アンニョンハセヨ~
Netflixに戻ったら真っ先に視聴しようと楽しみにしていた「賢い医師生活」。
お気に入りの「恋のスケッチ~応答せよ1988~ 」などの応答せよシリーズや「 刑務所のルールブック 」を手掛けた シン・ウォンホ監督作品なので、かなり期待値が高かったのですが、それをはるかに上回る素晴らしい作品でした
スタオベ回数は、これまでの視聴歴で圧倒的にNo.1
自分のマイベスト作品は、今のところ「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」がトップオブトップで、その高ぶった気持ちを(いい意味で)沈めてくれる作品との出会いをずっと待っていたところ、それが今回の賢医となりました。
深い沼からの生還は、全く別ジャンルの上質の作品が効果的ですね
賢医に関しては、高難度の手術時間でも足りないほど話したいことがたくさんあって収拾がつかなくなりそうなので、一旦アップします(別記事も投稿するかもです)
※画像は、韓国の番組公式より
■視聴時期
2021年12月-2022年1月
■お気に入り度(5点満点)
★★★★★
※今回から、冒頭のスコアを「お気に入り度」として5点満点の★で表記します。
■視聴方法
Netflix(各シーズン12話)
■放送開始年
シーズン1:2020年
シーズン2:2021年
■放送局
tvN
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※ネタバレありです。
※文中の数字「1-2」「2-9」などは、それぞれシーズン&エピソードの略記です。
■満足点・共感した点
1.すべての「サブキャラ」に感情移入できる
あえて「サブキャラ」としたのは、高すぎる医師スキルに加え人間力まで兼ね備えた主役5人は、やはりファンタジーの世界のヒーローキャラクターで、どうしても平凡な自分と重ね合わせるのが難しかったからw
もちろん5人のプライベートシーンでは、それなりに共感できる部分もたくさんありましたけどね。
それよりも、ほかの医療スタッフや患者、患者家族のほうが人間の生々しさがたくさん詰まっていて、めちゃくちゃ共感できました。
人間の温かさや優しさ、可能性だけでなく、エゴや保身、弱さなど、ほんの一瞬しか出演していないキャラも含めて、ほぼすべてのサブキャラに自分を重ね合わせて視聴していました。
特に臓器提供に関するエピでは、自分の家族が助かることを喜ぶあまり、ドナーとその家族への感謝の気持ちが欠けてしまう人や、聴覚障害を持つ子どものために夫への肝臓移植を内緒で辞退する妻、高齢の親の手術を辞退しようとする中年息子など、普段は絶対に“普通の人”もしくは“いい人”たちの身勝手さや判断がリアルで、自分がその立場なら同じようになってしまうかもと思えた。
それと、メインサブキャラの中で(図々しくも)自分に一番近いと思ったのは、ミナ先生かな。
ミナ本人も自覚していた「何一つ自分で気づけない」という空気の読めなさや、後の影響を考えられずに思ったことをすぐ口にしてしまうところなど、何かと身につまされるシーンが多かったですw
そういえば、ミナ母娘は本物の親子かと思うほどそっくりでしたね(母親は「 愛の不時着 」のダン母)。
2.刺さる神回収
予想をはるかに上回る回収に、何度も涙しました
例えば……、
●ヘアピンのプレゼント
病院で亡くなった娘ヨヌの母親役として2-1で登場したのは、「愛の不時着」で北朝鮮の美容師役だったチャ・ジョンファさん。
わたしはミスリードに簡単に引っかかるタイプゆえ、「シーズン2は医療裁判入れてきたかー。ちょっと路線変わっちゃうの?」と思ったけど、見事すぎるどんでん返しで、ヘアピンのシーンは、シリーズ中最も号泣した
リアタイ視聴者は、このエピソードだけでも1年間待った甲斐があったと思えたのでは?
