ひかり野へ
君なら蝶に乗れるだろう
(折笠美秋)
香薬のあじわい
輝きのある、愛のこもったこの句は、
高校の教科書にも載っている作品です。
直訳すれば、
「光りがたくさん広がる野原へ行ったなら、
君だったらきっと、蝶に乗れるだろう」
“ひかり野”と”蝶”が何なのか、によって、
捉え方が違ってくると思います。
大きく分けると、この句の捉え方は
2つではないでしょうか。
一つ目は、これから旅立つ方へむけた
“はなむけの句”
『旅立つ未来へ(ひかり野へ)
君なら夢にたどりつけるだろう(蝶に乗れるだろう)』
2つ目は、黄泉の世界へ旅立つ方への
“追悼の句”
『あの世への旅立ち
この世で十分すぎるほどの責務を果たした君なら
光り輝く天国で、蝶にも乗れるだろう』
どちらの意味でとったとしても、
最大限の愛と、エールと、感謝がこもった句。
素敵です。
実は、この作品を生み出すには、
重すぎる背景があったようで。
「筋萎縮性側索硬化症」という
全身の筋肉が動かなくなっていくのに、
意識だけは、最後まで正常に残っている難病
を患った作者。
泣き言を言わず、
献身的に明るく支え続けた妻へ残した句です。
蝶とは、もちろん作者の妻のこと。
最後の最後まで命を手放さず、
気丈な精神で、美しく愛のこもった作品を
この世に残し続けた作者から、
大きなチカラをいただいたような一句です。
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『鍼灸アロマ治療院かおり&やすらぎ』
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