一徳 × 内田良『みらいの教育』を語る 2018/10/17

教員の”ブラック勤務”問題【報道特集】 

 2022/02/20 TBS NEWS 22:23

「先生は、読み・書き・そろばんのみを教えれば良い」たかまつななが宇野常寛に

 聞いてみた #うのなな 2019/10/11 8:53

「学校は、世間・コミュニティを担うべきではない」たかまつななが宇野常寛に聞

 いてみた #うのなな 2019/10/14 13:06

【毎年5000人が〇〇】日本の教員が「世界一ブラック」な理由

 原貫太国際協力師 2021/12/03 16:43

【教師不足】文科省が全国調査 教頭が担任代替のケースも…

 2022/01/31 日テレNEWS 1:13

参考記事

公立高部活動 例外措置に3条件 茨城県教委 新方針巡り個別審査

 茨城新聞社 によるストーリー 2023.6.2

教員不足、ハローワークに求人も…授業できない事態に現場悲鳴「毎日電話で頭下

 げてる」- 読売新聞 - 2022年2月1日

尾木ママが教員不足に嘆き 採用試験の倍率は過去最低「全員合格」「質を保障でき

 ない」東スポWeb 2022/02/01 16:52

「中学の部活動を変えれば日本の学校とスポーツの風景が変わる」改革の現場を取

 材 FNNプライムオンライン - FNNプライムオンライン 2022.2.28

意外と知らない教師の夏休み事情…「生徒が登校しないからヒマ」は大間違い! 日

 刊ゲンダイDIGITAL 2022/08/04 06:30

「部活の地域移行」成功の鍵はやはりカネか 不安尽きぬ受け皿側

 毎日新聞 2022/08/05 06:00

あなたの先生は大丈夫?教師の過重労働 その果てに何が 

 クローズアップ現代全記録 2022年4月27日(水)

求む!教員免許の保持者 不足深刻、埼玉県教委がセミナー開催へ

 毎日新聞 2022/11/15 14:56

 労働環境の見直しが不十分なままでは事態の改善は見込めないだろう。

「教師にも営業時間がある」 現役教員の保護者への投稿が話題、本人が明かす発信

 の意図 ENCOUNT の意見 2022.11.20 19:28

東京都、都立学校153校で「部活動指導員」募集

 リシード 2022.12.26

 教員免許状の保有を条件としている限り、部活指導員不足は解消できまい。

あなたのまわりにも?一見優秀だが実は主体性がない「いい子症候群」の若者たち

  現代ビジネス 飯田 一史 2022/06/03 05:00

今の若者たちはなぜ「絶対に失敗したくない」のか 自己責任論が生んだ「ゼロリスク

 世代」の未来像 東洋経済オンライン稲田 豊史,金間 大介 2022/10/28 08:30

 

参考文献

○「学校ってなんだ!~日本の教育はなぜ息苦しいのか~」工藤勇一・鴻上尚史 講

 談社現代新書 2021

 

教育再生会議のメンバー

閣僚

  内閣総理大臣: 安倍晋三→福田康夫

  内閣官房長官: 塩崎恭久→与謝野馨→町村信孝

  文部科学大臣: 伊吹文明→渡海紀三朗

有識者(委員)

  野依良治(座長) 化学者

  池田守男(座長代理) 資生堂相談役

  浅利慶太 劇団四季代表

  海老名香葉子 エッセイスト(先代林家三平の妻)

  小野元之 文部科学省元事務次官、日本学術振興会理事長(法学)

  隂山英男 立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授

  葛西敬之 東海旅客鉄道会長、国家公安委員

  門川大作 京都市教育長

  川勝平太 経済学者、国際日本文化研究センター教授

  小谷実可子 シンクロナイズドスイミングの元オリンピック選手

  小宮山宏 東京大学総長(工学)

  品川裕香 ノンフィクションライター(教育問題を題材)

  白石真澄 評論家・関西大学政策創造学部教授(経済学・工学)

  張富士夫 トヨタ自動車会長

  中嶋嶺雄 国際教養大学理事長・学長(政治学・社会学)

  宮本延春 豊川高等学校教諭

  渡邉美樹 ワタミ社長・学校法人郁文館学園理事長

 また、2007年6月に義家弘介が委員を退任している(その際、宮本延春が就任している)。

※教育学、心理学の専門家が実質的には一人もいない。徹底して専門家を排除した組

 織である。現場の声を反映できる人物を敢えて挙げれば百ます計算で有名な蔭山氏

 と『オール1の落ちこぼれ、教師になる』で知られる宮本氏くらい。

教育再生実行会議

 第2次安倍内閣における教育提言を行う私的諮問機関である。2013年(平成25年)1月に発足した。

閣僚

  内閣総理大臣 安倍晋三

  内閣官房長官 菅義偉

  内閣官房副長官

  文部科学大臣兼教育再生担当大臣 萩生田光一

  文部科学副大臣 (オブザーバーとして)

  文部科学大臣政務官 (オブザーバーとして)

 特に義家弘介氏が政務官だったときは、文部科学大臣の下村氏が「教育再生会議のメンバーでもありましたので、常時出席をしてもらいたい・・・」と述べていた。

教育再生実行会議 有識者

   秋田喜代美     (東京大学大学院教育学研究科長・教育学部長)

   漆紫穂子         (品川女子学院理事長)

   大竹美喜         (アフラック創業者)

   大橋 弘         (東京大学公共政策大学院院長:経済学者)

   蒲島郁夫         (熊本県知事)

 ◎鎌田 薫        (前早稲田大学総長:法学者)

   川合眞紀         (自然科学研究機構 分子科学研究所長)

   北野宏明   (株式会社ソニーコンピューターサイエンス研究所代表取締役)

   工藤勇一        (学校法人堀井学園横浜創英中学・高等学校長)

   倉田哲郎         (箕面市長)

   河野達信         (周防大島町立油田小学校長、元全日本教職員連盟委員長)

   佐々木喜一     (成基コミュニティグループ代表)

   三幣貞夫         (南房総市教育委員会教育長)

   鈴木高弘         (NPO法人老楽塾理事長、元東京都立足立新田高等学校長)

   髙島宗一郎     (福岡市長)

   武田美保         (スポーツ/教育コメンテーター)

   平川理恵         (広島県教育委員会教育長)

  ○佃 和夫       (三菱重工業株式会社特別顧問)

   向井千秋         (東京理科大学特任副学長)

   八木秀次         (麗澤大学教授:法学者・男女共同参画に反対、新しい教科書

          を作る会の一員、安倍のブレーンの一人

   山内昌之         (東京大学名誉教授、武蔵野大学特任教授、歴史学者)

   山口 香         (筑波大学体育系教授、東京都教育委員会委員、元女子柔道日

          本代表)

   ※五十音順、敬称略

 有識者の中で教育学、心理学の専門家は秋田氏一人に過ぎない。現場の声を反映させつつ改革の方向性を示せる人物は麹町中のユニークな実践で知られる工藤氏しか見当たらない。荒瀬氏は元高校校長でアクティブラーニングを提唱。岸田氏も元校長で二人とも大学の教員だが、学校教育の専門家と言うにはほど遠い。従来の中教審、教育課程審議会など、専門家を中心とする組織を排除し、政治・経済の論理を軸とした教育改革を企図していたことがよく分かる人選。中曽根内閣時の臨教審より、さらに偏った構成(地方の教育行政に携わった者が多い)で明らかにバランスを欠いたメンバーと言える。これでは児童生徒の自己肯定感を高める方向での改革は無理。教育再生会議及び教育再生実行会議への批判は「教員という仕事~なぜブラック化したのか~」(朝比奈なを 朝日新書 2020)に分かりやすく論じられている。

※日本の学校教育の問題点についてはこのブログ内の「カッパの伝言板」で「198

 0年代以降の学校教育を巡る言説に関する私的覚え書き」と題して個人的に詳しく

 論じている。

 

その6.防災教育と学校のブラック化

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

1.防災教育

避難所となる公立学校の防災機能…冷房85.5%、断水時トイレ75.1%

    リシード 2025.6.26

    避難所に指定されている公立学校の防災機能が急速に高まっている…こう受け止められかねないような文科省の調査結果ははたして本当に信用できるのだろうか?

    この記事では「別の調査(公立学校の体育館等における空調<冷房>設備の設置状況に係る調査)では2025年5月1日現在、公立小中学校における体育館等への冷房の設置は約2割にとどまっている今回の調査では、災害時に避難者が滞在することを想定している部屋等(体育館のほか、会議室や教室等を含む)のうち1部屋以上、利用可能な冷房機器を保有している部屋があれば保有しているものと取り扱っているためと考えられ、災害時におもな避難先となる体育館への設置を、引き続き推進していく必要があるという。」とある。

    ならば「冷房85.5%」という数字は現実的な防災機能のレベルを決して示してはいない、という事になる。よくよく注意して読めば、むしろ35度を超える猛暑日でさえ冷房施設のまったく無い学校=避難所がいまだに14.5%も存在している、という残念過ぎる実態の方が逆に浮かび上がってこないだろうか。

   これまで 学校での避難では授業優先の発想から教室よりもまず体育館の利用が優先されてきた経緯があるだろう。体育館では冷房どころか暖房すら不十分であることは今までの報道でも明らかである。たとえ体育館などにジェットヒーターが数台、用意されているとしてもはたして燃料は何日分用意されているだろう?おそらくせいぜいが2~3日分に過ぎないのではあるまいか。多くの学校では保管における安全面などを考慮して卒業式などに間に合う程度の燃料しか所有していないのかもしれない。

    自衛隊等による燃料の補給を当てにし、防災に必要な分の燃料を用意していない学校が一体どれほどあるのか…毎度のことながら文科省には自ら学校現場に踏み込んで本当の状況を調べる意欲がなさそうだ。回答者がいくらでも嘘をつける、盛ることの出来るアンケートごときで実態が把握できる、と思うこと自体、馬鹿げていることはない。文科省や教育委員会が当てにならないならば、実際に避難を強いられ、惨めな思いをするだろう市民自身が厳しく学校の取り組みを監視するほかあるまい。

    いかにも防災にしっかりと取り組んでいます、と虚栄を張り、上辺の見栄えばかりを取り繕うとする公立学校の管理職たちの悪しき性癖を、同じ穴の狢ともいえる文科省が知らぬわけはあるまい。こんな杜撰な調査をして事足りる、と高をくくり、学校現場での欺瞞を平気で看過してきた文科省ごときにケチで知られる財務省が防災に必要なだけの予算を気前よく用意してくれるとは到底思えない。馬鹿を見るのはいつでも避難民であることを忘れてはなるまい。

   さらに言えば 防災教育の任にあたるべき学校自体がこの程度の防災機能しか備えていない…という現実に日本の公教育の貧困と欺瞞とが見事に濃縮されていると思うのだが…

津波から10日目に救出された少年「奇跡」の違和感間違いだった避難の選択”東日

   本大震災から14年【明日への羅針盤】

   仙台放送ニュースチャンネル 2025/03/26 14:04

   非常に貴重な体験であり、かつ体験者が高校1年生であることも生徒達には切実な問題として響く動画である。ぜひ視聴させたい。

3.11_東日本大震災_ONE OK ROCK 「Be the light 」

 yuki mizobata  2013/05/06 7:53

 東日本大震災を振り返るならこの動画が一番だろう。当時、有名となったシーンの数々がワンオクの「BE THE LIGHT」の曲とともに紹介されている。それぞれのシーンがどんな場面だったのか、できるだけ解説しながら視聴させたい。

 時折、衝撃的な場面があるので事前に予告はしておくべき。多くの犠牲を無駄にしないために、今、何をするべきなのか、どんな心構えをしておくべきなのか、視聴後はアンケートをとっておきたい。

 ※大川小学校の悲劇については「その1」で詳しく触れている。

猛暑と熱中症対策で夏休み延長の学校が全国に拡大中!教育現場のホンネは

    アサ芸biz 2025.7.10

 ろくに自分で現場を取材せずに教育専門誌の記者の言葉を鵜呑みにするような記事を「アサ芸」はネット上に晒していても良いのだろうか。そもそも記者はどんな調査結果を元にしてこんなにも無責任な事を語っているのだろうか。

    …文部科学省が昨年発表した『公立学校施設における空調(冷房)設備の設置状況調査』によると、教室冷房設置率は小学校99.1%・中学校98.9%・高校99.4%といずれもほぼ100%近い。学校関係者からは、『気温の高い日は屋外での体育の授業を避ける必要はあるが、わざわざ夏休みを延長しなくても対応できる』との意見もあります…とのご指摘、呆れるほかない。真面目に取材する意欲の欠片も見えないような、いい加減極まりない杜撰そのものの記事であろう。

    災害級の暑い日にわざわざ児童生徒たちを学校に来させるのならば、学校はせめて普通のご家庭並みの冷暖房を完備できていなければなるまい。しかし学校の体育館に冷房が備わっているのだろうか、芸術科目の教室などの特別教室にも冷房は完備しているのだろうか、冷房費を節約するために、教室内の気温を無視して冷房時間を厳しく制限していないだろうか…児童生徒の命にもかかわりかねないほどの猛暑が続く現状の中で、「わざわざ夏休みを延長しなくても対応できる」という、根拠不明で誰のものとも分からない発言をあたかも教育現場のホンネであるかのように紹介する、その鈍感で無責任な報道姿勢には怒りすら覚える。

【閲覧注意】子供が見たら泣くレベル…冷酷すぎる自民党と戦う山本太郎【最新国

   会】山本太郎の国会質問!参議院・予算委員会(2025年3月10日)

   山本太郎 on the BEAT【切り抜きch】 2025/03/11 18:53

   ボランティア、NPO頼みの能登における災害復興の実態がよく分かる国会の質疑応答であろう。震災から1年以上も経っているのに後片付けすら終わっていない能登の現状は一体何を物語るのか。「災害大国」日本は本来、「防災大国」でもなければ経済大国として立ち行かないであろう。しかし能登の現状は日本が災害大国であり、人災大国でもあることを雄弁に物語ってはいないか。

「復興・復旧なんて夢のまた夢」能登半島地震から1年 被災地で加速する人口流

   出【報道特集】TBS NEWS DIG Powered by JNN  2025/01/19 22:31

 1年経っても廃墟のまま、残骸の片づけすら進んでいない地区もあるという現状は日本がもはや経済大国ではなくなっていることを示しているのかもしれない。しかし、それにしても無残というほかない能登の現状ではある。

 今後の南海トラフや関東直下型あるいは千葉県東方沖の大地震、さらには富士山等の大噴火に対して日本政府や都道府県が出来ることはおそらく極めて限られている。それは石川県の現状を見れば一目瞭然だろう。この動画を視聴し、今のうちに私たちが日本政府や都道府県の残念なほどの無力さをしっかりと思い知っておくことは、各自が災害を生き残る上での大切な心構えにつながっていくに違いない。

 かつて都市部に人口を集中させて行政のコンパクト化、効率化を推進する動きが地方では数多く見られた。財政の苦しい地方自治体ではとりわけ、少子高齢化が極端に進んで過疎化した農村部などを容赦なく切り捨てて都市部への移住を進める政策がとられていた。そして今や地方の切り捨て政策はいよいよ大規模化し、市町村単位の切り捨て、さらには都道府県単位の切り捨て政策までもが進んでいるように見える。日本はきっと防災の備え、避難生活も、かつて以上に厳しく「自己責任」が問われる、非情冷酷な時代に突入しているのだ。

小学校の廊下、階段、教室を埋め尽くす避難してきた人 神戸の最低気温は1度 映

   像に記録された発災直後の混乱 水や食料はほぼなし 阪神淡路大震災と同じ課題

   が浮き彫りとなった能登半島地震 カンテレNEWS 2025/01/17 13:08

   この時の教訓が今、どこまで生かされているのか、きわめて疑問であろう。学校が避難所として役割を果たせるようになるのは一体、いつの事なのか。日本の政治と教育の本当の貧しさはここに集約されていると考えるが、いかがか。女性の視点が特に欠けている点は、いかにもトップレベルで女性差別の国である日本らしい。

南海トラフ巨大地震と富士山噴火に備えよ【鎌田浩毅氏】◎『M9地震に備えよ』発

   刊記念講演|PHP研究所  2024/08/26  17:16

   南海トラフ、首都圏直下型、西日本内陸部の直下型といった大地震に加えて、富士山の大噴火と気候の寒冷化について、簡潔に説明されており、防災教育として基本的知識を身につけるうえで最初に視聴させたい動画の一つであろう。

つんだもん】激詰めされ、ついに読み上げソフトと化してしまう大臣【最新国

   会】山本太郎の国会質問!参議院・環境委員会(2025年3月13日)

   山本太郎 on the BEAT【切り抜きch】2025/03/14 19:49

   国会では実際にどんな審議が行われているのか、その実態が非常に分かりやすく伝わってきて、大いに参考となる。やや視聴時間が長いが、ぜひ、最後まで視聴させたい。政府側答弁が言い訳、ゴマカシ、すり替え、官僚作成の答弁書の棒読みに終始し、議員との対話がまったく成立していないことに呆れるだろう。

 福島原発の事故以来、住民の避難、すなわち生命、安全の確保に関しては実効性のある対応がほとんど進められていないという現実に身のすくむ思いがする。こうした状況の中で原発推進の声が再び高まっている事にも大きな不安を感じざるを得ない。

   福島での放射能汚染は今もかつての住人達に大きな試練を与え続けている。コミュニティは破壊され、土地もすっかり荒れてしまっている。原発のある地域での住民への安全対策がいつまでたってもいい加減なまま、政府は当該自治体にいざという時の対応を丸投げしているという情けない事実に注目したい。

   東日本大震災の教訓は十分なレベルで生かされているとは言えないだろう。原発関連施設で散々繰り返されてきた事故隠しの隠蔽体質もまた十分に改善されているとは思えない。これで日本は「防災大国」を自任しているのだから実に恐ろしい。本当は「人災天国」という方がふさわしいのではないか。

「今来てますよ、津波が!」届かなかった絶叫…放送で命は守れるか 大災害発生

   時もう一つの最前線 アナウンサーたちの葛藤【テレメンタリー】

   ANNnewsCH  2024/03/16  24:28

   山田アナウンサーの絶叫がなぜ人々を動かすことができなかったのか、ぜひ、生徒たちに考えさせたい。

 「なぜ多くの人が逃げ遅れてしまったのか」東日本大震災から13年…住民100人の

   避難行動を映像化 浮かび上がった危険な避難行動 生死を分けた津波避難の教

   訓【テレメンタリー】 ANNnewsCH  2024/03/23  24:45 

   この疑問こそが津波の教訓が生きていたはずの東北での被害の謎を解く上で最も重大なものだろう。ぜひ、児童生徒に視聴前、あらかじめこの問いを突き付けたい。

 石巻では家族の安否確認やや防災グッズ、あるいは忘れ物を取りに行くために避難先から自宅や職場に引き返してしまったケースが極めて多いことが分かっている。いざという時に家族が集まる場所を決めておかなかった、過去、大きな被害が出てこなかったために住民たちの津波への認識が甘かった、さらには周辺の住民も自宅の後片付けをしていた、などのせいで避難が遅れてしまい、犠牲者が多数でてしまった過去をきちんと教訓にできるか否か、学校での防災教育のあり方が問われているだろう。

 

AkikinnJAPANチャンネル

【300万再生突破】【南海トラフ巨大地震】元自衛官として本当に無念としか言い

   ようがない。自衛隊の無力さに涙が出ました。【大規模震災保存版】

   AkikinnJAPANチャンネル  2024/08/09  30:07

【防災グッズ】1人だけ助かっても意味がないでしょ。リアリティが無さすぎる。

   実際の現場を経験した元自衛隊レンジャーが教える家族が実際に生き残るためのミ

   リタリー式サバイバル防災。 AkikinnJAPANチャンネル 2024.10.12 28:04

【防災グッズ】私ならこれを準備します。元救助隊員「防災リュック」の中身お見

   せします。東日本大震災で準備できなかった最も重要な教訓。

   AkikinnJAPANチャンネル  2024/08/14  26:19

   災害時の避難生活に対する心構え、用意する物についての、これまでの認識が完全に一新されるかもしれないほど、貴重で重要な示唆に満ちている。大災害時には混雑して避難所に入れないことをまず大前提とすべき。したがってテントと寝袋、防水バッグについてはもう一度、確認しておきたい。自宅を出て避難する場合は、食料と水を最小限にしないと避難、移動のスピードと距離が制限されてしまうおそれもある。

 同様のテーマで紹介してきた他の動画とは一線を画するほど、豊富な実践経験に基づいた斬新な指摘には目からウロコ。過酷な実地での経験を軸にした、元自衛隊員ならではの現実的、実践的かつ厳しい認識、アドバイスは大いに参考となるだろう。少し視聴時間が長いが、防災の心構えと実際についてのより有効でしっかりとした認識を作る上で、まず最初に視聴させたい最もオススメの動画である。

 なお次の動画も併せて視聴させると良いだろう。

【至急】南海トラフ地震、これ持ち歩いて。巨大地震を生き抜くホンモノの防災ポ

   ーチ【健康防災備蓄】 防災士いろはの『健康防災ナビ』  2024/08/12 20:30

   日常的に私たちが持ち歩くべき防災ポーチは、当然のことながら児童生徒や教師にも必携のものではあるまいか。こうした防災用品を常時、学校にもそれなりの数を用意しておくべきだろう。でなければ住民の避難所を学校が引き受けるのは無責任過ぎると思うが、いかがか。

 今すぐにでも防災意識を高めることを兼ねて防災ポーチの携帯を児童生徒、教師全員に義務付け、ランドセル、リュック等に入れておくことを徹底させたい。

・RESCUE HOUSEの動画

 このチャンネルは数々の被災地、救急救命の現場に立ち会ってきた元消防レスキュー隊員による豊富な経験を踏まえた実践的な防災対策、救助活動、効果的な避難行動等を教えてくれる貴重な動画が多い。

 以下、学校での防災訓練や社会科以外でも視聴させたいオススメのものを列挙しておく。

【TOP5】被災地はこの防災グッズが必要‼︎巨大地震発生後に買い占められるモノ

   を消防レスキューが紹介

   【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス  2024/04/21  13:30

【完全保存版】驚きの商品が防災グッズに無印良品の爆売れ〇〇を消防レスキュ

   ーが徹底解説

  【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス 2024/02/16  17:43

【注意】間違った防災を消防レスキューがぶったぎる

   【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス  2024/02/03  12:29

【防災NG行動集】9割の人が〇〇をします。防災はお金をかけずにできるのを消防

 レスキューが徹底解説

 【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス  2024/01/24  13:11

 被災時についやってしまいがちな危険行動とは何か、あらかじめ知っておくことは非常に重要。前の動画「間違った…」とともに必見の動画である。生徒たちに予想させたり、途中で動画を止めて危険な理由を考えさせたりすればより効果的。

【完全版】2024年絶対にすべきに防災対策を消防レスキューが徹底解説!

   【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス  2024/01/19  18:18

 事前にできる対策には何があるか、水や食料の備蓄以外で見落としがちな重要ポイントを知っておきたい。

【BEST4】現場で使う防災グッズを消防レスキューに本気で選ばせてみたinワーク

   マン。 レスキューハウス  2024/02/02  12:35

 正月早々の能登半島での地震で防災への意識が高まっている現在、防災グッズの見直しは極めてタイムリーな話題。ワークマンで販売されている品が中心なので授業での視聴は避けたいが、今回、紹介されている四つの品はどれも用意しておくに越したことはあるまい。飲料水、食料の備蓄や防寒対策等は他の動画などでこれまでも繰り返し紹介され,ある程度までは周知されてきているが、家族や近隣の遭難者を救護するためには消防レスキューの観点での用意が必要不可欠となってくる。大規模自然災害などの際に備えて家庭で実際に備蓄している物を列挙させ、今の自分たちに何が不足しているのかを認識していくためにも各自が今後、用意すべき物をそれぞれ確認する作業をさせておきたい。

【2024年最新版】100均で見つけたら即買いの防災グッズ!消防レスキューがオス

   スメするオススメの百均防災グッズとは⁉︎2024/02/28  16:02

   安く手に入る優れた防災グッズが紹介されていて大いに参考となる。

【2020年最新 防災術】南海トラフ巨大地震・首都直下型地震などの巨大地震から

 命を守る地震対策スキル(防災グッズ)を紹介!消防士たちが選んだコスパ抜群地

 震に対する100均防災対策スキルも同時公開! 2020/05/08 23:10

【防災プロ厳選】消防自衛隊員が備えている防災グッズを公開‼︎

 2021/04/16 10:57

 避難する際に持参すべき物はホイッスルと照明器具の二つであり、水や非常用食料などは後回しにすべき、との指摘は大切。大規模災害で人命が失われる、最も多いケースが「逃げ遅れ」であることは肝に銘じておくべき。

 モバイルバッテリー、使い切りマイ洗浄機「お尻シャワシャワ」(生理用品としても)、エアーマット、簡易トイレなど、あるとかなり助かる。

 ※防災グッズに関しては「【永久保存版】意外と知らない!?ホームセンターで買える防災グッズ -災

  害 あなたができるアクション- 【カインズ】 2021/04/09 日本財団 16:34」が役立つ。

  サランラップやアルミホイルコーヒーフィルター(汚水の濾過用)、避難先での防災時のポンチ

  ョ(トイレや着替えに利用)、レスキュー寝袋、アウトドア用カセットコンロ、ヘッドライト、

  リーザーバック(炊飯や防水パックにも利用)など日用品も含めて常備しておくべきだろう。 

  「【100均】100円ショップで揃う!誰でも防災グッズ -災害 あなたができるアクション- 【ダイ

  ソー】 2021/05/28日本財団 17:37」で指摘されているようにヘッドライト(人数分)、L

  EDソーラーライト(ガーデニング用)など数が必要なモノは安価なモノを手に入れたい。他にも

  「【防災グッズ】ほぼダイソーで揃う♪非常持ち出しリュックを作ろう🍀2021/02/23 なんで

  もない日ちゃんねる 8:29」、「【プチプラ防災】家庭の災害対策 在宅避難 編 2020/09/03

  eo official 7:59」、「100円ショップでそろう!今買うべき防災グッズ 2021/06/02

  福岡・佐賀 KBC NEWS 5:06」、「「枕元ポーチ」で大地震や津波から停電時に走って逃げる

  準備|防災グッズを学ぶ[そなえるTV]2020/05/08 死なない防災!そなえるTV 13:19」

  など役立つチャンネルは多い。特に夜間の停電時の避難を前提とした防災グッズの準備は必須

【実証】消防レスキューが3つの救出方法を徹底解説‼︎ ニュースには載らない現場

 での救助搬出方法が女性でもできるぐらいカンタンすぎた‼︎“阪神淡路大震災/首都

 直下型 2022/01/14 11:50

 被災者救出の大きなカギを握るのはこの搬出方法だと思われる。この方法ならば高校生でも大人を担ぎ上げてなおかつ片手をフリーにしながら素速く移動できる。救急隊だけでなく、全員が知っておくべきスキルの一つ。毎年、ただ急ぎ足で校舎外への避難と整列点呼ばかりを繰り返す訓練は見直すべき。

【緊急対策】火事で生き残る唯一の方法とは!?消防経験者が教科書には絶対に載っ

 てないたった一つの手段を伝えます2021/09/18 14:37

 出来るだけ姿勢を低くして外に避難することがなぜ大切なのか痛感!これも全員視聴させたい。

【危険】子供の救命時に絶対やってはいけない3つの行動‼︎消防レスキューがみた現

 場の裏側がヤバすぎた2021/12/29 14:43

◎【消防24時‼︎】消防士が経験した驚愕の心肺蘇生の事実‼︎〇〇をしないとあなたの

 家族が助からないヒーローがやっていることとは⁉︎2021/04/11 15:39

 5㎝ほど凹ませるので高齢者の場合、骨が折れてしまうことは当たり前にある、と言う指摘は非常に大切だろう。骨が折れることを恐れて心臓に届かないマッサージをしても何の意味も無いという。AEDによる電気ショックが終わったらすぐに心臓マッサージを再開することも覚えておくべき。

【驚愕】喉づめ時にこれだけはするな‼︎正月テレビでみたのは間違い⁉︎消防レスキ

 ューが現場で使った緊急救命対応を徹底解説‼︎ 2022/01/02 9:18

【死因TOP】子供がSOSを出せない危険なモノ過酷すぎる消防現場で必要な防災

   を消防レスキューが徹底解説

  【消防防災】RESCUE HOUSE レスキューハウス 2024.3.14 22:13

   まず喉詰に特有のチョークサインがあるのか、あったのかを確認。

 喉に詰まりやすい、誤嚥しやすい食物は餅、こんにゃく、イカの刺身、鯛の骨、リンゴ、パン、ミニトマト、ブドウ、ピーナッツ、枝豆等。幼児ではスーパーボール、ボタン電池、入浴剤等を誤飲、誤嚥して喉を詰まらせたりしてしまう。背部叩打法(左右の肩甲骨の間を掌の付け根で下から上へ抜けるように強く叩く)と上腹部圧迫法(ハイムリック法:拳で上腹部を押し上げるように強く圧迫)の二種類は絶対、知っておくべき。

 年に約9000件も発生している窒息事故に対する心構えは全員、必要。

 

RESCUE HOUSEの動画以外で役立つ情報

防災備蓄|これが無いと困るかも|内閣府推奨のおすすめ備蓄食料|値上げ・食料

 危機対策にも|正しく備えて安心 食料備蓄|何をどれだけ揃えるか分かります!

 2022/06/12 はやとの防災・防犯知識ch 6:06

 食料の備蓄に関して要領よくコンパクトにまとめられている。

防災|【新生活防災】 新しい環境での防災チェックポイントを解説|新社会人・

 新入生・引越をして環境が変わったという方 必見です!2022/04/17 はやとの

 防災・防犯知識ch ~不安だから一緒に考えたい~ 5:26

 卒業間際の3年生向けに視聴させたい。

スウェーデンの全世帯に配布される危機対策マニュアルを大公開| 危機の時に大切

 なこと、用意すべきものは?|北欧在住日本人ゆるトーク

 2022/04/09 Nord Labo -北欧研究室-21:06

 先進国のマニュアルは大いに参考となる。

参考記事

首都直下地震「犠牲者最大2万3000人」は楽観的すぎる地震工学の権威がはじき出

   した「最悪の被害シナリオ」   プレジデントオンライン 三浦 房紀 2025.3.27

   もしかしたら「徒に不安を煽る」との政治的判断からなのだろうか、東京都南部を震源地とする直下型大地震による被害想定があまりにも甘過ぎるとのこと。確かに犠牲者数を「最大23000人」と見積もるのは極めて現実離れしていそうに思える。仮に実際の犠牲者数が想定を大幅に上回った時、またぞろ政府は福島原発の時の様に「想定外」を口にするのだろうか。

   デフレの時代が続き、少子高齢化も加速する時代ではある。悲観的な見通しばかりで憂鬱さが募る一方であった日本社会、失われた30年…ようやく景気浮上の兆しが見えてきた現在、大地震や富士山噴火のような、いつ起きるとも分からない悲観的予測は確かに気分が悪くなる。せっかく立ち直りかけた日本にあたかも冷や水を浴びせかけるようで、誰しもが重い気分に沈むだろう。

 とはいえ、20年にも満たない間に東日本大震災、熊本地震、能登沖地震と立て続けに日本は大地震に見舞われている。これは現実の出来事であり、悲観的予測の話ではない。そんな日本で今、一人でも多くの人を大災害から救おうと考えるならば、どんな情報が必要とされるのか、政府にはしっかりと考えて欲しい。

 おそらく現在の日本国民に喫緊に必要とされているのは、残念ながら「最悪のシナリオ」の方ではあるまいか。オリンピック、万博…などと下手にお祭り気分を煽って現実の厳しさから国民の目を逸らさせている場合ではないのでは…

 こうした状況の中で石破政権の目指す防災庁の設置は一見すると正しい政策なのであろうが、子ども家庭庁が何一つ実績を上げられずに出生率の低下はいよいよ酷くなるばかり…という都合の悪い先例もある。この現状を考えると、防災庁の設置も形だけの取り組みに終わる可能性の方が高い。いずれ大災害による「想定外」の被害が発生した際、政府の言い訳、逃げ口上に利用するための防災庁の設置なのでは…と国民の多くは勘繰りたくもなるだろう。

「防災研修はリアル伝えないと無意味」…体育館で避難所生活し1泊体験、参加女

 性「過酷さは想像以上」 読売新聞 2025.1.20

 借金まみれの自治体が多い中で避難所の管理、運営は地方に丸投げ…「災害大国」でありながら、災害関連死を30年も放置してきた国家に果たして税金を払う義務はあるのだろうか…大いに疑問。政府は増税を言う前に役立たずの国会議員を減らして、重要な政策は国民が直接投票できるような法改正と体制の整備を早急に着手すべきだ。

 どう見ても男性中心のまま、すっかり高齢化した今の政府、国会議員にこれらの対策を実行に移せる力量は無い。ただでさえ複雑に高度化し、変化の目まぐるしい現代社会である。そもそも一人の人間が現代のあらゆる問題に通底していることなど考えられないのだから、代議制そのものを根本から見直す時期に来ているはず。

消防団員が足りない! 存続の危機 変革迫られる消防団

 NHK政治マガジン 2023年7月4日特集記事 

 市民の医療福祉、教育、安全にかかわるほとんどすべての機関、組織で深刻な人手

不足に直面している原因について考えさせたい。特に日本の場合、地域に密着したきめ細やかな介護や防災、防犯、貧困、子育てなどの対策はこれまで市民によるボランティア活動にその多くを依存してきたと思われる。

 しかし都市化や地方での少子高齢化などによってボランティア人材の高齢化と不足が現在、一気に表面化してきた。傍から見ても2024年1月の能登沖大地震の復旧が遅々として進まず、東日本大震災での教訓が十分には生かされていない印象を私たちが受けてしまう背景に少子高齢化への行政による対応の不十分さや遅れが指摘できるのではあるまいか。しかも行政側の人材不足まで深刻化する中で巨大地震の発生確率がいよいよ高まっている。事態は相当切迫してきているようなのだが…

 そんな中で強行された防衛力増強、老害政治家による差別発言と汚い利権まみれだった東京オリンピック、それなのにさらに強行されようとしている大阪万博…これらのお祭り騒ぎが高度成長期の時のように実際、日本の景気を浮上させ、人々の生活を向上させて国家が抱える莫大な債務を減らすことにつながるのならば確かに大勢の反対を押し切ってでも実行する意義はあるに違いない。

 が、はたしてその裏側はどうなのだろう。特定の人々だけが得をするような、醜い利権構造は今回、払しょくされているのだろうか…自民党議員たちの裏金問題を見るにつけ、政治家たちの主張を疑いもせずに真に受けるお人好しは今の日本にどれほどいるのだろう。パーティー券売買の裏側で蓄積されてきた国会議員たちの裏金、政策活動費の使途も見逃せまい。また安芸高田市に見られるように地方議員の腐敗は国政以上に深刻ではないのか。

 中国の低迷もあって日本の株価は今、記録的な値上がりを見せているようだが、これを手放しで喜べる人もやはり相当のお人好しなのだと思うが、いかがだろう。


 

その3.差別と格差(前編)

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

黒人が差別される原因を黄色人種と黒人と白人で考える会議

   【公式】大チャンネル 2025/03/31 1:57

 かなり刺激の強い毒のある風刺だが、差別に関する議論を始めていく上でそれなりに役立つ内容であろう。ただの正義感だけでは差別が無くならない、とすればどういう対策が考えられるのか、問いかけていきたい。

【生地獄】アウシュビッツ強制収容所に収容されるとどうなるのか?

     VAIENCE バイエンス  2025/02/17  14:19

 差別、偏見が招いた20世紀最大の悲劇こそ、ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)であろう。アウシュビッツで何が行われていたのか、情報量はかなり少ないものの、その一端を垣間見る上では役立つはず。

戦後80年 東條英機に最高額命の値段に格差 国民には「受忍」【3月10日(月)】

 TBSNEWS DIG Powered by JNN 2025/03/11 1:04:23

 軍人と軍人以外の国民との間に横たわる巨大な格差には一体どんな背景があるのだろうか。軍隊が解散された敗戦後においても大将と最下層の兵士との間に軍人恩給や遺族年金での格差があるのはなぜだろう。「一億玉砕」を唱えて民間人をも戦場に送り込み、集団自決を強いた支配層の多くは戦後、手厚い補償を受けていた。ところが民間人はドイツやイタリアと違って原則として補償の対象とならなかった。そのことに何一つ違和感を感じられなかった当時の日本国民の政治意識の低さが一体何によって生み出され、維持されてきたのか、マスコミや学校教育の責任もまた厳しく問われるべきだろう。

 そもそも敗戦の責任を問われた軍人や公務員の数は全体からすればわずかである。しかも敗戦の責任が重かった人物程、恩給額が大きいという現状に驚かされる。戦後日本のイカサマ加減は東久邇宮内閣の「一億総懺悔論」の言葉に見事に象徴されているのだろう。国民の生活と命を等しく守ろうとしない国家に私たちは何を望める?

