東京・有明のパナソニックセンター東京で「SPORT×MANGA」展を見たついでに、
こんなに遠くまで来たのだから(?)と同じ有明にある東京都水の科学館に寄ってみたのですね。
同じく東京都が江戸・東京の水道にまつわる歴史を紹介している施設は
先に訪ねましたけれど、こちらは「水の不思議と大切さを科学の視点で紹介し、
水と水道への興味を深める体感型ミュージアム」であると。
たどり着いて早々に「アクア・ツアー」なるものが始まるというので参加してみたところ、
科学館の地下施設の見学でありましたよ。
そもそも地下には東京都水道局の有明給水所があるということで、
葛飾の金町浄水場から送られてきた水道水2万㎥(25mプール×80杯)を貯める配水池と
これを有明や台場あたりの各家庭等に送り出すポンプ3台が設置されておりましたよ。
(25mプールの容量は東京都水道局の数字によっています)
地下の見学は写真不可でしたので、
感じだけつかんでもらうには科学館建物の横に広がる芝地を見て、
この下に配水池が設置されているのだという想像をしていただければと思うところです。
ただ、有明は江東区ですので本来的には江東給水所のエリアということになるものの、
どんどん海側に埋立地が広がり、そこに住まったり通勤したりする人たちの水需要を賄うために
有明給水所は増設されたのでありましょう。
とまあ、かような施設見学の「アクア・ツアー」が終わりますと今度は地下から3階に移り、
水のたびシアターで「アクア・トリップ」なる番組の上映開始を待ち受けます。
ひと滴の水が川を流れ、水道管を通り、海に出て空に戻り、
また地上に落ちてくるという水の循環を、3Dとはいいませんが、
いささか飛び出しもするような映像で見ることができるのでした。
その他には展示解説がいろいろとあるわけですけれど、
概して子供にも分かりやすくできている。ということは、
メインターゲットは子供であり、親子連れであろうかなあと想像するところです。
されど、そうした中で大人にとっても「ほお」と思うことはあるわけでして、
例えば近ごろあちこちで「地震に強い水道管に取り換えています」という工事を見かけますが、
その地震に強い水道管というのはこのようなものだったのですなあ。
なんともおもちゃ丸出しの再現ですけれど、つないだ水道管をクレーン車で持ち上げたとしたら
水道管はかようにたわむのですよということを教えてくれる。
つまり、地震の揺れにも耐えられますと。
実験のコーナーでは、
何もしなければ水に浮いている物体に下からたくさん空気の泡を送り出すと、
あらら物体は沈み始めますよといったことを試すことのできる装置がおいてあったり。
このあたり、いかに理科で習ったであろうことを忘れているかを白状しているようなものですが、
ご存知の方は我慢してお付き合いください。
左側のように浮いている状態ですけれど、
これは物体そのものの重さと水面下にある物体の体積分の水の重さが同じである、
釣り合っているからその場に物体は留まっていると。
それが水の中に空気の泡を送り込むことによってそのままの水よりも密度が薄まるので
水より重さの軽い液体のような状態になってくるわけですね。
ということは、さきほど浮いてとどまっていたバランスが崩れるわけで、
物体そのものの重さを支えきれずに物体は沈んでしまうと。
ただ、これも面白いもので、必死に泡を発生させないとたちどころに普通の水に戻りますので、
物体を沈めておくには汗だくになって泡を出すポンプを圧し続けねばなりません。
いい大人がひとりでやるには誰も見ていない時を狙うべきでしょう。
機会さえ窺えば、いろいろと楽しめる装置がありますですよ(笑)。