仮に代々のお金持ちと成金が結婚するとーうまくいくはずがない
お金の使い方は結構、人生の中で大きな問題だ。一緒に生活するとなると相当重要なことでもある。一般に「お金持ち」には2種類いる。代々のお金持ちと成金だ。この2者は同じ「お金持ち」でもお金の使い方は180度違うのだ。
代々のお金持ちは親から「金銭教育」を受けている。他方、成金はそういうことはない。代々のお金持ち、例えば旧財閥系の御曹司でもお金の使い方は驚くほど質素だ。また「表に出る」ことを極端に嫌う。他方、成金は幼い頃貧しい生活をした反動で、とにかく何にでもお金を使いたくてしょうがない。また「表に」出たくてしょうがないのでマスコミに売り込みをする。
この2者では、仮に現在の資産額が同じでも、お互い分かり合えることはないだろう。私の知り合いで代々のお金持ちと成金が結婚したケースはいくつかあるが、いずれも数年後までには破綻している。当然の結末だろう。
それでは成金に「お金の使い方をアドバイスしたら」という意見もあろう。しかし、これには全く聞く耳をもたないのだ。自分が成功したという自負があるのか、「お金の使い方でも自分は一流だ」と考えるらしい。だからお金をたくさん使うことがいいことだと思っているらしい。代々のお金持ちにとっては「間違いだ」となるが、成金がきくと「名家といってもそんなものか」となるらしい。
結局は生き残るのは代々のお金持ちの方だ。成金は一代で起きて一代でつぶれる例が圧倒的に多い。ホリエモンにお金の使い方を教えるのは不可能だったろう。いい時には本人が聞く耳を持たない(今は持つだろうが)。本当のお金持ちはそこを知っているので、本当のお金持ち同士の結婚が世の中では多いわけだ。なにやらつまらない話になるが、ポイントは「お金を守るのは至難の技」ということだろう。
リーマンショックの傷跡はまだまだ残るー証券、不動産業界
日本株は出遅れているが、世界で見るとリーマン前の水準を超えている国が目立つ。アジアの新興国などは史上最高値などと信じられないことを言っている。日本が史上最高値になれば、日本人全体がほくほくになるだろうが、現実はリーマン前の水準は遥か上にある。
こういった中で、やはり証券界にいた人や不動産業界の方々はまだまだ苦労されている。都心の不動産取引はかなり活発になっているようだが、不動産価格の下落もあり、業績は思ったほどには伸びていない。証券会社の方は一般投資家の信用を失い、新規顧客の開拓もうまく行っていない。
先日、ある大手証券会社の元役員と懇談したが、ともかく証券会社は今生きていくのがやっとという状況のようだ。リーマンショックから2年も経ったのだからそろそろいいだろう、と思ったのだが、個人投資家の株離れが相当深刻らしい。確かに日本株の出来高は少ない。これでは証券会社も儲かりようがない。
リーマンショックが人々の記憶から消えそうになっているが、直接、間接の影響は恐ろしいほど根 深く、関連業界の回復は相当先だと予想している。
不動産市況は反転するか
株や為替ほどではないが、不動産市況も予測は難しい。不動産のことは不動産業者に聞けばいいだろう、とも思えるが、不動産の業界の方の話はほとんど外れるのも事実だ。これは証券会社の人に株を聞いても外れるのと同じ理屈だろう。当事者は自分の利害が絡むので主観が入ってしまうのだ。
サブプライム発祥の地となったアメリカでは、いち早く不動産市況は回復している。今年の春にはリーマンショックの前の水準まで戻っていた。原因をつくった国がいち早く回復するのも変な話だが、日本は株もまだまだ出遅れている。
日本での経験則では、株が高値を取った半年後に不動産は高値を付けている。まずは株が戻ってくれなければ不動産の見通しも暗い。株の方は日本が極端に上がらなかったものの、調整の動きが出てきている。これをきっかけに日本株上昇、不動産上昇といってほしいものだ。
各国が金融緩和に動いているので、経済学上はミニバブルが起きるはずだ。そうはいっても、机上論通りにいかないのが実体経済でもある。ここは一つ、理論通りに実体経済も動いてもらい、デフレ脱却と行きたいところだ。ほとんどのエコノミストが向こう半年くらいは政府の施策にもより、景気上昇を予想しているが、長いデフレで狼少年化している日本人の「気」が気になるところだ。
