石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと -24ページ目

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

とある小説コンクールで大賞を受賞された方のお話にあった言葉。

「1日10枚書くことをノルマにしていた」というところが印象に残っている。

 

これが私には未だに出来ずにいる。真似をしたくなる気持ちも抑えている。

なぜなら、恐らく物語の作り方が、根本的に違うのだろうと考えたせい。

 

私の場合の作り方は。


テーマとか題材を決めたら構成を決める。最後にどうなるかとか、出だしはどうするとか。


それからその間を埋めて転がすエピソードを作ったり調べたり。

その後、起承転結を考え、必要なら付箋を使ってハコ書きを作る。ハコ書きとはそれらのエピソードを羅列してつながりを一覧にする作業(他の人はもう少し違う意味合いになるかもしれないが、私の場合はそれをハコ書きと呼んでいる)。

 

そうやって全体像を大体固めた設計図を描かないと、私には物語を書き始めることができないのである。

 

そういった大まかな設計図にたどり着くまでに2,3日の時もあれば1週間、ときに1~2か月など、内容によってかかる時間が読めない。当然この間は1文字も書けないわけで(本文ではないあらすじやプロットは別として)、つまり1日10枚どころか0ページ、または0字。

 

書き始めてから数えたとしても、私の場合は前途多難。すいすい筆が進めばいいのだけど、1つのセリフに違和感を覚えて丸1日詰まっていたり、設計図と違った方向へ進んでしまうのをヒシヒシ感じたり。

 

そういうセリフはそのままにして進めると、後から思いついた「これだ」というものに代えたときに、大抵書き進めた分も変更することになる。

 

設計図と違う方向に進んだときは、その方が面白いなと思ったらそれまでの展開も変わってくるはずなので最初から書き直す。


そんな方向へ進みたくないのになぜかどんどん変な展開になっているときは、その原因を考えるために筆が止まる。やっと発見した原因の部分を直し、ドミノ倒し的にあちこち直し、結局大体全部書き直す。

 

この段階では、文字数的には1日10枚以上書いている気もするが、ボツ、削除、消去、上書きの嵐で、成果物は全然10枚に届かないわけである。

 

つまり、そういう数え方をすると、私の場合、進まないことにガッカリして落ち込んでどうせどうせ……となってしまうので、真似はしないことにしたのである。

 

代わりに今設定しているのが、2週間で1作投了というペース。参加している小説投稿サイトで、短編コンクールが2週に1度催されているので、それを皆勤してみようと。

 

これは最大20枚という規定なので、1日に換算すると1.4枚くらい。ああとても及ばないけど。

 

でも人はそれぞれだと開き直ることにした。とにかく作る手を止めたくないので、そんな感じで書いている日々。

 

(了)

 

 

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お華を習っていたことがある。

 

就職して多分3~4年目の頃から数年。会社にお華の先生が来てくれて、業後の1時間程度だったか、お華を活けた。会社の一室だったので終わるとまた業務に戻っていくという……何というか、今でいうワークライフバランスというのがなかった時代。

 

でも週に1回のこれが、とても楽しみだった。

集まった他部署の同期とくだらない話をしながら、花材を切って色合いや格好を形作っていく。

 

仕事の合間だろうが、気分転換になった。この習い事はたぶん食費補助と同じ福利厚生の一環で、給料から引き落とされていたんだと思う(もう遠い昔で記憶がいい加減……)。

 

展覧会などにも参加したし、段も取らせてもらえたし、雅号といういわゆる華道上のペンネームみたいな名前もいただいた(何という名だったかは全く覚えていないが、お免状がどこかに保管してあるはず……)。

 

華ばさみや剣山も自分で買いに行ったし、会社を辞めるときの送別の品に花器を希望したりもした。


なので、自分では華道が好きだと思っていた。だから会社を辞めた後も、自分でお華を習える先を探して通い始めた。

 

ところが。

 

選んだ先や時期が悪かったのだと思う。

そこに集まっていたのは当時の私の年齢の、たぶん倍か3倍くらいの年配の方々ばかり。

 

話に入れなくて黙々と一人で活けるだけ。それはそれで構わなかったのだが、ちょうど新年の何やらの行事がある時期だった。準備要員とか参加者が不足している、とかいう話になり、それまで全く無視していた私にいきなり「参加するわよね、参加料○千円」と振ってきた。