アメリカが崩壊してしまった理由TOP5!

   ニック兄さん and高桑  2024/12/16 11:32

   格差社会アメリカの病理がよく分かる。日本がアメリカに支配されている状態から抜け出す努力はいろいろな意味で必要となっているだろう。

[英語ニュース] ハーバード大教授が語るトランプが当選した理由| Michael 

   Sandel |マイケル・サンデル|日本語字幕 | 英語字幕 |

   Gariben TV   2025/02/02  9:56

   トランプ氏がなぜ、大統領選に再選されたのか、その理由をこれほど説得力のある論理で語った動画は無いのでは?そう思えるほど、サンデル教授の語りは説得力があるようだ。ポイントはどちらがアメリカ労働者の尊厳、プライドをくすぐったのか、という点に尽きるのかもしれない。

   サンデル氏が指摘するように、新自由主義に走るアメリカ社会が招いた一握りの富裕層と圧倒的多数の貧困層との絶望的な格差は、学歴によるコンプレックスをも刺激する形で多数派である低学歴層、貧困層の不満を増大させてきた。にもかかわらず相変わらずエリート主義を捨てない民主党はついに多数派の低学歴層の反発を買ってしまった。確かにこのことこそが、民主党が二度目の選挙の敗北を招いてしまった大きな理由の一つと考えられる。

 授業ではアメリカ大統領選挙の結果についてトランプ氏が再選された理由をまず議論させたい。ある程度、生徒から意見が出た段階でこの動画を視聴させると理解が深まるのではないか。また、なぜ斎藤氏が兵庫県知事に再選されたのか、考えさせるきっかけとして、この動画を利用することも有り、であろう。

【世界情勢理解】2024年ハーバード大学首席の卒業式スピーチ『知らないことの

   力』【英語スピーチ】 リスニング 日本語字幕 世界情勢理解

   Vox Nova 【ヴォックスノヴァ】 2024/05/29  12:21

    平等と自由について深く考えさせる素晴らしいスピーチであろう。これから卒業しようとする大学への厳しい批判を、この場で敢えて行う自由はアメリカが最も大切にしてきた理念でもある。

    はたして日本の大学の卒業式でこのようなスピーチを聞くことができるだろうか…ガザ地区の出来事を自分事として捉え、自分の意見を卒業式の場で堂々と表明できるアメリカの大学の素晴らしさと日本の大学、とりわけ学校教育の社会から閉ざされた内向きの不自由さにも注目させたい。

【懐かしい昭和】ヤバすぎる労働の実態とは?物乞い、闇が深い集団就職、異常に

 死亡率が高い○○員、会社に忠誠を誓った社員

 THEヤバイ昭和  2023/08/11  13:58

 この手の動画としてはかなり信頼できる内容であり、授業での視聴に適する動画だろう。高度成長期の過酷な労働実態が分かりやすく紹介されている。

【誹謗中傷する人の心理】脳を惑わす3つのバイアス/SNSはロジックのズレだら

 け/ハーバード大学と日本の違い/脳は省エネモードで動く/違和感に向き合え 

 PIVOT 公式チャンネル  2023/05/20  35:51

 自分たちを攻撃してくる中傷や暴言、反論に対してどう立ち向かうのか、心理学、脳科学の知見を応用してそのロジックに迫る。イジメや差別とどう向き合い、闘ったらよいのかを考える上で大変重要なヒントを与えてくれる動画。イジメ問題でも非常に役立つ観点が得られる教師必見のオススメ動画である。

 動画で紹介されている三つの中傷の戦略(「whataboutinsm」「strawman 

strategy」「gaslighting」)を理解するだけでも十分役立つだろう。

・格差問題

参考記事

若年層の8割が「自身の将来に不安がある」収入や貯蓄不足が要因に【ライフネット

    生命保険調べ】イチオシ 2025.2

 授業の資料に活用できるだろう。

芥川賞作家、外国人排斥の声に心境つづる「おおやけに、外国人排斥を叫んで良い

    ことになり…」ググットニュース 2025.7.14

 参院選を前に外国人排斥の言動がいよいよ盛り上がっている。この風潮をどう捉えるのか、生徒たちに問いたい。

「目覚めた保守層」は、なぜ外国人に牙をむくのか 新興政党の登場で顕在化する排

    外主義 47NEWS 2025.6.1

 日本経済の失速に対して強く批判されるべきなのは国内の格差拡大に有効な手を打てなかった政府の失策の方であり、在日外国人の方ではあるまい。日本保守党や参政党の主張にはかつてヒトラーが第一次世界大戦後のドイツの低迷を、もっぱらユダヤ人の仕業だと決めつけて人気を博したのと類似する、極めて安易でいかがわしい責任転嫁の臭いを感じてしまうのだが、いかがか。

【病院の闇】生活保護者をムリヤリ入院させ、手術しまくる…医療界を震撼させた

   「山本病院事件」をご存じか 現代ビジネス

   週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) によるストーリー 2024.6.4

 差別と格差の問題を考える際に大きな手掛かりを与えてくれる記事だろう。日本社会で最も見えにくい死角の一つが実は病院、ことに医師の世界ではないか。医師と患者との間に横たわる圧倒的な格差が生み出すおぞましい事件。それは特に外科手術や精神医療の現場で発生しがちであるようだ。内容としては貧困問題や障がい者問題とのつながりも強いので、そこでこの記事を扱うことも可能。

 授業では医者と患者との間にはどのような格差が生じやすいのか、生徒たちに列挙させ、問題が生じないような仕組み、工夫を提案させたい。

人手不足の千葉児相がアピールする「大きなやりがい」本当か 元職員3人がJ-CAST

 ニュースに明かした労働環境 J-CASTニュース によるストーリー 2024.2.18

 格差拡大を防止する上で重要な役割を果たすべき存在が国や地方自治体であろう。しかし下の記事にもあるように、医療、福祉、教育などの分野で一層深刻化する人手不足と職場のブラック化が格差問題の悪化に拍車をかけている。政府の予算配分に大きな問題があることは否めないだろう。

地方公務員の採用試験、過去30年で最も低い5・2倍…23年間で競争率半減 

 読売新聞 によるストーリー 2024.1.14

 少子高齢化による急速な人口減が招く当然の帰結として行政サービス全般の劣化と各種ボランティア活動の衰退が考えられる。地方自治体における公務員不足、消防士不足、消防団員不足、警察官不足、保護司不足、幼稚園~高校での教師不足、保育士不足、医師不足、看護師不足、介護士不足、自衛隊員不足、郵便を含めた運輸・配送従事者の不足、児童相談所員の不足、公民館員不足、町内会員の減少、ケースワーカー不足、民生委員不足…これらが同時進行していけばやがて日本社会の美徳とされた安全性、規律正しさ、各種の利便性、おもてなし精神、識字率の高さ、平均的学力の高さ等は瞬く間に瓦解するに違いない。

 ポイントは以下のような点であろうか。

 科学技術の発達がそうした問題の解消にどれだけ貢献できるのか、今後予想される大規模な自然災害の発生がどれほどのダメージを日本にもたらすのか、気候変動による損失はどの程度まで膨れ上がるのか、海洋資源の確保と利用がどの程度まで可能か、中国や北朝鮮、ロシアなどによる軍事的脅威はどの程度まで高まるのか、移民政策の進展は可能か、今後、女性政治家がどの程度、増えていくのか、老害政治家の排除は可能か、学校教育の根本的変革はどこまで進められるのか…

 課題山積の現状から目を背けてはなるまい。

「日本は緩やかな身分社会」 気鋭の教育学者が懸念する「教育格差」

   毎日新聞 によるストーリー  2023.12.22

 格差問題をテーマとするときに最初に押さえておきたいのがこの教育格差問題。生徒にとって身につまされるテーマなので慎重に扱う必要があるが、素通りしてよい問題ではあるまい。特に「保護者(以下、親)の学歴▽世帯年収▽職業などを統合した概念である社会経済的地位(Socioeconomic status、以下SES)」という概念は基礎知識として周知させたい。いわゆる「親ガチャ」を学問的用語で説明できるだろう。

 「日本では、出身家庭のSES、出身地域、それに性別の三つが主要な初期条件です。具体的には、親が非大卒を含む低SES家庭出身、地方出身、女性であると、子ども自身が大学進学を望まないし実際に進学しない傾向があります。」という指摘こそが親ガチャの一側面を説明している。そして…日本は最終学歴によって就業状態や収入などに差がある学歴格差社会でもあります。初期条件が学歴を介して人生の可能性を制限しているので、「緩やかな身分社会」と言えます…という結論にたどり着くことになる。 

 日本は現在、決してフェアな競争社会ではないという指摘が今後、格差問題を論じる上での前提とされよう。

ここまで“差”があるのか…「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味なし」の

   75%超を年収300万円未満の男性が占める現実に若新雄純氏「自由に選べる社会は

   尊い一方、選択できる立場にたどり着けない人も」

   ABEMA TIMES の意見 2023.11.7

 調査データの解釈は若新氏が指摘するように多面的な検討が必要。とはいうものの確かにこの結果は経済的格差がもたらす異性との交遊にも大きな影を落としているようだ。少子化の原因の一つが経済格差、さらに言えばかつての中流層の多くが下層化していることに求められる可能性が高いだろう。

子どもの3人に1人が「ゼロ」 広がる体験格差で「非認知能力」に影響も

 【news23】 TBS NEWS DIG_Microsoft の意見 2023.7.7

広がる教育格差「最後の手段」に手をつける家庭が増えている…高収入なら塾代な

 ど大幅増の一方で 東京新聞 2023.5.23

 調査に携わった三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平氏は「学習塾などの補習教育以上に、音楽やスポーツなど習い事の体験学習の差は大きい」と指摘。体験学習の不足が、やる気や自己肯定感といった学力以外の「非認知能力」に影響することを懸念する…との指摘は重く受け止めたい。

「学校のお役所化」「タクシーの免許制度」…北朝鮮かと目を疑う「日本を歪める

 おかしな制度」ワースト3 

 現代ビジネス 小倉 健一 によるストーリー 2023.5.27

 これはおそらく医療や教育の無償化に反対する新自由主義的立場に依拠した論理なのだろう。しかし教育の無償化が「学校のお役所化」を進めるという論は現実をしっかりと見ていないように思える。

 第一に教育費の自己負担率が極めて高い日本でも既に学校のお役所化が現時点で相当程度進んでしまっているではないか。

 第二に教育の無償化が進んでいて税負担率の極めて高い北欧諸国はどう見ても「北朝鮮化」などしていない。北欧流の福祉国家を志向する考えをこの論理で否定するのはいかがなものだろう。

 これは民主主義をどう捉えるかにも関わる論点を含んでいるので議論を深めていけるテーマになりうる。ぜひ、教育費用の無償化問題の当事者たる生徒たちの意見を募いたい。

自分の中の差別的な感情に自己嫌悪する55歳接客業の女性に、差別はなくならな

 い”ことを前提に鴻上尚史が勧めた心のもちかたとは?

 AERA dot. 2022/10/11 16:00

 差別や偏見の問題を内面よりも言動面で重視していく事の方が分断を招かずに問題解決に繋がる…という指摘は大いに参考となるだろう。確かに日本人は内面を重視する余り、チャリティ、慈善活動に消極的になりがちなのかもしれない。「偽善者」と呼ばれることが怖くて援助行動をとることにためらいを覚える日本人は多いようにも感じられる。

 多様性に満ちた欧米の社会は内面を強く問うこと無く、言動を問う傾向がある、との指摘も納得感あり。是非、生徒に読ませたい、示唆に富む一文。

参考動画

【破滅!!】メディアや政治家に翻弄されてはいけない!!格差社会が日本を発展させる

 唯一の方法ではないのか?独立国を作った方がいい理由とは?日韓問題の真実とは

 成田悠輔の教育論 半熟仮想株式会社  2023/09/29  10:03

 まさに「目から鱗が落ちる」観点。ぜひ授業で視聴させたい。特に前半は「老害政治家」が跋扈する日本の政界に若者はどう対抗していくのか、考えていく上での有用な観点が示されているだろう。

 

・小山田騒動

【小山田圭吾】いじめの表現やめるべき?暴行や傷害と伝える必要も?性的虐待などの悪質な加害をメディアはどこまで報道するべき?謝罪&辞任でも加熱するバッシングの妥当性を問う|#アベプラ《アベマで放送中》

 2021/07/21 20:04

小山田騒動などで「擁護する芸能人」が必ず現れるナゾを解説

 元テレビDさっきーチャンネル 2021/07/22 8:23

参考記事

【キャンセルカルチャーの時代】「差別に安住してきた」日本人も世界の潮流と無

 縁ではいられない NEWSポストセブン の意見 2023.8.15

 …「自分らしく生きられる社会をつくりたい」というリベラルの「ユートピア(天国)」運動から、「いつ自分が排除され、社会的に抹消されるかわからない」というキャンセルカルチャーの「ディストピア(地獄)」が生まれました。私たちは、天国と地獄が混然とした「ユーディストピア」を生きていかなくてはなりません…

 誰もが発信できるSNSの発達が生み出したキャンセルカルチャーの世界とどう向き合っていけば良いのかが問われる。SNSにおける「炎上」とはどういう現象なのか…集団的なイジメに近いものがあるとすれば冷静に対応する必要があろう。

 

・老害発言は年齢差別?

【名作】ネットで話題騒然となった問題発言の発端!!今の日本の現状を痛烈に批

 判!!居座り続ける老人達に成田悠輔が警告を放つ!!

 成田悠輔の動画  2023/08/06  7:14

 【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化より無人化の方がマシ」ABEMA Prime (2021/12/19)において高齢者の集団切腹」といった過激な表現だけが切り取られ、高齢者差別を煽る暴言と決めつけられて一時、大炎上した成田発言だが、実際には物理的切腹という意味ではなく社会的切腹(過去の功績をもって上のポジションに居座り続ける高齢者に潔く引退を促す、というほどの意味)であるとの発言であったことが分かる。

 この炎上騒ぎが成田氏らに悪意を持つ勢力の陰謀である可能性は高いだろう。成田氏が社会的切腹をイメージした原因はおそらく二階幹事長や森元首相の発言をめぐる一連の騒動であったと思われる。

  ※ 関連記事:

  ○成田悠輔氏の広報起用批判受け 内閣広報室、各省庁に「人選慎重に」

   毎日新聞 によるストーリー 2024.3.22

   まさしくこうした動きの背後に老害政治家たちの狡猾な動きが潜んでいるように見える。

「松本人志を本当に超えたい?」成田悠輔が”世代交代できない芸能界”を斬る【中

 田敦彦】 NewsPicks /ニューズピックス  2023/08/18  14:02

 老害問題」と若者との関係をどう捉えるか、過激な発言で知られる二人の対談は非常に興味深い。キーワードは「世代交代」のあり方であろう。高齢化する日本社会の世代交代のあり方についてぜひ討論させてみたい。

若者よ、選挙に行くな 2019/07/12 たかまつななチャンネル 1:27

 討論に使えるだろう。シルバー政治に対抗する手立てはあるのだろうか?日本の年齢別人口ピラミッドや世代別投票率のデータを示しつつ、時間をかけて討論させたい。

「若者の政治離れ」と言ってる人に一言 2019/07/04 ワラしがみ 4:58

 「政治の若者離れ」という表現はお見事。

今後のことで画期的なアドバイスがあるから聞いてほしい

 2022/05/21 ワラしがみ 3:29

 税金の使途についてもう少し厳しい監視の目が必要だろう。

文通費問題の全部を丸く収める超絶アイデアを思いついた

 2021/12/18 ワラしがみ 5:00

 シルバー政治に対抗する上で文通費の「クーポン券」配布はかなり有効なアイデアに思える。

【ひろゆき】爆笑問題太田が大炎上。これ理解できないバカが日本を滅ぼします。

 爆笑問題太田光の二階幹事長への炎上発言について

 サンジャポファミリーひろゆき【切り抜き】2021/12/11 3:05

【改造論】成田悠輔「消えるべき人に消えてと言える状況を」ひろゆき「過疎化よ

 り無人化の方がマシ」少子化&人口減少前提で考える日本の未来|#アベプラ《ア

 ベマで放送中》 2021/12/19 20:28 

 過激だが説得力のある提案。

【一人一票】若新雄純「ワクワク感薄れてる」若い世代の閉塞感…余命投票なら変わ

 る?世代間格差をなくすには【参院選】

 2022/06/25 ABEMAニュース【公式】 17:47

【衝撃結末】収録直後…天才がまさかの告白【選挙ってなんだSP】

 2022/06/21 日経テレ東大学 40:32

 ランク付けの投票は検討に値する投票プランの一つと思われる。

【22世紀の民主主義】成田悠輔が提唱する「政治家不要論」アルゴリズムが政

 策を決めていく時代 2022/07/26 中田敦彦のYouTube大学 – 40:40

22世紀の民主主義】日本の停滞感を根本から変える「成田悠輔の新構想」とは?

 2022/07/27 中田敦彦のYouTube大学  42:00

 SNSの普及がポピュリズムをはびこらせ、民主主義の停滞を招いたとする成田氏の指摘は大いに参考になるだろう。SNSの普及は他方で民主主義を再生する上でも「選挙」という古臭い、雑なシステムから離脱し、政治家を不要とする社会を作り出す可能性を有している、という指摘も刺激的だが非常に面白い。本当の民意を反映させる方法としてAIを用いた政治を構想することが必要なのかもしれない。「選挙に頼らない民主主義」という意表を突いた発想に注目したい。

【激論】成田悠輔×西田亮介 ニッポンの民主主義は限界?改良の余地は【参議院選

 挙】2022/06/24 ABEMAニュース【公式】 31:27

 二次投票のアイディアも現実的改善策としては検討に価するだろう。

参考記事

レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにで

 きる1つのこと 東洋経済オンライン 平松 類 によるストーリー 2024.6.10

 少子高齢化社会においては高齢者と若い世代との間の軋轢は強まってしまう傾向にあるかもしれない。特に高齢者の中には些細なことで怒りやすくなってしまう人が少なからずいるようだ。おそらく加齢による種々の心身の変化が老人の切れやすさをもたらしているのだろう。

 対策として高齢者が自身の変化をしっかりと自覚する努力は確かに必要だが、その効果はあまり期待できないのではあるまいか。「頑固爺」「意地悪婆さん」はいつの世にもいたではないか。分かっていても、やめられない…自制力の低下もまた高齢化がもたらす変化であろう。

 平松氏が指摘されているように、高齢者を取り巻く周囲の人が高齢者特有の心理を理解していくことの方がより現実的な解決法だろう。高齢者の心身の変化に寄り添える社会の構築こそ、目指すべき方向なのだと思うがいかがだろう。

 ただし「老害政治」を無くしていくことは絶対的に必要である。自制力、自省力の低下した政治家に日本のかじ取りを任せるわけにはいくまい。老害議員の一掃を図ることも日本の急務ではないか。

日本の「重症の民主主義」を再生させる3つの手段 「#投票に行こう」では変わらない

 現実を変える  成田 悠輔 2022/08/04 15:00 東洋経済オンライン

「若者の非婚化」を後押しする日本の絶望未来 実は「晩婚化」なんて起きていないとい

 う衝撃 荒川 和久 2022/08/14 07:30 東洋経済オンライン

 

・入管法とウィシュマ事件:「現代の奴隷とは」

参考動画

トルコ人に日本のクルド人事情を詳しく解説してもらった!

   ニック兄さん and高桑  2025/01/31 17:45

   埼玉の川口で起きたクルド人にまつわる事件を理解するには非常に役立つ動画。日本の移民問題全体を考える上でもかなり参考となるだろう。あらかじめ問題のポイントを整理して論点のバラツキを防ぐためには、早めに視聴させておきたい。

【内部告発】アジアからの留学生、大きな誤解がありませんか? BF大学はどうや

  って存続しているのか。 中学受験のrestart  2021/05/01  20:25

 日本人のアジア人への偏見、差別の根は深い。それが大学における留学生受け入れの問題として表面化しているという指摘は非常に興味深い。視聴時間がやや長いが、分かりやすい説明であり、授業で利用してみても良いだろう。

[NHKスペシャル] 「難民受け入れる余裕はない」先進国の間で広がる不寛容 |

    混迷の世紀 第12回 難民“漂流 人道主義はどこへ | NHK

   NHK  2023/11/10 4:39

 まずは難民を巡る世界的な情勢を確認しておきたい。

【前代未聞】フランスの緊急事態をフランス人が分かりやすく解説します 

 Bebechan - 日本のフランス人  2023/07/02  15:21

 このような暴動は日本の現状では考えられないが、移民、難民の受け入れが日本でも本格化すれば将来的には起こりうるだろう。暴動の原因はフランスが長年、許容してきた移民の居住区の存在にある。移民とフランス人との棲み分けがお互いの理解と協力関係の進展を阻害してきたようである。その背景にはフランス人の心の奥深くに巣くう異なる人種、民族への根強い差別、偏見があるだろう。

 この問題の導入として外国のケースから入ると意見は出やすくなると予想されるので、この動画を移民・難民問題の入口に使っても良いだろう。

アメリカから逃げて日本に移住した理由

 Chase & KenKen  2024/01/16  15:19

 多種多様な差別や偏見が横行するアメリカ社会の闇については、差別問題以外にも様々な分野に関わってくる要素があるため、予めしっかりと把握しておきたい。

参考記事

 外国籍“非行少年”「矯正教育」の厳しい現実 ベテラン保護司が語る、罪を犯す子ど

   もたちの “ある共通点”  弁護士JPニュース によるストーリー 2023.10.24 

 非行少年や外国籍の生徒を多数抱える学校の教師は必読の記事。ここでも入管法の問題が立ちはだかり、「矯正教育」の妨げとなっている点は見逃せまい。多様性の尊重を実現していく上で国民の同質性の高さを前提にしてこれまでに積み上げられてきた日本の各種制度には根本的な見直しが急がれる。

麻布中の入試に「政府の人権侵害」が出題された訳 社会課題を映し出す鏡としての中

 学入試問題 東洋経済オンライン おおたとしまさ の意見 2022.12.8

 まずはこの入試問題にトライさせてから討論に入りたい。おそらく小学校の教科書にはこの問いに十分答えられる程の記述は無いだろう。では教科書には触れられていない内容を問うこの中学校の入試問題は中学入試として不適切なものなのだろうか、それともこの問題に触れてこなかった教科書の記述の方が悪いのだろうか、とりあえず問うてみたい。

 日本の移民政策等には今、内外から大きな批判が寄せられている。しかも小中高を問わず児童生徒の中には日本語を母語としない者が地域によっては急激に増えつつある。これは特に都市部においては身近な問題になりつつあるのだ。ならば小学生といえども、都内であるならばある程度の考えを持っていた方が良いだろう。高校生ならば尚更である。

 むしろこうした身近な現実の具体的な課題に取り組む練習を日本の学校がどれだけこれまでに試みてこられたかが、今、問われているのだ。ただの暗記ではなく、自ら調べ、自分なりの問題意識を持ち、課題解決に向けた建設的な方策を模索させる、といった作業はどの学校段階でも必須であろう。日頃の授業でも実践的な課題解決能力の向上がより一層目指されなければなるまい。

世界的に見ても“異常”! 問題だらけの入管難民法改正案を「廃案」にするしかない

 理由 日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2023.6.9

日本は「魅力的な移住先にはなりにくい」。日本に暮らす外国人が語る日本の住み

 にくさ BUSINESS INSIDER JAPAN 雨宮百子  2023.6.12

難民審査、臨時班の参与員十数人に極端に集中 「突出」柳瀬氏以外も平均940件

 常設班の18倍にも 東京新聞 2023年7月28日 06時00分

同性愛は終身刑…拷問の末に日本に逃げたのに、書類審査のみで「信ぴょう性な

 い」難民不認定 そして…東京新聞 2023年7月28日 06時00分

 「日本で難民認定されたのは昨年202人(認定率2%)と、ドイツの約4万6000人(約20%)、米国の約4万6000人(約45%)と比べ極端に少ない。」のだそうな。

 とすれば日本の閉鎖的入管制度の問題は極めて大きいに違いない。

 

参考動画

「日本にとって、都合の悪い人は困ります」難民審査の25.9%担当の参与員、問わ

 れる難民審査のあり方【報道特集】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/06/18 20:08

第166回 入管法改正問題で人権派が絶対言わない不都合な真実

 髙橋洋一チャンネル  2021/05/18  8:22

 難民審査をどういう機関が行うべきなのか、が最大のポイントになるだろう。

 人権派と呼ばれる側の主張と高橋氏の主張、どちらに賛成するのか、ぜひ、討論させてみたいテーマである。欧米と比べて日本の難民認定率が極端に少ない理由を高橋氏はなぜ説明しないのか、不思議。また彼は日本の難民認定の杜撰さにも言及していない。日本の場合、法律の規定以上に実際の運用がどうなのかは厳しく問われる。つまりダブルスタンダードの存在を念頭に置く必要があるだろう。建前と本音の乖離を無制限に許容しがちな日本社会のあり方が本質的には問われてくる。

【知らないと恥をかく】難民とは何かわかりやすく解説!!

 原貫太国際協力師 2021/05/12 14:21

 移民と難民との違いが理解できる。

ロヒンギャ問題をわかりやすく解説【9割の人が知らない難民のリアル】

 原貫太国際協力師 2021/11/21 17:14

【日本の闇】外国人技能実習生の問題を監理団体とディスカッションしてき

 た 原貫太国際協力師 2021/05/23 18:21

入管施設の実態、「トイレも監視」強制収容の女性が証言【news23】 

 TBSNEWS 2019/12/06 6:30

 刑務所以上に人権が制約されてはいないだろうか。

【解説】どう解決?外国人の「収容長期化」

 日テレNEWS 2021/08/11 2:31

うぃしゅまさん脂肪問題の入管開示資料 1万5113枚すべて黒塗り 遺族「ごまか 

 さないで」東京新聞チャンネル 4:26

 外務省並みの凄まじい名古屋入管の隠蔽体質。

名古屋入管で何が?スリランカ人女性の死の真相【報道特集】

 TBSNEWS 2021/05/16 23:37

スリランカ女性死亡 一部開示の入管映像「看守の笑い声」が・・・遺族再現

 【news23】TBSNEWS 2021/08/13 4:02

史上最悪の改正!人を人として扱わない「入管法の改正」について

 ワラしがみ 2021/03/05 43:40

※参考資料:以下はこの動画に寄せられたアンチのリピート

おせち料理 6 か月前

 在留資格なんて与えなくてヨシ!!

 治安悪くなるのになんでわざわざ入れなくちゃいけないんだ?

 綺麗事ばっかり並べてんじゃねーよ きもちわりーおっさん  👍17

masa kurakura 6 か月前

 ね〜知ってる〜?労働力が増える(難民移民)が増えると〜、全体給与が下がるんだ 

 よ〜。安くこき使いたい経営者側の意見を言ってるだけだよ〜。 👍21

エーゲ少佐 5 か月前

 ヨーロッパで大失敗してることをやろうとするな 👍50

岡崎汐 6 か月前

 このおじさんの話を鵜呑みにする前にまずは自分で調べて欲しい。

 まあ、この人の話を鵜呑みにしてる時点で聞く耳を持たない人がほとんどであろう

 から期待は出来ないが… 👍32

入管が開示拒んだビデオ全面開示へ ウィシュマさん死亡、そこに映っていたもの

 は…TBSNEWS 2021/10/05 6:00

 名古屋入管がなぜ、何を隠蔽しようとしてきたのか、よく分かるだろう。

 外国人の移民が欧米で大きな問題となってきたのは事実。したがって外国人の受け入れのあり方については様々な意見があるのは当然。

 しかしウィシュマさんの件に関しては、まず難民受け入れの是非とは切り離して考えなければならない側面があるだろう。ウィシュマさんに対する処遇は刑務所よりもひどい扱いであり、人権を完全に無視している。ほとんど殺人に近い事件である。移民受け入れの賛否とは一切関係なく、あってはならない事件だろう。しかも法律をつかさどる法務省の管轄下にある入管の犯した犯罪。許せるわけがない。

法務省と入管 「嘘つき」は誰だ。入管法改正がグズグズすぎる件について

 ワラしがみ  2023/06/07 6:58

日本が外国人を逮捕する理由? BrooklynTokyo 2021.12.31 16:46

 日本の司法制度の特殊性、外国人への不利な取り扱いが見えてくる。

【世界と日本の労働問題】2030年、日本は「奴隷」で溢れかえる!?

 2021/03/24 原貫太・フリーランス国際協力師 13:12

参考記事

「働くな、だけど福祉の対象外」という無理ゲー「生きられない」外国人の生存権

 を求めて ハフポスト日本版 の意見 2022.11.24

 日本における外国人差別の実態は先進国とは言えないほどに惨い。憲法で国籍条項の網の目が張り巡らされている日本では憲法改正が行われない限り、この問題は払拭されまい。日本国憲法の問題点を浮かび上がらせる上でも利用価値の高い資料。

「当たり前のものが私たちにはない」在日クルド人が国会で涙ながらに訴えた日本

 の難民政策の現実 東京新聞 オピニオン 2023.5.26

入管法で露呈、日本の民主主義は死滅状態にある 難民審査も、改正プロセスも不透明

 すぎないか 東洋経済オンライン レジス・アルノー の意見 2023.6.10

 難民受け入れにおける欧米と日本との大きな違いがよく分かる。資料としても重要だが、討論のたたき台としての利用価値も高い。

 

・アフリカ問題

 アフリカ問題に関する動画は「原貫太国際協力師」がダントツの内容で多角的に問題を眺めることができる。基本的にどれを視聴させてもハズレはないと言って良い。

原寛太氏自身を知りたい方は「○鞭200発で洗脳 母を●したアフリカ少女兵/国際協力師 原貫太 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜2024/07/19 1:02:49を視聴することをおススメする。

「売り物にならない」奴隷が処刑されたアフリカの遺跡に行ってみた

   原貫太・フリーランス国際協力師 2025/02/01  20:32

 問題の根源が見えてくる貴重な動画。

コンゴの子ども兵【日本語字幕】

 Amnesty International 2015/11/12 1:42 

 重く入るにはこれが一番のオススメ。短いうえにインパクト大。アニメだからこそ視聴させられる、残酷な子ども兵の物語。

元子ども兵士の男の子~ジェームス君の物語 /日本ユニセフ協会

 2019/02/12 2:55

【授業教材】 元少年兵 ミシェル・チクワニネが語る ~幼少期の経験と少年兵の

 実態~  【英語/日本語字幕】 2016/04/05 3:36

 この演説もインパクト大。

アフリカで251名の少年兵を救った日本人のアイデアが凄すぎた

   原貫太・フリーランス国際協力師  2024/04/20  12:09

   元子供兵に対してウガンダなどでどのような支援が行われているのかが、具体的に理解できる。

【実話】誘拐され、戦場に立たされた16歳の少年。彼が母親を襲った残酷すぎる理

 由とは?原貫太国際協力師 2021/06/04 15:44

 【実話】16歳のチャールズ…母親を襲った"悲しすぎる理由"とは?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/04/14  18:17 

 子供兵の実態がよく分かる。

【家族を目の前で〇された】アフリカで「子ども兵」の支援施設に行ってみた

 2022/07/02 原貫太・フリーランス国際協力師 11:16

【世界の闇】アフリカの自由のために闘い、欧米に暗殺された英雄

 原貫太国際協力師 2021/11/13 15:21・・・ルムンバ暗殺の意味

 パトリス・エメリィ・ルムンバ(1925~1961)は、コンゴ共和国(旧ベルギー領コンゴ、後のコンゴ民主共和国)の政治家、民族運動家。同国独立期の指導者で初代首相。1961年1月17日、ルムンバと2人の同志は、キサンガニ空港で飛行機から引きずり出されて深夜に白人の傭兵とチョンベの兵によって殺害された(CIAの現地基地には「フランドル出身のベルギー人将校が軽機関銃で処刑した」と報告された)。

 遺体は一度埋められた後、翌1月18日に掘り起こされてローデシア近郊まで移動された後、21日に硫酸で溶かされて数本の歯と頭蓋骨の欠片だけが残された。1999年のベルギーのテレビ局によるドキュメント番組では、遺体の処理を実行したベルギーの警察長官Gerard Soeteが遺体から取り出した歯と銃弾を見せている。この歯はコンゴに返還されることとなり、2021年6月21日にブリュッセルで開催される記念式典にてフェリックス・チセケディ大統領に引き渡し後、独立記念日の6月30日に改めてキンシャサで帰還式典が開催される。

 ※参考記事

  時事ドットコムニュース:ルムンバの歯、故国へ返還 コンゴ独立指導者の遺物

  ― ベルギー2021年06月13日18時58分

  【ブリュッセルAFP時事】ベルギー政府は21日、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)の独立指

   導者パトリス・ルムンバの遺物である歯をコンゴに返還する。初代首相に就任したルムンバは、

   独立直後の1961年、処刑された。遺体を酸で溶かしたベルギー人の警官が「記念品」として

   持ち帰った歯の所在が確認され、ブリュッセルで21日に開かれる式典で、コンゴのチセケディ

   大統領に引き渡される。コンゴ政府は独立記念日の30日、キンシャサで改めて帰還式典を開

   く。

映画「誰がハマーショルドを殺したか」特別映像:1分で分かる!国連事務総長ダ

 グ・ハマーショルド 映画com.2020/07/10 2:51

 一体、誰がアフリカの発展を妨害しようと企んだ?これも衝撃的な事件。ぜひ、視聴させたい。

アフリカが発展しない本当の理由【99%の人が知らない国際支援の闇】

 原貫太国際協力師 2020/05/27 11:35

 「魚ではなく釣りの仕方を教えよ」

なぜアフリカは世界で最も貧しくなったのか?【3つの理由をわかりやすく解説】

 原貫太国際協力師 2021/07/09 20:36 

アフリカが「ヨーロッパの支配」に抵抗できなかった3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023/08/18  16:38

 アフリカを扱う際には地図を利用し、国名や地名、国境線に注目させると良いだろう。フランス語や英語が目立つ歴史的背景、大陸の北部、特にサハラ砂漠を中心とする地域の国境線が直線的である理由を問いたい。特に奴隷貿易の時代を含めた分断統治が現在のアフリカに何をもたらしたのか、が問題解明のキーポイントになる。

【削除覚悟】99%の人が知らない「フランス最大の闇」

   原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/13  15:19

フランスの闇を暴露します【CFAフランをわかりやすく解説】

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/13  15:19

アフリカの発展を妨げる「CFAフラン」の闇【後編】

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/15  17:49

 通貨制度からアフリカの貧困を説く斬新な視点は極めて興味深い。金融政策の視点は経済を理解する上で必要不可欠。フランスの植民地であった西アフリカ、中央アフリカの国々に最貧国が集中する理由も納得できる面がある。視聴させるには時間がとられ過ぎるので、二つの動画のポイントを教師が分かりやすく整理してプリントにまとめておくべき。

アフリカの格差が極端に広がった3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/08/05  19:14

緊張感が半端ない/映画『ブラッド・ダイヤモンド』予告編

 アマゾンプラ男【毎日映画観る人】  2020/05/24 1:01

【血塗られた宝石】それでもダイヤモンドを買いますか?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/07/28  15:29

【アフリカの謎】資源が豊富な国ほど、国民が貧しくなる3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.6.16 17:09

【謎】アフリカは「永遠に発展できない」ってマジ!?

