コロナ禍ももう1年。
関東圏は21日をもって緊急事態宣言が解除されたけど、小市民からすると何が変わるのかよくわからない。解除される前から人出は結構あったし、解除されてもマスク消毒地獄は続く。
今のところ私の生活は解除前と全く変わらない。テレワークも続いているし、買い物や病院以外はほとんど外出せず。
思えば、去年の今頃からいろんなことを自粛し、おうち時間が増えた。テレワークで通勤往復2時間+着替え化粧などの準備時間が浮いた。
「浮いた」ことが嬉しくて、お菓子を焼いたり料理のレパートリー増に挑戦したり。雑然としまくっていた部屋や押入れの整理に取っ組んだり、年末並みの大掃除をしてみたり。なかなかに達成感もあった。
慣れって怖いと思う今日この頃。
1年経ったら、去年「浮いた」と思っていた時間はもはや「当たり前にある」時間になってしまい、だから異例な「お菓子を焼く」だの「大掃除をする」だのは全くやらなくなった……。元々必要最低限のことしかやりたくない怠け者なので、あれは一過性のただの気の迷いだったらしい。
これから先、コロナが収まって、いろんなことが元に戻っていくとすると、……その生活に順応できるか不安になっている。
昔、24時間働けますか、くらいの勢いで勤めていた会社を辞めたときを思い出す。始発で出勤、終電で帰る、みたいな毎日が全てフリーになった。最初は全てがバラ色に見え、昼間に布団をお日様の下に干せる、なんてことが幸せに思えたっけ。
すぐに飽きた。
それまで暇ができれば旅行だ食べ歩きだショッピングだ、などと出歩く方が多かっただけに。
けど収入のなくなった身でそれはなかなかしづらい。そもそも出かけるには交通費がかかる。会社支給だった定期券がどれだけありがたかったかを痛感した。
出費を避けようとすると近所で図書館や本屋をウロウロするくらいで、そうそう時間も潰せない。
それでビデオ屋に通い詰め、1日1本映画を観ることにした。それもレンタル料がかかるけど、映画館に行くよりはよほど安上がり。どこにも出かけず一日中家にいるのも悪くないと思うようになる。
そうやって巣ごもりに慣れてしまうと、今度は外に出るのが億劫になり更には怖くなった。家を空けることにものすごい抵抗を感じてしまう。鍵やガス電気が気になって何度も確認に戻る。それだけじゃなく、家自体を放っておいてはいけない、みたいな罪悪感が起きるようになって。短時間ならまだしも、長時間だと心がわさわさと不安でちっとも用事に集中できない。
自分ではこれを「外出恐怖症」と呼んでいるが。
そんな状態が嫌で落ち込んで更に不安定な気持ちになった。
とにかく家を出る練習をしようと思った。
思い切って資格学校に通うことにしたり、短時間のバイトを始めたりして、少しずつ家を空ける時間を長くするようにした。
そうして外に出ようが家にいようが平常心でいられるまでには何年もかかったのに。
今後また、あの焦りや罪悪感と戦う日が来るのかな、と、……ちょっとゲンナリしている。
(了)
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