大学で受けた日本語関係の授業の中で、何の科目だったかは思い出せないんだけど、「外来語(カタカナ語)の形容動詞(ナ形容詞)はたくさんあるが、形容詞(イ形容詞)は少ない。現時点で一般的に知られているのは『ナウい』くらいしかない」みたいな話を聞いた。「ナウい」は当時(1990年代後半)既に古くさくなっていて、大学生で使う人はほとんどおらず、じゃあカタカナの形容詞ってないのか~へぇ~と思った記憶がある。

 

 

 

一般的な初級の日本語教科書に載っている単語で考えると、多分、イ形容詞の方が多いと思う。だから、日本語全体で見ても、ナ形容詞よりイ形容詞の方が多いのではないかと思う。でも、これが「カタカナの」となると逆になってしまう。しかも、その差がかなり大きい。

 

 

 

今思いつくカタカナのナ形容詞(形容動詞)というと…

 

キュートな

クールな

クリアな

クリーンな

ゴージャスな

シャープな

ソフトな

チープな

ナイスな

ナチュラルな

ハードな

ビッグな

フレッシュな

ヘビーな

ヘルシーな

ラッキーな

ワイドな

 

 こんな感じか…?もっとあると思うがキリがないのでこの辺で。日々増えている感じがする。形容詞に限らず、カタカナの外来語は日々増えているので、全部を把握するのは不可能だろう。

 

 

 

去年かおととしあたりだったと思うけど、「そういえば…『エモい』って少し前から聞くようになったけど…もしかして…少ないと言われてる『カタカナのイ形容詞』なのでは!?」と気づいて、1人で静かに興奮したのを覚えている。しばらく後に、「そういえば、『グロい』もあるな。『グロい』は『エモい』より前から使われているかも」と気がつき、今に至る。

 

 

あとは「ラグい」も最近使われているらしい。子供が時々ヒカキンの動画を見ていて、その中でヒカキンが「ラグい」と言っているのを聞いたことがあったんだけど、その時はその場限りの冗談だと思った。でも、そうではなくて、使う人は結構いるらしい。

 

 

そうなると、現在知られているカタカナのイ形容詞(形容詞)は、「ナウい」「エモい」「グロい」「ラグい」こんな感じ?………と思ったんだけど………「エロい」もあるよね…。多分、上記の大学時代に既に「エロい」は使われていた気がする。でも、大学の授業中に「エロい」を持ち出すのは憚られたのかな。

 

 

 

なぜナ形容詞(形容動詞)が多く、イ形容詞(形容詞)が少ないのか、専門的、学問的なことはわからないんだけど、ちょっと思ったのは、「ナ形容詞の方は、英語の形容詞に『ナ』がついてる形が多いけど、『now』と『lag』は形容詞ではないな~ということ。数少ない「カタカナのイ形容詞」の中の2つが、形容詞ではない英単語から作られていることには何か意味があるんだろうか?

 

 

 

これについて考える時、「色を表す形容詞は少ない」というのもよく思い出す。色を表すイ形容詞は、「赤い」「青い」「白い」「黒い」「黄色い」「茶色い」くらいしかなく、「緑」「黄緑」「紫」「水色」「桃色」「橙色」など、一般的な色鉛筆セットに入っているような他の色はそれぞれ「緑の~」のように使うため形容詞ではなく名詞ということにになる。「黄色い」「茶色い」はイ形容詞なのに、「水色い」「桃色い」と言えない理由もよくわからない。他にも、「灰色」「紺」「ピンク」「オレンジ」「グレー」「ベージュ」等、色を表す言葉はたくさんあるが、イ形容詞は見当たらない。外来語とは特に関係はないと思うけど、なんか思い出してしまう。

 

 

言葉って不思議。