 原貫太・フリーランス国際協力師  2023/05/27  11:51

アフリカで一番貧しい村に来たら、想像を絶するヤバさだった・・・

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.4.7 16:28

 ウクライナ戦争がアフリカにもたらしている深刻な事態とアフリカへの支援の在り方を考えるきっかけになるだろう。

【謎】アフリカに「ぽっこりお腹」の子供が多い理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2023.4.8 15:57

 コロナ禍とウクライナ戦争がそれまで改善されてきていたアフリカの貧困と飢餓の問題を再び悪化させてしまっている現状をまず理解しておきたい。加えて自給自足型農業の遅れの理由として挙げられた4つのポイントも押さえておきたい。

ヨーロッパがアフリカで犯した「罪」を謝罪しない理由

 原貫太・フリーランス国際協力師  2022/12/27 15:38

 アフリカ問題の概略を知ることが出来る。

コンゴが「平和以外に何でもある国」と言われる3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2022/12/24 14:01

 コンゴを例にするとアフリカ問題の理解が進むだろう。

世界最悪の「コンゴ紛争」が報道されない3つの理由

 原貫太・フリーランス国際協力師 2022.11.6 14:59

 600万人以上もの犠牲者を出しているコンゴ紛争がなぜ報道されないのか?

 メディアの問題を含めて理解するならこれがオススメ。

【子どもが戦う?!】世界最悪のコンゴ紛争、原因は日本人が毎日使う○○だっ

 た原貫太国際協力師 2020/12/18 16:43

 携帯の裏側にある世界。

緊急】「戦争反対」の声を上げる人たちへ。

 2022/03/01 原貫太・フリーランス国際協力師 7:05

【自分の年齢を知らない!?】アフリカ人に10の質問したら答えが意外すぎたwww

 原貫太国際協力師 2020/03/10 13:24

 軽く入るにはこれがオススメ。

【命の格差】世界一いのちが短い国ソマリアの、悲しすぎる現実とは

 原貫太国際協力師 2021/02/26 14:38

【貧しい国の実態】たった100円で命を落とす”絶対的貧困”とは

 原貫太国際協力師 2020/05/20 8:36

【みんな勘違い】アフリカに対するよくある偏見トップ5

 原貫太国際協力師 2019/12/21 11:18

アフリカは資源が豊富なのに、なぜ発展できない?【わかりやすく解説】

 原貫太国際協力師 2021/04/07 15:56

 資源の呪いとは?

アフリカの貧富の差は日本の1000倍ヤバイ。なぜ格差が生まれるのか?

 原貫太国際協力師 2020/11/21 11:40

 格差問題の死角を衝いている。

【衝撃】レンタルチャイルドとは?闇すぎる「物乞いビジネス」の実態を解説

 原貫太国際協力師 2020/05/05 8:59

「物乞いの写真使って稼いでんじゃねーよ」と批判された件について。

 原貫太国際協力師 2021/03/10 8:21

 報道と収益とのバランスは考える必要あり。無責任な中傷は軽薄でみっともない。

アフリカで知った「コーヒーの闇」がヤバすぎる…【第5話】

   原貫太・フリーランス国際協力師  2023/11/28  17:14

   最貧国ブルンジのコーヒー農家の年収に驚かされる。

【削除覚悟】電気自動車「最大の闇」について話します

   原貫太・フリーランス国際協力師 2024/01/05  19:13

   コバルトを始めとする希少な金属資源が豊富に存在するコンゴ民主主義共和国が深刻な貧困を創り出している原因とは何だろう。まず生徒に推理させてみたい。

アフリカで見た日本の「途上国支援」の現場がヤバすぎた…

 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/04/21  21:53

 ウガンダでの農業支援を具体的に知ることが出来る。

 

 

その7.揺らぐデータの信頼性

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

【内申書】受験合否の命運を握る?先生のご機嫌取りが大事?ゴマすり生徒を評

   価?誤解されてるだけ?元教師と考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/12/01  16:06

 いわゆる内申書(調査書)の入試での評価のあり方は各学校の状況に応じて変わるべきであろう。教育困難校では出欠席数や部活動の実績を重視する高校が多い。しかし不登校の受け入れを積極的に進める三部制の定時制高校では出欠席数をほとんど合否に関わる評価の対象にはしていないだろう。また進学校では学力重視の観点から多くの場合、内申点の合否判定に占める割合を最低限のレベルにとどめているに違いない(入試に関しては都道府県ごとに厳格な規定があり、各高校ではどの程度の範囲で内申点を評価するのかの規定に沿う必要がある)。

   中学生たちを学力だけでなく総合的に評価すべきだとの観点(この観点自体は正しいように見えるが)から内申書は得点化されるなどして入試の合否判定に用いられているのだが、どうやっても教師の主観性は排除できないだろう。そもそも今の教師たちに個々の生徒を総合的に評価できるほどの力と時間的余裕などあるはずはない。内申書への過剰な期待は極めて危険だと思うがいかがだろう。

 すぎやま氏が指摘するように今や内申書は生徒や保護者に公開する文書であり、とっくの昔に生徒たちを脅すための道具ではなくなっている。少なくともカッパは30年以上、中学校からの内申書に生徒の悪行を指摘するものを一度も見たことが無い。子どもたちにたとえ素行面での問題があったとしてもそのことは一切、記入してはならない…という記入上のルールがあるから当然である。しかしそのことが世間に周知されていないという現状は世間にあらぬ誤解を蔓延させてしまう点でも非常に残念。

 とはいえこの残念な事態が生じている背景に相変わらず牢固な隠蔽体質をまとっている学校教育の在り方が隠れているとカッパは考える。すなわち世間における内申書への誤解は学校側が自ら作り出している側面があるのではないか。実際は生徒のマイナス面を表記できないのに、その点を敢えてボカしておいて内申書を生徒たちの統治にわずかでも利用しようとする老害教師たちの姑息さがこの事態の裏側に見え隠れしているように感じるのは私だけであろうか。

【徹底的】幼児期・幼少期の習い事や教育は本当に将来に影響を与えるのだろう

   か?成田悠輔が自身の幼少期を振り返る!! 成田悠輔の教育論

   半熟仮想株式会社 2023/11/12  12:56

 4:40までの成田氏の発言に注目したい。学校よりも教師が児童生徒の生涯に与える影響は意外なほどに大きい、という。様々なデータがデジタル化されて大量に収集できれば教師の個性と児童・生徒の個性とを個別最適化するマッチングが可能となるのでは…という指摘は彼の「無意識民主主義」の発想にもつながるだろう。いずれにせよ、長時間、長期にわたる大量の生体反応を含めた客観的なデータが必要(アップルウオッチの装着を義務化する…)となってくる。個性化教育、個別最適化教育が目指す方向性が見えてきそうな話である。

   しかし現実は成田氏の予想の遥か手前で迷走を続けており、あまりにも信頼できるデータが少なすぎる、という悲しい教育行政の在り方が教育のDX化の前に立ちはだかっている。さらには児童生徒に対して教師の与える長期的な影響力の大きさを考慮するならば、大学での教員養成教育がこのままで良いのか、厳しく問い直されなければなるまい。

「GINZA CROSSING Talk ~時代の開拓者たち~」 ゲスト:成田悠輔さん【前

 編】 2022年9月1日 2022/09/05 日経CNBC 19:04

「社会性のない子どもを育てたい」データ×教育の専門家、成田悠輔の子育て論

 新R25チャンネル 2022/04/02 28:32

 学校などから押し付けられた価値観から自分や児童生徒たちを解放するために教師として何ができるのか、学校で下手な社会性を育てることの危険性を教師は理解できているのか…極めて難易度は高い。 

【教員不足】財務省と文科省がバトル?少子化なのに足りない?先生のお仕事の境

   界線は?財政審メンバーと考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/10/18  15:55

   教師の数と予算を増やすよりも教師の仕事量を減らすことと待遇の改善を優先しないと現実的な改善は進まないだろう。しかし肝心の文科省からは学校の仕事量をどれだけ減らすのかに関して部活動の地域移行程度の知恵しかおそらくは出てこない。なぜならば彼らは現場の学校の実際を知る努力を一貫してサボってきたからだ。

 もっと教師たちに寄り添って教育行政を行ってきたならば、こんな悲惨な現状であるわけがない。

 確かに部活動問題は決して小さな問題ではなく、教員の働き方改革の大きな目玉ではあるが、これだけでいいはずはない。ブラック職場だから…だけで教職の魅力が薄れ、教員不足を招いているのではない。もしそう考えているならばよほど現場を知らない素人集団である。

 画一的、管理主義的教育行政の在り方や文科省官僚の登用の在り方も今、大きく問われていると感じているがいかがか。おそらく文科省は決定的にその自覚に欠けている。深刻な教員不足を招いた自らの責任を感じることの出来ない文科省ではこれまでの教育行政の在り方を根底から見直すことは出来ないだろう。

 となれば文科省がどれほど予算を増やそうとも結果的には官僚たちや政治家たちが出世したり手柄を立てるために、またぞろ教育改革の名のもとに余分な仕事を増やしてしまうのではあるまいか。そして教員の負担軽減にはまったくつながらずに予算を無駄遣いしてしまうのではあるまいか。

 過去の20数年にわたる「教育改革」の流れに対する根強い不信感は現場の教員の間だけではなく、財務省においても決して小さくはあるまい。自らの反省を抜きにして世間の教師不足を心配する声に便乗し、「ふわっと」予算の増額を求める文科省の厚顔さ、図々しさには呆れてものが言えない。

 今後は文教族議員の多数に落選してもらうと同時に、教育行政の在り方と文科省自体を徹底的に改革すべきではないのか。特に文科省にはこれまで長らく学校現場ばかりに「改革」を押し付けてきた罪を、自ら痛みを伴う自己改革をもってぜひともしっかりと贖っていただきたい。

 とは言え自己責任を自覚できない組織に期待することなど何もないのだが、あえて期待するとすればできるだけ組織として早く自壊していただく事ぐらいか。戦後、焼け野原になったからこそ新生日本が立ち上がってこられたとすれば、当時、解体された内務省と同様、文科省もいったん解体されたほうが良かったのだろう。すなわち今頃になって、ではあるが、完全な「焼け野原」になっていただく。でないといつまでたっても日本の教育は前に進めない…

参考記事

文科省調査の「不登校41万人」は氷山の一角に過ぎない?「登校したけど教室に入

    れない」「学校になじめない」不登校傾向・予備軍も合わせるとその何倍にもなると

    いう現実 集英社オンライン 2025.8.1

 今さら繰り返すまでもなく、文科省の調査データのほとんどは信用できないものである。とりわけ不登校関係の調査データは無意味。不登校の多い定時制を経験し、この手の文科省や県教委からのアンケートに幾度も応えてきた個人的な体験から見てもこれは疑うべくもない事実である。

 管理職側から不登校の原因について暗に学校側の要因を選ばぬよう、生徒指導部長を通しての間接的な誘導があっただけではない。そもそも不登校の原因を答える際の選択肢が、公教育側の持つ本質的な原因をはぐらかし、学校側よりも個人の資質(怠惰等)や家庭側の要因を選ぶように出来ている。

 調査は大抵、成績処理やイジメ調査の時期と重なり、繁忙を極めているタイミングである。本来、一人一人、念入りに時間をかけて調べなければ分からないはずの不登校の原因を、こんなタイミングで、しかも通り一遍の安易な手抜きの質問紙調査で調べようとするのがそもそも許せない。学校現場の人間は多くがこの手の調査に応えること自体、苦痛そのものになっている。それほどに学校はブラック化している。そのことへの認識が決定的に欠けている文科省にはどんな施策に対しても、もはや反発しか覚えないのだ。

学習指導要領の内容量、小中「外国語」などで教員負担感   リシード 2025.4.3

 教育にはどうしても「べき」論が横行しがちである。しかし教師と児童生徒の双方の実態をしっかりと踏まえない限り、老害政治家たちの「べき」論は学校のブラック化をひたすら推し進める要因となりがちなのではあるまいか。

 したがってこの手の調査を行うに当たっては、調査対象を教師だけに限定するのではなく、学ぶ側の児童生徒にも負担感や難易度を問うべきだと考えるが、いかがか。もちろん、小学校低学年の質問紙調査は回答の信頼性、妥当性に難があるので調査不要だが、高学年以上ならばぜひ調査しておきたい。学習指導要領の見直しは、本来ならこの二つの調査結果を突き合わせて学習の量だけではなく、その質、難易度をもしっかりと検討すべきであろう。

文科省不登校調査、自治体6割「課題あり」 全国教育長協議会が提言

 毎日新聞 2025.3.27

 手抜きの現場任せの調査結果が信用できないのは当然の報いだろう。予算が足りないためにきちんとした調査が出来ないのであるならば、文科省は潔くそのように世間へ公表すべきである。あてにならない調査結果を基にして教育政策を進めるのは国民に対する欺瞞であり、犯罪そのものでさえある。

校長が休日出勤の記録を削除 1年半で45回、栃木の小学校 共同通信 2025.2.25

 こういう事は栃木県に限らず、全国各地の公立学校では日常茶飯事と捉えるべきではないか。文科省が上辺だけ一律に「働き方改革」を標榜して残業時間の削減を強引かつ機械的に進めようとすれば、現状では学校現場の誰かが嘘をつくほかあるまい。仕事量が大幅に削減されてもいない段階で無理やり残業時間を減らそうとすれば、こういうゴマカシが学校の日常風景となるに決まっている。管理職としてはこっそりと数字合わせ、帳尻合わせでごまかす他に手は無いだろう。

   そもそも文科省の通達を真に受けて本気で学校の仕事量を減らすことなど、教育委員会や管理職の多くは考えていない。彼ら自体が今までいかにして配下の教師たちを限界近くまで働かさせられるのか、それこそが管理職としての力量の見せ所であり、出世のカギを握ってきた重要ポイントのはず。そんな仕来りに慣れきっている人々が学校の仕事削減に本気で取り組むことを期待する方こそ、どうにかしているのだ。

「先生はいませんが、不足はしていません」どういうこと?日本の「教員不足」の

   カラクリ ダイヤモンド・オンライン 佐久間亜紀  2025.2.24

 教員の定数をどのような基準で決めているのかを巡る佐久間氏の指摘にも文科省の悪しき官僚主義が伺えるだろう。文科省では学校現場で実働している本当の教員数ではなく、教員名簿に記載された表面的な教員数を基準に学校に配置されている教員の過不足を判断しているのだ。

 これまでも繰り返し指摘してきたが、文科省には学校現場の実情を捉えようとする意欲がまったく見られない。実態を本当に反映しているのかどうかが極めて怪しい、管理職や教育委員会を経由したデータ、報告にばかり依拠して文科省は教育の施策を判断している。しかし、最近、注目されているテレビドラマ「御上先生」のように、学校現場へ教員として派遣される文科省の官僚が多数派にならないと、ブラックボックス化した学校の実態を文科省が捉えることは極めて難しいのだ。

不登校実態調査、34万人超の現状明らかに リセマム 2025.1.14

 一言でいえば「何を今さら」というに尽きる。

 不登校の問題が「登校拒否」という言葉で初めて社会問題として浮上してきてから一体、何年の歳月が費やされてきたのだろう。おそらく既に50年近くが経っているはずだ。この間、政府、ことに文科省はその実態把握のためにどんな工夫と努力を重ねてきたのか…実に怪しい限りである。各教育委員会や学校からのいい加減でゴマカシだらけの報告に全面的に依拠した、手抜きの実態把握がどれほど不正確で歪められた判断を教育行政にもたらしてきたことか。

 文科省によるいい加減な調査とそれに基づくいい加減な認識、いい加減な教育行政こそが不登校問題をここまでこじらせ、問題解明を遅らせてきた張本人ではなかったのか。多くの児童生徒、その家族、担任教師らの苦悩が文科省の怠惰と「無知無明」の闇の中で、半世紀もの間、ひたすら放置されてきた。その重大な責任はなお、一切、問われることが無いのだから、教育行政の責任官庁とは実にお気楽なものだ。そしてその責任の重大さを繰り返し、執拗に追及してこなかったマスメディアの責任もまた、決して小さくはあるまい。 

「本当のことを書いたのに…」生徒・教師らが明かす「合格体験記」のリアルな内 

 幕 検閲の実態、明らかな盛り、役立つ活用法 

 マネーポストWEB によるストーリー 2024.3.27

 進路指導部に長くいたので身につまされる話である。合格体験記を指導する側としては「苦労した」「努力した」「工夫した」といった要素がどうしても欲しくなる。当然、話はドラマチックなほど面白くなるから内容にある程度「盛る」傾向が出てしまいがちなのも否めない。

 また学校側に都合の悪い記述はカットするか、表現を控えめにすることは決して少なくあるまい。それら原稿の修正、改ざんは「教育」のためという理由で正当化されがちなのが学校という「魔界」なのだ。この「魔界」は自分たちにとって不都合な現実を世間から隠蔽し、現状認識を歪ませてしまうベクトルを持っていて、その場にいる人間はすべからく学校についてかなり歪んだ認識を抱えたまま、自らが行った改ざんや隠蔽に一片の疑問すら持たず、職務に専念していると思ってほぼ間違いない。

 といったような具合もあって、学校で本当は何が起きているのか、内部にいる者ほど冷静客観的に語ることが難しいがために、ここ最近、学校に関わる数々の事件、不祥事が学校の外部から続々と露見してきているのだと思うが、いかがだろう。

なぜ人々は数字に騙されるのか…「統計・データ」を扱う時に見落としがちな「単

   純だが重大なポイント」現代ビジネス 飯田 一史 の意見 2024.2.19

   グラフなどの数量データをもとに考える際、前提となる知識が比較的、要領よく整理されており、あらかじめ押さえておきたい記事。授業ではデータを見るたびに繰り返しこれらの見落としがちなポイントを思い出す必要があるだろう。政府やマスコミを通じて出てくる統計、グラフに潜む巧妙な誤魔化し、誘導、解釈の歪み…要注意である。

いじめ被害」など…教師と子どもの間で認識に差 不登校について文科省が委託調査

 日テレNEWS NNN によるストーリー 2024.3.25

文科省、不登校調査の項目見直し 学校と児童生徒の認識にずれ

   毎日新聞 によるストーリー 2024.3.26

不登校につながるいじめ、大半が見過ごしか 学校と本人の認識にずれ

   産経新聞 2023.12.14

いじめ把握できなければ「児童の無気力」? 不登校調査を見直す理由

   毎日新聞 によるストーリー 2024.4.29

   現状とズレまくっている教師側の認識を土台とした文科省の調査がいかに実態とかけ離れたいい加減なものだったかを物語る記事。こんなことは委託調査をするまでもなく、学校現場にいる者からすればとっくの昔から明白なことであった。この結果は文科省が学校現場の実情を知る努力をまったくしてこなかった証拠である。したがって文科省は自らの怠慢と不明をまず恥じるべきであり、決して学校側の不誠実さ、認識の甘さを云々する資格などないのだ。

不登校のきっかけ1位「先生との関係」保護者の約9割悩む

 リセマム 2023.11.20

 「不登校のきっかけに関する保護者回答の1位は先生との関係(先生とあわなかった、先生が怖かったなど)が最多で261人(33.5%)。文部科学省発表の2022年度(令和4年度) 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果では、教員回答1位は(子供自身の)無気力・不安となっており、両者にギャップがあることがわかった。2位は学校システムの問題(価値観が古い、時代にあわない、風土にあわないなど)で、204人(26.2%)であった。」という。

 そして「行政に望む支援1位はフリースクールなど学校以外の場が無料や利用料減免75.4%(439人)、2位はフリースクールなど学校以外の場に通った場合の家庭への金銭的支援74.2%(432人)」となり、学校が変わってほしい72.3%(421人)、学校教員への研修72.2%(420人)と続いた。」という。

 きわめて常識的な回答であり、文科省の調査結果の方がはるかに常識はずれで信用ならない。当然、不登校児童生徒の保護者、というバイアスがかかるのでこちらの結果も鵜呑みにはできないが、それでも文科省のものよりははるかに実態に近い、というのが大方の印象であろう。

 要は絶望的なまでに文科省の実態把握のピントがズレまくっているということであり、この役所にまともな期待を抱いてはいけないという苦い教訓が残るだけである。

いじめは大きく増えていない!いじめ研究の第一人者が語る文科省データの実態 

   JBpress 長野 光 によるストーリー 2023.11.8

 文科省などの調査結果があてにならない原因がよく分かる。

待機児童「5年連続過去最少」の〝ウソ〟「隠れ待機児童」が増えている理由

   AERA dot. 板垣聡旨 によるストーリー 2023.11.6

こども家庭庁が「子ども・若者4000人が参画」とPRの看板政策、実際は最大

   533人にとどまる…政府関係者「かけ離れている」 

   読売新聞 によるストーリー 2023.11.6

   ただでさえ信用されていない文科省から出される統計に加えてこども家庭庁までがこんな詐欺まがいの宣伝をしている。この政府、やはり嘘つきだらけなのでは…

「事前対策ダメ」も4割実行 学力調査3教科1位の石川、県教組調査

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.11.7

 基本的には文科省の指導に従わないことが多くの教師たちにとって圧倒的にお得となっている。すなわち学校現場や教育委員会としては今や「面従腹背」こそ、かしこく生き延びる方途であろう。そして真面目な勤労意欲を失いつつある教育現場における驚くべき手抜きの実態とある種の「無法状態」がイジメ等の事件の隠蔽や記録の改ざん、入試の採点ミス、体罰や暴言の横行等にもつながっているのだろう。

 事の発端はひたすら教育現場に山のような仕事を押し付け、教員免許更新制度のような「無法」「非道」を長年許してきた文科省側にあるのはもはや明白。全国学力テストの結果など、とっくの昔に現場の人間は信じていないし、石川県などの上位グループ以外は気にもしていないはず。こんないい加減なデータをもとにして教育行政が動かされることは決してあってはならないのだ。かつての沖縄県を見ればそんなことは一目瞭然である。

 ウソだらけの県教委の報告を真に受ける方がどうにかしているのだ。

尾木ママに聞くいじめ問題「認知件数は氷山の一角、見落とされる重大事態」

   JBpress 湯浅 大輝 によるストーリー 2023.10.30

「不登校の原因はいじめ=0.2%」という文科省と学校を信用できないワケ

 JBpress 石井 志昂,湯浅 大輝 によるストーリー 2023.8.18

 実際、調査の現場にいた人間からすれば、お役所によるこの手の調査結果は全くと言って良いほど信用できない。

不登校原因を文科省が調査したら「いじめ」わずか0.3%専門家が疑問 経験者が

   語った「静かに心を削られた」東京新聞 2023.10.19

不登校児童の8割「前兆あった」原因はいじめが最多

 リセマム 2023.9.21

 文科省のデータよりもこちらの方がはるかに信頼できる。

不登校に至る「重大いじめ」の大半が見過ごしの恐れ 学校と子どもでいじめ認知に

 乖離 テレ朝news によるストーリー 2023.10.18

 教師によるイジメ認知件数と児童生徒によるイジメ認知件数の両方とが比較可能となって初めて調査の意味が生まれてくるのであり、今の調査はまったく実態から遊離した片手落ちのもの。実態が十分に把握できていないのだから、本来ならば対策を立てようはずがないのに、なぜか毎度のことであるが文科省からその場しのぎの対症療法的対応が示される。そして学校現場はその対応に追われてしまうことで一層、混乱し、きめこまやかな対応も一層、困難となる。一体、いつまでこの悪循環を繰り返せば文科省は気が済むのだろう。これはもはや地獄というほかない。

“文科省 vs 財務省 教師不足めぐり真っ向対立 財政審委員「ふわっとした予算要求

 をして、後から国会議員が乗り込んでくることが他の役所より多い」

 ABEMA TIMES によるストーリー 2023.10.18

 財務省と文科省の対立から見えてくるのは予算における数字の根拠を厳しく問う財務省と信頼性の低いデータばかり集めて過去の反省を一切せず、その結果「ふわっとした予算要求」しかできない文科省の無責任で非科学的な姿勢との違いであろうか。

 そもそも教育界にありがちな総花的な美辞麗句ばかり並べ、「~改革」という美名に隠れて耳障りの悪い「スクラップ」をサボり、聞こえの良い「ビルド」ばかり積み重ねてきたこれまでの教育政策のツケがここにきて一気に噴出してきているのだ。

 文科省はまともなデータを現場から得られないためもあってか、数多く打ち出してきた「~改革」のきちんとした見直しや反省をせずにひたすら「垂れ流し状態」にしてきた。無責任にも改革の大風呂敷を広げ過ぎて学校現場を混乱させ、極限まで教師たちを疲弊させてきたのだ。

 せっかく児童生徒数の減少や学校の統廃合の進展で本来は減るはずの教育業務の総量を、ろくでもない政府から請われるまま、徒に増やし続ける愚策を文科省は繰り返してきた。しかもそのことへのまともな反省を一切せずにきたのである。

 受けが良くない業務の「スクラップ」化政策は学校の統廃合や部活動の地域移行などに限られ、結果的に現場の仕事の総量を延々と増やし続けてきた日本の教育行政の罪は圧倒的に重いにもかかわらず、自分たちの責任を棚に上げて確かな根拠もなく予算と人員の増加を「ふわっと」財務省に要求してくる…この厚かましさは確かに誰にとっても受け入れがたいだろう。

 まず真っ先に文科省が取り組むべきは膨大に膨れ上がった学校の仕事量の大胆な削減であり、教師がしっかりと授業に専念できる体制作りである。運動部指導の地域移行だけではなく、高校などでは時間割の削減、教科科目数の削減をも大胆に進めることまで考える必要があるかもしれない。

 たとえば高校での体育や芸術を教科として廃止し、それらの教員も社会教育へ移管することで文化部も含めた部活動全体の地域社会への移行を進める…といった身を切るような政策はいかがか。もちろん小中学校では児童の実態からみてもこれらの教科の削減は明らかに不適切だが、高校ならばこれらの教科の削減はおそらく無理ではあるまい。しかも特定の生徒たちを社会教育においては今まで以上に長期的視野に立って育成指導することも可能となるだろう。これまで3年間の指導で結果を出すことを迫られてきた指導者にとって小学校、中学校、高校といった学校の枠を超えた長期的で一貫した指導が可能となればそれなりに精神的余裕も生じてきて暴言や体罰、シゴキなどは自ずと減少していく事だって期待できよう。

 そもそもが少子高齢化社会である。素朴に考えてみても学校教育の仕事は通学者数の減少に伴い、相対的に軽減されていくはずであり、「働き方改革」を通じてさらなる仕事量の削減に向かうはず。他方で増加するお年寄りの孤立や孤独死を避けるためにも高齢者を対象とすることの多かった社会教育の負うべき仕事量は今後も増大していく一方のはずである。ところが既に図書館や公民館などでは予算と人員の不足に直面している。今後の運営が成り立つのか、不安は大きくなるばかりだろう。

 ならば高校教師の一部を社会教育機関へ移し、公民館、図書館等の社会教育施設における将来的な人手不足の深刻化の解消に努めるべきだろう。もちろん学校の人手不足ばかりが今は派手目に表面化しているが、それだけに目を奪われてしまうと社会教育を含めた教育界全体でのバランスを崩しかねまい。

 体育と芸術の、教科としての削減を含む高校での教科再編が進めば高校の時間割は少なくとも一日5時限となり、一時限ほど長くなった放課後を生徒は社会教育の場で自分の好きな事に割り振れると同時に教師の時間的ゆとりも確保できるはずだ。地域によって見られるスポーツや芸術関係の指導者及び施設不足も高校の施設を放課後開放し、体育科や芸術科の教師を指導者に割り振ることでこれまでの不足分を相当程度カバーできるようになるだろう。

 部活指導に熱心だった教師は社会教育の場で他の業務に煩わされることなく自分の専門性をいかんなく発揮できるようになれる。それは何も体育や芸術の教師に限らなくてもよいだろう。授業やクラス担任が苦手な国語教師は図書館や公民館に移りやすくすればよい。同様に日本史の教師は私のように公民館で郷土史講座や歴史散策の会を主催すればよいのだ。

 加えてこのプランはおそらくそれほどの新規予算を必要としないと思われるが、いかがか。財政難が続く現在、検討してみるだけの価値は十分あると思うのだが…

 何はともあれ今の学校教育行政にまず求められているのは手を広げ過ぎた学校の仕事からの潔い撤退であると考えるがいかがだろう。

文科省、朝日新聞社の不正確な報道に対しコメント

   リシード 2023.10.11

 もちろん報道において統計データの記載に間違いはできるだけあってはならないだろう。報道の信頼性が損なわれる。しかしそもそもが、この調査統計にどれだけの信頼性と妥当性があるのか、それ自体が極めて疑わしいのは学校現場にいたものなら周知の事実である。一体、誰がこの調査に回答しているのか、少し考えてみれば分かるはず。当然、イジメ調査にしてもしかり。あくまで教師、学校側が認知できた限りの調査結果であり、その数値が現実とはかなり遊離したものである可能性を教師自身、否定できまい。

 こんな無意味なバカげたコメントをしているヒマがあるなら、長期にわたって不登校者数の増加を招いた文科省の無能さと責任の重さについて謝罪のコメントをまずしておくのがスジだろう。

 しかも・・・朝日新聞社は2023年10月4日、朝日新聞の朝刊1面の記事「不登校2割増 最多29万人」にて、2022年度の不登校の小学生数を10万5,113人、不登校の小中学生数を計29万9,049人と掲載。しかし、文部科学省によると、正しくは不登校の小学生数は10万5,112人、不登校の小中学生数は計29万9,048人だという…つまり、それぞれわずか一人分多くカウントしたに過ぎない。

 自分たちの無能さを棚に上げ、いかにも上から目線で他者のわずかなミスを大げさにあげつらう、文科省の恐ろしいほどの傲慢さに辟易してしまう。

 それほどこの統計結果が一人たりとも揺るがせにできない重要なものであるならばなぜ、不登校問題を自らの不始末として自己責任を感じようとしないのか、なぜこれほどまでに厚顔無恥をさらすのか、実に不思議である。

 数値にこだわりたいのならば子供の自殺件数の厚生労働省との100人以上のズレを文科省はどう説明するのか、厳しく問いただしたい。当然、児童生徒の場合も事故なのか自殺なのか、判別が難しいケースが多いように、不登校と長期的な体調不良や怠学との区別が極めて難しいケースもある。その判別を必ずしも自殺や不登校の専門家ではない現場の教師に丸投げしておいて、どの口がこんな不遜な言いがかりをつけるのか…まったく開いた口がふさがらない。

 こんな役所にまともな教育改革を期待する方が愚かである。

不登校のきっかけは「先生」3割、「合わない・怖い・体罰」など…保護者が休職

   や転職する場合も 読売新聞 によるストーリー 2023.10.11

 もちろん教師個人の問題もあるだろうが、教員養成教育や教員採用試験にも問題はあるだろう。また教師が置かれている環境の劣悪さも問われる。画一的で管理主義的な学校教育の在り方が問題の根本にあると私は考える、この調査結果を今までのように一方的な教師叩きに悪用することがあってはなるまい。

子どもの自殺411人で最多水準 「望ましい」はずの詳細調査は少数

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.10.4

 文科省調査の411人と警察庁調査の485人とでは74人もの差が生じている。厚生労働省の514人とでは何と103人もの開きがある。私たちは一体、どちらを信用してよいのだろうか。

 加えて「指導死」やイジメが原因の可能性がある中高生の自殺では責任官庁である文科省を中心に徹底した原因究明が必須であるはず。しかし全体のわずか4.6%、19件しか行われていないのはなぜだろう。

 やはり何もかもが地方や組織の末端に丸投げで、中央の上層部が本気で取り組もうとしていないからである。文科省以下、責任逃れに走る教育委員会や学校の無責任体質と隠蔽体質をここでも厳しく追求すべきだろう。

小中学生の自殺者「過去最多」の衝撃、現場で何が起きているのか…苦悩する

   専門家たち 弁護士ドットコムニュース によるストーリー 2023.10.15

  この記事でも文科省のデータへの信用性に疑義が出されている。もちろんお役所の調査の妥当性も疑われるのだが、判断材料のあやふやさが大きく残る限りはまともな対応が出来ないのは仕方あるまい。 

なぜ盛った?「児童相談所の成果」 自治体「今後も最高記録を出し続けるしか」 各

 地で数え方バラバラ 東京新聞 2023.10.4

 学校と同様に児童相談所も深刻な人手不足に直面している。相談件数を「盛る」ことで職員の増員配置と予算拡大を狙う意図は元教師として心情的にはよく分かる。自治体や相談所ごとにカウントする基準が異なる点は修正すべきであるが、学校と同様、深刻な人員や予算不足に直面している児相の置かれている厳しい状況を改善することが急がれるだろう。

 若者と子供、特に女性に無関心な男ばかりの老害政治家たちこそが日本社会の改善を阻む最大の抵抗勢力なのではあるまいか。

実は誰も知らない、虐待児童の実人数 調べなくていいの? こども政策担当相に聞い

 てみた 東京新聞 2023.10.7

 国が統一基準を示さないがためにまともな統計が得られない、というお粗末な実態は児童虐待にもみられるらしい。イジメ、不登校や自殺に関する統計もしかり。日本政治の死角がいかに大きく、それが若者や女性たちにとってどれほど致命的なものであるのか、今になって気付く。

“Fラン大学と揶揄されるけれど掛け算割り算ができぬまま高校を卒業する学生が

 少なからず存在している怖い事実 集英社オンライン オピニオン 2023.7.29

 この記事にはビックリ。高校では一桁の足し算が出来ない、南極が熱帯だと勘違いしている、東と西の方角を指さすことが出来ない、日本地図を一つの円としてしか描けない、ひらがなが読めない…といった生徒が入学し、ほとんど特別な指導を受けずにほとんど何も分からないまま、出来ないまま卒業しているケースが少なくない。いわゆる「形式卒業」である。

 これは現場では周知の事実であり、「怖い事実」などではない。本来ならばマンツーマンの手厚い指導を必要とする生徒たちに対応するだけのゆとりと能力を今の教師に期待するのはそもそも間違いである。同様のことはもっと頻繁に小学校、中学校でも起きていて、実際にはどの学校段階でも「形式卒業」が繰り返されている。大学だけが例外であるわけがない、という当たり前の事実に過ぎない。

成田悠輔氏 日本人のデータリテラシー不足に嘆き「教育の失敗であり、社会の失

 敗」 東スポWEB 2022/11/17  18:48

 日本の場合、学校や教育行政に限らず、様々な政策がDXの遅れや情報公開の大きな制約ゆえに実際には政策の有効性、成否をきちんと検証されることなく、時の政権の思惑に左右される形で、まさに「垂れ流し」状態のまま、次々と実行に移されてきたと考えられる。

公立小・中学でのいじめ認知件数 自治体間で最大30倍の格差

 毎日新聞 によるストーリー 2023.6.21

 学校によってはイジメ認知件数がゼロのところもあったという。もちろん現実的に見て「ゼロ」はありえない数字である。といっても別に驚くことはあるまい。市町村によっては学校からの報告に虚偽が含まれるのは当たり前であり、むしろ普通のことではないのか。

 管理職が自らを不利にするような報告をお上にあげるわけがない、と思うのが教育界の常識。全国学力テストの結果がほぼほぼ信用できないのと同様に、学校の上っ面をフワッとなでる程度の安易な手法による報告や調査で学校現場の実態がつかめる、と思う方が今やあまりにも能天気なのだ。

 いや、もとより調査を命じた側も「やってます」感を演出するためだけに嫌々、調査を行なわせているに過ぎないはず。でなければ神戸市のようにイジメ事件の隠蔽が学校や教育委員会の中で執拗に繰り返されるはずがないのである。逆に文科省が各教育委員会や学校の牢固な隠蔽体質を知らぬわけがあるまい。所詮は「同じ穴のむじな」なのだ。この調査自体が国民を欺くだけの、ただの茶番だと思うべきだろう。

 しかし、こうしたアリバイ作りを主な目的とする虚しいだけの仕事だからといって決して侮ってはいけない。学校のブラック化はお上から送り付けてくる文書の山が生み出している側面があるからだ。

 教員不足が問題視される以前から指摘されていたのが、学校における管理職希望者の減少であった。

 実際、傍から見ていても教頭や教務主任の仕事量は異常なほど多く、多岐にわたってきている。管理職として必要とされる能力はもはや学校教育への深い理解や豊富な経験、授業の力などではなく、膨大な事務仕事を滞りなく表面的に無難でスマートにこなす事務処理能力の高さに特化してきているという印象が強い。

 形骸化した事務仕事の削減は文科省以下、すべての部署に共通した切実な願いとなっているはずだ。そしてこの願いが実現するためには予算と人員の増大が必要不可欠であることは言うまでもなく、しかも予算増の可能性は現政権下、限りなくゼロに近い。これに由来する先の見えない絶望感こそが現今、多くの教師の心身を追い詰めている最大の元凶なのではあるまいか。

