孫たちの成長が私に元気をくれる。
お兄ちゃんになったLeo(3歳)は、弟Noa誕生に伴い、数カ月間日本で暮らし、ぎこちなさはあるものの日本語がかなり上達したように感じる。
子供は1~2歳ぐらいから話し始めると言われるが、2~4歳は語彙を増やすのに大切な時期、そう考えると、日本で暮らしたことはLeoにとって実に貴重な体験だったのだろう。
私たちは1988年に渡豪、長男隼人はLeoと同じ3歳、弟竜太(Leoの父親)は1歳だった。
隼人は到着の翌日から地元の幼稚園に通い始めたが、我が家では私も妻も日本語だけで子育てをした。正直に言えば、息子たちの将来に役立つきちんとした英語が話せなかったのだ。
徐々に息子たちの母国語は英語になったが、彼らは今もしっかりとした日本語で会話ができる。
嫁の美麗はLeoの英語の上達が気になるようだが、私たち夫婦は何の心配もしていない。
父親の竜太や伯父の隼人がLeoやNoaの未来予想図をしっかり証明しているからだ。
バーバとなった妻は「家では日本語だけで育てなさい!」とハッパを掛ける。
ちょっと時期外れになってしまったが、クリスマスの話題である。
Leoとこんな会話があった。
私 「レオ、クリスマスにサンタさん来た?」
Leo「うん、サンタさんがぼくのおうちに来たんだよ!」
私 「サンタさんが来たのがどうして分かったの?」
Leo「だって、おうちにサンタさんの足跡があったんだよ」
私 「それは良かったねぇ、ジージのところには来なかったよ」
Leo「ぼくはサンタさんにクッキーと牛乳を置いてあげたんだよ」
美麗「トナカイさんにもニンジンを置いてあげたんだよね」
私 「そうだったのかぁ、ジージはケーキと豆乳を置いちゃったんだよ」
周りの大人たちには大ウケだったが、Leoは豆乳なんて知る由もない。
Leo「ダメだよ、ジージ!、クッキーと牛乳じゃなければサンタさんは来てくれないんだよ!」
たどたどしい日本語だったが、真面目な顔で私はLeoに叱られた。
クリスマスイブ、Leoが眠った後に、竜太と美麗はベランダのドアからツリーまで、まるでサンタが入って来たような足跡をリビングの床に残した、それも雪の中を歩いて来たように。
幼い子供の純粋な心を裏切らない二人の演出は、豪華なプレゼントや食事よりもどれだけLeoに夢や喜びを与えたことだろう。
私 「来年は、ジージのところにもサンタさんが来るといいなぁ」
Leo「ぼくが、ちゃんとジージにおしえてあげるからね」