R7技術士予想問題の解答[Q9 液状化対策] | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、宅建士、電験三種等に合格。

Q9 液状化対策(管路 設計) 600字

地震時の液状化により埋設された配水管や耐震性貯水槽が浮上し漏水事故が発生するメカニズムを説明し、その予防策について述べよ。

 

 

【解答例】

1 液状化によると耐震性貯水槽の被害

 液状化は、地下水位以下に存在する飽和砂質地盤が、地震動の繰返しせん断力により強度と剛性を失い液体のように挙動する現象である。

 液状化により、埋設した配水管や耐震性貯水槽の浮上、地盤の水平変位の影響により、管本体や付属配管等の継手部のずれ・抜けや折損が発生する。こうした被害により、配水管や耐震性貯水槽の漏水が発生し、広域的な濁水・断水、道路陥没等を招く。

2 配水管と耐震性貯水槽の液状化対策

 配水管は、離脱防止機構付きダクタイル鋳鉄管、溶接継手の鋼管、熱融着接合の配水管用ポリエチレン管等を採用し、管路の耐震化を図る。災害拠点病院や避難場所等の重要給水施設への供給ルートは、優先的に耐震化する。

耐震性貯水槽は、アンカーによる貯水槽の固定、埋設土壌の改良、過剰間隙水圧も消散等を目的とした排水設備の設置等を行うことにより浮上を防止する。付属配管は、管路の耐震化を図る。

配水管や耐震性貯水槽を整備した場所が、液状化により著しい地盤変動が予想される場合、伸縮可とう管を設置する。

また、配水本管を結ぶ相互連絡管、配水管網の整備、送水管の複線化により、地震を含む自然災害が発生した場合も給水を継続できる水道システムを構築する。

 

【ポイント】
構造物だけではなく、水道の管路も液状化により浮上します。

管路の液状化対策は、耐震管、伸縮可とう管の採用を行います。

液状化のメカニズムと対策を説明することがこの問題のポイントになります。

ただ、これだけの情報量で1枚600字を作成するのは少し難しいです。

そこで、この問題文は、耐震性貯水槽の液状化対策も含めたものにしました。

このため、埋設構造物の液状化対策として、アンカーボルトによる固定、過剰間隙水圧対策を実施することに言及する必要があります。

 

【上述以外で勉強するべき事柄】

・既設管内布設工法の種類と内容

・海底管の布設工法の種類と内容

 

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