「毎週100枚の書類が教育委員会から届く」藤原和博が見たベテラン教員を忙殺す

 る"いらない書類仕事"の実態 

 プレジデントオンライン 藤原 和博 の意見 2023.6.21

教育再生」の象徴、なぜ年に一度も開かれない?…4都県232市区町村で会議がゼ

 ロ 東京新聞 2023.6.25

「学校の先生は不人気職業」は真っ赤な嘘…大企業並の退職金をもらえる"教員ブラン

 ド"を貶める"犯人"は誰か 2023年10月09日 11時15分PRESIDENT Online

 これほどトンチンカンな議論は見たこともない。日本の場合、教員ブランドなど元々存在しないどころか、あったとしてもとっくの昔に地に堕ちたブランドである。

 ことの本質は日本の学校教育における様々な面での深刻な行き詰まりであり、教員不足はそうした問題の表れの一つに過ぎない。ところがこの議論では教員不足の背景にある肝心の問題の多くをすり抜け、教員の働き方改革と学習指導要領や教職の魅力の見直し推進を問題解決のカギとするような誤魔化し、問題の表層化、歪曲化、すり替え、矮小化を行ってしまっている。

 こうしたその場しのぎの弥縫策では屋台骨まで腐ってしまった日本の学校教育をいたずらに延命させるだけで、かえってマイナスに働く危険性すら感じてしまう。

 不登校者数とイジメ認知件数、校内での暴力沙汰、児童生徒の自殺者数が増え続けている理由を、自らの落ち度とせずにもっぱら「コロナ禍」やSNSの普及などの影響に帰する文科省の論調には違和感を超えてもはや責任逃れの卑劣さしか感じられないのだが、皆さんはいかがだろう。

 もちろん学習指導要領の見直しは一見、大きな改革ポイントに見える。が、それだけでは既に些末に過ぎ、まったく不十分だと思えるほどに日本の学校教育の病状は深刻だと私は考える。北欧の教育と比べれば少なくとも半世紀あまり、日本は遅れてしまっているとさえ感じているのだ。したがって今すぐにでも教科書検定制や学校設置基準の見直しなど、教育基本法や学校教育法レベルの改革までもが必要不可欠となっていると考えるが、大袈裟だろうか。

 このような全面的な見直しは本来、それなりの時間と労力がかかるはずだが、残念ながらそうした大改革がもはや一刻の猶予をも許されなくなっているほどに日本の学校教育は現在、切迫しており、致命的な行き詰まりに直面しているのではあるまいか。そうであるならば強烈な痛みを伴う根本治療は今や不可避である、というのが日本の学校教育に対するカッパの見立てなのである。

 根本的に見直すべきは画一的、管理主義的な日本の学校教育全体の在り方であり、時代遅れで役立たずの教員養成教育であろう。もちろん、そうした中で最も急がれるべきは確かに教員の働き方改革であるが、それはあくまで数多くあるその場しのぎの小さな対症療法の一つでしかなく、根本的な解決には一切つながるまい。

 中核となっている奥深い病巣に手を付けないままであるならば、教員不足という一つの症状を改善できたとしてもいずれ別の症状が学校に出現するまでである。

 その場しのぎのモグラたたき、弥縫策を際限なく繰り返していても埒が明くまい。

 

 古色蒼然とした今の日本の学校の多くはもはや才能と意欲のある若者が心身の健康を保ちながら働けき続けられる職場ではない、と見切りをつけるべきなのである。きっとたまたま比較的恵まれた職場にいられた教師がきわめて狭い料簡で極めて限られた自分の知見をもとに教育制度全体を語るから、こんなトンチンカンな意見が出てきてしまうのだろう。

 これはとどのつまり、文科省の官僚が言い出した「教師のバトン」などとほとんど同じレベルの、表層的な観察に基づく極めて粗雑な意見に過ぎない。

 すなわちただの問題のすり替えであり、矮小化である。

 

「不登校の大半は親の責任」東近江市の市長が発言…翌日釈明「極端に言い過ぎた

   かも」(2023年10月18日)MBS NEWS  2023/10/18  0:46

   ※◎「不登校、大半の責任は親」発言の東近江市長が取材に応じる「私は問題提起をした」

    毎日放送 によるストーリー 2023.10.18

      〇「フリースクールは国家の根幹崩す」発言に批判拡大、市長は撤回せず…多くの施設が運営に困

           難 読売新聞 によるストーリー 2023.10.24

      不登校のきっかけ、最多は「先生」 文科省調査と違う結果に 滋賀

          毎日新聞 によるストーリー  2023.11.15

 

 この程度のトンチンカンな認識しか持てないのに偉そうに私見を述べる市長がいる日本の地方政治の現状に「老害政治」の深刻な弊害を感じる。「…感覚的なもの、経験則に基づくと、やっぱり親が多い。」とインタビューに答えているが、確たるデータを無視して「感覚的なもの」に基づき、市長たるものがそれほど詳しくもない教育の分野に軽率な意見を述べること自体、空恐ろしささえ覚える。

 72歳の小椋正清市長は警察上がりで3期目、10年にわたり市政を運営しているベテランらしいが前回の選挙では対抗馬がおらず、どうやらしばらくの間、無風状態が続いているようだ。明らかに長期政権特有の腐敗、驕りが感じられる暴言である。

 おそらく文科省が公表する教育統計への信頼性、妥当性が揺らいでいる現状が長く続いてきてしまったために、こうした暴論めいた印象論の台頭を許してしまっているのだろう。とすればここでも文科省の責任が問われる。

滋賀県教育長「意見を述べる立場にない」 フリースクール否定発言に

   朝日新聞社 によるストーリー  2023.10.24

   県の教育長とは実際、どんな存在なのか、よく分かる記事。所詮は文科省の天下りに過ぎず、与党の政治家には逆らわないことが習い性になっているような人物ばかりが選ばれている。これで教育基本法が定めている「教育の政治的中立」など守れるわけはない。滋賀県知事すら疑問を呈する東近江市長の発言に対して無批判でいられる教育長に存在価値など一片も認められないだろう。教育長がこんなザマだから大津事件の反省がいまだに学校現場で生かされていないのも当たり前である。

フリースクール巡る発言の市長が会見「東近江市にはない」しかし「あ、2つある

   って」MBSニュース 毎日放送 によるストーリー 2023.10.25

   不登校の何たるかをほとんど知らず、何らの根拠を持たないただの印象論をあたかも長年抱いてきた自分の信念であると強弁する図々しさこそ「老害政治家」にありがちな、硬直した政治姿勢であろう。こんな人物を10年も市長にしてしまった東近江市の若い市民たち、特に児童生徒たちが気の毒というほかあるまい。

しがnote 不登校「きっかけ先生」の衝撃、滋賀県フリースクール等連絡協議会

   が実態調査 産経WEST 2023.10.25

 教育に関わるこの手の調査は調査を行う主体の違いによって種々のバイアスが強く加わるため、一つの調査結果を鵜呑みにすると大きな間違いを招く恐れがある。

   不登校側主体の調査では不登校のきっかけを先生とするような結果が当然予想されよう。逆に文科省や教育委員会の調査では実際、不登校者本人やその家族に原因を帰属させがちな調査結果となっている。

 こうした調査結果の大きな差異を踏まえて行政の長たるものはバランスのとれた判断を下す必要があるのだ。とりわけ閉鎖的で強い隠蔽体質を抱える学校教育関連は信用できる調査が極めて少ないがゆえにバランスの取れた判断を下すのは専門家ですら極めて難しいと考えるべきである。

 つまりバランスのとれた発言を可能とするような十分な予習をまずは市長自身が済ませておくべきだった。しかし教育問題に関するアップデートを怠ってきた老害政治家が自分の狭く、古い料簡を周囲に押し付けがちになるのもよく観察されるケース。すなわちこうした事態は当然、市長の周囲にいた者たちならば事前に予想できなければなるまい。

 したがって今回の東近江市長の不用意な暴言騒ぎは市長の個人的資質の問題に限定すべきではないのかもしれない。その周囲にいる副市長以下、教育委員会や教育長などの資質も絡んだ問題ではないのか。特に教育長や教育委員会がこれまでの間、自分たちの偏ったデータばかりを偏重して偏った考えを市長に吹き込んでこなかったのか、疑ってみるべきだろう。

 この件は調査主体の差異によっていかにその結果と分析に強いバイアスが加わり、下手をすると正反対の結論に達してしまうのかを示す格好の教材となるだろう。

 ぜひ、授業で取り上げ、討論の俎上に載せたい。

日本の高1「学校の一員と感じる」トップ でも手放しで喜べないわけ

   朝日新聞社 によるストーリー  2023.12.5

   PISAの結果、日本の高校一年生が「学校の一員」と感じる割合が先進国でトップレベルであったようだ。文科省はこの結果は手放しでは喜べないとし、不登校者が調査に参加していない点を指摘している。昨年度は過去最高の不登校者数を記録している日本である。至極当然の分析と言えようが、私からすればむしろこの分析はあまりにも突っ込みが浅く、自分たちに甘すぎる認識だろう。

   そもそも私服を許さない制服社会は自ずと自分の所属する社会集団の一員たることへの自覚を強める効果がある。だからこそ欧米と比べて日本は制服を強制することが大好きなのであり、制服の無い学校は日本では極めて珍しい。日本の高校生が「学校の一員」と感じる割合が高いのは当たり前の結果であり、むしろそれを狙っての制服なのである。

 「学校の一員」たることの自覚はある程度まで「チーム…」としての組織力、団結力を高めることにつながる一方で、集団の空気を上手に読み、周囲との軋轢を避けるべく同調圧力を強め、精神的息苦しさを伴いがちになる。同質性が極めて高い日本の学校が作り出す、ガチガチなチームワークの強さ、硬さは他方で集団から異質性を排除し、同質性をメンバー全体に強く押し付けてくるのだ。

 メンバー内の個性、多様性をうまく許容できない、柔軟性を欠く、妙に結束力の強い集団は個性的、異質的要素を強く持つ生徒たちに集団から外れる事の恐怖、不安を強いてくるだろう。したがって日本の多くの学校では「チームの和を乱す」「空気を読めない」などとの理由でイジメがはびこり、同調を強いる窮屈な空気感に嫌気がさしてきた児童、生徒たちの間に不登校が蔓延してきたのではなかったか。

 PISAの調査が物語っているのはすでに幾度も指摘されてきた日本の学校教育の不毛なまでに強すぎる同調圧力がもたらす表層心理の一側面に過ぎない。こんな簡単なことすら分析できないくせに肩の上から偉そうに語る無反省な文科省の姿勢にはひたすら辟易するだけであり、教育行政を主導する資格など今の政府や文科省にあるわけがない。またこの程度のことすら指摘できない日本のマスコミに存在価値などあるわけがない、と思うのだが、皆さんはいかがだろう。

日本の学校ICT、探究学習への活用進まず 頻度「最下位」の項目も

   朝日新聞社 によるストーリー 2023.12.6

   これもまた浅薄な分析。これまでの長きにわたる文科省の指導によって日本の学校が学習内容の統制、画一化を毀損しかねない可能性をはらむ探究学習を伝統的に忌避し、部分的な導入にとどめてきた結果が今になってOECD加盟国最下位という惨状をもたらしたに過ぎないはず。日本の教育史を振り返れば分かることだ。

   画一的教育内容への異常なレベルでのこだわりと安価で手抜きの大規模学級を土台とする集団主義的一斉講義型の授業が多くの教育問題の元凶であることを認めようとしない文科省の頑迷さには最早愛想が尽きる。

   つまるところ「個別最適化」の学習を成立させるための人員と予算の不足を誤魔化し、教員の過重労働という犠牲の上に無理くり個別最適化を達成しようという、与党や文科省の虫の良過ぎる考え方が最大の元凶なのではあるまいか。

 ところが与党や文科省は従来のごとく、この結果を学校現場の能力や努力工夫の不足と見なして自らの責任を回避し、またぞろ無駄な教員研修を増やすことで教員に責任転嫁しつつ、結局は学校のブラック化を一層推し進めてしまうに違いない。

 そしてこれまたくどいようだが、この程度のことすら指摘できないマスコミなどただの「マスゴミ」であり、無用の長物に過ぎないのではないのか。

国際学力調査、日本は読解力3位に改善 数学・科学も高水準「世界トップレベル」

   産経新聞 2023.12.5

   こちらもおなじみの自画自賛、日本万歳と言わんばかりの薄っぺらい報道でいかんなく日本のマスコミの「マスゴミ」っぷりを発揮している報道。

   そもそもPISAが国家レベルでの教育評価の基準として本当にふさわしい内容なのかは疑問が多い。日本の全国学力テストの結果が信用できないように、この結果も決して鵜呑みに出来るものではなかろう。

   近年、フィンランドがPISAの得点順位を落としてきているが、既にフィンランドでは自分たちの目指す教育の在り方とPISAの結果に決して小さくないズレがあるとの共通認識であるため、順位に一喜一憂するような軽薄な風潮はもはや見られないという。

   かつて日本の児童生徒のPISAにおける得点は世界最高水準であり、国民の基礎学力の高さが日本経済の成長を支えてきたと言われていた。しかし21世紀に入って以降、日本は得点的に低迷し始め、「ゆとり教育」の問題点がやたらに喧伝されたことがあった。そして凋落していく日本のかわりにフィンランドなど北欧や香港、シンガポールなどの高得点が注目されるようになった。「ゆとり教育」の見直しが進んだ成果なのか、今、日本はPISAの順位が再び世界トップレベルとなってきている。

 ならばここ30年ほどの動きに関してPISAの結果は日本の場合、国家的規模の経済活動の動きと連関しているのだろうか。もしも正しく比例しているのであれば国家としても現在の結果は万々歳であるが、日本経済の状況は言うまでもなく、むしろ児童生徒の「学力」に反比例しているといった方が良い位の惨状であろう。

 ことは長期に及ぶ日本経済の低迷にとどまるまい。不登校やイジメの増加などを見ても、日本の児童生徒の「学力」向上は決して子供たちの自己評価を高めていないどころか、幸福感などは低くなる一方ではないか。児童生徒の学校離れと若者の教職離れが進むなかで日本の公教育はむしろ危険水域に陥りつつあるのが実情である。

 そもそもがPISAという一つの尺度に一喜一憂する方が間違っているのであり、多次元的な尺度から日本の公教育の現状を見直す必要があるのだ。この当たり前のことを踏まえることの出来ないマスコミなど、あまりにも軽薄過ぎてまったく存在するに値しない…戦時中、ウソだらの大本営発表をオウム返しに繰り返すだけだった当時の新聞やラジオ報道の域にまで後退しつつある日本のジャーナリズムの現状を皆さんはどうお考えだろう。

 もちろん大本営発表に等しい、怪しげな現状分析を性懲りもなく繰り返す政府や文科省の愚かさと危険性を国民が徹底的に糾弾すべきなのは言うまでもないのだが…

こども大綱案が判明 校則は「生徒の意見を」 自己肯定感数値目標も

   毎日新聞 によるストーリー 2023.12.12

 一体、どこのどなたが子どもや青年たちの自己肯定感をひたすら下げ続けてきたのか…またぞろ、末端にいる教師の責任を問うつもりなのだろうが、恥知らずにもほどがある。今や校則に生徒の意見を反映させるのは当然として、今後は教育行政にも生徒と教職員の意見をもっと反映させていくべきだろう。いや、それ以前に、教育行政の隠蔽体質を徹底的に見直し、生徒や教職員が自分たちの意見形成に必要な情報を必要な時に手に入れられ、私たちがまっとうな意見を持てるような、開かれた教育行政の環境をまず整備していただきたい。

 …子ども・若者の意識面の数値目標は今後5年間での達成を目指す。「こどもまんなか社会に向かっている」と思う人の割合70%(2023年15・7%)▽自己肯定感が高い子ども・若者の割合70%(22年60・0%)▽「子ども政策に関して自分の意見が聞いてもらえている」と思う子ども・若者の割合70%(23年20・3%)――など12項目を盛り込んだ…などと記事にある。

 まさに非現実的で圧倒的に「異次元」の数値目標であり、よく、お役所としてこれだけのホラが吹けるものだと呆れるほかない。「こどもまんなか社会」とか世間的に聞こえの良い言葉だけが飛び交うウソ臭さ…それにしても行政に携わる者としての責任感の欠片すら感じることの出来ないほど、見事に現実離れした数値目標の設定である。日本の学校教育が直面している絶望的なまでの悲惨な現状において、一体、何の根拠とどんな勝算があってこれだけ壮大な妄想花火をかくも堂々と打ち上げられるのか、現場にいる人間としてはいよいよ頭を抱えるしかないだろう。

 この数値目標達成に向けていずれ各教育委員会ではデータの捏造に励み、おそらく5年後、子ども家庭庁はその結果を鵜呑みにして各数値が多少は改善したことを誇らしげに報告することになるのだろう。

 そもそもこんなことで自己肯定感が爆上がりするのは一握りの政治家と官僚だけである。そしてその裏側で生徒や教師たちの絶望感だけが募っていくのは火を見るよりも明らかである。

 この政府が日本の子供や青年たちの自己肯定感の低さが何によって生じているのか根本的に理解できていないのは今や明白である。まったく理解できていないからこその、一時の目くらましに過ぎない打ち上げ花火としての、あまりに浮世離れした数値目標の公表なのだ。この誇大な数値目標がまともに達成できると思う学校関係者はおそらく一人もいないだろう。

 この政権の繰り出す誇大広告に振り回されるのはもうコリゴリである。

  ※参考動画

   ◎自己肯定感の回復、伸ばす方法 #早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介 Recovery

   of self-esteem 2022/06/06 11:05

   精神医療の立場からの見解は自己肯定感を高める上で大いに参考となるだろう。そして当然のこ

  とながら自己肯定感を高めることは簡単ではない。児童生徒たちが自らの力で学校文化が押し付け

  てくる偏った価値観に巻き込まれずに一定の距離感を保つことはかなり難しいし、それは教師にと

  ってもまた至難の業である。

   つまり精神医療の立場から見ても、政府が示した数値目標のように自己肯定感を一気に高められ

  ることなぞ夢のまた夢。

 ◎【自己肯定感の育て方】スタンフォード式 親子でできるメンタルトレーニング/危険な自己肯定

  感・求めるべき自己肯定感/最新の脳科学・心理学200以上の研究論文に裏打ちされた子育てメソ

  ッド PIVOT 公式チャンネル  2023/10/31  30:41

   成功体験よりも失敗体験を豊富に経験させることが自己肯定感を高める上で重要という指摘に注

  目したい。ネガティブな感情や失敗を回避することに強く拘泥してきた日本の学校教育の在り方は

  根本から見直す必要があるだろう。ネガティブな感情や失敗としっかり向き合うことからしか、自

  己受容は成立しない…とすれば子供たちの自己受容力と自己肯定感を高めようとする子ども家庭庁

  の目標を達成するには大幅な教育内容と教育方法の見直しは不可欠であり、教師側には教育方法や

  教育観のアップデートが不可欠となる。

   はたして文科省がそれらを実行する能力と予算を持っているのか…疑問は尽きない。

   ◎【第七回目のゲスト】子供たちに自由を提供すべく学校じゃない学校を絶賛構築中のしいさん 

  観るラジオLook@The Radio  2023/11/29 37:33

  義務教育の段階ではどうしても教育の公正、平等性を無視できない。したがって学習内容の自由度

  を多少、犠牲にする側面が出てしまうのは不可避である。とりわけ公教育ではどうしても自由度の

  制限が大きくなってしまう傾向にある。このためただ単に「自由が大切」と言われても日本の場

  合、国民的合意はなかなか得られないだろう。

   しかしそうではあっても教育方法の観点から見ればもう少し、自由度と多様性の幅を広げた方が

  良いのでは…という意見は既にかなりメジャーなものになってきているのではあるまいか。タブレ

  ット等がもっと普及し、ソフト面での進化が実現すれば集団主義的一斉指導の割合が減少し、個別

  最適化した学習がどの学校でも徐々に可能となってくるはずである。

   ただこうしたこと以上に本質的で重要なのは児童生徒の学習における自己決定権、学習主権の尊

  重を通じての子供たちの自己肯定感、自己受容力を向上させることの方ではあるまいか。もちろ

  ん、それは児童生徒に学習方法や学習内容の選択を完全に丸投げして学習内容や到達度に過度な偏

  りが生じてしまうことを良しとするわけでは決してない。当然、AIなどの監視を通じて極端な偏

  りの是正を児童生徒に促す技術は必要不可欠だろう。また学習の個別化だけではなく、グループの

  中で学習の成果を発表したり、一人一人の意見の表明、議論を通じて学習の協働性を実現する必要

  もある。

   大切なのはこれまでの日本の学校教育が子供たちから学習における主体性を必要以上に奪い、学

  習過程全体を大人たちの強い管理下に置こうという、あまりにも過度な全体主義的統制が牢固に存

  続してきた点をしっかりと反省することであろう。そうした傾向が古臭い一斉講義形式をいつまで

  も残存させ、「落ちこぼれ」や「吹きこぼれ」問題に加えて子どもたちの自己肯定感や幸福感の低

  下など、様々な負の側面を生じさせているのではあるまいか。

   こうした日本の学校教育を改革していくためには大学での教員養成教育の徹底的な見直しが急が

  れよう。教員養成教育の講義自体が古臭い一斉講義形式ばかりであって良いはずがない。少人数に

  よるゼミ形式で様々な試験的授業実践を幾度も繰り返す…かなりの時間と労力を要する新しいプロ

  グラムが教員養成では沢山、必要となるはずだ。大学院まで進学しなければ教員免許を与えない北

  欧の厳しい教員養成制度はそれなりの理にかなっていると考えたい。

   残念ながら現在の日本の教師たちが置かれた貧弱で過酷な職場環境の下では一斉講義形式の省エ

  ネ効果が持つ強烈な呪縛から自力で抜け出すのはほぼ不可能だろう。そこから抜け出すにはどうし

  ても相当の修練と経験、すなわち膨大な時間と労力とが必要となる。体罰や暴言の根絶が難しいの

  と同様に、お粗末な官製研修ですぐさま改善できると思うのは大間違いである。

   高校においてならばタブレット利用や討論形式の授業を少しずつ導入することで一斉講義形式の

  弊害を減らしていくことはある程度可能だろうが、義務教育段階ではそれすら難しいに違いない。

  そもそも教師自身の授業観が時間をかけてしっかりとアップデートされない限り、効果的な学習の

  個別化と協働化を同時に進めることはほぼ不可能に思えるからだ。

   子ども家庭庁の打ち出した安易な数値目標のいい加減さに今後、文科省が一方的に振り回される

  ようでは、いよいよ日本の学校教育は詰むに違いない。

その3.沖縄戦~続学校とマスコミ~

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

ロシアでインターネット検索が「罪」に!? 9月から施行される新法とその恐ろしい影

 響とは あしや Ashiya  2025/07/23  11:46

 同様のことは中国でも行われているだろう。戦争中に何が起きてしまうのか、言論統制、情報統制の実際を現代のロシアで確認できそうである。

 

…恥を知る者は強し。常に郷党(きょうとう)家門の面目を思ひ、愈々(いよいよ)奮励(ふんれい)してその期待に答ふべし、生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿(なか)れ    

  『戦陣訓』「本訓 其の二」、「第八 名を惜しむ」(1940年)より

 

・国民学校での教育:「皇国民の錬成」

 学校や軍隊から繰り返し「生きて虜囚の辱めを受けず(戦陣訓)」と教えられ、政府から「鬼畜米英」、「滅私奉公」といったスローガンに踊らされてきた日本人。そうした過去への反省は今、しっかりと活かされているのだろうか?

戦争証言2019 映像 2 戦時下の国民学校

   滋賀県平和祈念館  2021/05/29  12:40

 国民学校をテーマとした動画自体、極めて数が少ないのはなぜだろう?日本の学校教育は本当に戦時中の教育を反省した上につくられたのだろうか?これは非常に貴重な動画であり、必見。

   なお滋賀県平和祈念館の動画は他にもあり、非常に優れた内容となっているので以下、オススメ動画をいくつか紹介しておく。

戦争証言2014 映像 1 戦場の少年 戦時下の子ども達  2021/05/28  24:25」、「戦争証言2018映像 1 狙われた軍需工場  2021/05/29  20:24」、「戦争証言2018 映像 3 少女たちの目にうつる戦争  2021/05/29  21:58」、「戦争証言2019 映像 3 勤労動員 信楽焼の手榴弾  2021/05/29  13:10」「戦争証言2019 映像 4 戦場に向かった少年兵  2021/05/29 13:42」、「戦争証言2016 映像 1 徴兵~市民の戦争 出征から復員~2021/05/29  24:50(後半は沖縄戦で戦った元日本兵の証言)」、「戦争証言2014 映像 2 特攻 死を命ぜられた青春  2021/05/28  21:15(特攻による戦死者は沖縄戦に集中している)」、「第32回企画展示「戦争と女学生」解説動画2:学校生活にしのびよる戦争2023/03/29  4:46」、「同解説動画3:勉強よりも増産 2023/04/20 6:15」、「同解説動画4   2023/06/03 6:08

 いずれもさほど悲惨な映像やエピソードがあるわけではないが、淡々として語られる中に戦争の過酷さ、無残さへの想像力をかき立てられる描写、証言があってどれも素晴らしい作品。史料価値の高い場面も多くあるのでスクリーンショットすれば授業のプリント資料などにも活用できるだろう。

積徳学徒隊 証言1 厳しい軍隊教育

 沖縄県 沖縄戦継承事業チャンネル  2016/03/24 3:03

映画「教育と愛国」が示すもの 「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚

 代さん 毎日新聞 2022/04/13 5:44

映画『教育と愛国』予告編

 シネマトゥデイ 2022/04/20 2:16

杉田水脈議員、教育勅語を礼賛 「なに一つおかしくない」

   共同通信 によるストーリー 2024.2.19

幼稚園の朝礼で君が代、教育勅語、(私立塚本幼稚園:大阪市)

 2011/10/19 小坂英二 14:14 

 園長は籠池氏で森友問題の渦中にある人物。安倍元首相夫妻との関係が問われ、有罪が確定している。

【教育勅語】日本教育の根本。一体何が悪いのか?|教育勅語に書かれている12の

 ポイントを解説します 2020/10/22 津田紘彰『100年先の日本人へ』 9:16

 教育勅語をどう評価すべきか、討論のたたき台に出来る。批判的に取り上げられることの多い教育勅語であるが、その意義を見直そうとする議員やyoutubeの動画は少なくない。それらをどう受け取るべきか、原典を確認しながら生徒達の意見を募りたい。

 アメリカの占領政策の一環として確かに戦後の教育政策もまた「押しつけ」の側面があった事は事実として捉えるべきであることは間違いない。問題は「教育勅語」の現時点の意義の有無にある。日本国憲法下で「神武以来の建国の精神」をどう評価するのか、辺りがポイントの一つ。とりわけ「勅語」という形式が国民主権の原則に抵触しかねない点をどう考えるかが問われる。

【竹田学校】歴史・明治時代編⑨~修身道徳の根本規範『教育勅語』①~|竹田恒

 泰チャンネル2 2020/05/30 22:59

【竹田学校】歴史・明治時代編⑩~修身道徳の根本規範『教育勅語』②~|竹田恒

 泰チャンネル2020/05/31 20:21

 右寄りの学者として名高い竹田氏の講義は比較的、分かりやすく、おだやかな口調で聴き取りやすい。討論のたたき台として生徒に視聴させても良いだろう。ただし時間を多く取られてしまうので教師側の予備知識の一つとして視聴しておく方を奨める。議論の多い「一旦緩急あれば義勇公に奉じ 以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」の解釈は本当にこれで良いのかが問われる。井上毅や明治天皇らの思惑とは別に、実際、戦時中の教育で教育勅語がどのように解釈され、利用されたのか、敢えて触れない竹田氏の説明はかなり公平を欠くかもしれない。

沖縄戦を『捨て石作戦』と言い張り、沖縄県民を日本から引き剥がす琉球新報|

 竹田恒泰チャンネル2 2025/06/23  6:28

 もちろん沖縄は戦争当時も「本土」であり、沖縄戦がただの捨て石作戦だった、というのは偏りがあるだろう。特攻作戦や戦艦大和の件も沖縄の防衛が大本営においても極めて重要だったことを示している。実際、日本軍の多くは命がけで戦っていたのであり、沖縄の住民を盾にして自分たちだけ生き残ろうとしていた、というのも概ねは間違っている。

 ただし日本軍が戦火から避難した沖縄の住人をガマから追い出し、住人のいなくなった住居から様々な物品や家畜を略奪するといった犯罪的行為が少なからず起きていたことも疑えまい。そしてその背景に、日本兵の心のうちに沖縄の人々への偏見、差別がまったく無かった、とは言えまい。実際、日本軍の沖縄への偏見差別の果てにスパイ扱いをされて日本兵によって殺害された住民が沖縄の各地で確認されてもいる。

 もちろん、本土決戦が仮に戦われていたならば、沖縄と同様、九州、四国、本州の住人にも多大な犠牲者が出たはずである。最も大切な沖縄戦の教訓は、この戦争が最後には「一億玉砕」を唱えて戦われていた、という点ではあるまいか。つまり沖縄の住民に限らず、天皇の臣民は誰であれ、すべて平等に、天皇制存続のためには犠牲になるべき存在に過ぎなかった…当時の天皇制が持つこうした本質的な犯罪性、非民主性、反人権的性格にこそ、私たちは注目すべきであろう。竹田氏は巧妙にこの論点をはぐらかしているのではあるまいか。

自民・杉田水脈氏が排外的投稿 教育勅語礼賛巡る批判に

   共同通信 によるストーリー 2024.4.24

   安倍政治がどのような歴史観をバックにしていたかが、よく分かる。

【逆説の日本史】西園寺が阻もうとした日本的朱子学がもたらす「思想的潮流」 

 NEWSポストセブン の意見  2022.12.30

 儒学、とりわけ朱子学の立場に対立する老荘思想から教育勅語の危険性を説いている、非常に興味深い論点。乱世の時代を背景に忠孝を説く儒学、とりわけ朱子学の精神は戦乱を招き寄せる危険性を孕んでいるという井沢氏の指摘には説得力がある。上記の竹田氏の論法と対比させて考えたい。

戦前の教育理念は、果たして否定されたのか? 「曖昧」なまま生き延びた教育勅語

 現代ビジネス 小野 雅章 によるストーリー 2023.4.29

「関東大震災で朝鮮人虐殺はなかった」とみなす人々の“奇っ怪なロジック”を内田

   樹が暴く 文春オンライン 内田 樹 によるストーリー  2023.9.23

  安易に「自虐史観」というレッテルを貼って学会での定説を覆そうとする歴史認識

のあり方がネトウヨ界隈ではびこる風潮を批判的に客観視するためのロジックが明確に説かれている。いい加減なレッテルを張って分断を招く偏った見方を是正し、様々な過去の事象に対して歴史的蓋然性の高さから適正な歴史的評価、判断を加えるべきであることは間違いないだろう。

「反日的だ」「でたらめだ」と抗議も…“負の歴史”記す碑・説明板が次々撤去 “2

   の正義の板挟みになる自治体の苦悩【報道特集】

   TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー  2024.2.10

 この動きはかつて「集団自決」問題でも表面化したように、たちまち沖縄戦での日本兵による残虐行為を「反日的だ」「でたらめだ」と抗議する動きに繋がってくるだろう。そもそも地方自治体に難易度の高い歴史的判断を丸投げするような、無責任極まる現状を引き起こしてきたのは日本政府そのもの。とりわけ安倍政権下に勢いを得たネトウヨの主張が一定の広がりを持ち始め、一種の「住民」運動となって自治体に圧力をかけ始めているとするならば、これは政府の責任として対応すべき問題。

 「自虐史観」という一言で自国の負の歴史を闇雲に抹消せんとする自国中心主義的運動の起点は明らかに日本政府にある。ならばこうした出来事に対しては個々の自治体の対応に任せず、責任ある政府が国家としての統一見解を示すなど、明確な判断を内外に表明すべきだろう。もちろん、その見解次第では当然、外交問題に発展するだろうが、少なくとも地方自治体を悩ましている現状のあり方は不当であり、政府として無責任すぎるだろう。これが出来ないようであるならば歴史教科書の検定を文科省が行う資格はあるまい。

 

・バイブルと化した「教育勅語」(1890年)  

 教育勅語発布の翌年(1891)、単なる休日であった祝祭日に教職員、児童・生徒を登校させて御真影への拝礼、教育勅語の奉読、祝祭日の意義についての校長訓話、式歌斉唱(「君が代」・・・)などを挙行することが決定し、1892年より各学校で式典が実施されるようになる。

 学校で式典が行われる祝祭日は大正以降、四大節が基本。大節(元旦)、紀元節(2月11日で初代天皇神武が即位した日とされ、現在は建国記念の日)、天長節(天皇誕生日で明治天皇は11月3日で現在は文化の日、大正天皇は8月31日、昭和天皇は4月29日で現在は昭和の日、平成天皇は12月23日、現天皇は2月2月23日)、明治節(明治天皇の誕生日で11月3日)の四日が原則。なお大正天皇の誕生日は夏休み中で暑かったため、二ヶ月ずらして10月31日を天長節祝日と定めていた。

 御真影は天皇・皇后の写真のように思われていたが明治天皇の場合は肖像画の写真及びその複写であった。1882年から各学校に下賜され、御神体同様と見なされて丁重に扱われていた。この御真影に1890年から教育勅語が加わり、二つを警備するのを主目的で以後、教員が毎日、学校で宿日直にあたるようになった。

 治安維持法体制下の1930年代に入ると、教育勅語は国民教育の思想的基礎として神聖化された。天長節や紀元節などには全校生徒の前で校長が必ず奉読することとされた。奉読する際には白手袋をして恭しく捧げ持ち、読み間違えや言いよどむことは許されなかったため、校長もまた極度の緊張を強いられていたらしい。なお紀元節は2月11日(現在、建国記念の日)であり、講堂内は冷え込んでいたため、奉読中、最敬礼を余儀なくされた児童生徒の多くはハナを垂らすまいとして体育館・講堂のアチコチで鼻をすする音が絶えなかったという。

戦後70年の地平から「3月24日負けるはずがない/戦後70年目の情景

 は?」RBC 2015/05/06

沖縄戦地巡礼 - OKINAWA REQUIEM -

 らのたまちゃんねる。  2023/05/22  26:00

 沖縄の代表的戦跡をざっと確認するならこの動画がコンパクトで便利。

「辛くても見ないといけない」きれいじゃない現実を伝える 舞台朗読『沖縄可否の

 会』の取り組み 【琉球放送】RBC NEWS  2023/06/26 7:24

 ウクライナ侵攻もあって戦争の醜さから目をそらさない平和教育を続けていこうとする動きをどう評価するのか、問いたい。

参考記事

学校の「奉安殿」移築か 戦前の教育伝える建物、民家敷地に 栃木

 毎日新聞 によるストーリー 2024.11.26

 奉安殿の現状がどうなっているのか、全国レベルでの実態は十分把握できていないのかもしれない。栃木県では4件の存在が確認されているらしく、残存している数は少ないようだ。沖縄県でも探せば他にも残存している可能性はあるだろう。負の戦争遺産、教育遺産としての価値は大きい。市原市にも一件あるので、実物教材としての歴史的価値はこれからも宣伝していく必要がある。

2023.2.24撮影(浦添ようどれ館にて)

『第二次世界大戦』について米国の生徒が習う事

 BrooklynTokyo 2022.11.10 9:20

 原爆や日本の敗戦にいたるアメリカの教科書の説明には突っ込みどころも少なくない。日本の教科書の記述と比較してそれぞれの記述の問題点を挙げさせつつ討論の材料にしても良いだろう。日系人の強制収容問題はアメリカが国家として正式に謝罪し、賠償金を払っており、アメリカの教科書でもそのことに関してきちんとした記述になっている事は評価できる。とはいえ原爆投下の是非は問われず、敗戦にいたる経緯もかなりぼかされているようである。

 

・忠魂碑と奉安殿

昔の沖縄】昭和初期、戦争前、軍国主義思潮の中での教育環境の中での学校の様

   子 OKINAWA a la carte  2023/09/13  10:55

 美里の奉安殿が出てくる前半までは視聴させたいが、後半は不要。

【沖縄戦】読谷村の忠魂碑と飛行機のシエルター掩体壕(えんたいごう)

