日本語を母語とする人が学校で学ぶ「国語文法」と、日本語を母語としない人が学ぶ「日本語文法」のについていくつか書いたけど、検定についても書いてみる。
勘違いする人が結構いるんだけど、日本語に関する検定もいくつか種類がある。
日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験は「日本語能力試験」。最高レベルがN1で、N5まである。日本語を母語としない人のための試験は他にもあるけど、これがいちばん受験者数が多い。
多分、「自分はネイティブだし~。勉強しなくたって日本語話せる~」みたいに思って国語の授業をサボってた人がナメてかかると、N1は難しいのではないかな。合格ラインには達するかもしれないけど、満点取れない人は普通にいると思う。
留学生として専門学校や大学に入ろうとすると、N2レベルを要求されることがあるんだけど、これも簡単ではない。
大きめの本屋なら問題集がいろいろ置いてあるので、興味がある人は見てみてほしい。
日本語を母語としない人を対象としたのが上の「日本語能力試験」で、日本語を使うすべての人のための検定というのが「日本語検定」。1級から7級まである。対象や形式などが違うので単純には比較できないけど、日本語能力試験のN1より日本語検定の1級の方が難しいと思う。
日本語能力試験は、日本語を正しく使えるかどうかの判定がメインだけど、日本語検定の方は、日本語の知識も必要になる。普段はなかなか使わないような古い言い回しや漢字熟語なんかも出るので、普通の人がいきなり受けても受からないのではないかな。
問題集で勉強してから受けることをおすすめする。私は2級を受けたけど、問題集にも当日の問題にも、生まれて初めて見る言葉がいくつもあった。
一番下の7級は小2レベルだそうなので、子供でも受けられる。
学校を卒業して社会に出ると、「日本語」を学ぶ機会が極端に減ってしまう。「あれ?これってどっちが正しいんだっけ?」みたいなことが時々出てきたりして、もっと自分の日本語力を上げたいな~と思ったりすることがあっても、どうやって勉強すればいいかわからないという人も多いかもしれない。そんな時にこの「日本語検定」はなかなか面白いと思う。敬語など、実用的なことも改めて勉強し直せる。日本語を母語とする人が受ける日本語に関係した検定としては「漢字検定」がよく知られていて、英検と共に受験を推奨している学校もあるようだけど、「日本語検定」は知名度がイマイチで、そういう動きはまだない様子。漢検ももちろん面白いけど、もっと広く日本語全体のことを学ぶなら「日本語検定」だと思う。
学生時代を思い出しながら試験勉強して、当日ピリッとした緊張感の中で試験を受けるのもいいものだし、結果を待つ間のちょっとしたドキドキも懐かしい。