 

偉くビックリした。


そもそも会社の福利厚生で習っていたときは、団体扱いだったから相当にお安かったということを、この華道教室のお月謝を見て実感したばかり。続けようかどうしようかさえ迷っていた矢先にこの暴言である。

 

即座に「用事があるので」と断ってしまった。その教室は最初のひと月で辞めた。その後、別の教室に通おうという気も起こらなかった。それで全く支障もなかった。

 

つまり。


そのときに悟ったのだけど、楽しかったのは、気の合う仲間と一緒にわいわい活けていたからだったということ。華道自体が好きだったわけではなく、何か他のものでもよかったのだということ。仕事の合間の息抜きになっていたからこそ楽しかったんだということ。

 

私の場合、結構な確率でこういう「好き」の勘違いが多い。

 

でも、だからといって後悔しているわけでもない。


今でもお花をいただけば活ける。あの頃習ったことは基礎くらいしか覚えていないけど、習っていなかったらただ花瓶に放り込むだけしかできないはず。

茎や枝や葉を切って何となく格好つけてみる、という時間が、一人でも癒しになることを、知らないまま人生を送っていたと思う。

 

勘違いも悪いもんじゃない。どこかで血肉になっているものだなあと思う今日この頃。

 

(了)

 

 

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今日のタイトル「バイバイン」とは、ドラえもんのお話の1つである。すごく印象に残っていて、最近よく思い出す。

 

のび太の大好きな栗まんじゅうが残り1個。食べるとなぜなくなってしまうのだ、と嘆くのび太にドラえもんが差し出した道具(というか薬品?)がこのバイバイン。振りかけると、5分で2個に増えるという。

 

その頃私も栗まんじゅうが大好きだったので、のび太の気持ちは十分にわかった。私もバイバインが欲しいと思った。

 

が、増えた分を家族で分け、友達にも分け、それでも1個残る。すると5分後に2個に、10分後に4個に、15分後に8個になってしまう。2時間で1677万7216個、それから15分で1億個を越すとドラえもんは力説。

 

「このままでは世界中が栗まんじゅうで埋まってしまう」とドラえもんが取った解決方法が怖い。残ったまんじゅうを宇宙に打ち上げて捨ててしまうのだ。あれから〇十年……今頃宇宙はまんじゅうだらけになっているはず。

 

……という、ネットでも話題になっているらしい、ドラえもんの恐怖回。

 

これは金融の複利計算であるとの考察も見られる。

5分で2個、10分で4個、15分で8個というのは、元の1個(元本)と増えた分(利息)が共に倍になるという複利。

単利ならば5分で2個、10分で3個、15分で4個。最初に残っていた1個(元本)だけが増えていく、という。

奥が深い話だったんですね……。

 

ただ、私が最近この話をよく思い出すのは、利息計算とかではなく、新聞チェックという自らに課すノルマのせい。

 

物語を創りたいと思うからには、世の中の動向チェックは欠かせないわけで。テレビやネットニュースも見るが、新聞で読むのが一番わかりやすいし、頭に残る。企画ものやエッセイなども、現代を映すヒントがあちこちに散らばっていて、ネタ拾いには必須だと思っている。

 

が。いかんせん、さぼり癖のある私は、つい日々の雑事の中で後回しにしてしまう。意外に時間を食ってしまう作業なので億劫で。

 

結果、2日分がたまり、4日分がたまり、8日分になり……その増え過ぎた量にげんなりして余計手をつけるのが面倒になり……。

 

と、計算的には違うのだが、この栗まんじゅうエピソードを思い出してしまうのである。やっと全部片付いたぞ、と思った途端に今日の夕刊が来て、その1個を残したままにしているうちに何故かまた8日分がたまっている、といったことを繰り返してしまう……何も新聞に限らず、洗濯でも掃除でも同じこと。もうたまった作業全部宇宙に捨ててしまいたい。

 

ところで、このドラえもん「バイバイン」の回を初めて読んだ時に私が抱いた感想だけど。

「食べてお腹に入った栗まんじゅうはどうなるのだろう?」というものだった。

お腹の中で倍々に膨れ上がり、数分後には食べた人の内臓や身体が――。


複利とか難しいことのわからない小学生には、スプラッタな、別の意味で恐怖な話に映ったのでした。

 