   街歩きokinawa 2023/12/18 10:24

沖縄戦 想いをつなぐ 中学生向け

 平和ちゃんねる@沖縄市  2023/02/13 18:37

 当時の沖縄における軍国主義的学校教育を学べる動画は極めて少ない。ここでは特に奉安殿や忠魂碑が果たした役割に注目したい。8:13から11:59にかけて視聴。

現在、沖縄市登川の美さと児童園内にかつて美里尋常高等学校内に祀られていた忠霊塔(昭和12年=1937)と奉安殿(市指定文化財)が残されているらしい。

 この配信では「沖縄はアメリカの軍政下に置かれていたせいで、忠魂碑の破壊などを命じたGHQの神道令などからは免れたため、沖縄には戦火で失われた以外は忠魂碑が残された。しかし本土ではその多くが破壊されてしまった・・・と解説板に説明されている」としているが、これは完全に間違った認識と言って良いだろう。まず美さと児童園内の忠魂碑は高さ5mほどあり、その形からは「忠霊塔」の名称の方がふさわしい。「~碑」と表現されている場合、普通は薄い板状の石に文字などが刻まれている形状を指す。美さと児童園のものは見た限りでは先のとがった円筒形であり、形状的には「石塔」に分類されると考えられる。

 また忠魂碑は千葉県の場合、ほとんど廃棄されておらず、実際にはその多くが学校の敷地から撤去されただけである。おそらく忠魂碑が戦死者の慰霊碑ないしは墓石という意味合いを持っていたため、当時の住人達からすれば容易には廃棄できなかったのだろう。校内から撤去後、その多くは近くの神社やお寺、墓地、公民館、小学校の門前、幼稚園、道路脇などに移設されて現存している。また元々、学校外に祀られていた忠魂碑も多かったと思われる。

※「群馬県渋川市の「忠霊塔・忠魂碑」を見学してきた件 2020/12/18 tamaotoko3 8:08」では

 忠霊塔と忠魂碑共に群馬県にも数多く残存している事が指摘されている。

   

 「千葉県の忠魂碑」(千葉県護国神社1998年)によると忠霊塔も合わせて県内では781基が確認されているし、市原市内の51基だけでもおそらく沖縄県内の総数を上回るであろう。以下、同書に基づく市原市内の忠魂碑の状況を紹介しておく。総数50基(本書では51基だが内1基は完全に個人の墓であり、除外)を分類。以下は本書のデータをもとにカッパが個人的に分類したもの。

 設置場所に関しては神社が総数の3割にも満たず(28%)、学校や保育所に多い(38%)点は注目すべきであろう。何れにせよ公共性の高いところに設置される傾向が見られる。またGHQによって学校から撤去されたとしても、それは一時的であったかもしれない。そもそも忠魂碑建立が全盛期を迎えたのはサンフランシスコ講和条約が発効する1952年以降の10年間のことであり、戦前ではない。したがってGHQの指令によって多少は撤去されたとしても1952年以降は日本の独立回復を機に校内に戻されたか、新たに建立されていると考えられる。解説板の説明はこうしたカッパの分析とは矛盾した内容となっているだろう。

 なお市原市内だけのデータでは数の上で少なすぎるので改めて設置時代別の基数を県内の忠魂碑総数の内、年代不明なもの42基を除いた739基からカッパがカウントしてみた(下表)。

また忠魂碑の揮毫者別のデータも参考までに紹介しておこう。

揮毫者人気ランキングトップ5(千葉県内)

第1位:乃木希典(日露戦争時の陸軍大将)            46基

第2位:大山巌( 同上 )                   31基

第3位:鈴木孝雄(陸軍大将、兄は海軍の貫太郎。靖国神社宮司)  28基

第4位:川村景明(陸軍大将)                  24基

第5位:筑波藤麿(元皇族、靖国神社宮司)            23基

 なお東郷平八郎は9基、戦後の政治家では柴田等千葉県知事の20基が目立つほか、岸信介の7基も注目される。基本的には忠魂碑設置を中心的に進めていた陸軍靖国神社宮司、及び設置当時の政治家が目立つ。

 ところで沖縄に奉安殿が残されているのは確かに珍しいと思える。カッパは市原市内において鶴峯八幡の一箇所しか奉安殿を確認できていない。これは個人的推論に過ぎないが、慰霊碑というイメージもあった忠魂碑とは全く違う性格の奉安殿はその多くがGHQの指令に従って解体の上、学校から撤去された後に廃棄されてしまったものと思われる。「学校ことはじめ事典」(佐藤前掲書)によると全国には神社の社殿を模した奉安殿の一部が近くの神社内に移設されたケースも有るそうだが、個人的には市原市内でそうしたケースを確認できていない。

※「【沖縄の史跡】謝花国民学校の奉安殿【ゆっくり史跡!】 2021/05/05 ゆっくりポチ太郎2:

 05」によると本部町、沖縄市、石垣市にも奉安殿が残されているらしい。

 木造校舎ばかりであった時代、火災の恐れから御真影と教育勅語の安泰を図るべく、最初に鉄筋コンクリート製の奉安殿が設けられるようになったのは明治末年頃とされる。当初は石造りや土蔵造りもあったらしい。天皇制ファシズムが進展した昭和初期に入ると鉄筋コンクリート製の奉安殿が全国へ普及していった。

 1891年11月17日、文部省は、下賜された御真影と教育勅語謄本とを校内の一定の場所に「最モ尊重ニ奉置」するよう訓令ししている(⇒奉安庫・奉安殿の設置が始まる)。しかし1898年(明治31年)に長野県の町立上田尋常高等小学校(現在の上田市立清明小学校)で失火により明治天皇の御真影を焼いてしまい、当時の校長・久米由太郎(小説家久米正雄の父)が責任を負って割腹自殺するという事件が起きてしまった。また、1933年(昭和8年)、沖縄県南城市の第一大里小学校(現在の大里北小学校)が火災に遭い、御真影が焼けてしまった際にも当時の校長が割腹自殺をしている。⇒美談化

むかしむかしこの島で/沖縄テレビ(2005年)

 OTV沖縄テレビ  2023/06/16 48:14

 5:22~7:33の間だけ視聴。

「【首里城さんぽ】誰も知らない歓会門の手前の「忠魂碑」ちゅうこんひ・って何

 んだ!沖縄市登川の忠魂碑・も見に行く・沖縄戦。沖縄の歴史」

 街歩き沖縄(2021.9.22)

 

首里城歓会門近くの忠魂碑残骸(2023年2月撮影)

 

【昔の沖縄】明治・大正・昭和初期の首里の風景

 OKINAWA a la carte  2023/09/16  2:25~2:34

 動画開始から2分25秒ほどすると首里城歓会門近くの忠魂碑の写真が確認できる。

 戦災に遭う前はかなり立派で碑というよりは塔の趣がある。写真から見て現在のも

 のは基礎部分のごく一部が残骸として残されたものと思われる。

  個人的には沖縄における軍国主義的教育の貴重な遺跡として、また戦災の凄まじ

 さを物語る遺品として、戦前の古写真などの解説を加えた上で周囲を整地し、今よ

 りも目立つ形にしておく方が良いと考えるが、いかがか。

  なお忠魂碑の古写真は著作権を考慮してここでは掲載しない。気になる方はこの

 動画を視聴していただきたい。

参考文献

 当時の学校教育については山中恒氏(1931~)の「ボクラ少国民シリーズ」(辺境社 全5巻、補巻

 1、別冊1 1974~1982)が詳しい。

参考記事

「日本人のゴミ拾いは世界一」報道から“日本の衰退”を感じてしまうワケ

 ダイアモンドオンライン 窪田順生 の意見 2022.12.1

 ワールドカップで話題となった日本人サポーターによるスタジアムでのゴミ拾いに関する報道に対する興味深い意見である。生徒からの意見が噴出するテーマとなり得るので是非、教材としてあるいは討論のテーマとして取り上げてみたい。いわゆる「美談」の裏側にはどんな意図が潜んでいたのか、過去を振り返る事は必要だろう。

・方言札と同化政策(⇒皇民化教育

 ※「琉球学」(松島泰勝編 明石書店 2021)より

 1879のいわゆる「琉球処分」(本来は琉球王国の滅亡であり、「琉球併合」ないしは「琉球併呑」と呼ぶべきか)以降、沖縄の人々への同化政策が進んでいく。特に日清・日露戦争を境にその動きは加速していった。沖縄では小学校の就学率が1891年には14.9%に過ぎなかったが、1906年には90.1%に達している。1903年頃から学校では「方言札」の使用が始まり、学校で方言を用いた生徒に罰則として札が渡され、数が多くなると進級できなくなる場合もあったらしい。札を減らすには自分以外に方言を使った生徒を見つけて自分の札をその生徒に渡す必要があった。生徒同士の相互監視システムによって方言を撲滅し、標準語を徹底させようとしたのである。この札は戦後、1960年代まで使われていたともいう。

 1903年には大阪で開催された第5回内国勧業博覧会で「学術人類館」にてアイヌ民族、台湾先住民、朝鮮人、中国人、インド人、アフリカ人、琉球人が民族衣装を着せられて「展示」される「人類館事件」が起きる。まさに「人間動物園」として沖縄の人が好奇の目にさらされたワケであるが、当然、朝鮮や中国から抗議され、沖縄でも猛反発されている。しかし沖縄への差別的な眼差しは改善されることなく、沖縄では同化する事で差別的待遇から脱出しようとする動きまで生み出してしまった。

 そして沖縄戦では標準語を話せないとスパイとして日本軍の守備隊から処刑された住民までいたという。

 2009年、ユネスコは六つの琉球言語(奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語)を絶滅の危機に瀕した危機言語であると発表し、その保護を日本に求めた。ユネスコでは六つの言語を日本語に従属するただの方言としてではなく、独立した言語として保護すべきことを表明したと考えられよう。沖縄独自の言葉を奪うことは沖縄文化の独自性を否定する事にもつながるだろう。日本は古代から言霊(ことだま)信仰を持っている。その土地の言葉はその土地の精神文化を物語れる貴重な無形文化遺産である。今一度、「しまクトゥバ」で唄うことに拘り続けたミュージシャンに注目してみたい。

 

参考記事

「標本室は目の開けられないくらい…」731部隊の実態、元少年兵の目に焼きつい

   た光景【報道特集】TBS NEWS DIG_Microsoft の意見 2024.4.20

   731部隊に関してはかつてNHKスペシャルでソ連(現ロシア)での裁判の記録に基づく生体実験の様子などが明らかにされている。しかし日本政府としてこの戦争犯罪についてどのような対応をとってきたのか、に関しては相変わらず強い疑念を持たざるをえない。そもそもこの問題は東京裁判で裁かれておらず、部隊員の多くは戦後も活躍し続けている。そして日本政府は731部隊の存在そのものを戦後一貫して否定してきた。さらにはアメリカ側に実験や研究のデータを渡すことを交換条件にして石井四郎らは罪を免れることが出来た、という主張がある。

 A級戦犯容疑者たちの一部がまともに裁かれることなく次々と釈放され、事実としてその一部は戦後も大活躍している。つまり731部隊以外にも戦後日本の戦争犯罪への責任の取り方には大きな疑念が持たれてきた。そのことへの言及が日本史の教科書などでは極めて不十分であったが、近年ではそうした問題自体がそもそも存在しておらず、中国や韓国、左翼などの世論操作などによって大袈裟に騒ぎ立てているだけに過ぎない、行き過ぎた自虐史観である…といった陰謀論的論調がネット上に目立ってきている。また戦争体験者の激減が陰謀論を蔓延らせる一因になっているのかもしれない。おそらく基地問題や沖縄戦へのナイチャーの概して冷たい反応もそうした潮流に乗っかってのものだろう。

 こうした動きに対して歴史学者たちの動きは極めて鈍く、歴史の改ざんに表立って反発する人はきわめて限られてきたように感じている。日本の戦後教育が「自虐史観」に支配されてきた…との認識がはたして歴史的事実なのかどうか、ぜひ、生徒たち自身に検証させてみたい。

日本、「加害の歴史」美化、「慰安婦は報酬受けて働いた」と歪曲…教科書が追加

 合格(1)中央日報 2024.4.20

 いかにも韓国らしい記述ではあるが、まったく間違った認識かというとそうでもあるまい。妥当な認識とはどういうものなのか、知識に欠けたままでは決して分からない。日本国憲法の制定過程、慰安婦問題、A級戦犯容疑者の釈放問題、731部隊問題、沖縄での集団自決問題…どれか的を一つに絞って詳しい事実確認を試みる調べ学習の時間が欲しい。どの問題に絞るかは多数決で決めて良いだろう。

異例の検定「未了」教科書が合格 竹田恒泰氏執筆の令和書籍、情報漏洩疑いも〝潔

   白〟確認 産経新聞 2024.4.22

   日本、「加害の歴史」美化…の記事に登場する教科書は竹田氏らが執筆している。元来、今の文科省に政治的中立性など期待する方がおかしいのであって、今回の件も愛国心の涵養を重視した安倍政治の流れから生じたものであるのは間違いあるまい。個人的には愛国心自体を必ずしも否定はしないが、自国の歴史を美化するあまり、加害の歴史的事実を歪曲するのはいかがか?

 ここでも敗戦後の戦争責任の取り方がどうだったのかが問われるだろう。やはり日本史や政治の学習において、敗戦に至る経緯と戦後政治の成り立ちについては教科書以上に詳細な内容の学習が必要不可欠ではないのか。ここの学習がこれまで不十分だったことが日本の戦争責任の問題への追及を甘くし、過去を歪曲して自国の正当化ばかりを狙う教科書の登場を招いてしまったように思うのだが、いかがか?

参考動画

「一中鉄血勤皇隊」の南部撤退の足跡を追う

 南の島の黒おじさん  2022/08/08  20:40

 高校生にとって同じ年頃の生徒たちがどのような戦いを強いられたかを知ることは極めて有意義であり、ひめゆり部隊と鉄血勤皇隊の二つは必ず触れるべきだろう。およそ10㎏の爆薬を抱えて戦車に突撃する作戦は有名だが、爆薬がどんな形状だったのか、分かる点でも貴重。教師による解説が必要な箇所が多いが、首里から摩文仁周辺に至る動きが分かりやすい。

郷土防衛隊で日本兵に「てめぇーの島はてめぇーで守れ」と罵倒された(仲松邦雄

 さん)沖縄県公式チャンネル 2013/12/16

 沖縄戦における日本兵と住民との間の意識の差を確認しておきたい。

師範鉄血勤皇隊 証言4 全滅した下級生の特別編成隊

 沖縄県沖縄戦継承事業チャンネル 2016/03/08

梯梧学徒隊 証言6 兵隊並みに斬り込みに出される

 沖縄県沖縄戦継承事業チャンネル 2016/03/24 3:02

 女子生徒までも切込に参加させる非情な日本軍の作戦。「一億玉砕」とはただの口先だけのスローガンではなかったことに戦慄。

 …少年兵まで自爆攻撃!

 老若男女を根こそぎ、戦争に動員する本土決戦の計画は1945年3月から本格化し、「国民義勇隊(→国民義勇戦闘隊)」や「学徒隊」の結成に繋がっていく。隊員は男の場合、15歳から60歳まで、女は17歳から40歳までとされた。総勢2800万人もの国民は竹槍以外何一つまともな武器を持たせされることなく、その多くが正規兵の作戦に利するべく、過酷を極める戦場の最前線に駆り立てられるという惨い計画であったという。しかも基本的には「自爆」、「特攻」という肉弾戦法で…まさにスローガン通り、「一億玉砕」をものともせぬ、無謀な計画が御前会議を経て進められていたのだ。

 もちろん「特攻」は飛行機によるものだけではない。海上特攻兵器としてベニヤ板製のモーターボート「震洋」、特殊潜航艇の「海竜」、「蛟竜」、潜水兵による「伏龍」などがあった。正規兵もまた厳しい訓練を経ていずれ特攻作戦に投じられていく予定であった。

 一方、国民義勇戦闘隊は対戦車特攻作戦を念頭にして斬り込み突撃など、余り訓練を必要としない、兵器も爆薬以外は不要の肉弾戦を強要されていた。また正規兵と同様に捕虜となる前に自決せよと言われ、戦地からの脱走は敵前逃亡として死刑にされるとも脅されていた。つまり沖縄戦で見られたような少年や女性を含む住民の半強制的戦地動員と悲惨な結末は本来、沖縄に限られたものではなく、日本国民全体を巻き込む予定だったことが「国民義勇戦闘隊と学徒隊~隠蔽された一億総特攻~」(斉藤利彦 朝日新聞出版 2021)で明らかにされている。

 同書によるとカラフトでは憲兵隊が義勇隊には内緒で戦地から逃げ出し、取り残された住民の間に多くの犠牲者が出てしまったケースが紹介されている。日本軍は沖縄だけでなくカラフトでも日本国民を守ることを優先しなかった。あくまでも優先的に守るべきは皇国であり、天皇制であったのだ。その点では沖縄戦もまたサイパン島と同様に本土決戦のための「捨て石」どころか「一億総特攻の試金石」であったと言えるだろう。

 いずれにせよ「護国の神」となすべく名誉の戦死を子供達に称揚した学校教育が背負うべき責任は極めて重いと言わざるを得ない。日本の戦後教育が本当にそうした反省をきちんと踏まえた上でスタートできたのか、そして今まできちんと歩んでこられたのか…今後とも徹底的に検証すべきだろう。

【歴史映像】戦争推進教育映画「戦ふ少国民」 昭和19年、電通制作

 横浜西前国民学校(昭和19年=1944) 2017/08/14  15:18

 必見。国民学校における「皇国民の錬成」とは何だったのかを知る上で極めて貴重な記録。

 国民学校の目的は、国民学校令第一条の「国民学校ハ皇国ノ道ニ則リテ初等普通教育ヲ施シ国民ノ基礎的錬成ヲ為スヲ以テ目的トス」という40字に要約されている。「皇国ノ道」とは、教育勅語に示された「国体の精華と臣民の守るべき道との全体」をさし、「端的にいえば皇運扶翼の道」と解したのである。すなわち国民学校では、「教育の全般にわたって皇国の道を修錬」させることを目ざしていた。なお、「初等普通教育」とは国民学校の内容を示し、「基礎的錬成」とは、教育の方法を示したものであるとした。児童生徒達もまた「天皇の赤子」であり、同じ皇国臣民として「皇運扶翼」の任に当たるべく「少国民」と呼ばれることになった。これは端的に言えば男子は将来、「醜(しこ)の御楯(みたて)」となって名誉の戦死を遂げ、「護国の神」となって靖国神社に祀られること、女子は「銃後の妻」となって多くの子を産み育て、いずれ「靖国の母(九段の母)」となることを理想とする教育であった。

こうした軍隊式錬成教育の先端を行く代表例が鈴木源輔を校長とする東金国民学校であった。彼は「軍隊式教育の真髄は、殉皇報国の態度を養うことであります。陛下のためならいつでも死ぬ覚悟で働くという国民を養成するのにあるのです。

上御一人に絶対服従し、絶対奉仕の態度を養おうとするものであります。」(1942年)と語っている。鈴木は各教室に神棚を祀り、「戦陣訓学習」や「愛国訓練」を創案、実践していることで全国に名を馳せていた。学校を「兵営」、児童を「兵士」、学級を「小隊」、学年を「中隊」、自らを「教育師団長」と称して生徒や教師達への徹底した思想、情操監視システムを作りだし、猛烈なスパルタ教育によって日々、反戦思想、個人主義、自由主義の根絶を図っていたのである。

 ところが敗戦後、鈴木は処罰されることもなく戦後も教育者、校長として活躍を続け、今度は民主主義教育の先頭を行く人物として全国に名を馳せることになる。また彼を日本一の錬成教育者として絶賛していた教育家の草場弘も戦後は掌を返したように民主主義教育を唱道していく。学校教育に於いては戦前と戦後とは掲げるスローガンこそ違えども、教育学者、教師共に人脈的にはほとんど断絶していなかったのである。

おばあちゃんがつないだ奇跡 Anlyが心に刻む言葉とは? 沖縄戦79年

   琉球新報  2024/06/22  14:08

 次々と戦争体験者が亡くなっていく中でのこれからの平和教育を考える上で大いに参考になる動画。

 

参考記事

中学校の昼食時間に、生徒が『君が代』を放送したことが物議を醸す そもそも昼食

 時に音楽が流れていたか調べてみた

 citrus 編集部 によるストーリー 2023.5.31

 君が代問題はこうした一見、軽そうな話題から入る方が良いのかもしれない。学校では昼休みに軽々しくBGMのように放送するのは不謹慎だ、との観点から放送した生徒たちに指導したようだが、そうした学校の指導に対する賛否を問いたい。この件を不謹慎とするならば不謹慎とする理由をはっきりと生徒たちに説得できるような理屈で説明できるかどうかが、討論の大きなポイントとなるだろう。

「皇室タブー」小説、なぜ黙殺? 森達也さん「あまりにいびつ」

  毎日新聞 2022/05/21 07:30

 戦後日本がタブー視してきた天皇制に関する議論のあり方は「君が代」を歌う事を強制する一方で「君が代」の歌詞や成り立ち、意味を学校で教える事は事実上禁止されているという、国民主権を空洞化させるような歪んだ学校教育の現状にも反映されている。

【戦争】なぜ被害体験ばかり語り継いでしまったのか?

 宮台真司の部屋 2022/10/26 7:12

 日本の歴史教科書や朝日新聞、毎日新聞などの太平洋戦争における加害者としての日本の役割を強調する記述に対して「自虐史観」のレッテルを貼る傾向は特に1980年代以降、顕著になってきた。慰安婦問題や南京虐殺事件、関東大震災における朝鮮人虐殺事件などは大袈裟な脚色まみれのウソばかりである、というわけだ。その結果としてなのだろう。近年は特攻を悲劇的な美談にしたり、原爆や空襲の悲惨さといった日本の被害者としての側面を強調するような論調が目立ってきた。逆に日本の加害者としての側面に着目した報道は「偏向」、「自虐史観」、「売国的行為」と見なされて、ネトウヨによる猛烈な反発を受けるようになっている。都立大学構内での宮台氏襲撃事件(2022.11.29)も、こうした殺伐とした風潮が社会的背景にあるのだろう。

731部隊の「人体実験」証言、展示されず 市の施設、検討続く

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.8.18

 長野県飯田市での731部隊関連の展示会に対して…熊谷邦千加教育長は取材に、パネルの内容について「教科書や裁判で公的に認められている表現がいいのではないか」との認識を示し、「様々な思想・信条の方がいらっしゃる。客観的で、必要最小限のものをできるだけ早く展示したい」と話した…と及び腰。長らく「731部隊」の存在すら否定してきた政権与党の意向に忖度した発言であろう。

 731部隊による人体実験や細菌兵器の開発・実戦への適用に関しては日本だけではなく、アメリカによる隠蔽工作もあって、なかなか公然の事実とはなっていない。しかし旧ソ連時代に撮影された731部隊員への裁判における記録などがNHKで放映(2017)されるなどしたため、もはや、731部隊の存在自体は疑えまい。ただし人体実験などの証拠となる記録類のほとんどは現地(中国)や日本で廃棄され、廃棄されなかった記録類はアメリカ軍が隊員たちから没収の上、アメリカに持ち去られてしまったと思われる。現在もその多くがアメリカ国内で秘匿されていると考えて差し支えあるまい。したがってアメリカにある資料の公開が進まない限り、日本での展示会が「教科書や裁判で公的に認められている」ごくわずかな事実に限定されてしまうのは現状としては仕方あるまい。

 問題とされるのは日本側の敗戦時における組織的な証拠隠滅の動きとアメリカ側の卑劣な日本側資料の隠匿行為の二点である。

 

・国策協力を促し挙国一致を目指した代表的なスローガン(年代順)

1940年「贅沢は敵だ

1941年「生めよ殖やせよ国のため」「進め一億火の玉だ」

1942年「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」「欲しがりません勝つまでは

1943年「撃ちてし止まん

1944年「鬼畜米英」「一億玉砕」「神州不滅

 ⇒圧倒的な物量を誇るアメリカに対し、明らかに無謀な戦争であったが・・・

 開戦直前の8月に陸軍の諜報担当岩畔大佐は綿密な調査データをもとに日米開戦の

無謀さを東条英機ら軍首脳に訴えていた。「アメリカの物的戦力表は、以下の日米の比率で明らかでありましょう。鋼鉄は1対20、石炭は1対10、石油1対500、電力は1対6、アルミ1対6、工業労働力1対5、飛行機生産力1対5、自動車生産力1対450であります」と数字をあげ「もし、日米が戦い、長期化したら勝算は全くありません」と付け加えた。だが大勢は、参謀本部での会合でも「日米開戦は避けがたい」というのが堂々と述べられほどで、岩畔が「勝算があるのか」と反問すると「もはや勝敗は問題ではない」という暴論がかえってきた。非戦論の多い海軍もやがて主戦派の抬頭となって不調に終わり、岩畔は天を仰いで嘆いたという。

 何も知らずに軍部が開戦を主張していたわけではなかった。物資の不足は指導者達にとって誰の目にも明かだった。だからこそ日米開戦前から「贅沢は敵だ」とし、国民に節約を奨励する必要があったのだろう。不足するのは物資だけではなく、兵員と労働力も足らなくなる。やがて学生、さらには児童生徒まで勤労動員され、「生めよ殖やせよ・・・」と国策として子沢山が奨励されていくのである。

 開戦前に備蓄していた石油は約2年分でしかなく、戦争が3年目に突入した1944年、既に日本には勝ち目が無かった。サイパン島陥落による本土空襲の本格化を前に大本営はほぼ万策尽きていたと言える。しかし戦争が終わったのはその1年後の1945年8月であった。なぜ無謀な戦争を続けてしまったのかが問われる。

Q.なぜ、当時の日本は勝ち目のない戦争を続けてしまったのだろう?

【アフレコ】疎開先に紛れ込んだ非国民

 【公式】大チャンネル  2022/08/06 1:56

 さすがに授業で利用するには勇気が必要な動画であるが、当時の空気感と現在の空気感の違いをお笑いを通じて分かりやすく伝えてくれる点で有益。

【アフレコ】赤紙をちゃんと断る非国民

 【公式】大チャンネル  2022/07/11 2:07

 これも毒がある動画なので取り扱いに注意が必要。

[NHKスペシャル] 日米開戦はなぜ避けられなかったのか | 新・ドキュメント太平

 洋戦争 1941 開戦(前編) | NHK   2023/08/10 11:47

 岩畔大佐の報告などを基に陸軍首脳は1941年3月18日の段階でアメリカとの戦争は勝ち目がなく、出来る限り対米戦回避を図ることが決していたはずなのに、なぜ、東条英機らは開戦に踏み切ったのか…

 

【特集】終戦76年 戦争は正しい道ー 13歳の僕はなぜそう信じたのか

 中京テレビNEWS 2021/08/16 8:26

[NHKスペシャル] 大東亜共栄圏占領下の人々の本音は 東南アジアで揺らぐ日本

 の統治 | 新・ドキュメント太平洋戦争 1942 大日本帝国の分岐点(後編) | NHK    2023/08/07 13:33

 「大東亜共栄圏」の美名のもとに何が行われていたのか、確認しておきたい。

参考記事

「我々は標語に支配された」戦時中の数多くの国策標語『欲しがりません勝つまで

 は』...民衆巻き込んだ"国後援の標語公募" 毎日放送 2022/08/18

 関連する動画も視聴できる。

 この辺りの視聴覚資料は画像としてネット上に豊富に存在しているが、著作権を考慮してここでは掲載しない。可能な限りご自分でネット検索していただきたい。特に戦時中の子ども向け雑誌「幼年倶楽部」、「少国民の友」、「少年倶楽部」、「少女倶楽部」や「主婦の友」の表紙、国策協力の企業広告、国民学校の教科書、軍事教練の様子などはパワーポイントを用いてそれぞれよく精選した上で是非、視聴させたい資料である。

参考文献

・「帝国日本のプロパガンダ~「戦争熱を煽った宣伝と報道~」貴志俊彦 中公新書 

 2022

 近代日本の戦争に関わるプロパガンダ政策を概観するのに便利。

・「大東亜共栄圏のクールジャパン~「協働」する文化工作~」大塚英志 集英社新

 書 2022

 下意上達、草の根ファシズムの観点も加えた、かなりマニアックな論考。

 

Momotaro's Sea Eagles 1943 B&W 37 mins 2016/07/06 36:37

 アメリカ人を鬼(「鬼畜米英」)、オアフ島を鬼ヶ島に見立て、子供達に馴染み深かった桃太郎の鬼退治の話を借りて太平洋戦争勃発、日米開戦の意義を子供に理解させようとしたプロパガンダ映画。ウィキペディアによると『桃太郎の海鷲』(ももたろうのうみわし)は、日本政府より国策アニメ映画製作の命を受け、1942年に藝術映画社で製作され、戦時下の1943年3月25日に公開されたアニメ映画。日本初の長編アニメ映画といわれることがある。全編、視聴させる必要は無い。

 続編の『桃太郎 海の神兵』は、日本の海軍省より国策動画映画製作の命を受けて1944年に松竹動画研究所によって製作され、戦時下の1945年4月12日に公開された長編アニメ映画(白黒、74分)。

※「少年倶楽部(しょうねんくらぶ)」は、1914年(大正3年)に大日本雄弁会(現・講談社)が創刊

 した少年月刊誌。「少国民の友」は1942年(昭和17年)2月の太平洋戦争による戦時統制下で創刊さ

 れた。おもな執筆陣は新美南吉、横山隆一、長崎抜天、小松崎茂、蕗谷虹児、清水崑、山川惣治、

 田準一、北村小松、サトウハチロー、林芙美子、大原富枝、吉屋信子、井伏鱒二下村湖人壺井

 栄、坪田譲治、大佛次郎、武者小路実篤、北川冬彦ほか。

作業!言論人、芸術家の戦時中における発言と戦後の動きについて調べてみよう。

 

 明治以降、多神教の持つ寛容の精神を捨てて神道を天皇のみ「現人神」として一神教のように奉じてしまった学校教育のツケがもたらした悲劇の一つとして沖縄戦も捉えておくべきなのではないか。また周りの意向を「忖度」し「空気を読む」、同調圧力の強い日本社会の息苦しさが弱い立場の人々を崖っぷちに追い込んでしまった日本社会の怖さを警戒しておく必要もあるだろう。

 「鬼畜米英」と叫ぶ日本に対してアメリカも負けてはいない。「リメンバー パールハーバー」の合い言葉の下に日本人を「Yellow Monkey(Dogとも)」と蔑んでは以下のようなプロパガンダを行っている。

作業!戦時中のアメリカにおける対日プロパガンダの画像を集めてみよう。

1942年のアニメ「スーパーマン」(youtube視聴) 8:52

戦争中、アメリカは日本をどう感じてた? BrooklynTokyo 2022.1.2 

 13:40

 出っ歯でメガネをかけた、強欲で残酷、嘘つきで卑怯者としての日本人に正義の味方スパーマンが鉄槌を下す展開。ディズニーもミッキーマウスやドナルドダックを登場させて、日本本土空襲を目指すアメリカ政府の政策に沿ったプロパガンダアニメを制作し、政府から経営上の利益を得ている。

ここが変だよ日本人『戦争で国のために命をかけること』

 BrooklynTokyo 2021/12/09 31:51

 日米の個人主義と集団主義について討論してみたい。

【制能権】あなたの意見って何だ?自由意思はある?脳をハックするハイブリット

 戦争と情報社会 2022/05/19 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】

 34:26

 「智能化戦争」を仕掛けてくる中国への脅威が増してきた現在、「制脳権」という言葉が脚光を浴びてきている事の重大さに気付きたい。「洗脳」に弱い国民性を持つと考えられる日本国民にとってきちんと正対すべきテーマであろう。敗戦によって「マインドウォーズ」の恐怖を痛感したはずの日本人が戦後、どれだけその事を反省できているのかが、未だに問われている。SNSの普及にともなって生まれてきた「エコーチェンバー」「フィルターバブル」という新規な言葉の現代的意義に注目したい。視聴時間が長いので幾つかに区切りながら、その都度、丁寧に議論していく必要があるが、極めて重要な番組。

戦争はマスメディアが作り出す!?人々を洗脳する「戦争広告代理店」とは

 原貫太国際協力師 2021/04/21 16:36

【知らないとダマされる】なぜ大衆は戦争に煽られてしまうのか?(前半)

 2022/03/25 原貫太・フリーランス国際協力師 13:28

【戦争は嘘だらけ】プロパガンダはどう作られるのか?10個の法則を解説

 2022/04/01 原貫太・フリーランス国際協力師 21:59

戦争で「広告代理店」が儲かるのはなぜ?【情報操作の闇】

 2022/04/09 原貫太・フリーランス国際協力師 17:13

【賛成420票vs反対1票】たった一人で「戦争反対」を唱えた女性議員の

 物語 2022/04/21 原貫太・フリーランス国際協力師 13:24

 ※参考記事

  ◎沖縄戦、新版教科書は集団自決の日本軍関与触れず 市民団体調査

   毎日新聞 によるストーリー 2023.6.22

 今も戦争は金儲けであり、核兵器を独占しようとしてきた安保理の常任理事国に拒否権が有る限り世界平和が訪れる事は無い・・・のかもしれない。実際、沖縄の各地に基地を設けて占拠しつつ、アメリカでは今もこんな惨いゲームで遊んでいる。

作業!沖縄戦をネタにした外国のゲームの画像を見つけてみよう(日本では発禁)。

※首里城攻防戦の場面で燃えているのが守礼門。ときおり日本兵が映画「ハクソー・リッジ」と同様に

 「天皇陛下万歳!」と叫んで銃剣を手に突撃してくる。

 

その3.沖縄戦~学校とマスコミ~

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

皇民化教育の徹底と戦時中の報道統制が生んだ沖縄の悲劇

・戦時中のプロパガンダ

参考記事

音楽と戦争の「深いつながり」とは?歴史学者に聞く 上田誠二・日本女子大准教授

 #戦争の記憶47NEWS 2025.8.21

 NHKの朝ドラ「エール」(2020)でも話題に挙げられた音楽界における戦争責任の問題。他には見聞することの難しい貴重な記事である。

【戦後80年】NHKスペシャルで話題に本誌が報じた昭和16年「総力戦研究所」が 

 予言していた「日本必敗」の道筋 SmartFLASH 2025.8.19

 ここでポイントとなるのは政府首脳が日米開戦によって間違いなく日本は敗戦の結末を迎える、という予測を様々な統計的データに基づいてこれでもかと突きつけられていたこと。にもかかわらず彼らが日米開戦を決した理由であろう。

 緒戦におけるドイツの快進撃に酔いしれ、「バスに乗り遅れるな」という合言葉に閣僚たちはまんまと乗せられてしまったのだろうか。だとしたら国際情勢への彼らの読みが甘過ぎたというほかあるまい。あるいは接戦となった日露戦争の奇跡的勝利の記憶が閣僚たちの判断を歪めさせてしまったのか。はたまた最優先していた国体護持のためには日中戦争の継続が不可避だったからか。それとも米英への激しい敵愾心を執拗に植え付け、日米開戦やむ無しと国民に思わせんとする洗脳策の効果が余りにも絶大であったため、戦争回避という選択肢の可能性を政府みずから潰してしまっていたからか。

 生徒たちにできるだけ多くの要因を考えさせたい。

参考動画

連勝に国民熱狂も…“国策映像”の裏に隠された敗北 映像は戦争をどう伝えた【報

    道ステーション】 ANNnewsCH 2025/08/15 9:17

    軍部が国威高揚のために様々な報道規制を行い、国民を騙し続けた動きが簡略に示されていて分かりやすい。まずは「日本ニュース」の果たした役割を整理させたい。

“破竹の快進撃”隠ぺい・捏造…なぜウソは膨れ上がったのか 映像は戦争をどう伝

    えた【報道ステーション】(ANNnewsCH 2025/08/16 17:42

    やや突っ込みが甘いが、最低限の事は触れている。ただしこの動画だけでは役に立たないだろう。上の動画を補足するために一部、視聴させたい。

戦渦の「学校日誌」奪われた日常…80年前の現実【バンキシャ!】

    日テレNEWS NNN  2025.8.3 9:28

    学校の兵営化、軍事工場化が米軍機の襲来を招き、多くの教職員や児童生徒の命を奪うことにつながった。軍事教練の導入も学校の軍隊化に一役買っていただろう。

 学校日誌には毎日、御真影に関して「御安泰」などとその安否を記す箇所が設けられていた点も興味深い。小磯内閣の打ち出した本土決戦作戦は、当然のことながら児童生徒をも戦争に巻き込む狂気の作戦であり、この狂気の作戦を現実のものとした国民の精神的な基盤には「一億火の玉」といったマスコミが流すスローガンや国民学校での錬成教育があったに違いない。国体護持のためにはすべてを犠牲にする覚悟が国民全体に刷り込まれていたのである。天皇制の罪深さを思わずにはいられない。

太平洋戦争末期に兵士不足により招集された14歳以上の少年兵「鉄血勤皇隊」の実

    態とは? 春日陽のレトロ近現代史 2025/04/09  25:44

 やや視聴時間は長くなるが、生徒たちと同じような年代の少年たちが過酷な戦場に動員され、多くの犠牲が生じていたことは知っておきたい。少年たちの戦地動員の背景に何があったのか、要領よくまとめられている。沖縄戦学習の導入部で視聴させておきたい。

戦中の日本に張り出されていたプロパガンダ・ポスターには何が書かれてのか?  

