午前2時。東京の部屋でパソコンを起動させた。今晩は大事な日程が3つあった。午後6時30分から武見敬三参院議員夫妻と食事。夫婦2組の「ダブルデート」だった。武見さんが席を作ってくれた。美味しい料理をつつきながら、談笑した。実に楽しい2時間半だった。最近、ピアニストとして活動を再開した武見夫人は相変わらず素敵な方だった。まあ、今の政界を見渡して、武見敬三氏ほどチャーミングな政治家は少ないでしょう。
午後9時過ぎ。TV番組(CS放送)「闘論、永田町!」の収録。片山さつき衆議院議員(経済産業省政務官)と対戦した。約1時間。財政改革から地元の選挙区事情まで、ノンストップで議論した。片山さんて政策の知識があることはもちろんだけど、政局を見る目が鋭い。もともと政治家としての素養があったということか。この「恐るべきチルドレン」は、どこまで階段を上っていくのだろう。ちょっと楽しみだな。
午後11時過ぎ。都内の喫茶レストランで打ち合わせ。「終わりそうもないプロジェクト」がようやく形になりつつある。こうなったら必ず完遂する。あきらめてたまるか!!
昨晩もあまり寝ていない。本当はこのまま爆睡したところだけど、今晩中に「複雑な事情:その2」を書いておかねばならない。熱いアップルティーを飲んで、もう少し頑張ることにする。
さて、昨日の夕方、某週刊誌の記者と「山本一太の経歴を調べている」というライターが議員会館事務所の部屋を訪ねてきた。ソファーに座った2人から最初に出てきた言葉は、「いや、山本さんを攻撃に来たわけじゃありませんから」というものだった。この取材の数時間前に書いた「直滑降レポート」で「攻撃される(?)のは存在感の証明だ」と書いた。へえ、驚いた。「直滑降」をちゃんとチェックしてくれてるんだなあ。
実はこのミーティングの前に、ここ数ヶ月の間に群馬県や東京でライター(あるいは雑誌記者)からアプローチされたという数名の知人と電話で話をした。議員会館でのやり取りを含めた「これまでの情報」を総合すると…取材の意図(描いているストーリー)はこういうことらしい。
「山本一太は今から約20年前、朝日新聞に記者として入社し、2ヶ月余りで退職している。この朝日でのキャリアが経歴に出て来ないのはなぜなのか。たまたま山本一太が配属先の福島支局に勤務していた時期と、福島県猪苗代町(?)の町長がリフト関係の業者からの金銭授受で逮捕された(?)事件が起こった時期が一致する。この贈賄事件(?)では、同じ業者が山本一太の故郷である当時の草津町長にも賄賂を渡した(?)という疑惑が浮上した。が、草津町長は取り調べを受けたものの(?)起訴を免れ(?)そのまま辞職(正確には次の選挙に出ないと表明?)したという経緯がある。この事件と山本一太が2ヶ月余りで朝日新聞をやめたことには関係があるのではないか。10月に支局に赴任というのも不自然な気がする。当時、山本一太の亡父(山本富雄)は参議院の大蔵委員長を務めていた。もしかすると、この事件の情報を収集するために朝日新聞に頼み込んで息子を記者として福島支局に送り込んだのではないか。山本一太は記者としての立場を利用して(検察や警察から?)この贈収賄事件(?)の情報を集め、それを父親である参議院議員に渡していたのではないか。書類上は自ら退職したということになっているが、「情報を流していた」のが朝日新聞の本社にばれて、クビになったのではないか。」
これは全く「事実無根」のストーリーだ。自分は政治家になる前も後も、いわゆる「利権の絡んだスキャンダル」に関わったことはない。ましてや、警察や検察から不当に情報を取って誰かに流すなどということは一度もやったことがない。幸か不幸か、そういうことをする能力がない。(笑)自分のことを知っている人なら、皆、そう言うにきまっている。
さて、どこから話したらいいものか。なにしろ20年前のことなので、記憶が定かでない部分もある。が、出来るだけ当時のことを思い出してみよう。9月に(?)米国の大学院を卒業した後、翌年の3月か4月(?)に朝日新聞社の記者試験を受けた。正規採用の試験だった。(と思う。)驚いたことにギリギリで(?)合格した。本来であれば、他の合格者と一緒に翌年の4月から勤務をスタートするはずだったが、自分はすでに大学院を卒業していた。朝日本社のほうから、「もし不都合でなければ、出来るだけ早くどこかの支局に赴任してくれないか」という問い合わせがきた。「2つ返事」でオーケーした。今考えれば、米国の留学生活の感覚を1年かけて矯正した後、落ち着いて仕事につけばよかったなとも思う。が、その時は「早くやってみたい!」という気持ちが強かった。本社の指示に従って、福島支局で記者としての勤務についた。