(了)

 

 

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アメリカのメジャーリーグが開幕し、毎日のようにエンゼルス大谷翔平選手の動向がニュースになる。活躍しなくてもとにかく報道される。人気者は大変。

 

こんなにメジャーリーグが身近になったのは、1995年に野茂英雄さんが渡米して道を作り、後にたくさんの日本人選手が続いたから。でもそれまでは、私は映画でしか知らなかった。

 

その名も「メジャー・リーグ」という映画。1989年、出演はトム・べレンジャー、チャーリー・シーン、ウェズリー・スナイプス。

続編もあり、2は1994年、3は1998年。2,3にはとんねるずの石橋貴明が出演。

 

実在のインディアンスを舞台にしているフィクションで、弱小球団が強くなっていく王道のストーリーが小気味いい。しかもあれこれユーモアたっぷり、随所で笑える。


ちなみに、この頃のインディアンスは本当に弱かったらしく、この映画がその後の人気に一役買ったとか。

 

コロナ禍のこのご時世、おうち時間が増えた中で、久しぶりにこの映画を観直した。

 

アメリカのエンタメは楽しいんだなあ、と昔も思ったけど、それを再確認。映画にしても、映画に出てくる野球にしても、観客を楽しませようとする精神にあふれている。

 

ただ、今観ると時代を感じるところもある。

 

ピッチャーが153キロの球を投げたら「死人が出る」などと言われるシーンがある。山場では161キロを記録して仰天されるが、今や現実に大谷は160キロを超える球を何度も投げる。

 

また、キャッチャーをぶっ飛ばす迫力満点のプレイが出てくる。でも現在はコリジョンルールができてそれは違反。あの激突の攻防がないと寂しいとか言う年配解説者もいるけど、あれで潰れたキャッチャーもたくさんいたものね……。

 

他にも、主人公が痛めた膝をアイシングしている場面。……もろ氷水。ビニールに入れた手作りの。今ならスポーツ用の氷嚢があって、みんなかっこよく冷やしている。

 

そんな風に、当時と今の違いを感じながら観るのも面白いけど、純粋にただただ楽しい映画。古臭い感じもないし、野球を知らない人でも全然OK。

 

叫べるし笑えるし、気分が沈んだ時にお勧めな映画です。

 

(了)

 

 

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3/26にプロ野球が予定通り無事に開幕した。

 

今年は春の高校野球も開催されて、去年の中止・延期の嵐からすると嘘のよう。まだまだ感染は怖い状況だけれど、日常が戻ってきた感があってホッとする。

 

私のご贔屓のロッテは、開幕3連戦で3タテを喰らった。アナウンサーによってはスイープなんて言い方をするが、つまり3連敗だったわけで、どっちにしても「ぐぬぬ……」という気分である。

 

相手は昨年の日本一、ソフトバンク。どういう経緯なのか知らないが、このところ開幕3連戦の相手は毎年ソフトのように思う。


こいつら(失礼)、異様に強い。昨年、一昨年の日本シリーズを覚えている方も多いだろうが、セの覇者巨人を2年連続の4タテで圧倒した。

 

我がロッテはこの開幕戦、全く歯が立たなかったわけではなく、勝ちそうで勝てない、ってな試合展開。大差で一方的に負けたのではない。が、負けは負け。

 

3試合目などは、ずっと1点差で勝っていて逃げ切るかと思った土壇場に2ランを喰らい、もうダメかと思えば9回2アウトから2ランを打ち返した。で、今度こそ逃げ切って初勝利か、と前のめりになった矢先、逆転サヨナラを打たれた……なんて試合で。

 

もう胃がでんぐり返って吐きそうになったけど目が離せなくて、結局は負けて悔しくてまた胃が痛い、という。


まあとにかく、そんな、技術だけじゃない、粘りも根性もあきらめの悪さもピカイチのイヤーなチームとなぜ毎年開幕戦を戦わないといかんのか。

 

開幕戦はシーズン143試合のうちの1つなんて言い方をする人もいるけれど。

 

「負け癖」というものに取り憑かれてしまうと厄介で。自分もスポーツをするからわかるのだけど、こいつかなりの曲者。

 