    春日陽のレトロ近現代史 2025/03/22  24:18

戦時中のトンデモないスローガン・国策標語9選

    春日陽のレトロ近現代史 2024/06/15  25:22

 以上の二つの動画は必ずしも授業で視聴できなくとも興味深い内容が多く含まれており、資料として十分に活用できる。戦時中の代表的なスローガン、プロパガンダを知るにはうってつけの動画。ただしナレーションなどに読み間違いなどが目立つので事前のチェックは欠かせない。

【終戦企画】戦時下の戦争アニメ映画

 小林彩のほんのり昭和回顧  2024/08/10 19:35

 やや視聴時間が長くなるが、戦時中のマスコミ、学校の果たした役割をつかみ易いだろう。ぜひ授業で利用したい。

こうして権力者は戦争を始める【プロパガンダの法則】

    原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/02  16:51

いま戦争が始まったら、あなたはどう「心理操作」されるのか?【プロパガンダの

    法則】 原貫太・フリーランス国際協力師 2024/11/05  17:02

    ここで示されている戦争を始めるための四つのプロパガンダは他の戦争プロパガンダに関する動画の内容と結び付けて生徒たちに考察させてみたい。特に戦争プロパガンダにおいてマスコミだけではなく、学校が果たす大きな役割にも注目させたい。

戦時中の少年少女倶楽部【雑誌の昭和史】

  小林彩のほんのり昭和回顧 2025/03/19 19:41

 戦時色の強いイラストは資料として印刷し、授業で配布しても良いだろう。

【終戦企画】戦時中のプロパガンダソング【歌謡の昭和史】

 伊東彩のほんのり昭和回顧 2024/08/15 20:07

 3曲、紹介されているが、授業では2曲目の「爆弾位は手で受けよ」だけ視聴してみたい。この曲だけなら解説が4:25~7:20、曲が13:25~16:20で視聴時間は計6分弱となり、授業中に利用しやすい。

【終戦企画】昭和20年の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧2024/08/09 21:20

昭和19年の日本の戦争映画【映画の昭和史】

    伊東彩のほんのり昭和回顧 2025/02/21 25:57

 伊東氏の動画はいずれもバランスのとれた解説であり、授業において安心して視聴できるものだと感じている。やや視聴時間が長いが、アメリカの映画なども紹介していて大いに参考となるだろう。

 

・ウクライナ戦争から見えてくる戦争の実際

ウクライナのロシア領侵攻をどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2024/08/21  5:43

 短いが非常に興味深く、刺激的なインタビューであり、ぜひ授業で視聴させたい。ここから日本人である私たちはどんな教訓をくみ取れるのか、問うてみよう。

【これまでの反政府運動と違う】プーチン政権を公然と批判する動員兵の妻たち”プ

 ーチ・ダモイ”に広がる共感 ロシア当局が彼女たちを弾圧しない理由とは

 【クロ現】| NHK   2024/04/15 10:08

 戦争を続けようとする国家を動かすために国民は何ができるのか、独裁者は戦争中、どうふるまうのか、など考える上でヒントとなる動画だろう。

ナワリヌイの死 ロシア人にインタビューしてみた  2024/02/19  4:22

反プーチン急先鋒…ナワリヌイ氏“謎の獄中死” 専門家が読み解く「3つの可能

   性」【スーパーJチャンネル】ANNnewsCH  2024/02/19 5:01

 上の二つの動画を視聴させてロシアでの政治についてどう思うか、日本の戦前との比較(小林多喜二の拷問死)や日本のマスコミの現状も念頭に置きたい。

反対派の「不審死・牢獄入り」をロシア人はどう思う?

 ロシア人にインタビューしてみた 2022/09/20 6:34

ロシアは、敗けますか?

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2023.6.11 6:14

9人目のロシア実業家の不審死が確認された直後のインタビュー。ナワリヌイ氏、

 ムラトフ氏への襲撃も噂されるが、ロシア人の反応とは。2022年8月29日頃撮影

 非常に刺激的なインタビュー。質問する側も答える側も命懸けの緊迫感が伝わって

 くる貴重な動画。国家による言論弾圧がロシアでは一層強まっている。日本は今、

 国民の知る権利が十分保障されているのか、きちんと点検すべきである。キナ臭く

 なってきた現在だからこそ、是非視聴させたい動画。

【制能権】あなたの意見って何だ?自由意思はある?脳をハックするハイブリット

 戦争と情報社会 2022/05/19 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】34:26

 「智能化戦争」を仕掛けてくる中国への脅威が増してきた現在、「制脳権」という言葉が脚光を浴びてきている事の重大さに気付きたい。「洗脳」に弱い国民性を持つと考えられる日本国民にとってきちんと正対すべきテーマであろう。敗戦によって「マインドウォーズ」の恐怖を痛感したはずの日本人が戦後、どれだけその事を反省できているのかが、未だに問われている。SNSの普及にともなって生まれてきた「エコーチェンバー」「フィルターバブル」という新規な言葉の現代的意義に注目したい。視聴時間が長いので幾つかに区切りながら、その都度、丁寧に議論していく必要があるが、極めて重要な番組。

【ベストセラー】「テレビは見るな! 新聞は取るな! (日本の真相!) 」を世界一わか

 りやすく要約してみた【本要約】 2022/05/11 本要約チャンネル 33:50

 この本自体がただのデマなのか、直ちに確認すべきであろう。

戦争はマスメディアが作り出す!?人々を洗脳する「戦争広告代理店」とは

 原貫太国際協力師 2021/04/21 16:36

【知らないとダマされる】なぜ大衆は戦争に煽られてしまうのか?(前半)

 2022/03/25 原貫太・フリーランス国際協力師 13:28

戦争で「広告代理店」が儲かるのはなぜ?【情報操作の闇】

 2022/04/09 原貫太・フリーランス国際協力師 17:13

ウクライナ危機で大儲けする「軍需企業」とは!?

 2022/04/22 原貫太・フリーランス国際協力師 16:15

【メディアの黒歴史】戦争反対を訴えていた新聞が180度方針を変えた話

 2022/04/15 原貫太・フリーランス国際協力師 14:36

メディアが「戦争の真実」を伝えられない本当の理由

 2022/04/06 原貫太・フリーランス国際協力師 14:42

【先進国最下位】日本の「報道の自由度」が低い3つの理由

 2022/02/05 原貫太・フリーランス国際協力師 13:30

元CIA諜報員がプーチン氏の心を読む(2022年5月7日)

 2022/05/07 ANNnewsCH 11:39

 侵略戦争を行う国家のあり方についてはウクライナ侵攻を強行したプーチン政権を

 具体例にして理解できるだろう。習近平政権と類似した洗脳政策は中国による台湾

 侵攻、尖閣諸島占領が現実に起こりうることを示唆しているかも。

【賛成420票vs反対1票】たった一人で「戦争反対」を唱えた女性議員の物語 

 2022/04/21 原貫太・フリーランス国際協力師 13:24

知って欲しい、教科書で“いま”何が起きているのかを/映画『教育と愛国』予告編

 2022/03/22 moviecollectionjp 2:16

映画「教育と愛国」が示すもの 「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚

 代さん 2022/04/13 毎日新聞 5:44

【白井聡 ニッポンの正体】~映画 「教育と愛国」 から考える~ 歴史を私物化す

 る愛国者 2022/04/15 デモクラシータイムス. 1:27:00

 

参考記事

ロシアで「過激派」情報をネット検索しただけで…最大9300円の罰金、プーチ

    ン氏が法案署名 読売新聞 2025.8.1

佐藤優「ニッポン有事!」国家総動員体制の日本に似たプーチン大統領「教育と国

   益」論 アサ芸biz  2025.2.9

   ロシアの現状だけではなく、変な愛国論がまかり通る日本のネット社会も考え合わせると、戦時中の皇国民教育をただの過ぎ去った出来事として忘却してはいけない、現代日本への警鐘となっている点にぜひ注目したい。

「この8年間プーチンは国民を洗脳してきた」...政府系メディアに乱入した女性が

 捜査官相手に吐いた反戦抗議の「納得の理由」 現代ビジネス

 マリーナ・オフシャンニコワ によるストーリー  2024.5.10

「ウクライナ侵攻は住民保護」ロシアが刷新した「歴史教科書」に書かれた問題部

 分 アサ芸biz の意見 2023.8.15

ロシア、統一教科書で侵攻正当化 歴史教育見直し進める

 共同通信社  2023.5.15

 この記事は討論のネタに使えるだろう。突っ込みどころ満載で利用価値は高い。特にプ-チン発言のどこに突っ込みを入れるか、まず問うてみたい。また中国のネット上でのコメントも突っ込み材料豊富。国定教科書の怖さと検定教科書の危うさを知っておきたい。他方で戦争に関する日本の教科書の記述がどこまで信用できるのか、生徒にアンケートをとってみたい。

プーチン氏「日本人は教科書に真実を書かない」=中国ネット「ユーモアある」

 「そもそも教科書には…」 Record China 2022/10/31 21:46

参考動画

幼い子どもが軍服姿で「奉仕できます!」ロシアで加速する“軍国教育” 高校生の

 軍事訓練映像を独自入手【戦争と子どもたち】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2023/08/12  9:39

 上の参考記事と併せて学校と戦争との関係を考えさせたい。ロシアでの軍国教育を例とすれば、比較的、意見が出やすく、導入にうってつけの動画。かつての国民学校での教育と非常によく似ており、この動画から日本の学校教育の問題へとつなげていく展開がオススメ。

戦死者数わかってますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 2022.10.1 9:19

今でもTVを信じてる? 若いロシア人にきいてみた。

 2022/10/16 ロシア人にインタビューしてみた 17:09

ロシアが負ける時、どうなりますか? ロシア人にインタビューしてみた 

 2022.10.21 11:01

 戦争中の政府による報道統制が国民の認識を歪めてしまう現象は古今東西を問わず、どの国でも起こりうる危険な現象。知る権利、報道の自由が今の日本ではどれだけ保障されているのか、しっかりと調べさせた上で考えていきたい。いきなり日本を素材にすると反発も予想されるテーマなので比較的、意見を言いやすいウクライナ戦争は討論の素材としてはタイムリーであり、ぜひ授業で使ってみたい素材の一つ。

NHK | ロシア少数民族が集中的に動員され戦死者も 動員はジェノサイドだ

 ーチン大統領の狙いは? 少数民族ブリヤート人の苦悩| BSキャッチ 世界のトップ

 ニュース 2022/10/13 NHK 10:21

これからも、政治に無関心でいますか? ロシア人にきいてみた。

 ロシア人にインタビューしてみた 1420 2022.11.10 6:54

プーチンどう? 顔、声を隠してきく。ロシア人にインタビューしてみた 1420   2023/03/05  MOSCOW 撮影1月と2月 17:30

 匿名を条件にするとプーチンに対してかなり批判的な意見が表出してくる。

参考記事

ロシア国民はなぜ今も“間違いを犯した自国”を支持するのか。「国民感情」の国際

 比較から考える mi-mollet 加谷 珪一 の意見  2023.7.15

 重要な観点からの指摘。ただし日本の場合も教育や報道の自由度が極めて低い点に大きな問題があるだろう。対岸の火事、と悠長に構えている場合ではあるまい。

中村逸郎氏が警鐘 広島G7開催のタイミングでロシアが核攻撃の可能性

 東スポWEB の意見 2023.5.7

米小学校乱射を否定し巨額賠償命じられた陰謀論司会者、自己破産申請

 BBC News 2022.12.3

 陰謀論をまき散らしたトランプ政権下での出来事である。陰謀論の拡大は戦前の日本でも「満蒙は日本の生命線」などと言った危機感を煽るスローガンによって生じていた。近年ではウクライナ戦争でもこの手の陰謀論はネット上で種々観察できよう。ネット社会の進展もあって大統領や国家が平気で陰謀論をばらまく時代が来ている。瞬時に大量の情報が飛び交う中で信頼できる情報源を探すのは極めて難しい。確実に言えることは「情報の信頼性を確認できるまでは結論を急がない」事であろうか。多様な意見にじっくりと耳を傾けつつ、粘り強く自分なりに信頼できるデータを積み上げていき、データに裏付けされた意見を自らの力で構築していく…そうした姿勢を幾度もの討論を通じて繰り返し養っていくことが求められているようだ。

「辞めろ」「辞めない」の応酬で泥沼に…高市早苗の「放送法文書」騒動で、見落

 とされている“問題の本質” 文春オンラインプチ鹿島 によるストーリー 2023.4.4

堕落した大新聞ついに自ら“言論統制”の自殺行為 朝日新聞が社員の書籍出版を「不

 許可」日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2023.6.5

朝日新聞に著書“出版禁止”を出された社員が語る「新聞社の言論規制」調査で明ら

 かになった「臆病になる新聞」 SmartFLASH によるストーリー 2023.7.4

 

・少国民錬成教育の実際

日本軍が真剣に考えた愚策「松の油を戦闘機や戦車の燃料にする計画」を小学生た

 ちも手伝った 現代ビジネス 若尾 淳子 2025.8.20

 …戦前、日本は「神の国」でしたから神である歴代天皇の系譜を小3のときに暗記させられました。朝礼では毎朝、軍人勅諭の朗読があり「戦陣訓5ヵ条」というのを全校で暗誦しました。「軍人は礼儀を正しくすべし」「軍人は武勇を尊ぶべし」……「軍人は質素を常とすべし」だったかな。もちろん教育勅語も暗誦させられました。

 そのころ校庭には”奉安殿“という小さなお宮みたいなものがありました。当時はどこの学校にもあったのではないですかね。中には天皇皇后陛下(明治天皇と昭憲皇太后、大正天皇と貞明皇后、昭和天皇と香淳皇后)のお写真や教育勅語が納められていて、登校時や近くを通るときは、必ず最敬礼するのが決まり。奉安殿の横には二宮尊徳の像もありましたね。…

 貴重な証言だろう。学校教育が抱えている重大な戦争責任が、こうしたことからも少しは伺えるはず。

「死ぬための教育は、教育のまさに逆転現象」子どもたちを支配した軍国主義は教

 室だけでなく少年向け雑誌にまで【報道特集】

 TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー 2024.8.17

参考動画

“故郷を護るため”ゲリラ戦を強いられた沖縄の少年たち 戦後PTSDになり…閉じ込

    められた2畳の座敷牢【報道特集】

    TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/08/15  27:50

 少国民教育の実態を理解できる動画は数が極めて少ない中で、沖縄戦も視野に入れたこの動画は非常に貴重であろう。今の教師たちにもまだ学校の戦争責任を問い続けていく必要があるに違いない。とりわけ現在の日本の学校教育にはびこる行き過ぎた集団主義の恐ろしさはもっと強調されるべきだと思うが、いかがか。

初めて日本の電車に乗って北朝鮮の女性たちが衝撃を受けました...! 毎回止まる

   し、遅れたのに全く違う... IKITERU【イキテル】  2024/11/27  14:27

   ロシアだけではなく、北朝鮮でも国家による洗脳策が行われている。では日本の学校教育は大丈夫なのか、問い返したい。

反日教育について北朝鮮の友達から本音を聞いて泣いてしまいました...教わったこ

   とと全く違う日本 IKITERU【イキテル】 2024/11/29  24:56

   やや視聴時間は長いが、ぜひ生徒たちに視聴させたいイチオシの動画。国家が強制する学校教育の悪しき影響力を思い知ることは絶対に必要である。戦後の北朝鮮出身者の動きや拉致事件など、解説が必要なポイントが幾つかあるので視聴する前に解説文をプリントし、配布しておきたい。

長井暁×神保哲生:権力からの圧力で番組内容が歪められてしまうNHKのままでは

 いけない videonewscom  2023/07/22 1:02:02

 NHKが安倍政治による人事介入によって公共放送としての役割を果たすことが瞬く間に難しくなってきた経緯が分かる。マスメディアへの政治介入とマスメディア側の政府への忖度体質がしっかりと根付いてしまった日本の現状は異常であり、検定教科書制度含め、国民の知る権利への侵害(→「教育と愛国」)がどれだけ深刻なのか、まず知らなければなるまい。

山田健太×宮台真司×神保哲生:どうするNHK。これからも公共放送を続けたいの

 なら統治体制を根本から変えるしかない【ダイジェスト】

 videonewscom 2023/07/22  7:33

 授業で視聴するには中途半端な内容だが、フルバージョンの方を教師が予め整理しておき、足りない分を板書なり、プリント資料で補うならばOK。NHKの放送内容に政府が介入するという放送法違反が堂々と行われてきた事は重大であり、決して看過できない状況が続いていることに注目したい。

【高市早苗氏と総務省文書①】放送法の“政治的公平”を巡る問題…どんな文書が流

 出したのか?中田敦彦のYouTube大学 -  2023/03/28 29:49

【高市早苗氏と総務省文書②】流出した文書を徹底解説!テレビが政治にコントロ

 ールされやすいのはなぜか?中田敦彦のYouTube大学  2023/03/29 33:42

 安倍政治と日本の放送業界が抱えていた問題点(クロスオーナーシップ制、NHK会長の人選方法…)に対する理解は必要だろう。

 ※なお「アベノマスク」を巡る訴訟によって政府の隠蔽体質の根深さと業者によって2倍を超える不自

  然な単価が設定されていた事が判明(→アベノマスクの契約単価、調達業者によって2倍超の差 国

  敗訴で開示朝日新聞社 によるストーリー 2023.4.8)。国民の知る権利がしっかりと保障されて

  いなければ民主主義は機能不全になる虞があるだろう。

オリヴァー・ストーン製作総指揮!映画『すべての政府は嘘をつく』予告編

 2017/02/17 シネマトゥデイ 2:49

監視技術、米が日本に供与 スノーデン元職員が単独会見

 2017/06/01 KyodoNews 4:06

 ◎の二つの動画は質問を挟みながらも是非、連続して視聴させたい。戦争を巡っては何が真実かを私たちが知ることはほぼ絶望的であるという、恐ろしい現実とまず向き合うことから沖縄戦についても議論を始めるべきであろう。謙虚さを欠く、扇動的で断定的言論の多くは信用できない、と心すべきである。

【太平洋戦争】大本営よりサイパン玉砕の発表 直後の日本の様子【字幕付き】

   Tの宝探し冒険記  2024/08/09 7:28

 非常に貴重な動画であり、ぜひ視聴させたい。太平洋戦争での重大局面だったサイパン陥落直後の状況をうかがい知ることができるだろう。特に国民学校の場面では厳しい国家統制下での「やらせ」的情報操作、洗脳策が露骨に観察できる。学校とマスコミの戦時における役割について時間をかけて議論させたい。

【戦争報道】国民も加担?誰が主導したのか?日本には無責任がまん延?戦後より

   戦前にヒント?辻田真佐憲と考える|アベプラ

   ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2023/08/22  16:32

 特定個人の犯人捜しではなく、日本社会の制度や構造への眼差しがポイントになるだろう。天皇制という特殊な体制がもたらした負の側面としての集団的指導体制が抱える無責任体質と村社会的相互監視システム、マスコミや学校教育…無謀な戦争を生み出した要素は数多く、複雑に絡み合って存在している。ただカッパはそうした負の側面を持つ戦前の体制、体質が一部、戦後も延命している点を問題視したい。それが戦後日本を戦前の日本に後戻りさせかねない危険因子だという点を授業では強調すべきではないか。いかがだろう。

【1940アーカイブス】戦後抹消命じられた「戦争ごっこ」 80年前の映像記

   録 朝日新聞デジタル  2019/05/05 1:34

   戦時中に流行った戦争ごっこは日本の敗戦後、なぜか一時期だけ復活している。それはいつのことで、なぜ、その時流行したのだろう?

沖縄戦•戦時前の舞台裏: 戦争支援組織の誕生と戦場に直結した暮らしはどのような

   ものだったのか? OKINAWA a la carte  2023/09/20  7:06

 貴重な写真を通じて民衆視点から戦時体制を概観できる。授業では必見の動画。特に戦時中における学校での様子がよく分かるだろう。

元学徒兵が語る 戦争前夜への危機感(沖縄テレビ)2023/6/19

 OTV沖縄テレビ  2023/06/22 7:11

 戦時中の報道統制と軍国主義的教育の危険性がよく分かる。

不都合な真実隠した歴史 沖縄戦に突き進んだ背景に迫る企画展

 沖縄テレビ によるストーリー 2023.6.9 1:03

【沖縄戦本島米軍上陸】米軍が沖縄本島に上陸して2日後にチビチリガマ(読谷

 村のガマ)で凄惨な出来事が起こりました。

 阿波根あずさの沖縄観光チャンネル  2021/10/23  18:35

揺らぐ① やんばるの戦争 民間人殺害の背景

 【琉球放送】RBC NEWS  2023/06/19 7:46

【ドキュメンタリー】「沖縄戦の縮図」といわれる伊江島~知られざる悲しい記憶

 ~令和こそ平和の時代に…日刊ゲンダイ 2019/05/01

 伊江島民泊を予定する学校では必見。沖縄で最も死亡率の高かった激戦地が実は伊江島であったことを知るべきだろう。

ドキュメンタリー 今も続く沖縄戦の傷「晩発性PTSD」QABドキュメンタリー

 扉2014 2014/03/02 

 全部で46分近くを要する。11分10秒までの視聴で可だが、教師としてはぜひすべて視聴しておきたい。

[クロ現+] 戦場のトラウマで精神疾患に 戦後も続く元兵士や家族の苦しみ |

  NHK 2021/09/24 

 5分に短縮されており、授業で利用しやすい。

[目撃!にっぽん] ずっと父が嫌いだった 家族が向き合う戦争の傷痕 | NHK 

 2022/01/25 6:35 

 戦争が心に残した傷跡は家族すら理解できない。

年間6500人自殺者も...米軍が抱える"深い闇"

 NEWS23 2012/02/19 6:06 

 戦争を繰り返してきたアメリカの闇を感じておきたい。

【平和教育】戦争の悲惨さどう伝える?原爆や沖縄戦ばかりで良い?「はだしのゲ

 ン」削除を考える|ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/23  16:45

【戦後76年】被爆者なき時代を見据え「実物展示」に転換 広島・原爆資料館【報

 道ランナー】関西テレビNEWS   2021/10/01  13:55

 こだわるべきは実物展示そのものではあるまい。「展示物」が何を物語るのか、そこにどんなストーリーが隠されているのか、今、読み取れることは何なのか…物との対話力こそ、問われているはず。見る側の想像力を多様に刺激する展示の仕掛けをどう工夫していくかは、技術的な進歩や人々の価値観の変化にも左右されるだろう。資料館に「完成形」などあろうはずがない。ひめゆり平和祈念館にも通じる、新たな展示のあり方を常に模索する姿勢が大切だと思うが。

昔話】さるかに合戦&桃太郎にもコンプラの波?ストーリーもオチも全然違う? 

 ひろゆきと考える ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/02/19  19:54

 伝承は時代や地域の在り方とともに変わっていくものであり、現在の価値観が反映されていく事自体は問題ではない。とはいえ「はだしのゲン」の教材からの削除はまた別の問題をはらんでいるかもしれない。この作品を通じて色濃く漂っている作者の鋭い天皇制批判、戦争責任への執拗な追及の姿勢が教育行政側からは早くから問題視されてきた。実際、30年以上前のことであるが、中沢氏の講演が千葉県教委の指導で取りやめになっている。ついに広島県でもそういう時代になってしまったのか…

・チビチリガマとシムクガマ(読谷村)の明暗

戦世から80年 チビチリガマ 真実明らかにした調査(沖縄テレビ)

 2025/4/04 沖縄ニュースOTV 2025/04/10 14:57

 読谷の住民の間でタブーとされていたチビチリガマの集団自決(集団死)を戦後38年にして掘り起こした下嶋氏の取り組みに感謝したい。戦前、戦時中の学校教育こそが最大の加害者であった、という沖縄の人々の思いを今のヤマトンチュはどこまで汲み取ることが出来るのか、ぜひ、考えておきたい。

 なお、動画内で登場した知花昌一氏は1987年10月26日、読谷平和の森球場において開催された第42回国民体育大会のソフトボール競技会の開会式で、掲揚台から日の丸を引き下ろし焼き捨てたことで有名。1995年の控訴審判決において、建造物侵入罪・器物損壊罪・威力業務妨害罪により懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定している。このことの是非についても議論させたい。

 戦前、戦時中の学校教育には「生きて虜囚の辱めを受けず」とする東條英機の戦陣訓や「鬼畜米英」をスローガンとする欧米への敵愾心の醸成など、集団自決に強く結び付く内容があったことは厳然たる事実。ならば戦後、日本の学校教育はどう変われたのか、変われなかった事とは何か、冷静に振り返ることが必要であろう。

戦後70年の地平から「2つのガマから見えるものは」
 RBC 2015/05/04 6:41

 チビチリガマとシムクガマの運命を分けたものとは何だったのか?ウソをつき続けた当時の戦争指導者や学校とマスコミの責任は重い。
【戦争を知る】集団自決・運命を分けた2つのガマ ~日テレ戦争アーカイブス~ 
 2021/08/13 11:42

 沖縄戦の悲劇として知られるチビチリガマ(読谷村)での集団自決(1945年4月)は親が子を殺すという、凄惨なものだった。村人の総人口194名のうち139名がガマに入ったが、自決者数は83名(85人とする場合あり)、死亡率は60%に上り、その過半数が子どもであった。サイパン島陥落の際(1944年6~7月)にも、投降を嫌って断崖から多くの人々(1万人余)が投身自殺していた。しかしチビチリガマ近くのシムクガマではハワイ帰りの住民が必死に住民を説得し、米兵と交渉したお蔭で1000人近くの村人が全員米軍に投降して生きながらえることが出来ている。

 ※参考記事

  ◎沖縄戦、新版教科書は集団自決の日本軍関与触れず 市民団体調査

   毎日新聞 によるストーリー 2023.6.22

 

 

㊻千葉県の公教育はオワコン?

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

千の葉の先生たちの一歩目【千葉県教員採用プロモーション動画】

 千葉県公式PRチャンネル 2025/01/15 8:57

 この動画の薄気味悪さに辟易するのは私だけだろうか。教師不足に対応するために教職の魅力を分かりやすく動画で発信する、というコンセプトは多少ともその意図を含めて分からなくはない。が、やはり現役の教師たちが徐々に募らせてきた学校教育への不安や不満、苦悩とまったく向き合おうとしない県教委の、相も変わらぬ無責任で厚顔無恥な姿勢ばかりが目立つ動画…などと感じてしまうのは、はたして私のヒガミ根性が過ぎるのだろうか。

 これらの動画を視聴していると、なぜ今、教師不足が生じているのか、その原因について県や市(千葉市も同様な動画を発信している)がまともな分析をしているようには到底思えない。そもそも現状として、今の若者たちに教職の魅力が広く理解されていない…などとはどうみても思えないはずである。

 多くの教師たちはこれまでも児童生徒の力になろうとして悪条件の下でそれなりに奮闘してきたはずである。それを10年以上の長期間、児童生徒の立場で教師のすぐ傍から見て育ってきた今の若者たちは、当然のことながら教職の魅力、やりがいについてそれなりの理解を持っている。そうでなければ児童生徒の将来就きたい職業の上位に長期間にわたって教師が登場し続けるわけがない。

 明らかに教師不足の問題は若者たちの教職のやりがいへの無理解、無知にあるのではない。したがってこの程度の薄いつくりの動画で既に分かり切ったことを敢えてプロに依頼して動画編集を重ねても、教員志望者数を増やす面での効果はほとんど期待できまい。いや、これはむしろ美辞麗句を連ねたブラック企業の新入社員募集広告に酷似する、詐欺まがいの怪しさすら漂っている。一言でいえばまさに前途有望な若者たちをたぶらかす、悪質な詐欺広告に過ぎまい。

 どうやら動画に実名で登場する二人の新人教師たちは自分たちの勤務校までネット上に晒されている恐ろしさにまだ気づいていないようだ。初任なので彼らがその恐ろしさに気付けないのはある程度仕方ないのだが、そうした彼らの無知さと立場の弱さに付け込み、ただの詐欺まがいの広告に利用する教育委員会の狡猾さには怒りしか覚えない。

 管理主義教育先進地で悪名高い千葉県のことである。数年後、彼らは厳しい労働環境に耐えかねて早くも休職や退職に追い詰められているのかもしれない。いや、さほど遠くない将来、彼らが自分たちの動画を一刻も早くネット上から削除して欲しいと願う日さえ来るかもしれない。

 なぜならば小学校に赴任した女性教師は初任であるにもかかわらず、いきなりクラス担任を任されている。初任者研修の厳しさからすればこれは決して好ましくない人事であり、初任をいきなりクラス担任に据えることは本来、学校として極めてみっともない人事であるし、決して世間に晒してはならないはずの異常で残念な事態であるべきだろう。公にされたら恥ずかしいレベルの人事が千葉県の場合、平然とネット上でさも自慢げに晒されている…これは残念極まるこのような異常な人事がこの地では既に常態化している証拠なのである。こうした「恥知らず」の人事が横行しているのは間違いなく木更津市だけではあるまい。

 そして男性の高校教師の方は県内でも有名な教育困難校に、可哀そうにも初任で赴任している。こうした初任教師に対する慎重な配慮の欠片も見られない人事は、ベテラン教師が異動先として嫌がる困難校での人手不足を無理やり補うべく千葉県でも古くから常套手段と化していた。これもまたどんな赴任先でも「ノー」とは言えない初任者の弱い立場に付け込んだ卑劣な人事というほかない。ところがこれも常態化してしまっているがゆえにその異常さ、卑劣さに県の誰もが気付けていない。

 非常識な異常事態を常識的人事であるかのように押し付けてくる、恐ろしい教育風土が千葉県には根深くかつ幅広くこびりついているのだ。そしてそうした残念な人事が千葉県の公立高校では一切の反省すらされないまま、いまだに横行している…という極めて情けない実状を千葉県自ら「恥知らず」にもネットを通じて堂々と全国に晒しているわけである。あまりの厚顔無恥さに呆然とする他あるまい。

 千葉県や各市町村が学校の実情をどこまで直視し、学校のブラック化にどう対処していくつもりなのか…学校の労働環境の改善目標をいくつか的確に明示し、どのような見通し、スケジュールを持って事態の改善にどの程度まで真剣に取り組もうとしているのか…こうした事を赤裸々に開示し、一見キラキラした教職の魅力の裏側に隠された学校のブラックな実情への改善への道のりを教員志望者に対してしっかりと示していく…この事こそ、今の若者が教育委員会に対して真に求めている情報であると思うのだが、いかがだろう。

 こんなゴマカシ動画が今もまかり通ると信じている教育委員会の方々、若者を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。

参考記事

公立高のバリアフリー格差、調べた千葉の高校生「こんなに違うなんて」 エレベー

    ター設置率が東京と段違い 東京新聞 2025.7.6

 東京都立高・中等教育学校は85.9%、埼玉県立高の設置率は29.1%、神奈川県立高・中等教育学校は32.4%、千葉県立高では14.8%らしい。…東京と3県との格差について、千葉県教委の担当者は「財政的な違いではないか」と推測。2028年度までに設置率40%を目指し、車いすの生徒がいる学校への優先設置や、初期費用を抑えられるリース方式で導入を進める…らしい。

 千葉県教委の担当者のおとぼけぶりには怒りを覚える。「財政的な違い」だけで埼玉の29.1%と千葉の14.8%、すなわち倍近くの格差をはたして説明できるのだろうか。県教委においては財政的格差以上にバリアフリーへの意欲に格差があったに違いない。相変わらず上辺だけ改革するふりをして、その実、面倒なことは学校現場に丸投げして平気な千葉の公教育の伝統が見事にこの格差に表れている、と思うが、いかがか。

    他の46道府県と最初からケタ違いに財政状況の違う東京都なんかと比べるよりも、財政規模にさほど大差ない埼玉との格差「2倍」にここは注目したい。財政の問題にすり替えてバリアフリー実現を埼玉よりも「2倍」サボり続けてきた、厚顔無恥で責任逃ればかりの千葉県教委こそが公教育における差別残存の黒幕である。

千葉県の小学教員倍率、平成以降最低1・5倍…欠員補充できない「未配置」など

    教員不足深刻化 読売新聞 2025.6.28

 都道府県によってはわずかながら試験倍率引き上げに成功したところもある。なぜ千葉県での倍率が上がらないのか、その理由はあまりにも単純であり、今更繰り返すまでも無いが、念のため最大のポイントだけ指摘しておこう。

    明確なレベルでの教員の負担軽減こそが第一の決め手である。初任にいきなりクラス担任を任せるような、思いやりの欠片も無い人事を千葉県は続けておきながら、大学生の「青田刈り」や試験のハードルを下げることで教員採用試験の倍率を上げようとすることがどれほど卑劣なイカサマに過ぎないか…そんな事は大学生でも自明のことだ。学生たちを馬鹿にするのもいい加減にしろ!

