経団連のOB会に出て気づいたことーサラリーマンの話題とは
今日は年1回の経団連のOB会があった。OB会の会長が当協会の理事をお願いしている三好正也(元経団連事務総長)なので、なるべく出るようにしている。こういう会合に出てくるのはOBの内の半数くらいだが、それでも元上司や先輩がたくさんいるものだ。OB会とはいえ、経団連会館でやるので現役も多数出てくる。
私は経団連を退職してもう8年くらいになるので、完全に自営業だが、サラリーマンの話題は「人事」のみだ。自分もサラリーマン時代はそうだった。自分のことを含めて、職場の人事がどうなるか、誰が役員から評価されているかなどは、サラリーマンの最大の関心事だ。特に次の役員には誰がなりそうだとかはヒソヒソ話でよく出る話題だ。
経団連は大手町の再開発で新しくて大きいビルになったが、事務局はわずか300名だ。大卒(大学院卒)の新人は毎年1、2名なので全員が知りあいだ。指定校制をとっているので、同じゼミ出身者も多い。昔は大卒の2人に1人は留学できたものだが、最近はご他聞にもれず留学は少なくなっているようだ。やはり留学経験者は離職する若手が多いが、それはそれで大らかに見送ってくれる日本では稀有な職場だろう。私もこういう場に出ても誰から何も言われることはない。
経団連のスタッフは「民僚」と呼ばれ、官僚のように威張っていると言われたものだが、実は皆、裏方に徹するという思いが強い。基本的に出たがり屋、目立ちたがり屋はいない。私自身もそういう意識が強く、マネックスの内藤忍さんによく「表に出なければだめですよ」と言われる。
経団連不要論がよく言われるが、日本企業が成熟しているとはいえばい現段階では、経団連がなくなると政府に要望できる企業は少ない。特に規制緩和などは企業が直接政府に言える話ではない。まだまだ経団連がなくては企業は困るだろう。大手町の角地に立つ経団連会館はしばらくはなくならないと思って帰路についた。