シーズン1から描かれていた、ギョウルのボールペンorダブルクリップの髪留めがここで回収されて、2-2でギョウルがちゃんとヘアピンしてた
気分が高ぶったわたしは、自分の髪をダブルクリップで挟んだら、髪が多すぎて掴みきれませんでしたwww(剛毛タイプ)
●賢い看護師生活
デキる看護師の娘が撮影していたのはイケメンインターンではなく、自分のオンマだったとは
しかも、娘が病気の診断をされたときのオンマの手の握り方や、娘の動画を見た後の一言「今朝も大喧嘩してきたのよ」がリアルすぎて
そのキャラが本当に言いそうな、リアリティあるセリフを生み出すイ・ウジョン作家の真骨頂
さらにこのシーンは、エピソードのアイテムである動画を通じて、コロナ禍の今、さりげなく医療従事者へのエールを表現する演出がまた最高(「刑務所のルールブック」で、館内放送を通じて視聴者へメッセージを表現していたのと同じような手法ですね)。
●SNSで患者の話し相手を募集
これがイクジュンやジョンウォンだったらそこまでの神シーンにならないけど、ネットに不慣れでツンデレのジュンワンだからこそ刺さった
ほかに笑い(ファンの期待?)の回収として、院内の卓球大会で爪痕を残したユ・ジェミョン氏(映像医学科教授役)が、 イクジュンの手術に参加するために再登場したシーンが、これぞカメオ出演という展開でめっちゃ盛り上がった
卓球大会で去る時の「メェ〜〜」も最高だった
3.緻密すぎるキャラ描写
この作品に限らずですが、 シン監督作品で一番好きなのが、キャラクター描写の緻密さです。
メインキャラはもちろんのこと、サブキャラやほんの少し登場するだけの脇役でも、仕草や表情、服装、ヘアスタイル(髪染めの具合や、乱れ方も)などで、そのキャラのこれまでの人生や置かれている状況が手に取るようにわかる演出は、何度見ても唸ってしまうほど。
さり気なすぎてすごいなと思ったのは、PICU看護師の手首のサポーターと首のシップ。
「うちの子をもっと抱いてください」と、患者母からクレームまがいの言い方をされるシーンと、首の湿布&手首のサポーターの描写だけで、PICUの看護師が特に痛める部位があることがよくわかる秀逸な演出だった
4.演技の振り幅がすごい
「刑務所のルールブック」に登場した俳優さんが、同一人物とは思えない振り幅のある演技で魅せてくれました。
特に印象に残ったのは、
●ミニョンの母親(ヨム・ヘラン)
初回からあの神演技を見せられたら、この作品への期待値が爆上がりするのは間違いないってほどすごかったですね。
看病に必死すぎて化粧っ気のない顔で若い医師にたてつくシーンでは、娘が生まれてからの3年間が具体的に描かれていなくても容易に想像がついたほど
ジョンウォンにお礼を言うときの心情は、最初の引きのカメラで、お辞儀の角度と速度だけで表現されていて鳥肌モノだった。
●チホン(キム・ジュンハン)
演じたキム・ジュンハン氏のことは「 ある春の夜に 」「 刑務所のルールブック 」のときはそこまで印象に残らなかったけど、チホンは今回サブキャラの中では個人的にMVP
わたしも若いときに大きめの病気をして仕事を辞めた経験があるので、警察官男性の手術中に軍人を辞めた理由を話すシーンは、感情移入がすごかったです
あと、誕生日プレゼントとしてソンファから許されたタメ口「気をつけて帰れ」。
視聴中の奥様方、キャーーーーーーーってなりませんでした???
それより前のシーンで、入院したイクスンの病室に来た時のタメ口も、色気あってよかったっす。
職場ではピカイチな温和キャラなのに、元軍人らしく素では「漢」というギャップがぁぁぁぁぁーーー(趣味:ギャップ萌えw)
チホンは最初からシーズン1のみのキャラだったらしく、2ではレギュラー出演しなかったけど、ファンサ(?)として新テイクの回想シーンでカメオ出演してくれてうれしかった
今回キム・ジュンハン氏のことを調べたら、日本でバンド活動をしていたため、ネイティブ並みに日本語が上手だそうで、なんだか親近感がわきました
●ジェハク(チョン・ムンソン)
「 刑務所のルールブック 」では控えめで優しいチョン・ヘイン氏の兄役だったのに、今回は笑い担当で、彼とジュンワンの掛け合いは毎回爆笑
かと思えば、妻とのエピソードには泣かされ、要所要所でジェハクの人間らしさや正論が印象に残って、キーパーソンとしても活躍していました。
無事に手術を終えたジュンワンが、患者家族に「結論」から話すシーンを見るたびに、ジェハクが重なって見えましたよね~。
5.細かすぎる演出
