Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)の『Golden Hour』の楽曲を全て訳し終わりました。このアルバムの感想は一度投稿しているのですが、改めて少し書いてみたいと思います。

Kacey MusgravesGolden Hourは良くも悪くもこれまでとは異質のアルバムだと思うのです。それはサウンドだったり、メロディラインだったりはもちろんなのですが、その歌詞も、これまでの彼女とは大分違う印象を私は受けました。


とても印象的なインタビューがありました。

彼女はここ最近、みんなの世界が離れて行くのを感じたと。余りに多くのことが起こりすぎている、そこで鋭い、気の利いた面白い言い回しの歌詞を書くの簡単なことだろうけれど、そうはしたくなかったと。なぜならそれをすることにより、もっと、もっと、離れ離れになって行くだけから。だから、今回はもっと、普遍的なものを扱い、ほんの少し、一般化した表現にすることを意識したのだそう。


私自身、Golden Hourに関しては、初聴(という言葉はないでしょうが)では拍子抜けした面もありました。けれど、聴けば聴くほど、心地良さを感じるのです。それはいわゆる癒し系、とも違って、揺るがない、素朴な美しさが、そこにはあったのです。なので彼女の言葉を聞いて、私はとても納得しました。歌詞に関してもそう。やっぱりただの綺麗事ではない、それまで沢山のことを語ってきた彼女が言うからこそ、際立つ言葉が沢山、そこにはあったと思うのです。ということで、今回はそんな歌詞の言葉たちを少し集めてみようと思います。


Born in a hurry, always late

早く生まれたけれど、いつも遅刻ばかり

Haven't been early since '88

はやすぎることなんて何一つない、88年から

Texas is hot, I can be cold

テキサスはアツい場所、私は冷静

Grandma cried when I pierced my nose

おばあちゃんは泣いてた、私が鼻にピアスした時には

Slow Burnより


I'm comfortable when the sky is gray

心地よく感じるもの、空が灰色だとしても

But when everything is perfect, I start hidin'

けど全てが完璧だと、私は隠れてしまう

'Cause I know that rain is comin' my way, my way

だって雨が降るって分かってるから、私の道には、私の道には

Happy and Sadより


The weight of the world on my shoulders

世界中の重荷が、私の肩にのしかかる

Hope my tears don't freak you out

私の涙が、あなたを動揺させませんように

They're just kinda coming out

これはただ、勝手に現れるものだから

It's the music in me and all of the colors

それが音楽、私の中の、そして全ての色

Motherより


But roads weren't made
けど道は、
To not go down
進むために作られていないし
And there ain't room for both of us in this town
場所もないもの、私たち二人のためになんて、この街では

Space Cowboyより


When it rain it pours but you didn't even notice
降るときには、土砂降り、けれどあなたは気づきもしない
It ain't rainin' anymore
, it's hard to breathe when all you know is
もう雨は降ってこないのに、これ以上は、息苦しくてしょうがないもの、あなたが
The struggle of staying above
, the rising water line
なんとかそこに留まろうとすると、水かさはどんどんあがってくるものだから

Rainbowより


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