どんなに大差で勝っていても、「やっぱりひっくり返されちゃうのでは?」「このまま逃げ切れるわけがない」とかいう「気」がしてしまう。そしてその「気」はその通りの空気をおいでおいでしてしまうのだ。


負のスパイラルというやつ。これに開幕からいきなり陥ってしまったら最悪。


なので、開幕ダッシュできるかどうかはめちゃくちゃ大きいでしょう。自チームのダッシュもそうだけど、相手チームに弾みがついて快走しちゃうことも充分あり得る。だから最初の最初でソフトなんかと当たりたくないんだってば。

 

確か一昔前は、前年の1位と6位、2位と5位、3位と4位が対戦することになっていたと思うのだけど。


ロッテは去年2位だったのだから、5位の日本ハムとの開幕戦にしてよ……って、このチームにもあんまり分がいいとも言えないから、格段に違ったとも思えないか……。

 

というわけで、今年のプロ野球の始まりに、ちょっとしょんぼりしていたのだが。

5連敗のあと3連勝して、勢いが出てきている。


さすがプロ。「負け癖」などと素人目線で言ったりして失礼しました。

これからの巻き返しが楽しみです。

 

(了)

 

 

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コロナ禍ももう1年。

 

関東圏は21日をもって緊急事態宣言が解除されたけど、小市民からすると何が変わるのかよくわからない。解除される前から人出は結構あったし、解除されてもマスク消毒地獄は続く。

 

今のところ私の生活は解除前と全く変わらない。テレワークも続いているし、買い物や病院以外はほとんど外出せず。

 

思えば、去年の今頃からいろんなことを自粛し、おうち時間が増えた。テレワークで通勤往復2時間+着替え化粧などの準備時間が浮いた。

 

「浮いた」ことが嬉しくて、お菓子を焼いたり料理のレパートリー増に挑戦したり。雑然としまくっていた部屋や押入れの整理に取っ組んだり、年末並みの大掃除をしてみたり。なかなかに達成感もあった。

 

慣れって怖いと思う今日この頃。

 

1年経ったら、去年「浮いた」と思っていた時間はもはや「当たり前にある」時間になってしまい、だから異例な「お菓子を焼く」だの「大掃除をする」だのは全くやらなくなった……。元々必要最低限のことしかやりたくない怠け者なので、あれは一過性のただの気の迷いだったらしい。

 

これから先、コロナが収まって、いろんなことが元に戻っていくとすると、……その生活に順応できるか不安になっている。

 

昔、24時間働けますか、くらいの勢いで勤めていた会社を辞めたときを思い出す。始発で出勤、終電で帰る、みたいな毎日が全てフリーになった。最初は全てがバラ色に見え、昼間に布団をお日様の下に干せる、なんてことが幸せに思えたっけ。

 

すぐに飽きた。

それまで暇ができれば旅行だ食べ歩きだショッピングだ、などと出歩く方が多かっただけに。

 

けど収入のなくなった身でそれはなかなかしづらい。そもそも出かけるには交通費がかかる。会社支給だった定期券がどれだけありがたかったかを痛感した。

 

出費を避けようとすると近所で図書館や本屋をウロウロするくらいで、そうそう時間も潰せない。

 

それでビデオ屋に通い詰め、1日1本映画を観ることにした。それもレンタル料がかかるけど、映画館に行くよりはよほど安上がり。どこにも出かけず一日中家にいるのも悪くないと思うようになる。

 

そうやって巣ごもりに慣れてしまうと、今度は外に出るのが億劫になり更には怖くなった。家を空けることにものすごい抵抗を感じてしまう。鍵やガス電気が気になって何度も確認に戻る。それだけじゃなく、家自体を放っておいてはいけない、みたいな罪悪感が起きるようになって。短時間ならまだしも、長時間だと心がわさわさと不安でちっとも用事に集中できない。

自分ではこれを「外出恐怖症」と呼んでいるが。

 

そんな状態が嫌で落ち込んで更に不安定な気持ちになった。

とにかく家を出る練習をしようと思った。

思い切って資格学校に通うことにしたり、短時間のバイトを始めたりして、少しずつ家を空ける時間を長くするようにした。

 

そうして外に出ようが家にいようが平常心でいられるまでには何年もかかったのに。

 

今後また、あの焦りや罪悪感と戦う日が来るのかな、と、……ちょっとゲンナリしている。

 

