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農学博士の偉大な研究
■ その7 ◇戦略的子孫繁栄プログラミング ■
それからキャンパスには行ってない。
理由は、自主的に行きたいと思わなくなったからだ。
敦賀さんと会った時にどんな顔をしたらいいのか判らなかったし、他ならぬユキちゃんから、私は秘密の告白をされたくなかった。
一度は自分から真相を聞こうとしたくせに。
でもいまその気は完璧に削がれている。
原因は明確だった。外の見えないハウスの中に、一人で取り残されたせいだ。
あのとき私は泣きたいぐらい心細くなった。
もう、あんな思いはしたくない。
・・・・・でも、本当は判っていた。
ユキちゃんがそれを決めたなら、私に反対する権利はないってことを。
だから余計にキャンパスには行きたくなかった。
ユキちゃんから、さよなら宣言をされたくなかった。
都内では珍しくなってしまった猫の額ほどの庭をぼんやりと眺める。
子供の頃からずっと、時間を持て余した時はこうして過ごした。
ユキちゃんが好きな過ごし方なのだ。
そして私も好きだった。
庭に生えた植物をユキちゃんと一緒に眺めながら、ユキちゃんから語られる植物たちのいろんな話を聞くのが私は好きだった。
「 あ、たんぽぽ・・・ 」
いつの間に生えていたのか、庭の片隅にタンポポが咲いていた。
ふと思い出が甦り、私は庭に降り立った。
ユキちゃんがいつやって来ても隠れることが出来る様、居間から庭を眺めるだけのつもりだったのに。
タンポポから呼ばれたように2歩進んだとき、人の気配を察した私は思わず身構えた。とうとうユキちゃんが来たのかと思った。
でも違った。そこにいたのは敦賀さんだった。
咄嗟に踵を返した私は黙って逃げ去ろうとしたけれど、敦賀さんの方が一瞬早く私の手を捕まえた。
結果として、私は別の意味で身構えたままだった。
「 ごめん、急に来て驚かせて。でも俺も驚いたよ?どうしようか佇んでいたら、急に君が目の前に現れたから 」
「 ・・・どうしてここが? 」
「 社教授から聞いたんだ 」
「 どうしてウチに? 」
「 あれから3週間が経つ。その間、君が全然来てくれなくなったから 」
「 私、高校生ですよ。大学に行かないのなんて当たり前じゃないですか 」
「 それはそうだけど… 」
「 それで、どのようなご用件ですか 」
「 ひとこと、君に謝りたくて 」
「 謝る?別に私、敦賀さんから謝っていただくことなんてありませんけど 」
「 でも、君が大学に来なくなったのって、ハウスに閉じ込められたことが原因だろ。その経緯の発端は俺だから 」
確かにそれも原因のひとつだ。
あの3人の女性は敦賀さんが好きなのだ。
そして私を目障りだと思った。
だから私にあんな仕打ちをしたのだ。
そんなことは判っていた。
でもそのことでこの人から謝られたくはなかった。
なぜなら、私は敦賀さんを良い人だと思っていたから。
あのことでこの人が私に謝罪するということは、あの中に彼女がいるからだろう。
それを考えるとイラっとする。
ものすっごく腹が立つ。
敦賀さんのことは良い人だと思っていたのに、どうやら女性を見る目はないらしい。
あんな陰湿なことをする女性をまさか彼女にするなんて。
「 誰ですか 」
「 え? 」
「 どなたの行いに対して謝罪に来たんですか 」
「 どなた・・って・・・ 」
「 もしかしたら、3人ともですか?それって最低ですね。あらゆる意味で不快です 」
「 いや、違うよ、俺は・・・ 」
「 何が違うんですか。ヤキモチ焼きの彼女たちがやらかした件について、私に謝罪するために来たんでしょう?さっき自分でそう言ったじゃないですか。どうでもいいけど、いい加減に手を放してください! 」
