Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)のアルバム『Golden Hour』について、軽いレビュー的なものと、今作に収録されている、Rainbowの歌詞と和訳です。

 


【Golden Hourについて】

2018年3月31日に発売されたアルバム『Golden Hour』。アメリカでは各方面からかなり好評らしい今作は、美しいメロディと共に繊細で伸びやかな彼女の歌声が堪能出来る作品となっていました。これまでの、鋭くどこかひねくれたような視点は抑え気味ではありますが、それでもSpace CowboyやRainbowの素朴な美しさはちょっと他では見られないものだと思います。ディスコ風のHigh Horseも素晴らしい切れ味。全体的にはSheryl CrowやMichelle Branchなど00’sのシンガーソングライターのアルバムを思わせるような、そんなちょっと懐かしさを感じさせる曲が並びます。

 

ポップ要素の強いアルバムということで、寂しさを全く感じないわけではありませんが、それとは別にとても完成度の高いアルバムだと思います。High Horseが公開されてかなり覚悟していた身としては、思ったよりアコースティックでカントリー要素は残っていました。マクドナルドのようなお手軽音楽にはなりたくない、と過去に語った彼女ですが、その言葉の通り、ポップでありながら、チープさは全く感じさせないあたりは流石だなぁと。その辺、彼女のメロディセンスが光ります。

 

Golden Hourのタイトルの通り美しく、そして彼女の出身がGoldenという街、ということも含んでの意味なのでしょうか、どこか懐かしさを感じるような、何か心からの安心を得られるような、心地よさを感じる作品でもあります。個人的に彼女の場合カントリーから完全に離れ、そこから戻ってこない、ということは決してないと確信しているので、だからこそ、今回はこれまでとは一味違った、このアルバムを存分に楽しもうと思っています・・・!

 

【Rainbowについて】

個人的に大好きな曲です。歌詞もメロディも歌声も、素朴でただただ美しい。例えば"When it rain it pours but you didn't even notice"の導入部分、まあ、普通の歌詞なのですが、彼女が歌うと土砂降りという言葉に、もっと具体的な場面が肌で感じられるように思えるのです。

 

 

When it rain it pours but you didn't even notice
降るときには、土砂降り、けれどあなたは気づきもしない
It ain't rainin' anymore, it's hard to breathe when all you know is
もう雨は降ってこないのに、これ以上は、息苦しくてしょうがないもの、あなたが
The struggle of staying above, the rising water line
なんとかそこに留まろうとすると、水かさはどんどんあがってくるものだから

 

Well, the sky is finally opened, the rain and wind stopped blowin'
そう、空が、やっと開いたの、雨も風も吹き荒れるのを止めた
But you're stuck out in the same old storm again
けれどあなたは、さらされたまま、いつまでも変わらない、嵐の中で

 

You hold tight to your umbrella, but darlin' I'm just tryin' to tell ya
あなたは自分の傘をギュッと抱えてる、けど、ねえ、私はただ、あなたに伝えたいの
That there's always been a rainbow hangin' over your head
そこには、いつだって、虹がかかっているんだって、あなたのその頭の上には

 

If you could see what I see, you'd be blinded by the colours
もしあなたに見えるなら、私が見ているものを、あなたの目は眩むはず、沢山の色によって
Yellow, red and orange and green, and at least a million others
黄色、赤色、オレンジ、緑、それに、少なくても、他に100万もの色があるはず
So tie up the bow, take off your coat and take a look around
だから、蝶ネクタイを結んで、コートを脱いで、眺めてみるの、周り中

 

'Cause the sky is finally opened, the rain and wind stopped blowin'
だって空が、やっと開いたの、雨も風も吹き荒れるのを止めた
But you're stuck out in the same old storm again
けれどあなたは、さらされたまま、いつまでも変わらない、嵐の中で

 

You hold tight to your umbrella, oh darlin' I'm just tryin' to tell ya
あなたは自分の傘をギュッと抱えてる、ああ、ねえ、私はただ、あなたに伝えたいの
That there's always been a rainbow hangin' over your head
そこには、いつだって、虹がかかっているんだって、あなたのその頭の上には

 

Oh, tie up the bow, take off your coat and take a look around
ああ、蝶ネクタイを結んで、コートを脱いで、眺めてみるの、周り中
Everything is alright now
全てが、大丈夫なのだから、この瞬間

 

'Cause the sky is finally opened, the rain and wind stopped blowin'
だって空が、やっと、開いたの、雨も風も吹き荒れるのを止めた
But you're stuck out in the same old storm again
けれどあなたは、さらされたまま、いつまでも変わらない、嵐の中で


Let go of your umbrella, 'cause darlin' I'm just tryin' to tell ya
手放してしまうの、その傘を、だって、ねえ、私はただ、あなたに伝えたいの
That there's always been a rainbow hangin' over your head
そこには、いつだって、虹がかかっているんだって、あなたのその頭の上には
Yeah, there's always been a rainbow hangin' over your head
そう、そこには、いつだって、虹がかかっているんだって、あなたのその頭の上には


It'll all be alright...
きっと、全て、よくなるから・・・

 

※"When it rain it pours"
「降るときには、土砂降り」
降らない時には降らないのに降るときには土砂降り。悪いこと続き、という意味です。

 

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