(了)

 

 

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かなり昔、漫画の原作を売り込みに出版社を回っていたことがある。

 

とにかく数撃ちゃあたる、って感じでやたらな頻度で持ち込んでは撃沈。若かったからそのダメージも割とすぐに回復、「次、次」と前向きだった。

 

まあ10本に1本採用されれば良い方で、採用されてその気で進めても急にボツになることもあった。

 

このブログで前回4回に渡って、パソコン講師のバイトを辞めた話を書いたけど、その理由の一つに時給の安さがあった。


だけど、この漫画の原作という仕事、時給で考えてみたらそれより遥かに安い。当時同業者さんと、「〇クドナ〇ルドより安いよね」なんて言い合っていたのを妙に覚えている(当時はマ○○ナ○○はかなり時給が低いことで有名だった)。

 

漫画原作というのは成果主義だから、そういう計算は無意味だとは思うのだけど、つい。出来上がってちゃんと掲載されれば、きちんとそれなりの対価は払っていただいたし。

 

漫画の原作は、漫画家さんと同様、漫画のページ数1枚当たりいくらで計算され、消費税もついた。読み切り30ページでもなかなかの金額になった。

 

でも、時給で計算するとすると。


まず、アイディアを思いつくまでああでもないこうでもないと何時間も悩む。電車移動や食事の支度している間とか、隙間時間すべてがそれに染まる。。。

 

どうにか「このテーマで行こう」と決まったら、あれこれ資料を集めたり話聞ける人を探したり。それを読む時間、聞きたい質問の整理、相手の方との連絡、調整、そして聞き取り。それらのデータのまとめ。何時間というか何十時間というか。

 

並行してざっくりストーリーやキャラを決める。これが先のこともあるし後のこともある。とにかく手に入った材料を物語でどう使うかを考えることにまた何時間も費やす。考えても考えても何一つ出てこないという生産性ゼロの時間も長い。

 

その間に何度か出版社に行って編集者さんと「こんな感じでどうでしょう」とすり合わせながら進める。交通時間をふくめると結構な時間話し合う。

 

私の場合、ト書きセリフの形で書き始めるのはこの後だった。

ざっと叩き台として書いたそれを持って行って読んでもらい、指摘を受けて直す。また持って行っては直す。ものにもよるけど、OKとして受け取ってもらえるまで、大体4,5回かかったかと思う。


ただし先ほども書いたけど、突如何かの理由で吹っ飛ぶ危険性を常にはらんでいる。

 

ということで計算の結果、そのときは時給200円くらいになったと思う。


こだわって何度も手を入れば入れるほど、かかる時間は増えるわけだから、更に低くなっていく。


ついでに言うと、自腹でたくさん資料本を買うこともあり、交通費とかお話を聞いた方へのお菓子代などコストとして差っ引くとマイナスなことも。まあこれは当時の私のような駆け出し原作者のお話。

 

でもね、好きだから。やりたいことだから。

 

「持ち込んだ原稿に批評やアドバイスをもらった上にお金をもらえるなんて!」「私の書いた原作が漫画化されて雑誌に載っている!」という興奮は、時給では計れないほど大きかった。

 

(了)

 

 

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パソコン講師のバイトに応募したときの思い出を書いてます。今回で最後です。(→前回、前々回、前前々回のお話 パソコン講師の思い出パソコン講師の思い出2パソコン講師の思い出3

 

このバイト、いろいろあった中で、2番目に閉口したのは、家に追いかけてくるメールだった。今のリモートワーク全盛のご時世で実感している方も多いと思うけど、メールというのは朝昼夜問わず。

 

単に何かの問い合わせとかならいい。けれど、この閉口したというのは、生徒さんたちの進捗度のすり合わせや次回のための準備要請。

 

講師がシフトを組んで対応するということは、生徒さんは毎度同じ講師というわけにいかない。となると講師側は、どの方がどこまで進んでいてどんなところで躓いたか、などを共通認識として持たなくてはならない。それはもっともだと思う。

 

でも。

 

そのカルテを確認する作業は、どう考えても仕事の一環。しかも1時間2時間ではすまない量のこともあった。時給で働いているのに、この作業は自宅でするため、その対象外。ただでさえ低い時給が、そういった分を加味すると、安すぎて笑える金額になる。例えばすべての講義が終わってから教室に残ってこなし、終わってからタイムカードを押すとかないの、と思った。が、言えなかった。

