先週、NASA(米国宇宙局)が打ち上げた無人探査機「ニューホライズンズ」が、冥王星に最接近する際に撮影した、最新の画像が公開されました。人類が初めて見る冥王星は、右下に白いハートのようなエリアがあり、それだけで世界中の話題になりました。
NASAによると、冥王星の地表はクレーターが少ないのが特徴で、3000mを越える山々が存在し、氷(水+窒素&メタン?)で出来ていると推測されています。この事は冥王星が従来考えられているより、はるかに活発に活動していることを示しているようです。
冥王星は、地球から月との距離で比較すると12,000倍も遠方にあり、地球から9年半かけてやっと到着しました。従って通信(光速)でも往復9時間かかるので、地球からの直接の指示で、その場に合わせた操縦や撮影等は出来ません。
小学校で最初に習った太陽系の惑星は、「水、金、地、火、木、土、天、海」+「冥」の9個でした。ところがその後、冥王星がある太陽系の領域に、同じ特徴を持つ天体が多く発見されて、しかも冥王星より大きい星も発見された事で、2006年に国際天文学連合が惑星の定義を見直し、惑星から「準惑星」になってしまいました。
準惑星になった後も冥王星(英語名でPluto)は、特に米国での人気は衰えていないそうです。その一つの理由は、上の画像のプルート(ミッキーマウスのペット犬)が貢献しているかもしれません。この名前は、このキャラクターが誕生した、同じ1930年に米国の天文学者によって発見された、冥王星から命名されたそうです。
独り言:ウオルト・デズニーはなんでこんな可愛いキャラクターに、プルートなんていうギリシャ神話に登場する「冥界の王」の名をつけたのでしょうか・・・「冥界の王」つまり死者の国の王、東洋的に云えば閻魔大王です。
冥王星の後にニューホライズンズは、冥王星の最大の衛星であるカロンを調査する予定です。もっとも衛星と云っても、カロンの質量は冥王星の10%にもなり、これは地球の1%しかない月と比べれば異常に大きいです。従ってカロンが冥王星の周りを回っているというより、2つの天体が共通の重心を中心に回っていると推測されています。
冥王星がある領域には、太陽の光があまり届かないことなどから、太陽系が誕生したころの天体が、当時のままの姿で残っていると考えられています。そして冥王星は、惑星ができあがる過程で残った材料のようなものと考えられていて、これらを調べる事により太陽系が形づくられた過程を、知ることが出来るかもしれないと期待されています。