かおりのやすらぎブログ

 


闇よりも山大いなる
晩夏かな


(飯田龍太)

 

 

飯田龍太(1920年 - 2007年)俳人、随筆家、評論家。

戦後における俳壇で新鋭的な俳人として一躍注目を集める。俳人・飯田蛇笏(いいだ だこつ)の四男。俳句と俳人に囲まれた環境にあったため父の句会に加わり、故郷の境川村で蛇笏主宰の俳誌『雲母』の編集に参加。1957現代俳句協会賞を受賞。当世的な感覚から生み出される叙情味あふれた句は、多くの人間を惹きつけた。

 

 

 

香薬のあじわい

 

 

夏の山の色は、

「これぞ緑!」というような力強い緑色

 

強い陽射しで、発色豊か。

 

霧もモヤもかかっていないから

いさぎよいくらい、まる見え!

 

心の闇も、隠れようがない状態。

 

大自然で、

日光消毒、紫外線消毒、お炊き上げ

 

自分を見失うくらい、

いろんな悩みに取り囲まれたら、

あせって解決策を見出す前に、

一度心をリセットしてみるものいい。

 

心をからっぽにして、

大いなる自然に抱かれてみる。

 

何も言わず、ただ黙って受け取ってくれる

父のような大きな力。

 

痛すぎる心の傷に、そっと手を当ててくれる

母のようなやさしさ。

 

心にしみる。

 

感謝して、また歩き出してみよう。

 

 

 

『心の香薬』もくじ