「売掛金」「買掛金」については、「資産」や「負債」について書いた時に既に軽く説明した。
↑この記事では、「どうして『売掛金』が『資産』なのか」「どうして『買掛金』が『負債』なのか」をサラッと説明したと思う。これが理解できていれば、掛け取引についてはほぼわかっていることになると思うけど、まぁ、よく使う勘定ではあるので一応書いておくか…。仕訳の仕方は「三分法」を使う。
まず、買い手側。
掛けで商品を仕入れた時
仕入(費用+) 300/買掛金(負債+) 300
コンビニで物を買った時は、商品を受け取るのと同時に相手に代金を渡さなければならないけど、「掛け」で仕入れる場合は、商品を受け取った時は代金を渡さない。「本来なら相手に渡っているはずの代金がまだ自分の手元にある状態というのは、相手から借金をしている状態と似ている」と考えると、「買掛金」は「負債」となるので、貸方(右)に「買掛金 300」となる。
「後払い」となっていた代金を現金で支払った時
買掛金(負債-) 300/現金(資産-) 300
「買掛金」がなくなるので、仕入れた時と反対の借方(左)に書き、相手科目は現金。資産が減るので貸方(右)に書く。「現金を払って借金がなくなった」みたいなイメージ。ちなみに、上記のように全額を一度に払う場合もあるし、「買掛金 100/現金 100」のように一部だけ払う場合もあり、こういう時は貸方に200が残ったままになる。
次。売り手側。
掛けで商品を売った時
売掛金(資産+) 300/売上(収益+) 300
コンビニが客に商品を売る場合、代金と交換になるが、会社同士の売り買いの場合、双方が合意すれば「後払い」にできる。売り手側から見ると、商品を相手に渡したのに代金が受け取れない状態になるが、これを「本来なら自分の手元にあるはずの代金が相手の手元にある状態は、相手に金を貸しているのと似ている」と考えると、「借金の反対」ということになるから「売掛金」は「資産」となる。
「後払い」となっていた代金を現金で受け取った時
現金(資産+) 300/売掛金(資産-) 300
資産である「売掛金」がなくなるので、反対の貸方(右)に書き、代わりに資産である現金が増えるので借方(左)に書く。貸していた金を返してもらったイメージ。ちなみに、上記のように全額を一度に受け取る場合もあるし、「現金 100/売掛金 100」のように一部だけの場合もあり、こういう時は借方に売掛金が200残ったままになる。
「売掛金」が資産で、「買掛金」が負債だということがわかっていれば、そこまで難しくはないかと思う。
くどいようだけど、私は、簿記の勉強を始めた時はほとんど予備知識がなく、そもそも「掛け取引とは何か」「売掛金とは何か」みたいなところから勉強した。だから、慣れるまでは「これは売掛金だっけ…買掛金だっけ…」「売掛金はたしか借方で…」とか考えながら仕訳を書いていた。そういう人はあまりいないのかもしれないけど、もし当時の私みたいな人がいたとしたら、「単純に、『売ったら売掛金、買ったら買掛金』と考えればOK」「商品が売れたら『売掛金』、売れたら嬉しいんだから『資産』、『買掛金』はその反対だから『負債』」みたいな感じで考えれば良いかなと思う。当たり前すぎて、こういうことはテキストにはあんまり書いてないと思うけど、こんな風にシンプルに考えることができると、問題を解く時間の短縮になるし、不安やストレスが減ると思う。
そして、ついでなので、「未収入金」「未払金」についても説明してしまおうかと思う。要するに、「商品を仕入れた時に後払いにすると『買掛金』になるけど、商品ではないもの(備品等)を買った時に後払いにすると『未払金』になる」、「商品を売った時に後払いにすると『売掛金』になるけど、商品ではないもの(備品等)を売った時に後払いにすると『未収入金』になる」ということで、これは「会社のメインの商売に関わるものは『売掛金』『買掛金』を使い、そうではないものは『未収入金』『未払金』を使って区別する」という風に理解するしかないと思う。この、「メインの商売に関わるものかどうかで区別する」という話は、ここ以外でも出てくるので、最初はピンと来なくても、徐々に慣れてくると思う。
会社同士で物を売買する際、双方にとって「商品」なら、上記のような仕訳になるが、例えば、「A社で使っていたパソコンが不要になったが、B社がそれを備品として買いたいと言ったので、後払いで売買した」みたいな場合は、
(A社側)
未収入金 10,000/備品 10,000
(B社側)
備品 10,000/未払金 10,000
こうなると思う。この場合、A社側から見てもB社側から見てもパソコンは「備品」。では、これがもし、「そのパソコンが、A社から見ると『商品』で、B社から見ると『備品』だったらどうなるか?
(A社側)
売掛金 10,000/売上 10,000
(B社側)
備品 10,000/未払金 10,000
こうなると思う。B社が、中古品を販売する会社だったら、A社が売った「備品のパソコン」を商品として仕入れることもあり得る。
(A社側)
未収入金 10,000/備品 10,000
(B社側)
仕入 10,000/買掛金 10,000
どちらから見ても「商品」なら、片方が「売掛金」、もう片方が「買掛金」を使うけど、どちらから見ても「備品」なら、片方が「未収入金」、もう片方が「未払い金」を使う。こういう場合は、売り手と買い手の仕訳が対照的になる。でも、片方から見ると「商品」、もう片方から見ると「備品」ということもあり得る。そうなると、片方が「売掛金、買掛金」を使い、もう片方が「未収入金、未払金」を使うこともあり得ると思う。
まぁ、簿記の問題で中古品を扱う会社が登場することはあまりないような気がするけど…。
