某は案山子にて候
雀どの
(夏目漱石)
香薬のあじわい
「吾輩は猫である。名前はまだ無い...」
で始まる、
あの有名な本の作者。
えっ、俳句もやってたの?!
と思いきや、
同級生である正岡子規の影響で、
小説を書くずっと前から、
俳句をはじめていたらしい。
漱石は、
潔癖症でかんしゃくもち、
おまけに被害妄想が強く、神経症体質。
長い文章でも書いてたら、
気がまぎれるんじゃないか?!
と俳句仲間に勧められ
「吾輩は猫である」を執筆。
俳句雑誌「ホトトギス」に作品を
載せてもらったのが、小説家デビュー
のキッカケなんだそうです。
この作品もそうですが、漱石の俳句は、
神経症とは思えないくらいユーモラス。
えっへん!えっへん!
それがしは、案山子にてそうろう~。
たとえ、
スズメに、頭や肩に乗られちゃっても、
”田んぼの見張り番” という役職に
誇りをもっていそうな案山子。
気位が高い感じが可笑しい!
名乗ったところで、
水戸黄門の印籠のように
「ははぁ~、まいりましてございまする。」
なんて、
すずめは遠慮してくれないだろうけど(笑)
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