WHO 脳腫瘍病理分類改定に驚き。
いつも、脳腫瘍のことに関しては、有名なS先生のHPで学ばせていただいています。うちの長男の病気に関連するような情報も、内容がときどき更新されているので、たまに拝見させていただいていますが、S先生のHPの松果体腫瘍の項目に、「Desmoplastic myxoid tumor of the pineal region,SMARKB1-mutant」のことが追加されていてびっくり。https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/pinealtumor/略して「DMT」というのですが、この病気の日本語名はありません。2021年の6月のWHO脳腫瘍病理分類の改定で、松果体腫瘍の病理分類として新たに加わったようですが、この病気は、うちの長男が、2021年1月に、最初にC大病院での生検の結果、診断された病名です。診断が確かならば、日本初の症例と言われました。「治療法が確立されてない。でも抗がん剤・放射線をやってみる。」という、あやふやなスタートでした。ただ、C大病院の先生も、当時まだこの病気は病理分類には入っていなかったこともあり、「こういった分類の病気が存在しているかどうかもわからない」ということで、DMT(疑い)という診断でした。(写真は、当時の説明書類です。)日本初で治療法が無いってどういうこと!?と思って、当時、このDesmoplastic myxoid tumor はネット上で検索しても英語の記事が1件(およびその転載記事)だけで、まったく情報がないのに、毎日調べまくっていたことを思い出します。『病理診断結果 世界で10例の希少疾患 DMT??』生検で採取した組織の病理診断結果が出たということで、病院へ聞きにいきました。概要は以下の通り。◎Desmoplastic Myxoid Tumor (DMT…ameblo.jp最終的にはこの「DMT」じゃなかったことが判明しています。セカンドオピニオンで転院後、J大病院で全摘出した腫瘍細胞を調べてもらったところ、そのようなものではなく、松果体混合性胚細胞腫瘍の未熟奇形腫だったとのことでした。病理診断の生検は、腫瘍細胞をほんのちょっとだけ採取してきて調べるだけですので、ときに、正しい診断が難しいことがあるそうです。うちの子の生検の時にも実施前に、そのようにお聞きしていました。希少な疾患ですし、脳腫瘍の病理に、遺伝子診断が行われるようになって、いろいろ種類が細分化してきているようですね。うちの長男も、もしもDMTだった場合は、「がん遺伝子パネル検査」という、検査を行う予定でした。不景気で物価高の世の中ですが、こういった先進医療の研究には、国の予算をどんどんまわして欲しいなと思います。治療方法も、どんどん進歩して、脳腫瘍を簡単に治せる未来がきますように。