「 謝罪に来たのは本当だけど、そうじゃない。最上さん、聞いて? 」
「 聞きたくないです!不愉快です!! 」
「 違うって。お願いだから聞いて!彼女たちの一人だって俺の彼女なんかじゃない。俺が謝ろうと思ったのは、結果として俺の言動が君に害を及ぼしたからだよ。だって想像しないだろう。付き合ってもいないのに嫉妬で他人を陥れようとする女がいるなんて! 」
「 付き合ってもいないのに嫉妬でそんなことしますか!ドラマやマンガじゃあるまいし! 」
「 いただろ、現に!その被害者が君だろう 」
「 嘘!!なぜ白を切る必要があるんですか。だって敦賀さんは3人とデートしたんですよね?!あの日の昼間!同時に!一度に!水族館で!! 」
「 してないよ!だからそれが誤解なんだ 」
「 どう誤解だって言うんですか! 」
「 ・・・緒方さんから聞いたよ。君が俺達の会話を聞いていたってこと。そしてその通り、あの日俺たちは4人で水族館に行った。でも俺は一緒には回らなかったんだ。なぜなら、彼女たちの目的は海洋生物に対しての知識を深めることだと俺は思っていたから 」
「 は? 」
『 ね、敦賀くんも一緒に行きましょうよ。それで海洋生物のことを私たちに色々教えて? 』
『 ・・・・・別に、いいけど 』
『 きゃー!やった!! 』
『 じゃあいつにする?ゴールデンウイーク期間中でも平気? 』
『 私たちはいつでもオッケーだから、敦賀くんに合わせる。その方が楽でしょ、敦賀くんは 』
『 まぁね。ただ、その前に確認したいんだけど・・・ 』
「 どれだけ知りたいのかと聞いたら、とことんまで教えて欲しいと言ったから、だったら俺じゃなくベテランガイドの方がいいだろうと考えてあらかじめ予約しておいたんだ。なのにいざその時が来たらベテランガイドが1時間もせずに戻って来た。そのとき初めて気づいたんだ。彼女たちの本当の目的に 」
「 ・・・・・その間、敦賀さんは何をしていたんですか 」
「 バイトだよ。水族館でバイトをしているって、俺、君に話しただろ。だから、てっきりベテランガイドを紹介して欲しくてそんな話を持ち掛けてきたんだと俺は思っていたんだ 」
「 !!! 」
「 まさか、俺がガイドをしなかったことで矛先が君に向くとは想像していなかった。それで、それを謝りに来たんだ 」
3人とも、敦賀さんの彼女じゃなかった・・・?
なんだ、そうだったんだ。
それを聞いて、尖った気持ちが一気に消えた。
なぜか安堵感が広がった。
じゃあやっぱり、この人が謝る必要なんてないんじゃない。
「 ごめんね、最上さん 」
「 別に。彼女さんとかじゃないなら敦賀さんが私に謝る必要はないと思います 」
「 でも俺・・ 」
「 それより、敦賀さんは知っていますか?タンポポの秘密 」
「 秘密? 」
「 このタンポポ、どうやら在来種みたいです。珍しい花なんですよ 」
「 ・・・どこが?だってタンポポだろ。どのへんで見分ける? 」
「 花の下の部分で 」
日本のタンポポとセイヨウタンポポの見分けは、花の下の緑の違いで判断できる。
タンポポの蕾を包む緑の部分を総苞片(そうほうへん)と言うのだけど、蕾を包んでいたその部分が、開花により花を支える役目を終えて反り返るのがセイヨウタンポポで、反らずにいるのが日本のタンポポなのだ。
「 知りませんでした? 」
「 うん、知らなかった 」
「 やった!じゃ、これも知らないですよね。タンポポの花びらは何枚か 」
「 残念、それは知っていたな。タンポポの花びらは5枚だろ 」
「 えー、なんで知ってるのぉぉ!!海洋生物学科の人のくせに 」
花びらが3枚のあやめ、4枚のアブラナ、6枚のサフランなどの例外もあるけれど、花の構造は基本的に一緒だ。
花びら5枚、おしべ5本、めしべ1本が普通。