中国人は景気というように、経済は人間の「気」次第で動くことを昔から喝破していた。自分も経済がよくなると信じて、「気」を持ち続けようと思っている。
石角莞爾さんの「アメリカのスーパーエリート教育」改訂版ー本人はユダヤ人
石角莞爾弁護士が「アメリカのスーパーエリート教育」の改訂版を出した。この本のエッセンスは当協会の第1回研究会で石角さんからお話頂いた。今回改めて読み直してみて、アメリカのボーディング・スクールというものは恐ろしいと感じた。本当のエリートがそこから養成される。日本人はどんどん差がつけられると改めて感じた。
この本でも紹介されているボストンの北の「フィリップスアカデミー(アンダバー)」には2002年に行ってみた。ここはブッシュ親子が行った学校としてつとに有名だ。アンダバーという街はボストンの高級住宅街で、映画俳優の故 ジャック・レモンの家もあった。しかし何より驚いたのはフィリップスアカデミーの広さだ。東大本郷の数倍の敷地面積があるという。高校でだ。
授業の内容も高度で、とても付いていけない感じだ。ボーディング・スクールはユダヤ人が3割を占めるというが、確かにハーバードでもユダヤ人が3割くらいいる。石角さんは、世界はユダヤに支配されているという考えなので、自分もユダヤ人になったわけだ。しかし、いくら石角さんでもこれには相当な決断が必要だっただろう。
私もハーバード、エールと指導教授はいずれもユダヤ人だったが、さすがに自分がユダヤ人になるとは考えない。しかし、ユダヤ人となり、ユダヤ人と仲良くなれると仕事もうまくいくのだろう。ユダヤ人となったのも石角さんの世界戦略に違いない。
経団連のOB会に出て気づいたことーサラリーマンの話題とは
今日は年1回の経団連のOB会があった。OB会の会長が当協会の理事をお願いしている三好正也(元経団連事務総長)なので、なるべく出るようにしている。こういう会合に出てくるのはOBの内の半数くらいだが、それでも元上司や先輩がたくさんいるものだ。OB会とはいえ、経団連会館でやるので現役も多数出てくる。
私は経団連を退職してもう8年くらいになるので、完全に自営業だが、サラリーマンの話題は「人事」のみだ。自分もサラリーマン時代はそうだった。自分のことを含めて、職場の人事がどうなるか、誰が役員から評価されているかなどは、サラリーマンの最大の関心事だ。特に次の役員には誰がなりそうだとかはヒソヒソ話でよく出る話題だ。
経団連は大手町の再開発で新しくて大きいビルになったが、事務局はわずか300名だ。大卒(大学院卒)の新人は毎年1、2名なので全員が知りあいだ。指定校制をとっているので、同じゼミ出身者も多い。昔は大卒の2人に1人は留学できたものだが、最近はご他聞にもれず留学は少なくなっているようだ。やはり留学経験者は離職する若手が多いが、それはそれで大らかに見送ってくれる日本では稀有な職場だろう。私もこういう場に出ても誰から何も言われることはない。
経団連のスタッフは「民僚」と呼ばれ、官僚のように威張っていると言われたものだが、実は皆、裏方に徹するという思いが強い。基本的に出たがり屋、目立ちたがり屋はいない。私自身もそういう意識が強く、マネックスの内藤忍さんによく「表に出なければだめですよ」と言われる。
経団連不要論がよく言われるが、日本企業が成熟しているとはいえばい現段階では、経団連がなくなると政府に要望できる企業は少ない。特に規制緩和などは企業が直接政府に言える話ではない。まだまだ経団連がなくては企業は困るだろう。大手町の角地に立つ経団連会館はしばらくはなくならないと思って帰路についた。
昔のゴールデンコースの実態ー番町小→麹町中→日比谷高→東大
番町、麹町エリアに住んでいると、よく人から吉田茂のような昔のゴールデンコースだね、と言われる。もちろん、日比谷がよかったのは遥か昔だが、ある教育評論家で昔の日比谷がよかった時代でも、いわゆるゴールデンコースを歩んだ人は番町小(約150名)の中でわずか2,3名だったという「調査」をされた方がいる。