教員の病気離職者が、21世紀に入って右肩上がりに急増している

    ニューズウィーク日本版 舞田敏彦(教育社会学者) 2025.6.25

    ここ最近の若い教員の病気離職者の急増ぶりに注目したい。特に20代の病気離職者率は2000年度にくらべて2021年度は何と11倍を超える上昇を見せている。現在の大学生の教員志望者数減少と併せて考えれば、これはかなりの危機的状況と言って良いだろう。ただでさえ千葉県を含めて多くの都道府県では学校の中核となるべき40代後半から50代前半の教員数が相対的に少なく、かつ過去に大量に採用された60代の教師がここ数年の間に続々と退職してきている。この急速に拡大してきた教員不足の大穴を一体、誰がどう埋めるのか。

    穴を埋めるべく、若手をいきなり主任等に任命するといった、極めて安易で乱暴な校内人事はその副作用として若手教員の病気離職者を急激に増やしてきた…と私は考える。したがって今後、同じ轍を踏むことは許されまい。

 教師の数をすぐに増やすことはできない、若手で穴を埋めることもできない…となれば教師の仕事をできるだけ迅速にかつ大胆に削減するほかに手はないだろう。こんな状況で教員の給与をわずかばかり引き上げたところで、仕事の大幅な削減が進まぬ限り、何の効果も期待できないのは火を見るより明らか。今、文科省や千葉県教育委員会に、教員負担削減策断行に向けての決死の覚悟が求められている。

女子生徒に訪問看護師が付き添えるよう「検討する」 高校での利用断った千葉県教

    委、ガイドライン見直しへ 東京新聞 2025.4.17

    特別な医療的処置を必要とする生徒や日常的な介助や配慮を要するような障がいを持つ生徒の入学を認める方向で国家は今、全国の普通科公立高校にしっかりと働きかけているのだろうか…何はともあれ、相変わらずやる気のない千葉県教委はひたすらサボルことしか考えていないようだ。たかだか一人の訪問看護師の派遣すら文科省から言われるまでは検討すらしない。そのようなレベルの県教委に新しい取り組みを期待する方が間違っているのだろう。

 他方で教師の総意を無視して校長の独断で障害を持つ生徒の入学を続々と許可し、何らの人的サポートもロクにしないまま、担当の教師たちに丸投げする、無責任極まる校長の得点稼ぎを黙認してきた県教委…こんな矛盾だらけの無気力な組織にまともな事ができるとは思えまい。

「教員不足にオール教委で」杉野可愛・千葉県新教育長が抱負

   産経新聞 2025.4.2

 「教員の成り手不足対応や教育現場の働き方改革にはオール教委として、全力で取り組みたい。特に、県立高校を強化し、魅力ある高校にすることは優先課題だ。やれることは全てやる覚悟だ」と強調したらしいが、この発言にはどうにも不安しか感じない。特に太字の部分はむしろ恐ろしささえ、感じてしまう。「県立高校を強化」することが結果的には教師の労働強化、管理強化…すなわち学校のブラック化に直結しやしないか。この方の言う「教育現場の働き方改革」とは、実は県立高校のブラック化を一層推進することなのではないか。

 「無償化で県立高校が衰退し、逆に選択肢を減らすことにならないよう県立高校も引き続き、私立と変わらず魅力的な選択肢としてあり続けられるように力を入れて取り組む」とも語ったという。この方、本当に大丈夫だろうか。余計に心配を募らせる発言でしかあるまい。高校の無償化によって大阪府や東京都の様に公立高校が衰退してしまうのはもはや必然的ではないのか。他と違って千葉県だけがなぜ公立高校の衰退を免れると思えるのか、その根拠をぜひ具体的に示していただきたい。

 そもそも公立高校の魅力を一体、誰がここまで貶めてきたのだろうか。もしかすると教師たちにすべて責任転嫁するつもりだろうか。真っ先に「改革」されるべきは文科省であり、県教委の方ではなかったか…正直言ってこの方の発言、あまりにも無邪気過ぎて不安と恐怖しか覚えない。

   千葉県に限らず、まず看過できない悪性の症状として挙げられるのが各学校での正規教員の不足であろう。これに休職者や中途退職者数の増加も加わり、一人一人の教師にかかる負担は重くなる一方…という学校が特に義務教育中心に増えてきている。さらに教師志望者の減少も教員不足と学校のブラック化という事態の悪化を加速させているに違いない。しかも教員不足がさらなる休職者や退職者の増加につながるという、恐ろしい悪循環が生まれてきている現場もあるようだ。

 なお、教師不足の一因としては景気回復傾向がもたらした民間企業への就職志向の高まりに伴う若者の公務員離れが考えられなくもないが、それは主因というほどのものではあるまい。最大の原因と考えられるのは教育行政の画一的管理主義の息苦しさに加えて、止まることの無い仕事量の増大による学校のブラック化であり、それらがもたらした若者の教職離れであると考える。

 残業手当や休日手当がつかない部活動指導の過熱化、数が多過ぎる上にそれぞれが過重な負担となっている学校行事、不登校やイジメの多発とそれに伴う保護者対応の増加、新教科・科目の設置などによる仕事の量と難易度の上昇、説明責任を果たすためだけの記録作成等のアリバイ作り(管理職や教育委員会への報告書、提出書類の増加が顕著でその多くは煩雑かつ形式的なものに過ぎず、教師の力量を向上させることにはほとんどつながらない。つまりほとんどがブルシットジョブ)の増加、教育行政による教員への過剰な統制・管理強化がもたらす心身両面への重圧(教師の創意工夫を挫く無意味な官製研修の増加、授業内容・方法への過剰な介入等)、残業時間短縮による持ち帰り仕事の増大、年齢構成の偏りや管理職の能力不足による職務分担の不均衡、進路の多様化による進路指導の煩雑さ、職員会議の形骸化や教職の階層化などによる職員集団の分断と対立、教師の社会的地位の低下、管理職のパワハラや教師間のイジメの横行等々、数え上げればきりがない。

 こうした事態に対して文科省や都道府県教委は上辺だけの対症療法、その場しのぎの誤魔化しをひたすら繰り返してきた。教育行政による対応を医療行為になぞらえれば、高熱を発した患者に漫然と解熱剤を処方するだけの藪医者のようなものである。

医者の職務は本来、高熱の原因を様々な検査結果から割り出していき、症状を抑えるだけではなく、症状の主な原因となっている病気などを治療対象としていくべきであろう。しかし文科省、都道府県教委は教員不足という症状に対して、揃いもそろって教職の魅力をアピールし、採用試験回数を増やしたり、日程を早めたりして採用試験のハードルを下げることに専念してきた。

 もちろん文科省が「働き方改革」を推進して部活動の地域移行と残業時間の短縮を通じて学校のブラック化を押しとどめようとしているのも事実ではある。が、「持ち帰り残業」の問題などを見ると、学校現場ではさほどの効果をまだ実感できていないのではあるまいか。

 なぜ教職の魅力が低下してきたのか、教員が不足してきたのか、その原因には高熱の原因と同様、様々な要因が考えられるに違いない。ただ兎にも角にも教育行政側の最大の過ちは、その原因が自分たちにも少なからず存在する、という自覚を決定的に欠いてきた点であると思うが、いかがか。不登校の増加やイジメ事件の隠蔽、教員の不祥事の多発、教師の疲弊、授業における児童生徒の落ちこぼれ、吹きこぼれ…どれをとっても教育行政の過ち、不備に淵源する側面が大いにあるだろう。そのことの反省と改善を抜きに、ただ教師のやりがいと就職しやすさを追求しても、若者は二度と騙されないに決まっているのだ。

「部活も修学旅行も運動会も生徒会も廃止せよ!」教員の負担軽減で、学校が“AI

   教師に乗っ取られる未来   ダイヤモンド・オンライン 鈴木大裕 2025.3.17

   鈴木氏の考えをどう捉えるかで、学校教育の方向性はおそらく決定的に変わってしまうだろう。そうした点でこの記事には慎重な議論が必要である。

 個人的には「部活も修学旅行も運動会も生徒会も廃止せよ!」という発想がすっかりブラック化した日本の学校を立て直すにはどうしても必要不可欠だと考える。ただし生徒会は無くしてはなるまい…が、他の三つは今後、学校の業務としてはほぼほぼ不要である思うが、いかがか。

   この判断は日本の学校の現状をどう捉えるのか、学校教師は一体、何をなすべきなのか、学校は一体、どこまでの任務を担うべきなのか、をめぐる考え方によって決定的に違ってくるだろう。すなわち、鈴木氏の認識と私の認識とは以上の観点においておそらく決定的に異なっているのだと感じている。

 まず、鈴木氏も私も日本の教師たちがあまりにも多くの職務を背負い、極めて疲弊してきていると認識している点では一定程度、共通している。しかし鈴木氏と私とではこの状況がどれほど切迫し、もはや一刻を争うレベルに達しているのか、それとも多少のゆとりが残されているのか、といった切迫感において大きな差があるのではあるまいか。

 問題解決のために時間をたっぷりとかけても大丈夫なまでに、教師たちに余力が残っていると見れば、鈴木氏の考えに一理あるかもしれない。しかし私は教師たちに残されている時間的、精神的、体力的余裕はもはや底をついてきていると感じている。

   もちろん各教師が直面している状況には個人差、学校差、地域差が大きく、必ずしも一概には言えないだろうが、教職志望者の不足、中途退職や休職の状況などから見て、教師の働き方改革は既に一刻の猶予も許さない状況だろう。まずは部活動という教師たちの休日や放課後の時間を奪う最大の重荷こそ、一刻も早く取り去るべきであると私は考える。

   しかしそれは教師たちにただ楽をさせたい、という事ではない。かつてOECDの調査で指摘された、日本の教師たちの授業準備にかける時間の少なさはいまだに大問題である。この問題を部活動の廃止によって解消させ、より一層授業の充実を図り、授業という教職の本務におけるやりがいや達成感をもう一度教師たちに取り戻すことが最も緊急を要する大切な取り組みではないのか。

   もちろん部活動の持つ教育的意義は決して小さくはない。したがって児童生徒は学校外で部活動の体験を続ける事が必要だ。そのための施策は公民館の利用や統廃合されて使われなくなった学校の施設の再利用、民間施設の利用などが考えられる。

 指導者の不足は最終的に高校での体育や芸術といった教科を廃止して一日の授業時間を4~5時限に減らし、体育科や芸術科の教師たちを指導者に回すなどで補うしかあるまい。つまり部活動は鈴木氏が指摘するように誰かが大きな犠牲を払わなければ成り立たない業務である。だからこそ私は部活動を現状において今の学校教師が背負いきれる業務ではないと判断している。

 もちろん上に挙げた対策には法制度の改正などに時間を要するので、これまでと同様、当面は徐々に部活動を地域に移行していくしかないが、地域によっては受け皿の不足が生じてしまうのは不可避である。当分の間、学校、教師たちが請け負う部分は出てしまうだろう。また部活動の種目によっては多少、削減されてしまうのも仕方ないだろう。とは言え、今、何よりも優先されるのは目に見えるレベルでの教師たちの負担軽減であり、それを最優先すべきであると私は考える。

 教職志望者の減少と現職教員の減少、とりわけ正規教員の減少とが同時進行している現状は間違いなく、学校教育の崩壊を一気に加速する。今、まさに一刻を争う緊急事態であると私は認識している。たとえそれが児童生徒に極めて必要であり、成長するために役立つ業務といえども、その業務従事者自体が今後、致命的に不足してしまっては元も子もないのだ。

 さらに決定的な問題は日本の教員養成制度と教員採用制度、および管理職の登用制度にあると私は考えている。日本の大学における教員養成教育の実態は必ずしも学校現場で生じている各種問題や学校現場で要請される各種課題に向き合えるに十分な内容ではない、というのが私の考えである。もちろんこれには大学間格差が大きな問題として存在している。が、そもそも日本の教員養成教育の在り方自体に制度設計上の大きな欠陥があると私は捉えてきた。教員採用や管理職登用を含めたこの問題は別の箇所である程度論じているので、ここでは問題の所在を指摘するにとどめる。

 修学旅行や遠足、運動会、文化祭などの学校行事については当分の間、その多くを廃止すべきだろう。また入学式、卒業式なども簡素化すべきだと考える。もちろんそれらが児童生徒の成長にとって極めて重要であることは疑いようもない。しかし文科省がいつまでも迷走を繰り返し、グズグズしている内に事態はとうとう「ここまで」切迫してしまった。もはや「背に腹は代えられない」のだ。

 これまでのように文科省の失敗をひたすら学校現場に責任転嫁するのはもうやめていただきたい。「ここまで」事態を甘く見て問題をこじらせてしまった政府、とりわけ文科省の責任は「万死に値する」ほど重い。今、財務省解体を求めるデモが発生しているが、文科省もぜひ解体していただきたい…というのが疲弊しきった日本の教師たちの、現時点における偽らざる思いではないのか。

千葉県、教員の勤務実態調査…月45時間超過勤務は約3割に減

   リシード 2025.3.11

   千葉県教委がまたいい加減な調査で千葉県での働き方改革の推進を自画自賛しようとしている。校長や教頭が先頭となって教職員に勤務時間の過少申告を強いているような状況で、この調査結果を一体、誰が信用できるというのだろうか。冗談もいい加減にしてほしい。どうせ校内での勤務時間を減らしてわずかばかりの光熱費の削減を狙うのが県の本当の目的であろう。

 働き方改革の本丸は仕事量の削減であって、表面的な勤務時間の削減では無い。仕事量の削減を伴わない校内勤務時間の削減はひたすら残業の自宅持ち帰りを増やすだけである。自宅での勤務時間は一切、調査されないだろうし、勤務時間としてまったくカウントされないのだ。一体、いつまで教師たちと世間を欺くつもりなのだろう。

 こうした各県教委からのデタラメだらけの情報を基に文科省が政策を決めてしまうから、いつまでたっても本当の働き方改革は進まないのだ。しかもあろうことか、これから千葉県教委は教師の意識改革を進めていくという。

 まるで教師の働き過ぎはあくまで教師たちが自分たちの好き勝手放題に行っている結果だと言わんばかりの物言いではないか。どうやら残業時間の多さの責任はもっぱら教師たちの間違った心構えにあるらしい。

 千葉県では「やりがい搾取」と揶揄されたことへの振り返りは一度も行われてこなかったようだ。つまりは「やりがい」を勝手に感じて、勝手に残業してきた教師たちこそが一番の悪者と考えているのだ。その傍らで教員志望者には教員のやりがいを宣伝するというのだから呆れる。若者や教員を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。

「中学生の娘が先生から無視されて…」教師からのいじめ被害に「学校に訴えると

   隠蔽されるかもしれない」と考える親の不安 どこに相談すればよいのか、弁護士

   が解説 マネーポストWEB 2025.2.27

   「学校に訴えると隠蔽されるかもしれない」という保護者の不安は、過去の学校における隠蔽事件の数々を思い返せば素直に同感せざるを得ない。すっかりブラックボックス化した現在の学校社会を保護者や児童生徒が下手に信用してしまうと、どんな災いが身に及ぶか、あらかじめ想像しておいた方が良いだろう。

 もはや日本の学校はこれまでのような無防備さで子どもたちが安全、安心に通学できるほど、牧歌的な世界ではなくなっている。

東京都立高の一般入試スタート 全日制の倍率は過去最低1・29倍 無償化が影響か 

   産経新聞 2025.2.21

   大方の予想通り、東京都も大阪府と同様、公立高校の入試倍率が低下している。しかし、それ自体は高校教育の改善に関してプラスでもマイナスでもないだろう。府立高校や都立高校が多少、統廃合されたとしても高校教育の改善には必ずしも結びつかない。問題は教科書検定制度と共通テストによる授業内容の過剰な画一化や統制強化、教育行政の過剰な管理主義化、知識偏重主義の横行、一斉講義形式の蔓延、肥大化するばかりの学校業務、大学での教員養成教育の遅れ、旧態依然の教員採用試験と管理職登用試験、各高校における不公平な校内人事…などなど数多ある。

   これら、山積する難題を学校間や教師間の新自由主義的競争、単純な市場原理だけで解決できるわけがあるまい。法制度の大幅な見直しを前提とする、1980年代の臨時教育審議会並みの、腰を据えた本格的で中長期的な展望に立った議論が、今後は避けて通れない、と考えるべきだと思うのだが、いかがか。

高校無償化巡り、教育の質の重要性を石破首相強調「卒業証書さえもらえばよいと

   いうものではない」 読売新聞 2025.2.26

県立高校一般入試、最終倍率は0.82倍 志願者は3159人 朝日新聞社 2025.2.26

   県立の全日制普通科高校の受験倍率が県単位で平均1倍を割り込んだのは宮崎県だけではない。富山県では史上初めて0.99倍となっている。高校教育全体の無償化が検討されている中で、公立から私学へと受験生がかなり流れてきているのだろう。このようなことは大阪府や東京都では以前から表面化していた。当然、これは早くから予想されていた事態である。

   競争原理が働かない上に「金太郎飴」のような没個性の公立を、できるだけ数多く淘汰し、激しい競争を通じて高校教育全体の質を向上させる…こうした維新の会の目論見はいよいよ全国レベルで進んでいくだろう。しかし、長い事、無競争もあって停滞気味の公立高校の没落を今後、加速させていくことが、実際に高校教育全体の質を上げていく…という保証は必ずしもない。私学の教育の質があらゆる面から公立よりも本当に高いのかどうか、は多少、議論の余地があるからだ。もちろん、公立高校の質は全体として決して高いレベルではないが…

  真っ先にここで問われるのは学校教育における「質の良さ」とは一体、何なのか?ということだろう。石破首相が言葉にする「質の良さ」とは具体的に何を意味しているのか、詳細に問うべきである。学校教育を語る際、下手な美辞麗句、抽象的な理念は誤魔化し、誤解、曲解を避ける上でもできるだけ口にすべきではあるまい。

「決まったことが伝達されるだけ」になってしまった学校の「職員会議」。「学校

 運営にかかわりあいたくない」という若い教員も多数派に

 日刊SPA! の意見 2025.1.7

 児童生徒の当事者意識、主権者意識を育む立場の教師たちの間でほとんど所属する学校への当事者意識が見られない点は、学校がガラパゴス化の道を歩み続けてしまう大きな原因の一つであろう。2000年から職員会議は校長の仕事をサポートすることと位置付けられた。これは確かに大きな変化を職場にもたらしてしまった。この結果、職員会議で多数決を取る場面がなくなり、職員の意向を無視して校長の独断が横行するようになったのは千葉県だけではあるまい。

 個人的にはかつて企画委員会のメンバーになったことがあるが、その企画委員会ですら、校長らの諮問機関に成り下がっている学校は少なくないのではあるまいか。意見は言えても結論は校長任せ…これで当事者意識が生まれるわけがあるまい。

 こうした結果、様々な問題を抱えて学校が定員割れを起こし、地域住民の信頼をすっかり失っている状況であっても、教師たちの多くは「外れくじを引いた」とばかりに他校への転勤希望を出すだけとなる。自分たちが学校を改善しようとする意欲は近年、ほとんど見られなくなっている。むしろ下手に意見を言えば、多くの学校では「あいつはきっと管理職を目指している」と後ろ指を指されるのがオチである。

 千葉県の公立高校受験の志願状況などをみると新学年2クラス、新入生80人の募集なのに20人台の志願者しか集まらない高校が複数、存在している。つまり1クラス分すら集まらない、大規模な定員割れが生じている。確かに少子高齢化の中で過疎地の学校は非常な苦戦を強いられている。しかし中には比較的、都市部に近い立地にありながら、20年余りも危機的な状況に置かれている高校がある。そこでは少子高齢化を定員割れの口実にするわけにはいくまい。あきらかに学校経営の失敗がその高校には見られるはずである。

 かつてはそうした教育困難校でも危機感を持った管理職や教師たちが中心となり、どうすれば少しでも志願者を増やせるのか、学校の荒れを沈静化できるのかについて各種会議で白熱した議論を続けていた。私も20年近く前に学校改善委員会を組織して教師や生徒たちを対象にした質問紙調査を行い、その結果を踏まえた改善案を職員会議で幾度か示した経験がある。こうした動きは当時、どの学校でもごく自然発生的に見られていたはずである。

 しかし、今や誰もが普段は押し黙ったまま、大して文句も言わずにただその時期がくると転勤希望を出し続ける。管理職側も、定員割れに対して何ら責任を問われることが無いため、定員割れはいつまでたっても放置されたまま。他方で自分の管理責任が問われてしまう教師の不祥事を管理職は極度に恐れている。結果的に厳しく教師たちを隅々まで管理しようとしているのが多くの管理職の実態である。

 こんな状況で学校現場から改革に向けてのインセンティブが生まれるわけはあるまい。児童生徒の当事者意識の薄さを問う前に、教師たちの学校運営者としての当事者意識を高めていく工夫とは一体何なのか、文科省はぜひ熟考すべきだろう。

【高校受験2025】千葉県公立高、一般選抜の志願状況(確定)東葛飾2.05倍

 リセマム 2025.2.14

 千葉県内の全日制普通科の公立高校で志願倍率が0.5を切る高校が6校、0.3を切る高校が2校あった。これらの高校の中には深刻な少子高齢化、過疎化が進んでいてそもそも学区内の中学生の数が激減している地域に立地する学校が少なくない。他方でそれほど人口減少に直面している地域の学校ではないのに、大きく定員割れを起こしている学校もある。

 ただ、いずれにせよ、大幅に定員割れを起こしている高校が、かなり以前から定員割れを起こし続けてきた学校であることに変わりはない。そして大幅な定員割れは出来れば避けたい現象であり、避けるべき現象でもある。ではなぜ、同じ高校で大幅な定員割れが何度も繰り返しされてきたのか、が疑問となるだろう。

 どの高校がどれほどの志願者を集められるのかについての予想は素人でも決して難しくはない。ここ数年の志願者状況と学区内の中学卒業予定者数の予測を見れば、およその予想は出来るだろう。20人台の志願者しか集められなかった2校もそうなること位、当該校の教師たちのほとんどはあらかじめ察しが付いていたはずである。問題は、定員割れの予想がついていたにもかかわらず、当該校ではなぜ一学年のクラス数をあらかじめ一クラス減らしておかなかったのか…という点にある。

 この点について、生徒たちに考えさせ、議論させると面白い授業になるだろう。

千葉県教委が高校入試を改善 調査書の記載内容簡素化、国語の聞き取り問題廃止へ

 産経新聞 2024.12.18

   ようやく調査書の記載内容の簡素化が実現した。これで中学校、高校共に、わずかながらではあるが、入試の際の負担は軽減するだろう。国語の聞き取り問題も放送のチェックや難聴者、周囲の騒音への対応に多少の困難が生じていた。

   しばらく前の千葉県高校入試における採点ミスの大量発生事件への反省が少しはあったのだろう。あまりにも遅過ぎたきらいはあるが、一つの前進として評価したい。

高2が東京都知事選で考えた 「投票しなければ、何も変わらない」 柏・東葛飾高で

 主権者教育 東京新聞 2024.7.6

 制服が無く、リベラルアーツといったユニークな授業で知られる同校での試みは、ヨーロッパからすれば何一つ新しさを感じないレベルのものだが、古臭い教育がはびこる千葉県では極めて先進的に映る。私自身、同校のリベラルアーツの授業に幾度か参加してきたが、20年近く前からのこうした試みが他の公立高校に広がることはほとんど見られなかった。子どもの権利条約を知ろうともしない管理職や年配の教師たちが生徒たちに主権者教育などできるわけがない。

 まずは千葉県の公教育の体質を変えなければ「何も変わらない」のだ。

「忙しいはありがたい」? 新採用教員にブラック職場「肯定」冊子 千葉県総合

 教育センター 東京新聞 2023年3月20日

 千葉県の学校教育と教育行政がいかにダメなものかをこれだけ堂々と発信してしまって良いのだろうか?通常はタダで済まされないような暴言に等しい内容であろう。これからの千葉県の学校の大躍進を願うばかりである。

教員未配置が深刻、過去最多の449人 過重勤務・自習授業増

   朝日新聞社 によるストーリー 2024.3.30

 千葉県の公教育の土台が予想通りに崩れつつあるようだ。

千葉県公立高の入試採点ミス 7月にも改善策提示 教育長「人為的ミス防止が第一

     の視点」  千葉日報社 によるストーリー 2023.5.20

「デジタル採点導入を」 千葉・公立高入試で有識者会議が提言 

  産経新聞 2023.6.14

【高校受験】千葉県公立高、デジタル採点導入など…採点ミス改善策で提言

  リシード 2023.6.19

 2022年度の千葉県における公立高校での入試採点ミスが98校、933件にも達してしまった件に関して県の教育長は「…各県立高へのアンケートで不注意や解答用紙の様式などが採点ミスの原因として挙げられた」との認識を示し、専門家からなる改善検討会議を設置してその提言に基づく改善を検討していくとのこと。

 しかしながら直近まで高校入試の現場にいた自分としてはなぜもっと早くから改善策がとられなかったのか、不思議でならない。そもそも「解答用紙の様式」と「模範解答の様式」が異なることが採点時のミスを招く、との指摘はかなり昔から存在していたし、アンケートでも繰り返し指摘されてきたはず。ところがこれまでまったく改善されることは無かった。

 加えて入試の前後は3年生の追試、成績処理、卒業式の準備、就職指導などと重なり、3学年に関わる多くの職員は極めて忙しい。殺人的な忙しさに振り回される中での不注意を一体、誰が咎められるのだろう。「入試」は別格の重要な仕事であることなぞ、とっくの昔に承知している。別格の仕事ならばその時期に他の仕事を集中させてはならぬはず。

 採点ミスの責任の一端は教員の多忙化を加速させ、アンケートの結果、すなわち現場からの提言を黙殺してきた県教委にあることは明白だろう。これこそが「人為的ミス」の最たるものなのに、相変わらず自らは反省せず、ミスの責任を現場に転嫁する無責任な弱いもの叩き…いかにも千葉県らしい対応ではある。入試という重大な場面でのこれだけの大失態を招いた責任を本来、真っ先に負うべきは教育長以下、県教委の幹部たちであるはず。ならば教育長が率先して引責辞任をしてみせてから現場への指導を行うのがスジではないのか。

 とはいえ高校入試の受験者数が年々、減少の一途をたどり、採点すべき答案の枚数は以前よりかなり減ってきているはず。しかも千葉県では年2回の入試が1回に軽減されたばかりの段階であるにも拘わらず、ミスがこれだけ多い…となると、この件がはらむ問題は意外に根深く、相当に深刻なのでは。

 おそらく採点ミスの件数は実際には数千件に達しているものと考えてよい。近年、生徒や保護者から自分の入試答案の開示請求が多くなり、開示請求で採点ミスが発覚してしまうという悩ましい案件が生じてきていた。こうした事態にようやく重い腰をあげた県教委が本格的に抽出答案(実際の答案枚数のほぼ1割に相当する答案で、毎回、各高校から県教委に提出されている)のチェックを行ってみたところ、今回の件が不覚にも「発見」された…という事件発覚の経緯が推測される。つまり県教委側も抽出答案のチェックがこれまで不十分だった可能性を指摘できるだろう。

 とすればもはやミス多発の原因を単なる教員の過労や県教委の怠慢…といった分かりやすい要因だけでは十全に説明できないようにさえ感じられるのだ。少なくともそう思えるほどに千葉県の高校教育現場の疲弊ぶり、破綻ぶりは今や切迫してしまっているのではあるまいか。

 では現今の入試採点ミス多発が意味することとは一体何だろう。もしかしたらこれは学校運営の中核たる40代後半から50代前半の教員の異常なまでの少なさと校務全体の複雑化、多忙化などによって千葉県公立高校全体が徐々に自らを教育機関としてまともに運営する力を失い、まさに今、地滑り的崩壊が始まろうとしている…すなわちこれは公教育としての破局的な局面に移行しつつある一つの予兆なのかもしれない。

 現に大学生は「沈もうとする船に乗りたくない」と言わんばかりに教職を忌避するようになっている。教師不足が叫ばれる一方で今や再任用を断る退職予定の教師だって少なくない。一番悲惨なのは職場から長期離脱したり、早期離職に追い込まれる働き盛りの教師が増えていること。加えて生徒たちもまた学校への忌避感が増大し、不登校児童生徒数は増える一方である。これらの問題ばかりは「人為的ミス」という表現でアッサリと説明してしまうことは許されないだろう。

 従って私としてはせっかくの有識者の提言もおそらく時すでに遅し、入試を含めたあらゆる事態の悪化が容赦なく加速度的に同時進行し、視野の狭い部分的改善など現時点に至っては近い将来、何の意味もなさなくなる…と考えるが、いかがか。

異例の196人処分・指導措置 千葉県教委、入試で採点ミス相次ぎ

 毎日新聞 によるストーリー 2023.7.20

 結局はトカゲの尻尾切りである。これで教師の意欲はさらに低下し、千葉県の公立高校における機能不全はさらに進行するだろう。マークシート方式の導入など、採点業務に絞られたミクロな観点からの改善策だけでは高校現場の働きやすさの向上には何一つ、つながるまい。採点ミスが減ったとしても教員採用試験の倍率が上がるわけではない。県の対応は対症療法でただのモグラたたきに過ぎず、今度は別の事件事故が頻発するだけ。

教員の魅力を動画でPR 千葉県教委作成、来月にも公開

  東京新聞 2023年9月10日

 教員採用試験の倍率低下、教員不足に危機感を抱いた文科省と各地の教育委員会は恥も外聞もはばかるこ となく、「青田買い」どころか教職のバーゲンセールまがいの詐欺的商法にまで手を伸ばし始めている。ずいぶんと落ちぶれたものだ。

 さしずめ千葉県の場合はこう言った塩梅ではなかろうか。これまで堅調に売り上げが出ていた人気商品がこのところ何だか少しずつ、売り上げが落ちている。宣伝広告にもっと力を入れればきっと売り上げは回復するに違いあるまい。だって商品の質にはそれなりの自信があるし、老舗としての伝統の力もある、問題はあくまで宣伝不足にある…そこで思い切った新機軸を打ち出そう。そうだ、若者に訴求力のある動画作成を業者に依頼し、商品の魅力を分かりやすく、かつガッツリとアピールしてもらおうではないか…

 しかし本当に商品の品質は保たれてきたのだろうか。肝心のお味の方は時代の流れに取り残されていないだろうか。今どきパッケージだけ飾り立てても胡散臭いだけ…箱の中身は実際、いかがなものだろうか。とっくの昔に賞味期限が切れていないだろうか。どうみても強烈な腐臭が漂っているはずなのだが、なぜ、売り場の誰一人としてそれに気づかないのだろうか。

 そもそも商品が劣化していないか、誰か定期的にきちんとチェックしてきたのだろうか。腐り切った商品を30年以上の歳月と交換に若者へ売り渡し、彼らをたちまち過労死や精神障害に追い込む…こんなブラック企業のような悪徳商法を国と千葉県はいつまで続けるつもりなのだろうか。

 完全なブラックボックスと化している学校の中身は意外なほどに闇が深い。箱の中身が見えにくかったからこそ売れてきただけのインチキ商品に未来ある若者が騙されて手を出してはなるまい。

飲酒、わいせつ、セクハラ…千葉の先生のモラルはどこへ? 懲戒処分、最悪のペー

 ス 産経新聞 2023.12.20

令和5年度の教職員の懲戒、過去最多の52件 千葉県教委 

 産経新聞 2024.3.21

 案の定、千葉県での教員の不祥事が多発してきている。明らかに千葉県の教育界は機能不全に陥っているのであり、その原因は多岐にわたるだろう。しかし最大のポイントは県の教育界の頂点にいるはずの教育長に責任を問う論調がマスコミにおいて皆無であること。

 指導的立場にいる人物が部下たちの不祥事の責任を一切、とろうとしないような組織に自浄能力は一切期待できない、と考えるのが世間の常識であろう。マスコミの機能不全は今に始まったことではないが、やはりマスゴミには今後も一切、期待してはなるまい。

25歳の女性、県立高の教育実習で教員から暴言・暴力を受け「今でもつらい」と

 県を提訴…抑うつ状態で働けず 読売新聞 によるストーリー 2023.11.6

 鍛錬と協調を旨とする抑圧的な精神主義がいまだにはびこる学校ではありがちな事件。また本格的な教員養成教育を受けなくとも高校教師に採用されてしまうシステム上の問題も背後にはあるかもしれない。それに加えて学校現場のブラック化による慢性的なストレスで精神的に追い詰められた教師による感情の暴発、といった要素も十分考えられる。ただ県としてはこうした事件によって教員志望者数がさらに減ってしまうことこそ、避けなければならない事態なのだろうが、いずれにせよ、千葉県の公立高校が抱える問題の深刻さを予感させる事件の一つとして捉えたい。

教員の精神疾患による休職・病休は依然として多く、20代30代で増加:背景になに

 がある? 妹尾 昌俊教育研究家、学校・行政向けアドバイザー

 YAHOO!ニュース JAPAN 2021/12/22(水) 15:00

教員免許の授与数、20万件割れ 「過労死ライン」の労働環境影響か

  朝日新聞社 2022/08/01 06:00

 高校での教員免許授与数が特に激減していることの背景を問いただしたい。文科省は教員免許取得条件の緩和による取得免許数の増大を検討しているようだが、ただの数合わせ、泥縄式の発想に過ぎず、かえって学校現場の混乱を深めるだけであろう。 

 このような短絡的発想しか出来ない教育行政の側こそが最早オワコンなのだとつくづく思う。

精神疾患による休職者増加中、教員の復職支援や学校現場でのメンタル対策の手引

 を文科省作成 読売新聞 2025/06/02 15:00

 教師の負担軽減を進めてきたと文科省は再三、言い訳ばかりしてきたが、現場の負担が決して軽くなってはいないことをこの記事は示しているだろう。

千葉県・市の教員採用、2,037人合格倍率2.24倍

 リシード 2024.9.26

 「千葉県教育委員会は2024年9月24日、2025年度(令和7年度)千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考の第2次選考合格者を発表した。2次選考の合格者は全校種あわせて2,037人となり、前年度に比べて39人減となった。」とのこと。全体で2.24倍の倍率となるが、小学校に限定すると1.38倍。合格者の辞退、中途退職者、休職者などの発生なども考慮すれば、受験すればほぼ誰でも合格、となるとみて良いだろう。千葉市分を入れると全体で2.4倍、小学校は1.6倍となる。

千葉県・千葉市 志願状況を公表。平均倍率は2.5倍 大学3年次等対象の特別選考

 には1,498名が応募 教員採用試験対策サイトPowered by 時事通信

 出版局採用試験関連 2025.06.12

 千葉市を入れた全体では2.5倍、小学校は1.5倍の倍率となっている。小学校での低倍率問題は依然として改善されていないという残念な現状が読み取れる。

「業務断れず限界まで」「眠るのが怖い」20代教員に心の病増加…過重業務で適

 応障害、自殺も 読売新聞 2022/10/24 05:00

千葉の中学3年の過半数は公立高校志望、でも「学費が同程度なら私立」選ぶが7

 6% 読売新聞 によるストーリー  2023.11.24

 確かに公立高校の改革はすでに手遅れであり、もはや多くの公立高校が時代の急速な進展にまったくついていけなくなっていることは明白だろう。とりわけ千葉県の場合、公教育における制度的、組織的欠陥、束縛の多さや頑迷な保守的体質、予算の圧倒的少なさが教育の改革、改善の足を引っ張る…そうした現象があまりにも目立ち過ぎてはいないだろうか。

 今後は東京都や大阪府のように高校改革の多くを私立校の努力に委ねる方向に動いていくのが多くの民意に沿い、現実的であるように思えるが、いかがだろう。すなわち公教育の民営化を進め、市場原理を導入して高校間での競争を煽ることで時代の変化に即応できる高校教育の実現を目指した方が現在の高校教育の、残念なまでの行き詰まり、閉塞状況を打開するにはどう見ても手っ取り早いように思えるのだ。

 中学生の4分の3以上が私立進学希望であるならば、今後は中学生の進路希望に応えて私立高校の数を増やすとともに私立高校の入学定員を大幅に拡大していくべきだろう。私立における保護者の学費の減免はある程度必要になってくるだろうが、公立高校の予算を削った分をまわすことで相当程度、家計負担の軽減は可能となるはず。そのためには当然、公立高校の職員数の大幅な削減も進める必要はあるだろうが、現今の教員不足がむしろ追い風となっており、文科省や県教委の管理主義的妨害さえ排除できれば公教育の縮小は思いのほか順調に進むのではないか。 

 公教育の大幅な民営化こそ、保護者、児童、生徒の要望にこたえる方途であり、文科省は学習指導要領や学校設置基準等による下らない縛りを緩めてより自由で多様性に満ちた高校教育の実現を推進するためにまずは徹底的な自己変革を行うべきであろう。

 1980年代以降、鉄道や郵政など多くの分野で民営化が進み、その都度、様々な議論を呼んできた。もちろん民営化に大きな犠牲が付きまとってきたのは事実であろう。教育の民営化に反発する人は少なくあるまい。しかし日本の公教育は既に日本の経済力、政治力を酷く毀損させてきているほどに深刻な機能不全に陥っているのではあるまいか。今後、「公」の力に期待できないとすれば民活導入は不可避であろう。それほどに文科省以下、千葉県教委、公立高校の弱体化は深刻であり、公立高校が自身の力だけで悲惨な現状を打破できる可能性は決定的に低いと言わざるをえないほど、厳しい現状があると私は考える。

 したがって千葉県教委はこれまでの公立高校の入学定員を今後は大幅に削減させていき、私立高校に高校教育の主導権を委譲する決断をすべき段階にきていると思うが、いかがだろう。

    昨今のパーティー券販売による裏金問題では関係する自民党所属の閣僚が相次いで辞任している。当然、岸田首相もまた任命責任を厳しく問われることになろう。相変わらず腐敗を極める政界ですら、多少のケジメはとろうとしている。ところが千葉県の教育界では令和4年度の高校入試における採点等のミスが千件近くも発覚するという、未曾有の不祥事を引き起こしてもなお、教育長は自ら責任をとることを一切せず、末端の教員ばかりを処罰するにとどまっていた。そしてたちまち令和5年度の教員による不祥事多発である。

 残念ながら教育次長は何と学校現場に綱紀粛正を求める通達を出すだけで事足れりと考えているようだ。しかも教育委員会として他に出来ることは無い、というみっともないほどの言い訳がましいセリフを残しているという。あまりにも無責任であり、恥知らずであり、無能すぎるのではないのか。この発言は教育困難校で授業中に騒ぎ出した生徒たちに対して「静かにしろ」と切れてみせるしか能の無い問題教師とまったく等しいレベルではないのか。真っ当な教師ならば自分の授業のつまらなさ、分かりにくさを反省して授業をより魅力的にするための努力を重ねていくはずであろう。

 仮に教師が授業中の騒がしさをひたすら学習意欲に欠ける無作法な生徒たちの責任であるとして自身の授業改善に一切取り組まないようなら、校長はその教師を厳しく指導するのが管理職としての当然の責務である。同様に部下の不祥事多発に対して教育長らが綱紀粛正を口先だけで求めても何らの意味が無いどころか、それはむしろ職務放棄に近い愚挙なのである。

 教育長、教育次長らが率先垂範、示してしまったこうした自浄能力の欠片も感じさせない無気力な姿勢はただでさえ問題の山積する千葉県教育界の隅々まで行き渡り、次年度以降のさらなる不祥事多発を呼び込むに違いない。