ところが、新聞社の支局は自分がイメージしていた世界と全く違っていた。大学の図書館からそのまま日本社会に飛び込んだため、カルチャーショックもあった。当時は今より更にボーっとした性格で、俊敏さも機動力も不十分だった。しかも、最初の3日間で「辞めよう!」と決めたために(何というバカものだろう)、ほとんど仕事に力が入らず、記者としては全くといっていいほど機能しなかった。回りの先輩記者や支局スタッフに迷惑ばかりかけていた。そうはいっても、朝日新聞に合格した時の両親の嬉しそうな顔を思い浮かべると、なかなか辞めるタイミングが見つからなかった。(この時の「数々の失敗」については、近いうちに「傷だらけでも天使じゃない」シリーズで詳細に書こうと思っている。)まあ、ひとことでいうと、世間をなめていた。米国の大学院を出たくらいで(実力もないのに)慢心していた「勘違い小僧」だったというわけだ。(*ああ、恥ずかしい。)ね、いつも書いているように、私は欠点だらけの人間で、とにかくいろんな失敗を重ねてきたんです。でも、そのことを隠すつもりはない。
結局、3ヶ月弱(?)で退職した。え?警察や検察から贈収賄事件の情報を取って亡父に流したんじゃないかって?毎朝、早朝に起きて福島警察署で「サツ回り」をやっていた。残念ながら、そんな人脈を作る暇も余裕も全くなかった。このリフトの事件は、当時の草津町長(故人)の顔写真が新聞に載ったこともあり、おぼろげに憶えている。が、事件の詳細は分からないし、ましてや、この事件が自分が赴任していた時期にぶつかっていたなどということも全く記憶になかった。
雑誌記者と一緒にやって来たライターは次のような質問をぶつけてきた。「山本さんは政治活動の情報公開なんかにも熱心に取り組んでますよね。その山本さんが、なぜ、朝日新聞のキャリアだけが経歴に書いていないのか。それが不自然な気がするんです。」「10月っていったら、やはり中途採用でしょう。なぜ、この時期なんですかねえ。」「朝日新聞は保守的な私の地元なんかでは、とにかくイメージが悪い。山本さんの群馬でもそうじゃないですか?なぜ、読売とか、産経とかじゃないのか、これも不思議ですね。そうだとすると、朝日にいたというマイナスイメージを恐れて隠したんじゃないですか?」「あれは当時としては大きな事件だった。同じ時期に福島支局にいてよく憶えていないなんて、よっぽど使えない記者だったんですね。(オヤジのコネか何かで入れてもらったんだろうというニュアンスあり。)」「山本さん。このリフトの事件は当時の草津町長に関係があった。地元の町長さんなんだから、もちろんよく知ってるんでしょう?」「いや、山本さんを攻撃するために来たんじゃない。でも、経歴の中で朝日新聞のことだけが落ちていたので、ま、ジャーナリストとしての嗅覚が働いたということです。」最後はこんなことも言っていた。「あ、今日の件はレポートに書かないでください。私が記事を書きますから。先に出されちゃうと、商売あがったりなんで。(笑)」ソフトタッチでこう切り返した。「え?そりゃあ、書きますよ。私のアカウンタビリティー(説明責任)に関わることですから。私のHPと某週刊誌では発信力が1000倍違いますから、全く影響ありませんよ!(笑)」ライターは、「いやいや冗談ですよ!」と笑顔を作りながら部屋を出て行った。
では一連の疑問に改めて答えよう。なぜ、朝日新聞社に入ったことを経歴に書かないことにしたのか? 理由は2つある。朝日新聞であれ、読売新聞であれ、毎日新聞であれ、日経新聞であれ、産経新聞であれ、東京新聞であれ、そして地元の上毛新聞であれ、もし1年でも記者をやっていたら、必ず履歴書に書く。保守王国の群馬県ではあるが、「朝日新聞のイメージが悪い」などということはない。ジャーナリストをやっていたということはプラス以外の何物でもないからだ。が、いくら記者として採用になったとはいえ、3ヶ月(?)も経たないうちに辞めた。恐らく「試用期間中」だと思う。まともな取材もしていないのに、これで「新聞記者だった」などと言ったら、他のジャーナリストに対して失礼だと思った。加えて(正直に言うが)、「実力がなくて失敗した」ことをわざわざ書くのはカッコ悪い。まさか、2ヶ月ちょっと(?)しか務めていない会社の勤務歴をあえて経歴に入れなかったからといって、「経歴詐称」なんて言わないでしょうね。(笑)
オヤジのコネで入ったんじゃないかって? 残念ながら日本の新聞社はコネで入れるほど甘くない。採用試験の成績が良かったとは思わないが、一応、一生懸命勉強した。「論文の修行」もやった。特に当時は留学を終えたばかりで意外と英語も出来た。米国滞在中に作った人脈は将来必ず役に立つとアピールした。恐らく面接で「いかにも新聞記者向きだ」と勘違いしてくれたのではないかと思っている。
10月に支局に赴任したのは(前述したとおり)すでに大学院を卒業していて(他の多くの合格者と違って)大学の授業を受ける必要がなく、時間的に可能だったからだ。ええと、たしか3月か4月に合格して、その後、何かの用事で一度米国に戻ったような気もするが、よく憶えていない。(何しろ、20年前のことですから…)