 

いわゆるサービス残業ではないか。それが嫌で会社員を辞めたのに。ただ、そんな正社員だった頃も結局こんなもんか、とあきらめ馴染んでしまった自分。このバイトもそのうちそんな風に思うようになってきた。


そんな頃、営業活動のおふれがきた。……これこそが、辞める決意に至った一番の理由だった。

 

パソコン教室の幟を立てていると、覗いてくるお客様が結構おられる。あるいは新聞の折り込み広告にも載ったから電話もよくかかってきた。これをどれだけ受講者として取り込めるかがパソコン教室運営の基本であることはわかる。

 

でも、大抵興味を持って来られるのは、年配の方々。多いのは年賀状を作りたい、あるいは組合とかサークルなどのチラシを作りたい、または子や孫とメールをしたい、インターネットで調べものをしたい。そんな感じ。

 

自分個人としては、パソコンというものは「難しそうだな」という意識、立ち上げ方など、入り口の壁さえ越えてしまえばいい。そのコツさえつかめば、あとはフリーズしたり上手くいかなかったときに聞ける誰かを見つけておけばいい。というスタンス。

 

だから、こういう方々に、ワードの仕組みから始まってタッチタイピングの練習、段落の作成からインデントがどう、みたいなことをまんべんなく学べる総合コースを勧めて契約させる、という方針がとても嫌だった。いや、営業的にはそれが正しいのだろうけれど、年賀状作りたいだけのお年寄りに必要だとはとても思えず。

 

でもここでも流されやすい私、鵜呑みにしやすい私。仕方ないか……と馴染んでしまいそうになった。

 

そんなとき、悶々の数々をぽろっとこぼした知り合いに一言言われた。「自分だったらその時給でその仕事、絶対にやらない」と。

 

これが決定打だった。馴染まずともよいのだ、と、翌日、表向きの理由をあれこれくっつけ、辞意を伝えた。

 

私のように、教えるほどのスキルもなく、長年仕事らしい仕事から離れていたポンコツが採用されたのは、つまりそういうことだった。人員が次々と辞めていく。だからちょっとくらいスキルが足りなくても数合わせとして必要だったのだ。

 

辞めてしばらくは、順応できなかった自分の不甲斐なさに呆けていた。が、その後別のバイトに就いた。昼休憩は普通にあり、シフト時間外のメールも強引な営業の仕事も全くない。理不尽と思いながら何も言えない自分にイラつくこともなく……ホッとした。

 

あの息苦しさは今でも変わっていないだろうか。パソコンがますます必要となった今のご時世、講師希望者も受講希望者もますます増えているんだろうか。

と、よく思い出す今日この頃。

 

(了)

 

 

 

 

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パソコン講師のバイトに応募したときの思い出を書いてます。(→前回、前々回のお話 パソコン講師の思い出パソコン講師の思い出2

 

一緒に研修を受けた同期が、次々と辞めますメールをくれるようになった。


せっかく仮採用になって実務に就き始めたのにどうして? という疑問より、やっぱりね、という納得の方が先に来た。

私自身、辞めた方がいいかも、という気持ちがふつふつ沸き起こっていたから。

 

時給が低い、お昼休憩要る? の2点は先週書いた。

 

その次は、「近所でお仕事」と謳われた募集のはずなのに、全然近所じゃない場所に配属されたこと。いや、向こうの言い分は「近所」。

 

確かに直線距離は近くなくもない。でも電車だと非常に不便だった。2駅で乗換えてまた3駅で乗り換えてあと2駅。これが乗り継ぎが悪く待ち時間も長い。そのうち1つの路線は年中ダイヤが乱れ、次の路線は元々本数が少なく1本逃すと延々来ない。結局、毎回1時間弱はかかった。


何とか上手く乗り継ごうと乗換口の階段を走る日々。そしてある朝階段を踏み外した。足からイヤな音がした。それでも私が着かなかったら教室が開かない。必死でたどり着いたが……講座中、生徒さんたちの様子見にうろうろするのも辛い痛さ。