何だか、番町小や麹町小にいくと、誰でも日比谷高校→東大にいけるような錯覚を持っている人もいる。しかし、もちろん今はそんなことはなく、全盛期でもそんなことはありえなかったことがわかる。たまたま私の知り合いで全盛期の日比谷高校卒の方が二人おられ(何と50年以上前の卒業)、事情を伺ったところ、やはり同級生で番町または麹町小出身で東大に受かったのは2,3名という証言を得た。やはり「調査」は本当だったのだ。
人々の口コミ、あるいは都市伝説の影響はものすごい。未だにこんな、まさに都市伝説を信じて引っ越してきたり、あるいは越境して通ってくる人は麹町小で半数以上だ。幼稚園でもそんな人がいるのだから驚く。でもそもそもどんな小学校に入っても本人が努力しなければどうしようもない。
私など地方の高校出身の人間は、大学で東京に出てきて、クラスに筑波大や学芸大の付属校の人間がいると、相当受験勉強を学校でやらされただろう、などと聞くものだが、実際は国立大付属は特に学校では受験勉強をしていないらしい。この点は麻布などでも同じようで、皆高校から駿台などの予備校で勉強していたという。
まあ学校はそれでいいのかもしれない。それより、若いうちに一生付き合えるようないい友達を探す方が、将来役立つ可能性はある。ともかく、都市伝説を信じて越境や引越しをしても進学の点ではほとんど意味はないようだ。
今月の日経「私の履歴書」は三菱重工の西岡さんー防衛・宇宙担当から社長へ
今月の私の履歴書は三菱重工の西岡相談役だ。この方とは私が経団連で宇宙開発を担当している間、お世話になった。最初お会いしたのは20年近く前でまだ常務のころだったと思う。その後、三菱重工では、防衛・宇宙関係から初の社長になられた。この分野が認められたということで、関係者は感動していたものだ。
三菱重工は言うまでもなく、初の純国産となるH-Ⅱロケットを開発した会社だ。これは愛知県の飛島工場でつくられていて、私も一度見学させて頂いた。ここからロケットは船に乗って、種子島に運ばれる。種子島ではロケットが愛知から送られてくると地元の人々が港で迎えるそうだ。まあ島としては一大イベントなので当然であろう。
宇宙開発はほとんどが国の予算で行われるので、予算の確保が経団連の命題だ。私も西岡さんなどと一緒に自民党の宇宙関係の大物議員を訪問したことは多い。その中の中心人物が久間さん(元自民党政調会長、初代防衛大臣)であり、この人とはいろいろとやりあった。結果的にかなりの予算の拡充は成功したが、その久間さんとは今、事務所が隣でいろいろと昔話をさせて頂いているのだがら、人生は皮肉だ。
西岡さんはどこに行っても紳士で、怒った姿は見たことがない。常に理詰めで相手を説得するタイプだ。防衛・宇宙分野というのは、いわゆる儲からない部署で、役員にはなれてもトップまではなかなかなれない分野でもあった。そういう中でトップになったというのは相当な実力の持ち主だろう。
そうはいっても、仕事の付き合いだけなので、ご本人のバックグラウンドまでは存じ上げていない。ここひと月、楽しみに読ませて頂こう。
なぜ金融詐欺師はなくならないー人々の欲望のせい
世の中には継続的になくならないものがある。交通事故、泥棒、殺人事件などは今後もなくなることはないだろう。これと同様に、金融詐欺も今後もなくならないだろう。
有名なチェールズ・ポンジがボストンで金融詐欺(ポンジ・スキームの始まり)を行ったのが約100年前。未だに同じ手法の詐欺が横行している。この原因は人間の中にある間違った欲だろう。人間は誰でも「自分だけは運がいい」「自分にそのうちにいい話が飛び込んでくる」という間違った確信がある。詐欺師がこの感情を利用しないわけがない。
詐欺師の常套文句は「あなただけ」というものだ。でも何で見ず知らずの人が、あなただけにそんないい情報を教えるのだろうか。まずは自分でやるはずだ。百歩譲っても、家族や親族にいうはずだ。自分でもやらず、あなただけを儲けさす人がこの世にいるだろうk。
「自分だけに幸運がくる」などということは今の世ではなかなか考えられない。しかも何の申し込みも必要なく、突然幸運がくるというのだから、おかしいと思わなくては異常だ。
その異常さに気づかないのが詐欺に会う人の心理だ。気をつけたい。
不思議な国、中国ーなぜ観光客はあんなに現金もっているの?
