非常に細かいことなんだけど、「アクセント」のことを「イントネーション」と言う人がかなりいて以前から気になってる。どちらも音の上がり下がりに関係する用語で似てはいるんだけど、「アクセント」は単語レベルのもので、「イントネーション」は文レベルのものだと思うんだよね。例えば、「あめ」を「高低」で言うと「雨」、「低高」で言うと「飴」になるけど、これは「アクセント」の違い。「雨が降っている。」という文の最後を上げずに言えば事実を述べる文で、最後を上げて言えば疑問の意味になる。これは、「イントネーション」。
たしかに似ているものなので、間違える人がいても不思議ではないんだけど、「アクセント」と言うべき場面で「イントネーション」と言う人が多く、逆はほとんど聞かないのが不思議。
似ているものなんだから、ごちゃごちゃになって「イントネーション」と言うべき場面で「アクセント」と言う人がいてもおかしくない気がするが、私自身は聞いた(見た)記憶がない。
はっきりした理由はわからないけど、この2つの違いを知らない人が多いことに加えて、「アクセント」より「イントネーション」の方を後に覚える人が多く、「イントネーション」の方に新しくてオシャレな印象を持つ人が多いからかなと個人的に思ってる。我々世代だと、子供の頃に大人達が「チョッキ」とか「えもんかけ」とか言うのを聞いてものすごくダサい感じがして、積極的に「ベスト」とか「ハンガー」を使うようにしたという人は多いと思う。そんな感じなのかなと。(そして今は「ベスト」を「ジレ」と言うんでしょ?)
「アクセント」と「イントネーション」と同様に、「語尾」と「文末」の使い方も気になってる。「文末」と言うべき場面で「語尾」と言う人が結構いる。「語尾を上げて言う」のような言い方をよく聞くけど、ほとんどの場合「語尾」ではなく「文末」。要するに、上がり調子のイントネーションのことを「語尾を上げる」と言っている。
これも、「アクセント」と「イントネーション」の例と同様で、逆の使い方はほとんどないんだよね。理由はやっぱり不明。「語尾」と「文末」だと、どちらを先に習うか微妙だしよくわからない。習う順番は関係なく、「語尾」の方が文字数が少なくて言いやすいからみたいな理由である可能性もある。
こんな感じで人の言葉遣いの細かい部分が気になってしまう。モヤッとするけど、同時に面白さも感じる。