1本のタンポポに多くの綿毛ができ、その一つ一つに種が付いている事は誰もが知っていることだと思うけど。
ではなぜ種がたくさん出来るのか・・・を知っている人は案外少ないのではと想像する。
実はタンポポは舌状花と呼ばれる多くの独立した小花が100~200も集まってできている合弁花なのだ。
その一つ一つの花たちが受粉することで種が出来る。つまり、舌状花一本につき、一つの種が作られるという仕組みだ。
雑草であるタンポポが多くの人に受け入れられている理由は私には判らないけれど、身近にあるからこそ疑問に思わないことって、意外と多い気がする。
タンポポが雑草だと私が知ったのはうんと小さな子供の頃だ。それは人生初の驚きだった。
だからなのか、タンポポを見ると自然とユキちゃんを連想する。それを教えてくれたのはユキちゃんだったから。
「 海洋生物学科だからって海の生物のことだけ学んでいる訳じゃないよ。だから俺は社教授と出会ったんだから 」
「 言われたらそうですね 」
「 タンポポって言えば、最上さんはタンポポの英名ダンデライオンがどこから来ているか、知ってる? 」
「 え?知らないです 」
「 じゃあ教えてあげよう。ダンデライオンって、フランス語が転訛したものなんだ 」
「 テンカ? 」
「 そう。簡単に言うと訛った言い方ってこと。ライオンの歯を意味するDent de lionが訛ってダンデライオンになったらしいよ 」
「 へー、そうだったんですか。初めて聞いた 」
「 俺も。初めてそれを聞いたときは君と同じ様に、へーって言った 」
「 ぷっ!! 」
いつの間にか庭の隅でしゃがみ込んでいた私たちは、足元に咲いているタンポポを見下ろしながら会話をしていた。
こんなたわいもないお話でも、ユキちゃんと同じ様に楽しい。
「 そうだ、ライオン繋がりでこんな話はどう? 」
「 え?どんな話? 」
「 ライオンが一度に産む子供の数。知ってる? 」
「 んん~?正確には知りませんけど、確か2~3頭じゃないんですか。ライオンってネコ科だし 」
「 そう、当たり。じゃあ、これは知ってる?シマウマやゾウが一度に産む子供の数 」
「 ・・・・一頭でしょ 」
「 おー!よく知ってるね。えらい、えらい 」
「 ちょっ…!!頭をぐりぐりしないでください! 」
「 なんで。君をイイコ、イイコしただけなのに 」
「 不必要な子ども扱い、禁止!! 」
「 …っ…はい、失礼しました。話を元に戻そう。ライオンの妊娠期間はだいたい110日だと言われている。ゾウは22ヶ月。シマウマは360日 」
「 ・・・それが? 」
「 不思議だとは思わないか?ピラミッドの上にいる動物の方が、妊娠期間が短くて多く子供を産むなんて 」
「 あれ?・・・言われてみれば 」
「 前にマンボウは3億個の卵を持っているって話をしただろ。つまりマンボウが子孫を残すためにはそれだけの数が必要だってことなんだ。
そう考えると導かれる答えがある。シマウマをはじめとする草食動物たちが一回の出産で一頭の子供を産むのに対し、ライオンは一回の出産で2~3頭の子を産む。しかも妊娠期間が草食動物より短いという事は、つまり草食動物よりライオンの子供の方が生き残れる確率が低いってことなんだ 」
「 …っっ…そうなんだ、びっくり 」
「 動物園にいるシマウマの寿命は30年程度だと言われているけど、実はライオンも同じぐらい生きると言われている。でもどちらであっても野生条件での寿命ははっきりとは分からない。なぜなら、自然界には老衰なんてないからね。その前に食べられてしまうから 」
このとき私は小さな違和を感じ取った。
なぜ敦賀さんが海の生物の話じゃなく、動物たちのそんな話をするのだろう。
「 一方、草食動物に食べられる植物は、捕食され搾取される側だと言うのにどんな生命よりしたたかでたくましく、何より戦略的に生きているよな。何しろ彼らは食べられることで生息領域を拡大させているし、1つの花から複数の種を育む。