当時の草津町長は、もちろん知っている。が、(亡父と違って)特に親しかったわけではない。亡父はたたき上げの党人派政治家だった。なんやかんや言っても、やっぱり尊敬している。父親がこの事件に「変なふうに関わっている」はずがないと信じている。が、父も町長もすでにこの世を去っている。事実を確かめられないのが残念だ。
え?もし朝日新聞社が「記者として得た情報を政治家である亡父に流した」という理由で自分をクビにしたとしたら、表面的に「自ら辞めた」などと繕っても隠し通せるはずがない。必ず漏れるに決まっている。もう一度言うが、(誰が言ったのかは知らないが)これは100%、ガセネタだ。
このことがいつ、どんな内容の記事になるのかは分からない。「明後日にも掲載される」という噂もある。まず記事を読んでみて、その上で反論したり説明したりする必要があれば、改めて「直滑降」に書くつもりだ。ふむ。記事になるとすると、「あの山本一太参院議員の封印された過去」(笑)なんてタイトルがつくのかなあ。「山本一太参院議員といえば、政治活動の透明化等にも熱心なクリーンが売り物の政治家だが、その山本氏に隠された過去と利権スキャンダル関与の疑いがあった」なんて書かれたりして…。
世の中には「2ヶ月で辞めた仕事」について経歴に書かない人も大勢いると思う。が、政治家としてはやはり全部書くべきだっただろうか。書かないとしても口頭で説明するべきだっただろうか。でも、それも変だしなあ。いずれにせよ、ジャーナリストを志した自分の失敗は、間もなく始まる「傷だらけでも天使じゃない」シリーズで紹介する。「自分がいかに欠点だらけの愚かな人間」で、「人生は失敗の連続だった」ことを知ってもらいたい。そして、こんな人間でも「ちゃんと成長している」ことを分かってもらいたいと思う。その上で、政治家としての評価を下してもらえばいい。
追伸:
あ、もう午前4時になっている。でも、今回のレポートはここからが佳境だ。もう少し頑張って書くことにする。(ぜひ、最後まで読んでください。)さて、今回の「山本スキャンダル騒動」がどこから来ているのか、様々なネットワークを使って調べてみた。その中で、いろいろなことが分かってきた。まあ、未確認情報もあるので、100%正確だとは言えないかもしれない。ちょっぴり想像が入っている部分もある。が、どうもこんなことが起こっているようだ。
1.ライター(それとも別の記者?)は、取材のために群馬県に長く入っていたという話がある。どうも「山本一太以外の何か」をターゲットに様々なリサーチをしていたようだ。そこで「山本スキャンダル情報」が耳に入ったらしい。
2.本年の1月頃(?)、群馬県で「山本一太のスキャンダルを持っている」というある人物に遭遇したようだ。(*どちらから近づいたのかは分からない。)その人物は、「しばらくは山本一太の行動(恐らく自民党総裁選挙での姿勢)を見極める。それによって、どうするか、いつ情報を出すのかを決める(?)」と言ったとか、言わないとか。ある情報ソースによれば、「一番タイミングのいい時に出してやる!」と話していたらしい。
3.この人物は当然、亡父のことを知っている。何らかの形で亡父のところに出入りしていた関係者らしい。当然、選挙にも関わっている可能性が高い。
4.過去数ヶ月、群馬県でも東京でも、様々な人々(たとえば亡父の元秘書とか、朝日新聞関係者とか)が、この件について聞かれたようだ。
5.この動きは、自分の政治活動、特に自民党総裁選挙に対して取っている行動と明らかに関連している。実は数ヶ月前から様々なルートで「さり気ない警告」があった。もっと直接的に言うと、「安倍支持を続けるなら、ひどい目にあうぞ!」というブラフ(脅し)に他ならない。
6.こうした情報を総合すると、「逆探知」の範囲が狭まってくる。明らかに「アンチ安倍勢力」だ。これ以上の情報は…今は書かない。
ね、皆さん。政治の世界って、恐いでしょう?!でも、自分はこういう卑劣な手を使う「古い政治文化」と闘わねばならない。このスキャンダル騒動の発信元は必ず逆探知してみせる。そして、その結果はここで明らかにする。
友人のジャーナリストが、「とあるところを取材していて分かりました。一太さんは、反安倍勢力から本当に警戒されている。中途半端じゃないからでしょうね。安倍を潰す前に、まず一太を潰してやるみたいな雰囲気があります!」と教えてくれた。9月の総裁選挙が近づくにつれて、自分に対するこの種の「嫌がらせ」や「攻撃」は益々激しくなるだろう。事務所のスタッフにも「警戒レベル」を高めておくように指示しておこう。
あ、午前4時30分を回った。そろそろ布団に潜りこまないと。明日も睡眠不足だ、なあ。では、おやすみなさい!!