「シン・ウォンホ監督&イ・ウジョン作家の作品」というバイアスもあり、随所で「このあとの伏線回収用ね」と想像できる演出があって(実はそれが後述するモヤモヤ点にもつながるのですが)、そんなひねくれた目で視聴していても「ぬぉぉぉーーーーーー そうきたかぁーーーーーーーー
」と小躍りしたくなる展開がふんだんにありました。
例えば……、
●警備員母のドナー提供
1-2でイクジュンが食堂の配膳を手伝っているシーンがあって、そのときすでに「俺は食堂のおばちゃんと仲がいいから頼まれた」と、院内の医療スタッフ以外とも親密にしているフラグが立っていた
●あしながおじさんの正体
1-1ジョンウォン父のお葬式シーンで、ジョンウォンのスマホ(あしなが用)が鳴り、その直後の長兄との会話で、早々と伏線が張られていましたね(2周めで気づいてスタオベ)。
●キャラクターの名前
ジョンウォン(庭)&ギョウル(冬)がOSTの歌詞由来だったり(「ギョウル」はオリジナル歌詞を改変。しかも弟の名前がオリジナルの「カウル(秋)」!)、イクジュンがソンファにさりげなくプレゼントした鉢植えのマツバボタンが韓国語で「チェソンファ」だったり、セリフだけでなく、キャラクターの名前にまで細かい設定があったとは
●ウジュの成長
シーズン2の放送が1年後だったため、てっきりそれなりに時間が経過してのスタートかと思ったら、まさかのシーズン1最終回からの続きだったのでびっくり。
そうなると、開始早々で心配したのが「ウジュの成長」でした。
しかし、その懸念点すら見事な演出で昇華させてしまうセンスが、最高オブ最高
シーズン1のイクジュン初登場がダースベイダーだったり(しかもMIBのシーンで、背後にちゃんとヘルメットが映っていたw)、ウジュがイクスンのことを「ターミネーター叔母さん」と呼んでいたのは、シーズン2のウジュ成長を見越したギミックだとしたら凄すぎるんですけど
だってあのダースベイダーのシーンがなかったら、MIBのシーンが寒い感じになったはず。
ほかに、解説サイトで知った救急センター入口のハートマークや、ソンファの告白シーンで背後の信号の色が青に変わる演出など、制作チームのこだわりと遊び心をふんだんに感じられた。
6.バンドシーン&OS T
バンドが演奏する曲を全然知らないうえ、唐突なバンドシーンが「」で、最初は全然気持ちが追いつけなかったけど、回を重ねるごとにジワジワきて、途中からはバンドシーンがめちゃくちゃ楽しみになりました
曲が全体的に自分好みのポップスだったし、何より俳優5人がリアルに演奏していることを知ってからは毎回釘付けに。
また、OST、バンドシーン、原曲の3種をそれぞれを聴き比べる楽しみがあったほか、「OST→バンドシーン」や「原曲→OST」などの切り替えで鳥肌モノの演出も多かった
そして、歌詞と俳優(キャラクター)の表情や視線、カメラアングルなどで、バンドシーンがドラマのストーリーの一部になっていて、OSTのこんな演出法があるんだーという新鮮さに驚いた。
歌詞の内容がストーリーに見事にマッチしていたので、原曲を知らなくても楽しめましたが、原曲が流行った時代や主人公世代の思い入れに対しての前提があれば、もっと共有できたんだろうなー。
俳優さんたちは、専門用語だらけのセリフを覚えるだけでも大変なのに、楽器演奏、しかも演奏しながら歌ったり、キャラクターになりきったままの演奏とか、皆さんすごすぎるんですけど




チョ・ジョンソク氏のボーカル力の高さはうすうす知っていましたが(妻はGummyさんだし)、ソッキョンの高音ボーカルに度肝を抜かれ、大好きなジョンウォンまで歌ったときは、ロマンティックが止まらなかったです(ドラムが歌うのはC-C-Bしか知らない昭和生まれです
)。
ジョンウォン母(キム・ヘスクさん)の特別参加もよかったなー
演奏しながらジョンウォンと視線を合わせたり、演奏後にハグする姿は、演技とは思えず本物の親子のようだった
それとバンドシーンではないけど、2-12のカラオケシーンで、満を持してミュージカル役者の実力を見せてくれたチョン・ミドさん(ソンファ)のボーカルシーンが神演出
ほかの2人には実際の音痴ボーカルにしか聴こえていないのに、本人とイクジュンだけには美しいボーカルに聴こえるという見事すぎる演出が最高
あと、毎エピソードラストの、ドラムスティックからのシンバル音が、耳に染み付いて離れない
7.チョ・ジョンソク&ユ・ヨンソクの別作品が気になる
この作品を知ったとき、シン監督作品ということで興味を抱いた反面、主役のチョ・ジョンソク氏にあまり惹かれなくて、視聴が後回しになっていました(「 青い海の伝説 」のカメオ出演でしか見たことがなかったけど、ピンとこなかった)。