植物はどんな種族よりもエネルギッシュで戦略的子孫繁栄プログラミングを採用している。その気になれば地表の全てを覆う事さえ出来るかもしれない。ま、現実的にはそうじゃない場所も沢山あるんだけど 」
「 ・・・・なんで、そんな話をするんですか? 」
「 社教授の背中を、君に押して欲しいと思って 」
「 どうして 」
「 教授は君のために自分を押し殺そうとしているから 」
言われて自然と涙が浮かんだ。
目の前の敦賀さんの顔が歪んでいく。
やっぱり、そういう事なのだろうか。
あの日から3週間が過ぎた。
なのにユキちゃんが私に何も言って来ないのは
やはりそういう事なのだろうか。
だったら、私はそれでいい。
だって私はその話を聞きたくないのだから。
「 お断りします。だって私、もう10年もユキちゃんと過ごしてきたんですよ 」
ユキちゃんがそばにいてくれるのが当たり前だった日々を、私は10年も過ごしてきた。
その間、いつかユキちゃんが自分のそばからいなくなるなんてことは、想像したこともなかった。
「 最上さん、前に俺に言ってただろう。ユキちゃんは本当にすごいんだからって。だったらそんな風に思える人を… 」
「 縛り付けるなって?!だから黙って見送れって、そう言うの?!知ってます、知っていますよ、ユキちゃんがスゴイ人だってことは。だからって、それでユキちゃんが私の知らない国のどこかの街で、たくさんの人から感謝されちゃって、○○の父とか呼ばれるようになるのを応援しろって、そう言うの!?そんなの嫌!だってユキちゃんは私だけのお父さんなのに! 」
「 …っ……まさか、最上さん 」
「 分かってる!ユキちゃんならきっとそういう人になれる!だから一度はその背中を押そうと思った!あの日はそう思ってた!なのに、邪魔をされたの。だから私は思ったの。行かせない方がいいって事かもしれないって!!自分の気持ちに正直にいて良いのかもしれないって。私はそう思ったの!! 」
「 ・・・・・どうして君、その話を 」
「 知っているのかって?簡単なことです。私の母は、LME総合大学キャンパスの事務棟で、事務長の仕事をしているんです。学校全般にかかわる出来事を把握している 」
「 ……そ…っか 」
でも最初、母はユキちゃんが休職するかもしれないことを、私には内緒にしていた。
それはユキちゃんから口止めされていたからではなく、いずれユキちゃんから知る事になるだろうと思っていたかららしい。
そしてあの日、私が戻ってこなかったのは、ユキちゃんからその話をされてショックを受けたせいだと母は勘違いをしていたのだ。
夜、帰宅すると黙って見送ってあげなさいと言われた。それをきっかけに私は母から真相を聞き出していた。
それからずっと私はユキちゃんを避けている。さよなら宣言をされたくなくて。
「 ・・・っっ・・・・っ・・・・・っく・・ 」
涙が自然と溢れた。
ユキちゃんがいなくなるなんて絶対に嫌。
泣きじゃくって呼吸が乱れて、息苦しくなった私の息遣いが不規則に乱れる。
そんな私を見かねた敦賀さんが、両膝に土を付けて私の肩を抱き寄せた。
その腕に縋って
私がその広い胸に自分の顔を押し付けたのは
その方が思いっきり泣ける気がしたからだ。
この人ならきっと私の泣き声が外に漏れないようにしてくれると思ったから。
頭に、敦賀さんの頬が押し当てられるのを感じた。
「 確かに寂しくなると思う。でも絶対そうして良かったって思える日が来るよ。だから教授を応援してあげて欲しい。だって俺は見てしまったんだ。
その依頼を聞きながら、社教授の目が徐々に輝きを増してゆくのを・・・ 」
そのときのユキちゃんの顔が私には容易に想像ついた。
この前、ハウスの中で緒方さんもそんな顔をしていた気がする。