 一体、県の教育長は何のために存在しているのだろう。よくありがちな文科省の官僚が天下る高給取りの名誉職という、ただの肩書だけの役職に過ぎないならばいっそのこと無くしてしまった方が良いに決まっている。いよいよ兵庫県などに追いつき、追い越せとばかりに学校不祥事多発の県としての悪名を全国に轟かせようと勢いづいてきた千葉県の教育界からは今後、片時も目を離してはなるまい。

副校長・教頭の時間外勤務の多さ浮き彫りに…千葉県調査 リシード 2024.3.22

 これはかなり以前から指摘されてきた事態である。何をいまさら…という感は否めないが、学校の危機的状況の一端ではあり、世間にも周知された方が良いのは確か。

千葉県の7年度教員選考 志願者数と倍率ともに過去最低 見えぬ妙案

 産経新聞 2024/6/26 18:34

 「令和7年度採用の教員選考試験の志願者は計4560人と2年連続で減少し、平成以降で過去最低を更新した。志願倍率も2・4倍で最低」だったらしい。当然の報いであろう。いよいよ千葉県の学校教育は自ら破滅に向かってまっしぐら…傍から見れば誰もが分かるほどに危機的な状況がこれまでも続いてきたのに県教委の対応は相変わらずトンチンカンそのもの。

 …県教委は今後、志願者増のため、「教員免許を持つが、民間企業に勤めるなど教職には就かない『ペーパーティーチャー(先生)』にアプローチしたい」(担当者)として、教職の仕事の魅力発信に力を入れる…というのだから驚き呆れるほかあるまい。教員志望者の減少を「教職の魅力」のアピール不足とする、陳腐な発想があまりにも情けなさすぎる。

 商品の品質が悪いのに誇大広告で買わせようとするが如き詐欺まがいの対策は直ちにやめた方が良いだろう。時間の無駄であるばかりか、それ自体、若者に対する犯罪行為である。進めるべきは見せかけの、偽りだらけの「働き方改革」ではなく、真の意味での「働き方改革」であり、教師が本来の職務の中心におくべき授業準備に専念できるだけの時間的余裕の確保なのだ。すなわち授業準備を除く大幅な職務の削減を抜きにして、一切の対応は意味をなさない。一体、いつまでこの不毛な茶番劇を千葉県教委は続けるつもりなのだろうか。厚顔無恥も甚だしい。

千葉で教員志願者減少 その背景は? 教育現場に余裕なく、ほど遠い理想像

 産経新聞 2024.6.26

 …管理職の男性は、教員志願者が減少する要因を「『ブラック』という現場のイメージが先行し過ぎている。確かに現場の負担は増えているが、『子供たちのために頑張る』という前向きな声があるのも事実だ…という。こうした現実離れした幼稚なレベルの分析しかできない管理職のいる学校に勤めたいと思う若者ははたしてどのくらいいるのだろうか…

 この管理職にとっては「ブラック」はあくまでマスコミが勝手に作り出した悪しき印象操作であり、一部の怠け者の教師たちの被害妄想に過ぎないらしい。この程度の貧弱な認識しか持てない管理職が千葉県には沢山存在している。だからこそ千葉県での教員志願者が減少し続けているのだが、こういう人たちはそれに気付こうとしない。あるいは気付かないふりをしている。

 …北総地域の小学校の40代女性教員は、現状について「児童のために何かしてあげたいと思っても、働き方改革で『早く帰れ』と言われ、報告書作成や保護者対応など最低限の仕事をこなす毎日」と、時間的な余裕のなさを嘆く…と記事にあるように、現状では表面を取り繕うだけの管理職による強制的な「働き方改革」が一層、現場の教師たちを圧迫している側面にも注目すべきだろう。

 一刻も早くブラックな学校の現状を変えていかない限り、教員不足による学校のさらなるブラック化は不可避である。しかしそのことへの認識を欠く管理職の存在が学校をさらなるブラックな世界に陥れている…それこそが千葉県教育界の大きな不幸の源なのだと思うが、いかがか。

若者に「教員になること」勧めたい日本人19%ワースト2位

  リセマム オピニオン 2023.9.22

まじめな教師を休職に追い込む4つの深刻問題 心の不調を抱えながら勤務する先生

 も多い 諸富 祥彦 : 心理カウンセラー    2020/06/16  東洋経済オンライン

文化部もブラック化「本末転倒」な部活動の実態 文化とは、教員とは忘れ去られ

 るその「本分」 2022.3/29(火) 8:02配信 東洋経済education×ICT

「82歳の講師」が教壇に立つ深刻すぎる教員不足 教員の自己犠牲で成り立つ公立学校

 は崩壊寸前 井艸 恵美,野中 大樹 2022/07/19 07:30 東洋経済オンライン

1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を

 持つ教員たち  佐藤明彦 2022/07/30 08:00 東洋経済オンライン

生徒の動画を撮る"問題教師"もクビにならぬ背景 深刻化する「教員不足」の影響が各

 所に 東洋経済オンライン 小林 美希 によるストーリー 2023.9.29

公立校教員の採用試験、数カ月前倒しを検討 成り手不足が深刻

 毎日新聞 2022/10/19 20:15

 こんな小手先の改善では教師のなり手不足の解消など不可能。教員不足への対応があまりにもその場しのぎの「泥縄式」。中には教員免許状も不要とする採用まで登場してきた。まるで教職の大安売り、たたき売りのような状況が各都道府県で一斉に始まったかのようだ。こんな対応で教師の社会的地位は向上するわけもなく、むしろ不祥事の多発を招くに違いない。そしてその尻ぬぐいはまたもや現場の教師に丸投げされるだろう。

 しかしパンドラの箱は開けられてしまった。この悪循環を誰がいつ、どのようにして止められるのか…絶望感だけが募ってくる。もはや公立学校のメルトダウンはまじかに迫っているのか…

参考動画

“良い先生”が、学校を壊す?|元校長・国会議員が語る教育現場のリアル【前編】 

 #7 東修平の対話チャンネル【公式】  2025/04/22  33:56

【問題提起】半径2メートルの教育観を壊せるか|元校長が、教育は宗教”と語

 る理由【後編】#8 東修平の対話チャンネル【公式】 2025/04/25  38:24

 高校教育の改革を主題とした記事や動画はこれまで極めて少なかったと思うが、いかがか。昨今の高校教育無償化を巡る論議によってようやく高校教育への注目度が高まってきたのだろうが、この二つの動画は高校教師にとっては貴重な動画だと考える。

 元高校校長の荒井氏の指摘の中で都道府県立高校の一部を市町村立にして地域社会活性化の核としていく案は極めて興味深い。公民館や小中学校、高校などが一体化して地域社会の核となれれば、部活動の地域社会への移管も進むだろうし、児童生徒の異年齢間の交流も活発化するだろう。また都道府県立高校が抱える均質化、同質化の圧力を低め、各学校の個性化、自由化が進むかもしれない。

 千葉県の公教育を変えていく上で大いに参考となるだろう。

⑱校庭に潜むクギと学校事故

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考記事

一部の得意な子のために「みんなで」やる必要はない…教員が「校内マラソンもドッジ

    ボールも害」と語るワケ プレジデントオンライン 松尾 英明 2025.7.23

 まったく同感である。校庭のクギすらまともに撤去できないブラックな現状の中で敢えて危険性のある競技をする必要もあるまい。

ひろゆき氏「代わりに払います」 小学生に22万円の賠償命令で保護者に呼びかけ

   「マジでかっこいい」の声 sirabee 2025.1.17

 ルールを守ろうとしない老害そのものの高齢者が我が物顔で校庭に侵入して児童とぶつかり、ほとんど自己責任でケガをしたのに学校や保護者を相手取って訴訟を起こす、という珍事であるように見えるのだが、いかがか。高裁の真っ当な判決理由とわずかな額とは言え高齢者の要求に屈して保護者の賠償を認めた判決との間に横たわる矛盾は極めて大きいだろう。ひろゆき氏が判決に憤慨するのも頷ける。

 この判決についてどう思うか、まずアンケートを通じて生徒たちにたずねてみたい。アンケートの結果が出次第、議論に持っていくと面白いだろう。

 論点は判決の是非以外にもある。ひろゆき氏の提案である。22万円をひろゆき氏が肩代わりするのはいかにも筋違いと考えるが、いかがか。さかのぼればルールを守れない高齢者に放課後の使用を許可してしまった校長の判断ミスと、使用時間を守らなかった高齢者への使用許可取り消しを即座に実行しなかった校長の怠慢、という二点において学校側の責任は決して軽くはあるまい。22万円を高齢者に払うとすれば、それは保護者でもひろゆき氏でもなく、そもそもの原因を作った校長が払うべき金額であろう。もちろん保護者も児童も基本的に賠償責任は無いと私は考える。ただし児童が故意に高齢者とぶつかってしまったならば話は完全に振り出しに戻るが・・・

 そもそも、教師たちの勤務時間内である限り、放課後の校庭はもっぱら児童たちのものであるべきではないのか。各地の公園などで遊び方への様々な厳しい規制が設けられてきた現在、放課後の校庭くらいは学校側の責任においてできるかぎり危険を排除した上で、子どもたちの自由に任せてやりたい。少なくともルールを守れないような高齢者に校庭を明け渡す理由など一つもあるまい。あくまでも校庭は児童生徒のために設計され、運営されてきたものなのだ。放課後の校庭の意義がよく理解できていない校長の方にこそ、大きな問題が潜んではいまいか。

高校サッカー試合中落雷事故「予兆なく発生」も指導教諭らは注意義務違反? 悲劇

 防ぐ 「ためらわない」判断力 弁護士JPニュース によるストーリー 2024.4.10

 この悲劇的な事故を不運な出来事と捉えているうちは落雷による悲劇を防ぐことはできないだろう。屋外で行われるスポーツはすべて同じ危険性をはらんでおり、児童生徒自身の判断での回避が難しい条件下では顧問の判断が生死を分ける。したがって顧問の責任は極めて重大であると考えざるを得ない。

 実際、落雷の予兆を察知するのは非常に難しく、特に相手方のある試合等の中断を判断するのに悩まされるケースは多かった。とりわけせっかく苦労して日程を組み、時間をかけて会場を整備した公式試合ともなれば会場責任者の決断は苦渋に満ちたものになるかもしれない。しかしその苦渋は児童生徒たちの命と比べればまったく価値のないものに過ぎないはず。判断を渋って避難の時間を遅らせることが絶対にあってはならないのだ。

 とはいえ学校におけるこうした事故が後を絶たない背景に教師たちの過重な負担があることは間違いあるまい。顧問たちの家族を犠牲にして休日に行われる公式の大会は雨天順延が原則。つまり順延となればその後の個人的な予定はキャンセルされ、家族の不満は募る一方となる。家族の行事が基本的に順延できない性質のものだとしたら猶更である。

 また平日に順延されれば顧問は急いで自習課題を用意し、学校に連絡して自習監督を依頼することになる。つまり試合は期限内に必ず実施されなければならないため、雨天等の順延は間違いなく顧問たちの負担を増やすことにつながるのだ。こうしたことが予想されるため、大会責任者が時に土砂降りとなっても試合を続行することすらかつては少なくなかった。そうした危険をはらむ判断に対して責任者以外の顧問たちが意見することは、責任者の気持ちを忖度するときわめて難しくなるのは心情的に理解できる点がある。

 しかし結論から言えば落雷の危険性が少しでもある場合は中断や延期の判断を遅らせてはならない、ということになるだろう。そうした決断に強い抵抗感や無理を感じる人ならば運動部の顧問を辞めるべきなのである。最悪の事態は試合の延期などではなく、事故による児童生徒への被害の発生なのだ。

 ただし以上の結論は正直に言えば教師の心情からみてあまり現実的ではないようにも思える。つまり多少の危険を承知の上で無理をしてでも日程を消化してしまいたい、という強い欲望に逆らえる教師はそう多くないのではあるまいか。実際、自分の経験でも落雷の危険を感じて練習や練習試合を中断したことは何度かあった。生徒を校舎内に避難させた途端に落雷と土砂降りが始まり、かろうじて間に合ったことにホッとした時もあった。しかしよくよく考えてみればその時、既に手遅れになっていた可能性は決して低くなかったはず。

 ほとんどの顧問は実際のところ結果的に運が良かったために事故に遭わずに済んでいただけなのではないのか。ただ単に落雷の被害に遭う確率の低さゆえに事故に遭わずに済んできたのだとすれば熊本での事故の責任をかの顧問に問う資格など私にはあるまい。私が事故に遭わずに済んだのはやはりただの偶然に過ぎないのだ。決して雲行き、天候の急変を見抜く力があったわけではない。

 根本的に考えれば今の教師のブラックな働き方においてはこのような事故を完全に防ぐことなど不可能に近いだろう。仮に個々の顧問の責任が問われないようにするとしたならば、雷注意報が出された時点で屋外におけるすべての学校スポーツの中断を求める絶対的指令を情け容赦なく機械的に出すほかあるまい。個々の顧問の判断に任せているから事故が生じてしまうのだ。ただし誰がその指令を出すのか…どの地域を限定して出すのか…指令はいつ解除されるのか…等々、実施上の難点は少なくない。

 ならばいっそのこと、高校を含め、すべての部活動を地域社会に完全移譲するのはどうだろう。今はそれしか児童生徒と教師たちを守る手段は無いのではあるまいか。地域社会に移譲できれば指令の主体は自治体であり、責任は市町村が負えばよい。いかがだろう。

 たとえば以上のことをぜひ授業を通じて生徒たちに考えさせたい。これは多くの生徒にとって他人事ではない悲痛な事故であり、かなり真剣に考えてくれるはずだ。

小中高校の死亡事故456件、7割が国に未報告…文科省が指針改定で学校の調査

   対象や方法を明示 読売新聞 によるストーリー 2024.2.27

小中高校での死亡事故報告が不徹底、盛山文科相「改善が望まれる」…今年度内に 

   指針改定へ 読売新聞 によるストーリー 2024.2.27

 悲惨な学校事故がなぜこうも繰り返されるのか、これまで幾度も疑問が呈されてきたが、その都度、教育委員会や校長から事故発生の原因究明と再発防止に努める、との聞き飽きた形式的な声明が打ち出されてきただけ。

 今回、その背景はいまだボンヤリとしているが、しかし学校教育の闇の奥がわずかながら透けて見えてくるような衝撃の事実が判明したようだ。

 死亡事故ですらそのほとんどが国に報告されておらず、事故防止の教訓が学校現場で広く共有されることすらなかった…尊い命の犠牲が長きにわたってほとんど学校現場に生かされることなく徒に埋もれてきた…この事実が何を意味するのか、誰しもが考えれば考えるほど学校、教育行政側の対応に見られるあまりの無責任さ、杜撰さに怒りは収まらなくなるに違いない。

 記事では学校の忙しさが未報告の理由に挙げられているが、この件に限ってはその手は通じないだろう。間違いなく学校業務の優先順位の第一位は児童生徒の安全確保であり、その命を守ることである。まして死亡事故ならば文科省への報告が必須となるのはもはや疑問の余地無し。また当然のことながら学校教育には死亡事故がつきもの、といった時代遅れで無責任極まる野蛮な認識は今時、世間の共感を得られるものではない。

 通常、学校での事故による児童生徒のケガが発生した場合、関係するクラス担任や顧問などの教師は学校保健の手続きのために、事故の発生場所、日時、状況、経緯、考えられる主な原因…などを所定の用紙に記入して保健室へ提出するように義務付けられている。私としてはその後、用紙は学校保健の手続きだけにとどまらず、コピーされて関係部署に送られ、学校事故の統計などの資料に有効活用されているものと考えていた。

 もちろん学校保健上での全国的統計はこれまでもなされていただろうが、同時に事故の多い体育の授業や運動部の指導、体育祭などにそのデータは事故再発防止のためにしっかりと活用されているものとこれまで思い込んできたのだ。

 一体何のための書類作成だったのか…完全に裏切られた気分である。

 体育祭などでの人間ピラミッド、騎馬戦、特定の部活や体育の種目でなぜこうも執拗に重大なケガや死亡事故が繰り返されてきたのか、その反省が十分に生かされてこなかった理由の一端はこれでハッキリと示されただろう。冷静に振り返れば確かにこれまでの学校現場では事故発生の状況や原因についてのまともなデータが完全に不足しており、教師間でのデータの共有はほとんど無かったといって良い。もちろん当事者であった自分の認識の甘さ、迂闊さは遅ればせながら深く反省すべきである。

 一般教職員、さらには教育委員会や学校管理職にある者たちの児童生徒の命、安全に対する認識と関心の欠如がまずは指摘されよう。さらには学校側の落ち度を探られないよう、事故発生の本質的要因を探られないようにするための姑息な隠蔽体質が学校教育村の隅々まで蔓延している…ということに改めて気付かされる。

 こうした教育行政の古くて閉鎖的な体質が他方で学校でのイジメをもはびこらせ、教師による暴言、体罰、シゴキを温存させ、終いには組織ぐるみでの事件の隠蔽をはびこらせてしまった大きな要因なのはもはや疑いようもあるまい。

校・園庭から くぎ3917本除去 金属探知機で足立区が点検

   東京新聞 2023.10.21

    この数字をどう評価するのか、アンケートをとって生徒の印象をまとめてみるのも良いだろう。さらに、なぜこのような杜撰な安全管理が教育の世界でまかりとおっていたのか、原因をできるだけ多く挙げさせたい。また主たる原因はどれなのか、意見を集約してみよう。以後、どれが主因なのか、のアンケート結果をもとにグループ分けし、検討をしていくための材料探し等を通じて、各グループで主因の深堀りをさせていくと面白いかも。

小学校校庭の大量くぎ問題 実効性ある安全点検は「学校任せ」でよいのか

 東京新聞 2023.6.19

 案の定、校庭の釘放置は都内各所で確認されている。都や区の教育委員会の指導がこれまでどうだったのかが、厳しく問われよう。小学校では近年、相次いで英語や情報といった新しい授業が導入され、教師はその対応に追われている。確かに多くの教師たちには時間的、体力的余裕がない。しかし本来、児童生徒の安全確保ほど教師が優先すべき作業・点検項目はないはず。教師のゆとりが無いからといってこれを業者任せにする発想はどう考えても芳しくないだろう。むしろ教師たちが校庭の安全点検をきっちりと行えるだけの時間的、体力的ゆとりを確保していくことこそが最も優先される課題と思うが、いかがか。

 安全性の確保・点検は校庭だけではなく、当然、各種教室や階段、駐車場、体育館、遊具、U字溝のフタなど、学校の隅々まで実施できなければなるまい。児童生徒と日常的に向き合っている教師でなければ、目が行き届くことの難しい箇所だって少なくない。様々な施設・用具があり、死角の多い学校空間である。

 ごく短時間しか学校に来られない業者が児童生徒の予想しがたい動きをも想定した点検ができるのか、疑わしくはないだろうか。たとえ予算がついて特定の業者に任せられたとしても、本当に実効性のある安全確保など外部の業者には極めて難しいと思うが、いかがか。

 もちろん、児童生徒の健康や安全確保を最優先する心構え自体が従来の日本の学校には圧倒的に欠けていた側面があることも否めないだろう。深刻な組体操の事故が相次いでいても決して止めようとしない学校はいまだに少なくない。また暑い日であるにも拘わらず敢えて運動会や長距離走を強行したり、蒸し暑い体育館で長時間にわたり全校集会、学年集会を強行して大勢の児童生徒を体調不良に陥れることを繰り返す学校も少なくない。

 今や傷害罪に問われるかもしれないような、我慢大会と化した学校行事の数々…そうした戦前からの集団主義的、鍛錬主義的な教育の在り方は時間をかけて徹底的に見直すべきであろう。そしてそのためにこそ、教師たちには児童生徒の健康と安全を確保する地道な点検作業だけはむしろ万難を排してでもすべからく、怠りなくやり続けていくべきである…今後、様々な学校事故を少しでも着実に減らしていくにはそれしかあるまい…と思うのだが、いかがだろう。

 実は学校でのケガ、体調不良の発生を安易に児童生徒の自己責任・自己管理能力の欠如と決めつけるような、学校事故・事件の当事者意識に欠ける教師は現在も決して少なくない…というのが私の正直な実感である。

校庭のくぎ問題、続々見つかる 江東、北、江戸川区の小中学校、幼稚園などから

 計1236本 東京ニュース 江東区 2023年6月1日

 何と校庭への釘放置問題は杉並区にとどまらず、北区、江東区、江戸川区でも広範に確認されたという。私としてはビックリ仰天の出来事なのだが、おそらく他の区でも、いや全国の学校でもこれは少なからず露見してしまうようなありふれた事象なのであろう。

 だとすればこの問題は日本の教師たちが普遍的に抱える、子供たちに対する人権感覚の低さが学校風土全体にはびこっていることを示しているのかもしれない。でなければ20年近くもの間、クギは放置されてこなかったはずである。

校庭から約5000本の釘やペグ状の金属見つかる 東京・品川区内の23の小

 中学校 テレ朝news によるストーリー 2024.4.30

学校体育館の空調整備、95%目標へ…文科相12/10会見

   リシード 2024.12.11

 学校の体育館が震災等における避難先になっている地域は多い。体育館に長時間いたことの無い人は冬の体育館の床の冷たさや夏の蒸し暑さにひどく驚くかもしれない。根性主義の昭和時代では体育館での厳しい寒暖が児童生徒の根性を鍛えるための、格好の手段ですらあった。わざわざカーテンを閉め切って蒸し暑さにうだる体育館での集会はとりわけ辛く、汗っかきの年配の教師にとっては地獄そのもの。冬の終業式や始業式、卒業式の寒さも老骨にしみた。

 炎天下でのグランドで長時間の集会や行進の訓練を敢えて行う学校も多かったように記憶している。校長の長話の途中、貧血などで児童生徒がバタバタと倒れる光景は私たちの世代にとっておなじみのものですらあった。体育館や武道場で熱中症になる児童生徒がどんなに出現しようと、施設の不備ではなく、運動部顧問の管理責任ばかりが問われてきたのも、よくよく考えればおかしな話であろう。

 日本人の我慢強さは確かに学校での辛い修行の繰り返しの賜物とも考えられる。しかし今やその多くは明らかに「ふてほど」なのだ。自宅で空調設備が無いのが一般的だった昭和とは違い、どこのご家庭にも空調設備は整ってきている。厳しい環境を逆手にとって根性を鍛える材料にしていた昭和時代は遠く過ぎ去りつつあるのだ。第一、健康状態が良くない児童生徒や教師に対して現状の体育館は余りにも「ふてほど」であろう。にもかかわらずこれまでマスコミを騒がすほどの騒動が起きてこなかったのは、住民たちの多くが自分自身の子供時代の体育館での記憶が蘇るために空調設備が無い事への疑問や不満をほとんど持たなかったからであるまいか。

 さらには学校という場に対する日本人の伝統的な眼差しも、学校における「ふてほど」を放置させてきた原因かもしれない。支配者側にもっぱら役立つ徳目である協調と忍耐ばかりを重要視し、学校側にその養成を期待する大人たちの眼差しは戦後もかなり強かったのではあるまいか。協調と忍耐は子どもたちの間にたちまち目上の者たちへの過剰な忖度を生み出し、部活動などを通じて年功序列の差別的価値観が植え付けられる。日本社会の随所で敬老の精神から完全に逸脱するほど、酷い老害がはびこっているように見受けられるのも、学校の影響が極めて大きいのではあるまいか。

 民家ではほとんど整備されてしまったのに、学校の体育館に関しては空調設備が設置されているのが全体の20%にも満たない。この時代遅れの現状で、これまで平気で住民の避難先を引き受けてきた学校の無責任な姿勢にはもはや疑問しか湧いてこない。避難先を引き受けるだけの施設がないクセに避難先を任じ、その後も施設の改善に努力しない学校とは一体、何ものなのか…先進国では政府の支出に占める教育予算が最低レベルの日本らしさはここにも分かりやすく露呈しているだろう。授業ではこの点を強調しておきたい。

 何はともあれ政府の対応は常識的に見ても余りにも遅きに失しているはずなのに、なかなか問題視されてはこなかった。その背景に、学校が果たしてきたある種の社会的役割と学校が置かれてきた特殊な場の力を、私はどうしても想定したくなるのだ。

 

 確かに高校の校庭でも小さからぬ数の石が埋もれていたことは幾度か体験している。部活動で生徒たちが転倒やスライディングなどした際に危険なので見つけ次第掘り起こして校庭の端に捨てていたが、この場合は誰かが故意に石を埋めていたわけではあるまい。精々、事務長か誰かがグランドの土を入れ替える際に費用を節約するため、砂礫の混じる安い土を業者から購入してしまったのが最大の原因なのだろう。釘を故意に放置していた東京都の案件と比べればそれほどの「悪意」は覚えない。むしろただでさえ少ない学校の予算の中での、苦しいやり繰りから生じてしまった、ある程度はやむを得ない出来事だったとさえ思われる。

 それにしても校庭の釘問題、なかなか奥は深そうだ。二言目には子供たちの健康と安全を口にしながら、性懲りもなく体育祭や運動会での事故、熱中症の集団発生を繰り返してしまう日本の学校教育の持つ人権意識の低さは本来、最優先されるべき子供たちの安全への配慮に綻びをうみ、肝心な場面での気の緩みを招く。積年、校庭に放置された釘の数々はそうした教師たちの心理を雄弁に物語っているに違いない。

 

・学校事故と体育の授業

参考動画

【衝撃動画】大阪府八尾市の中学校組体操10段ピラミッド崩壊事故

   2015/10/05 3:49

 古い動画だが、このテーマの導入として利用できるだろう。なぜ、学校は危険を承知でこのような種目を温存してきたのか、生徒たちに理由を挙げさせてみたい。

参考記事

10段の人間ピラミッドが崩壊、6人重軽傷 尾木ママ「大人の安全意識が低すぎ

   る」運動の秋、気になる事故が起きています。

   2015年10月05日 21時35分 JST 安藤健二The Huffington Post

なぜ生徒の死亡事故も起きた組体操を強行…“他校への対抗心”で暴走する一部教師

   たち business journal  2019.11.07  文=粟野仁雄

中学生、部活で頭部負傷し緊急手術 顧問は119番せず 名古屋

 毎日新聞 によるストーリー 2024.6.14

大豪雨なのに集団登校なんて、まるで軍隊…豪雨で見えた「学校現場の命に関わる

   ナンセンスルール」FORZA STYLEオピニオン 2023.6.5

参考動画

【体育】前へ習えや整列は必要?水泳授業で溺死が減った?義務教育における体育

 授業の役割とは ABEMA Prime #アベプラ【公式】  2022/05/26  14:20

 夏野氏の体育不要論はかなり重要なポイントをついていて実に面白い。討論の議題にすれば議論百出し、かなり盛り上がるだろう。

【水着】ひろゆき「水泳の授業やめたら?」男女一緒にやる意味は?スク水とトラ

 ンス生徒の配慮 2022/06/18 ABEMA  アベプラ【公式】21:25

 水泳の授業自体の必要性が問われてくるだろう。プールの水代の高さや事故の危険性も考慮すれば、そろそろ小中での水泳授業は止めるべきでは・・・

   参考記事

  世界的に珍しい学校のプール、熱心な水泳授業は武芸が由来?…見直される学ぶ目的 

   読売新聞 によるストーリー 2024.8.11

   東京オリンピック(1964)を機に学校の水泳授業が急速に拡大した背景には武道の水練の伝統

   と島国にありがちな水難事故の多発があったようだ。しかしそれから60年余り経ち、高度経済成

   長時代時代はとっくの昔に終わってしまった。教育予算の削減が進み、学校ではプールの維持費

   用が大きな重荷となっている。この際、学習指導要領を見直し、水泳授業の必修を止めて費用と

   労力の軽減を図るべきだろう。

嫌いな教科第3位の“体育” イマドキ授業は「自分で選ぶ」 名古屋市

 中京テレビNEWS  2022/08/04  4:41

 興味深かったのが小学校では国語の授業への嫌悪感が伝統的に強いこと、近年、算数や体育の授業を苦手に感じる子が増えてきているということ。なぜそういった結果になっているのか、その理由をもう少し深堀りしてほしい。

[NHKスペシャル] 重い後遺症も。運動会の「むかで競走」で繰り返される事故 |

  いのちを守る学校に 調査報告学校事故 | NHK  2023/07/19  5:34

[NHKスペシャル] 窓からの転落死、給食での窒息死8729件の記録 | いのちを守

 る学校に 調査報告“学校事故 | NHK  2023/05/12  4:39

 学校事故の調査結果の共有、原因の究明、再発防止策の提言…当然、行われるべき対応がなぜ行われてこなかったのか?児童生徒の健康、生命を守るべき学校で一体何が起きているのか、何が行われているのか、外部からはうかがい知れない闇がある。

選択の幅を拡げる努力、工夫が日本の学校には不足しているだろう。

遠足で小1女児の「お茶買いたい」認めず、熱中症で救急搬送 学校側を提訴

   産経新聞 2024.2.27

 校長の判断だったことに驚く。事件の経緯から見れば学校側の責任はかなり重大であり、通常ならば校長の適格性が疑われ、降格処分は避けられないだろう。そもそも体調がすぐれなかった児童を担任が半強制的に遠足に参加させたこと自体、大きな問題をはらんでいる。しかも児童の訴えを校長が無視した結果、救急搬送される事態を招いた点は絶対に許容できるものではあるまい。同時に請求の棄却を求めた八尾市側の判断も明らかに常識に反したもの。

 やはり大阪府と兵庫県の教育風土は突出して異常であり、その背景に何があるのかをマスコミはしっかりと追求し、報道すべきだろう。

遠足で「お茶買いたい」認めず、小1女児熱中症 「過失なし」と全面対決する学校

 の言い分 産経新聞 2024.4.9

 本来、学校の遠足や修学旅行は軍隊の行軍から派生したもので歴史的には鍛錬的な要素が強かった。しかし皇国民錬成のための遠足や体育の発想は遠い過去のものであるはず。

遠足だけでない…部活動での熱中症巡り相次ぐ訴訟、2億円超の賠償判決も 学校の

   過失焦点 産経新聞 2024.2.27

参考記事

「運動会や体育祭が嫌い」小中学生の4人に1人が回答「クラスで一致団結する空

 気が苦手」「"絶対に勝てよ"的な雰囲気が重い」

 まいどなニュース の意見 2024.5.25

 議論の題材として利用できるだろう。運動会、体育会は確かに盛り上がる学校行事の一番手ではあるが、それを苦手とする児童生徒が実際には少なからずいることに目を向けたい。重要なのは体育やスポーツが苦手だから運動会、体育祭が嫌い…とは限らない点であろう。

 勝利を目指して強調されるクラスなどの「一致団結」を不気味に、あるいは不快に感ずる児童生徒の感性を教師たちはどちらかと言えば嫌う傾向にあるように思うが、いかがだろう。いたずらに競争を煽る競技の数々が熱狂的な集団主義を生み出し、暴走気味の集団主義が最終的に醜悪なファシズム、悪質な集団イジメの土壌となりかねない点はぜひここでも認識しておきたい。

 勝利至上主義はともすれば行き過ぎた根性論をはびこらせ、スポーツ弱者への非難を強めがちである。下の記事と併せて児童生徒に読ませ、将来的な運動会、体育祭の望ましいあり方を提案させたい。

日本とフィンランド、実は「体育の授業」に決定的な違いがあった…! 「運動」の

 位置付けがまるで異なる 現代ビジネス 岩竹 美加子 の意見 2022.11.23

 運動部や体育、運動会(体育祭)の在り方を根本から見直す上で非常に参考となる資料。フィンランドと日本の学校教育の決定的な違いに注目したい。

なぜ「体育の授業で運動が嫌いになった」「大人になってスポーツが楽しい」という人

 がこれほど多いのか?   プレジデントオンライン 平尾 剛 の意見 2023.7.6

大阪の小学生17人が熱中症か 体育のリレーで体調不良、12人搬送

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 天気予報では熱中症の警告が出されているこの日の真昼、なぜ教師たちはリレーをさせたのか、その判断力が疑われよう。児童たちからすれば競争心を煽られるリレーともなると手を抜くことはあまり考えられない。チームのために多くの児童が必死に走ってしまうことは当然、予想できたはず。気温33度に達する猛暑の中、結果的に体調が悪くなる児童が出ても不思議ではあるまい。したがってたとえ児童全員からリレーをやりたいと懇願されていても教師は大人の判断としてリレーの中止を選択すべきであった。

 12人も搬送することになった責任は一体、誰がとるのだろう。児童の自己責任を問うことは出来ない。むしろ下手をすれば教師側が過失傷害罪を問われかねないほどの不祥事である。大阪、兵庫地区はけが人続出の組体操を長年行い続け、イジメ事件の隠蔽や体罰など、各種不祥事を連発させてきた。どうやら学校における行き過ぎた鍛錬主義と集団主義の見直しが急がれるのだろう。

大阪の小学生17人が熱中症か 体育のリレーで体調不良、12人搬送

 朝日新聞社 によるストーリー 2023.7.7

 天気予報では熱中症の警告が出されているこの日の真昼、なぜリレーをさせたのか、教師の判断力が疑われよう。児童たちからすれば競争心を煽られるリレーともなると手を抜くことはあまり考えられない。チームのために多くの児童が必死に走ってしまうことは当然、予想できたはず。

 気温33度に達する猛暑の中、結果的に体調が悪くなる児童が多少出ても不思議ではあるまい。したがってたとえ児童全員からリレーをやりたいと懇願されていても教師は大人の判断としてリレーの中止を選択すべきであった。

 12人も搬送することになった責任は一体、誰がとるのだろう。児童の自己責任を問うことは出来ない。むしろ下手をすれば教師側が傷害罪を問われかねないほどの不祥事である。

 大阪、兵庫地区はけが人続出の組体操を長年行い続け、イジメ事件の隠蔽や体罰など、各種不祥事を連発させてきた。どうやら学校における行き過ぎた鍛錬主義と集団主義の見直しが殊の外、急がれる地域なのだろう。

「午前中で終わり」「騎馬戦廃止」運動会の変化は学校に何をもたらしたか

   CHANTO web 2023.10.14

 コロナ禍が見直しのきっかけ、というのは少し情けない話でもあるが、とりあえず見直しが進むのは悪いことではない。元校長が指摘した地域住民や保護者への説明責任を学校側が果たすことが極めて重要であろう。

「止めたっけ…」 今年も止まらぬプールの水出しっ放し、防ぐには?

 毎日新聞 によるストーリー 2024.7.6

中学校でプールの水31時間流し続け、600トン流出…使用量増加に気づいた市

 職員が訪問し判明 読売新聞 によるストーリー 2024.7.6

 教師のうっかりミスによるこの手の水漏れ案件がこのところ続発している。税金の無駄遣いとならないよう、管理職が音頭を取って水道料のダブルチェック体制を整えるなど、個人に丸投げのプール管理のあり方を改める工夫が必要なのは当然だ。

 こうした案件が続発する背景には学校のブラック化だけではなく、管理職を含む教師たちの資質の深刻な低下が見え隠れしているように思えてならない。なぜ校長らはこうした事態を横目で見ていながら、実効性のある対策を何一つ打ち出せないのか、不思議でさえある。運動場などに放置されていた大量の釘の件と同じく、管理職を含む多くの教師たちが出来る限りにおいて「面倒なことは避けて楽をしたい、個人的な責任は取りたくない…」との思いを強く共有してしまっているのではあるまいか。

 教師たち全員が例外なく過労死レベルの勤務状態なのか、というと決してそうではあるまい。負担の重さには教師によってかなりデコボコがあることはどの学校でもよく観察される現象である。このデコボコをいかにして小さくしていくのか、は管理職の重要な任務であり、その成否は管理職の人事能力にかかっている。

 ところが事件が起きるような学校では普段から特定の顧問や担任に指導や解決を丸投げしていて、学年や生徒指導部といった教員集団をイマイチ有効に機能させていない傾向があるように思える。結果的に事件が表面化してしまうと管理職は管理責任を問われないよう、突如、率先して事件、事故の隠蔽や責任逃れに走る。そして隠蔽の時だけ、妙に学校は校長を軸に組織的に動いている…そんな印象が強くないか。

 時折、イジメ事件でも観察されるのだが、特定のクラス担任、担当教師に問題解決を丸投げする悪しき傾向が今、全国の学校に強まっていないだろうか。本来、深刻なイジメ事件は法律によって教師たちの組織的な取り組みが必須とされている。しかしこれまでの各種イジメ事件を眺めていると、いじめ防止対策推進法を守っている学校の方がむしろ少ない印象すら受けてしまう。

 教師のうっかりミスが連発する先に待ち受けているのは「うっかりミス」という言い訳が一切通用しないレベルの深刻な事故、事件に違いあるまい。