でも、イクジュンという非の打ち所のないパーフェクトヒューマンをまったく嫌味なく演じ、ヒーローになるどころかギャグシーンまで担当し、さらに高い音楽センスを披露し、キャラの好感度も相まってとても素敵な俳優さんでした
作品として気になっていた「緑豆の花」がどこかで配信されたら、絶対に視聴する
そして、アン先生ことユ・ヨンソク氏ーーーーーー
彼の存在が作品の満足度を爆上げし、前のめりに「お気に入りキャラクター選手権」に登場させたほど、最初から最後まで萌えました
ギョウルとの「ウィンターガーデンカップル」は、数あるラブラインの中でピカイチだった
これはもう「応答せよ1994」も見なくては
そして忘れてならないのは、ボンジョヴィを演奏したときのジョウォンのタンクトップ姿
仏様キャラとのギャップが最&高(趣味:ギャップ萌え)



シーズン1のマラソンシーンで披露された下半身の筋肉美は、ボンジョビシーンのためのプレリュードだったようです。
基本的に手術着姿が好物でしたが、2-7でスーツ姿を2度も拝めたときは、タンクトップ姿並みに昇天しかけました
ギョウル役のシン・ヒョンビンさんはこの作品で大ブレイクし、ソン・ジュンギ氏の次回作のヒロインに抜擢されたらしいですね めっちゃ楽しみ
ほかに「 刑務所のルールブック」で萌えまくったチョン・ギョンホ氏は今回も相変わらずイケメンでセクシーだったし、 「 ミセン-未生- 」のキム代理だったキム・デミョン氏はまさかの濃厚キスシーンまであってびっくりしました
8.あちこちで散見する若手イケメン
いくらヒューマンドラマでも、Kドラ視聴における重要な要素が「イケメンを愛でること」。
前述したジョンウォン以外でも、
●イケメン1: チャン・ホンド
シーズン1では実習生だった双子の男子。
あのボーっとしたオーラが「 恋のスケッチ~応答せよ1988~ 」のテクに重なって見えて(小鹿系フェイスがボゴミに少し似てる!)、BBAの心はワシ掴みにされました
双子の女の子ユンボクの顔も好みでした(一重の美人が好き)
●イケメン2: ギョウルの弟
「 D.★P.ー脱走兵追跡官ー 」に出演していたようだけど、思い出せない
●イケメン3: 神経外科のソンヨン
インターン時代、剃毛の箇所を間違えて、患者の頭を刈ってしまった彼w
●イケメン4:ソンファの元カレ
浮気していたクズ役だったけど、顔が好みのイケメンでした。
●イケメン5:ギョウルに片思いしていた後輩
彼のおかげでジョンウォンの嫉妬した顔を拝めたのでさらによかった
●イケメン番外: ウジュ
鼻の形がそっくりで、イクジュンとの親和性がすごかった。
9.お気に入りのメッセージ
随所で心に残るセリフが散りばめられていましたが、印象に残ったのは、ジョンウォン母の「電話1本で180度変わるのが人生」。
それと、シーズン1でジョンウォンが神父になるのを断念したときの(たしか)イクジュンのセリフ「心の赴くまま生きれば後悔しない」。
毎日を全力で生きるべし
余談ですが、わたしもジョンウォン母と同じようにサンディアゴ巡礼が夢の一つなので(無宗教ですけど)、ますます行きたくなりました
10.制作スタッフへ配慮した環境づくり
「韓国のドラマ制作現場は超過酷」という情報は、なんとなくは認識していました(そりゃあ、あれだけのクオリティの編集から想像しただけでも想像つきますけどね)。
そんな中、「賢い医師生活」はシーズン制を導入したり、通常なら1週間に2話放送するところを1話にしたりと、制作現場の労働環境へ配慮したスケジュールをとったという情報を知り、作品に対する好感度がますます上がりました。
11.韓国語をかじったので楽しめたこと
かろうじてハングルを読めるようになっただけでも、勉強した甲斐があった\(^o^)/
あと、単語の「パダ(海)」も覚えていたので、ジョンウォンが回診前にギョウルに「パダへ行こう!」と言って看護師が「ハイ」と言った笑いのツボを自力で理解できたのがうれしかったです
■モヤモヤ点・共感できなかった点
●医師の喫煙シーン


●伏線回収が多すぎる
●ジュンワンの過去
●シーズン1のラストがエグい
●職場恋愛が多すぎる

●1回だけでは作品の魅力を満喫できない
●文化や制度への理解が必要
●イクジュンとソッキョンの同部屋教授
ゲームばかりしている先生と、片付けられない精神科の先生、最後まで登場しませんでした。
シーズン3の制作は未定のようですが、2-12のラストがいつものシンバル音だったので、続きがあることを期待したいですね
ではまた
※追記(関連記事をリンク)