かおりのやすらぎブログ

 


木の葉ふりやまず
いそぐなよ いそぐなよ


(加藤楸邨)

 

 

加藤 楸邨(1905年 - 1993年)俳人、国文学者。

1968年、句集『まぼろしの鹿』で第二回蛇笏賞を受賞。太平洋戦争中より始めた松尾芭蕉の研究などの功績により紫綬褒章、勲三等瑞宝章を叙勲。「真実感合」を唱え、人の内面心理を詠むことを追求し、中村草田男、石田波郷らと共に人間探求派と呼ばれた。

 

 

 

香薬のあじわい

 

 

「いそぐな いそぐなよ」

 

 のフレーズが、とても印象的で、

 

 どうか!

 どうか終わらないで!

 

 という心持ちになると、つい思い出す句です。

 

 種をまき、発芽→生長→開花→結実→落葉

 

 この一連のサイクルは、

 

 見方を変えれば、

 人生そのものともいえるし、

 生活のいろんな場面に当てはまります。

 

 始まりがあって、終わりがある

 ということ。

 

 

 永遠に続いてもらいたいものや

 大切なものほど、

 はやく終わってしまうような気がして。

 

 

「わかってはいるのです。でもどうか、

 もっとゆっくり時間が過ぎてください。」

 

「受け入れる覚悟はできています。

 だからこそ、

 最後の一瞬までも大切にしたい。」

 

 そんなふうに、この句を解釈しています。

 

 

『心の香薬』もくじ