最近は土日どこにいっても中国人だらけだ。東京の銀座、新宿、秋葉原は言うに及ばず、箱根や日光のいいホテルにいくと、そこは中国人のたまり場だったりする。どう見ても、日本人より中国人の方がお金持ちになった気がする。しかし、中国人の収入を見ると富裕層でも300万円くらいで、なぜ日本旅行ができるか不思議だ。
これはどうやら中国の税制に大きな理由があるようだ。社会主義の国なので経済は資本主義化したものの、税制はまだまだ資本主義に追いついていないのだ。例えば、中国には贈与税が相続税がないのだ。最近の新聞報道によると、しばらく導入予定もないらしい。そうなると「給与」はあまり問題でなく、親の資産は大きく関係する。
先進国はなんと言っても相続税の負担が大きく、3代でお金はなくなってしまうものだ。中国では贈与税、相続税がないので、給与よりも親の遺産がどの程度あったかが重要なポイントになると思われる。改革開放政策からもう30年、貧富の差は日本の比ではない。中国人が日本に来ると、あまりの貧富の差のなさに「日本は社会主義国か」と驚く人もいるらしい。
秋葉原で100万円使うのはまだまだで、最近では日本の不動産も中国人に買い占められつつあるらしい。中国には年金もなく、また土地の永代所有権もないので、東京のマンションが魅力的に映るようだ。貸しておけば未来永劫、家賃は入ってくる。100年単位で考える中国人らしい話だ。
まだまだ日本人は中国人に偏見を持っており、中国人は嫌いだから中国ビジネスはやらない、と公言する人もいる。しかしこれは間違いだろう。その点、中国人は割り切っており、バブルのころの中国人は日本人は嫌いだが商売は別と考えていた。今の日本人はその反対をしなくてはいけない。日中の経済力は今後差が広がるばかりになるからだ。
政治や領土問題は主張すべきは主張するが、経済関係は分けて考えるのがビジネスの基本であろう。
日本は「プロパテント」の国になれるかー元特許庁長官の荒井寿光さんの主張
昨日の日経「経済教室」は元特許庁長官の荒井さんの論文だった。荒井さんは通産官僚で人事ローテーションでたまたま特許庁長官になったと思うのだが、その後は一貫して特許のこと、特に「プロパテント」(特許を国家戦略にする)の主張をされている。これはご本人の信念だと思われる。
荒井さんは通産の事務次官候補として、もちろん名前は存じ上げていたが、実際にお会いしてお話したのはハーバードクラブの席上だった。若いころケネディスクールに留学されていたそうだ。その後、たまたま路上で2度ほどお会いして、何となく不思議な縁を感じている方だ。退官後は日本貿易保険の理事長などをされていたが、その時にもプロパテントを主張されていた。
私も経団連で何年か、知的財産権を担当していたが、プロパテントの問題意識はあったが、本当に日本が特許を国家戦略にできるかについては若干懐疑的だった。確かにデータ上は日本の特許件数は世界一、二だが、アメリカのように戦略的に活用しているとは言いがたい。企業でも特許には力を入れているとは言い難く、特許部門から役員になったのはキヤノンの丸島・元副社長くらいだった。
なかなか日本企業、日本社会の特許に対する見方が変わらないので、荒井さんが機会あるごとに主張されているわけだが、冷静に考えるとこの主張は的を得ている。もはや日本にはものづくり、それに伴って発生した特許くらいしか世界に誇れるものはないからだ。
早く日本人もこの事実に気づき、特許で国の退勢を支えていくくらいの国策を立てれば、衰退の速度を遅くすることができる気がする。