ロシアの作曲家・ラフマニノフの作品で、ピアノとオーケストラのための変奏曲形式となっています。 変奏曲の主題となるのは、パガニーニが作曲した有名なテーマで、リストやブラームスなども引用して作曲した作品があります。
ラフマニノフがロシア革命の混乱を避けて国外亡命し、アメリカで生活しているときに作曲された作品で、1934年にラフマニノフ本人のピアノ、ストコフスキー指揮/フィラデルフィア管弦楽団の演奏で初演されました。
主題と24の変奏から構成されていますが、この中で断トツに有名なのが第18変奏です。 一度聴いたら忘れられないような甘いメロディー。
↓第18変奏をルガンスキーのピアノ、ソヒエフ指揮/ベルリンフィルの演奏で
全曲の演奏時間は25分ほど。 パガニーニの主題から派生する変奏が続き、15分くらいで第18変奏に到達するのですが、それまでとまったく違うメロディで、一気に美しく壮大なムードが漂います。
この曲を聴き始めたころは18変奏が待ち遠しくて・・・・ それは今でもかな(笑)
実はこの第18変奏、パガニーニの主題を楽譜の上下反転するというアイデアで作曲されていたのです。 これは違うメロディーになりますよね。 これも変奏と言うのかな?
ラフマニノフは友人に手紙で、このように伝えています。 「シューマンもブラームスも思い浮かばなかったすごいアイデアが浮かんだ!この変奏ひとつがこの曲全体を救ってくれるぞ!」
確かに第18変奏がなかったら曲の魅力は半減し、ここまでポピュラーになることはなかったでしょうね。
↓全曲をルガンスキーのピアノ、ヴェデルニコフ指揮/ロシア・ナショナル管弦楽団で
ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)/ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ピアノ、指揮、オーケストラと非の打ち所がない完璧な演奏です。 あまりにも安定しているのが唯一の欠点かな。
ユジャ・ワン(ピアノ)/クラウディオ・アバド指揮/マーラー室内管弦楽団
ユジャ・ワンのテクニックが凄くて、この難曲を軽く弾きこなしているように聞こえます、協奏曲も。 ラフマニノフなのでもう少し情感があってもいいかな。