水族館で私のガイドをしてくれていた敦賀さんも、いま思えばそんな感じだった気がする。
どのぐらい、そうして泣いていただろう。
それほど長い時間じゃなかった気はするけれど、ふと、微振動を感じた。
敦賀さんの肩からトントントン、と伝わってきた、リズミカルな3つの微動。
それでだろうか、敦賀さんが少しだけ腕の力を緩めた。
後方に振り向いたのだろう動きを感じて、視界が歪んだまま上半身を起こした私は、途端に強い力に引っ張られて立ち上がり、柔らかい壁にぶつかった。
壁の正体はユキちゃんの胸だった。
「 どういうつもりだ、蓮。キョーコちゃんを泣かせるなんて! 」
「 …っ…俺じゃないですよ。この子が泣いているのは社教授のせいです 」
「 そんなはずがないだろう!お前と話していて急に泣き始めたんだから 」
「 まさか、ずっと覗き見していたんですか 」
「 人聞き悪い言い方をすな!見守っていたと言え。だいたいなぁ、お前がキョーコちゃんに謝りたいって言ったからこの子の家を教えてやったのに、その目的を通り越して手を出そうとするんじゃない!! 」
「 出してませんよ。俺は慰めていただけです! 」
「 もういい、お前はあっちに行け。だいたい、そういうのは面倒だとか言っていた癖に、何が俺の変わりは無理です、だ! 」
「 …っっ!!しょうがないじゃないですか。そういう気持ちになっちゃったんだから! 」
「 あーあー、そうだな、俺は判っていたよ最初から。オタクと言われた俺の話を子供の頃から延々と聞かされていた影響なのか、キョーコちゃんは人の話をよく聞く子だからな。そういう、男の話にとことんまで付き合ってくれる女の子ってのは案外珍しいし、自分の話を熱心に聞いてくれる子に男は惹かれやすい生き物だからな 」
「 分かっていたんならいいじゃないですか 」
「 バカ言うな!理性と感情が常に一致する人間なんてそうそうおらんわ! 」
話しの内容はともかく、突然始まってしまった掛け合い漫才のような二人の言い合いを二人の間で聞いていたら、自然と涙が止まってしまった。
年だって結構違うはずなのに、二人のそれはまるで兄弟げんかのよう。
不思議と私の口元が緩んだ。
大好きなユキちゃんの腕の中
ここが温かい場所だということを私は知っていた。
自分の夢を二の次にして、私のことを一番に心配してくれるユキちゃんが大好きだと思った。
くすんでいた私の心が、柔らかく和んでゆく。
「 ユキちゃん、ありがとう。もういいよ。私はもう大丈夫だから 」
だって私は高校生になったんだものね。
少なくとも私はもう、道に迷う子供じゃない。
ねぇ、敦賀さん。
ユキちゃんはね、本当にすごい人なの。
ユキちゃんは偉い。
ユキちゃんは優しい。
ユキちゃんは凄い。
そんなユキちゃんが私の自慢だったの、ユキちゃん。
子供の頃から、ずっと、ずっと・・・。
「 だから、私のことは気にせず行って来て。 植物たちが抱いている子孫繁栄欲を、ユキちゃんの手で実現して来て 」
ごく自然に言葉が溢れた。
あの日
その話が聞けたら言おうと決めていた言葉だ。
ただひとつ、言わせてもらえばお母さんからじゃなくて
出来ればユキちゃんの口から知りたかった。
勝手に聞き出しちゃったのは私の方だけれども。
「 キョーコちゃん 」
「 世界中、どこに行っても自然豊かな景色が見られるようにしたい。それがユキちゃんの夢だったものね。
その夢をかなえてきて 」
でも私、我ながら頑張ったほうだと思うのよ。
どうしようもないほど涙はこぼれちゃったけどね。
E N D
お忘れかも知れませんがお話の中はまだ5月なんです・・・。
⇒農学博士の偉大な研究◇その7・拍手
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