その日はずっと痛みが引かなかったけど、夜までの勤務をやりとげて帰った。途中から合流した上司に、都度都度座る度に嫌な顔をされたけど、怪我したとは言えずじまい。いや、そもそも何かを訴えるということ自体、できる空気はなかった。

 

自分が着かないと教室が開けられない、生徒さんが入れない、というプレッシャーは相当だった。で、時間に余裕を見まくって家を出ることになる。1時間半とか2時間とか。

え、どこが近所配属なのよ。と、腑に落ちなさが募っていく。他にも私の沿線上にはいくつも近くに支部があったのに。

 

そういうことが言える雰囲気があれば、たとえ結果は同じでも精神衛生上全然違っただろう。細かい「え?」が、どんどん胸にたまっていくだけ。その閉塞感が、かなり応えた。

 

また、飲食店の深夜営業でも注目されたけれど、ワンオペという問題にもぶつかった。

 

講座の入れ替え時間が確か10分程度。でも次の講座にきた生徒さんへの応対と、前の講座の人からの質問で大抵つぶれる。トイレにも行けない。行くとしても手提げ金庫をそこに置いたままでははばかられる。そういう1人勤務のシフトの時は本当に気が重かった。

 

というか、おかしいよね、この体制。最低2人いないとダメでしょ。先の交通遅延とか怪我とか、はたまた親戚の不幸とか。急な不測の事態の時に、ワンオペだとどうにもできないじゃん、……と、どんどん追い詰められ方向に気分が進んでいった。

 

また続きます。

 


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先週、パソコン講師のバイトに応募したときの思い出を書き始めた。その続きです。(後悔の始まりはこちら→パソコン講師の思い出

 

今の世の中、ニュースで聞く限りでも相当タフな労働環境の方も多く、それに比べれば私の経験なぞ大したことがないのかもしれない。


ただ、流されやすく鵜呑みが得意な私は、何か変だと思っても「これが普通だ」と言われるとそんなものかとそのまま行ってしまう。それじゃやっぱりよろしくないのだろうと、遅まきながら思い返してみている。

 

まず引っかかったのは時給の低さ。

 

この頃より更に0年ほど前にこういうバイトをしていた知り合いによると、パソコンを教えることができる人材は貴重で、その人は学生だったにも関わらず相当な高給だったという。


が、最近はExcelやWordが仕事上標準装備となり、大体の人がそこそこは使える。だから講師の代わりはいくらでもいるということなのか、私が示された時給は東京都の最低賃金ギリギリくらいだったと思う。


ちなみに2020年の東京の最低時給は1013円で当時より大分上がっているから今ならアウト……まあ「研修中の時給」という注釈があり、それがセーフになる抜け道だったのかもしれないが。


けど、しばらく仕事らしい仕事をしていなかった私、勉強させてもらおうという下心もあったから、こんなもんかと目を瞑ってしまった。

 

次に「え?」と思ったのが、「お昼は必要?」と聞かれた時だった。


お昼ご飯は食べるでしょ? 1時間は取れなくてもお昼休み時間がないなんてことあるの? と目が丸くなった。

 

講座単位が1時間だったか2時間だったかで、開始時間も確か10時くらいだったので、その日2コマ~3コマ担当ならお昼休憩なしのブッ通しでも労基法に違反しない。


いやでも私には無理。ご飯は三食ちゃんと食べないと精神的にも体力的にももたない、集中力が激減するタイプなのだ。……という人でなくとも、バイトが単なる労働力で人でない、みたいな問いに、ちょっと疑問が生じなくもなかった。

 

「いえ、お昼はしっかり食べないとダメな方なので……」とか何とか言い返したが、そのこと自体がとても億劫で憂鬱で。こんな要求をしなくちゃいけないことにストレスを覚えた。でも「ああそう」と納得はしてもらえたので、よしとしてしまった。

 

せっかく決まったバイトをふいにしてたまるか、という気持ちもあった。当初から前向きだったDVDを借りまくっての勉強も始めた。もともとパソコンをいじるのが面白いと思うタチだったので、知らなかった機能なりやり方なりを覚えるのは楽しかった。

 

けれど。

そのうち、研修を一緒に受けた何人かの同期が次々と辞めるメールをくれるようになった。みな理由ははっきり言わないが、やっぱりという気がしてきたのはこの頃だった。

 

更に続きます。

 

 

 

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