名建築に泊る 裏磐梯大府平温泉「ホテリ・アアルト」(福島県)①【建築・温泉篇】 | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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サルヒツの温泉めぐり♪【第161回】

裏磐梯大府平温泉 ホテリ・アアルト

℡)0241‐23‐5100

 

往訪日:2023年9月1日~9月2日

所在地:福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073‐153

源泉名:裏磐梯大府平温泉

泉質:含硫黄‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物温泉

泉温:(源泉)51.6℃(浴槽)約42℃

匂味:微量の硫化水素臭・仄かな塩味と苦味

色調:無色透明

pH:7.9

湧出量:97.5㍑/min

その他:自家源泉・動力揚湯・非加水・非加温・無濾過かけ流し

■営業時間:(IN)15時(OUT)11時

■料金:【本館・デラックス】35,318円(税別)

■客室:17室(本館13+別館4)

■アクセス:磐越道・猪苗代磐梯高原ICから約25分

■駐車場:約20台

■設計:益子義弘・河合俊和・大竹慎一郎

 

《名湯と美食の名建築》

 

ひつぞうです。裏磐梯の旅のゴールはホテリ・アアルトでした。ここは建築家の益子義弘氏ら三氏が手掛けた北欧デザインをコンセプトにした名ホテルです。まずは建築と温泉から。

 

★ ★ ★

 

モダニズムと日本の伝統建築の融合を図った稀有な建築家がいる。吉村順三奈良国立博物館の設計で知られる。その門下生に益子義弘(ますこ・よしひろ)氏(1940‐)がいた。興味が湧いたが、作品の多くは個人の所有。しかし、あった。泊れる名建築が。それがホテリアアルトだった。点を打たないと読みづらい、風変わりな名前のホテルがあることは以前から知ってはいたが。

 

「ぜひ泊るだよ、ホテル・リアルトに」サル

 

アアルトだよ。フィンランド語でHOTELLIは「ホテル」。AALTOは「波」って意味なんだって。

 

 

ホテルは五色沼から目と鼻の先。チェックインの15時前だったが、部屋の用意はできているそうだ。

 

「別館ラウンジでチェックインまでお酒飲んで待てるんだよ」サル

 

なるほど。それで車がたくさん停まっているのか。

 

 

「立派なロッジ風だの♪」サル 沼尻高原ロッジに似てゆ

 

ここはね。伊勢丹の保養所だったんだ。その歴史を閉じたあと、オーナー会社の八光建設が引き取り、築40年の建物を北欧をモチーフにしたホテルにリノベーションした。その設計に携わったのが、益子義弘、河合俊和、大竹慎一郎の三先生だったそうだ。開館は2009年。オープン当初から大人気で2019年7月には全室温泉付きの別館が増築されている。

 

 

本館は建物の骨格だけを残して全面改装されている。ロビーの天井に注目。近代数寄屋風でしょ。吉村順三のDNAがしっかり残っているね。

 

 

入り口に藤岡泠子さん(国画会)の油彩《水辺の風シリーズ》(2007年)が掛けられていた。湖面にそよぐ風。そんなモチーフの連作を手掛けているらしい。裏磐梯に相応しく、深く沈んだ蒼が美しい。

 

 

至る所に小さな細工が飾られている。ここで記帳して館内の説明を受けた。

 

 

見返すとこんな感じ。オールインクルーシブなので奥のカウンターでお酒の提供を受けることができる。

 

「期待してゆ♪」サル

 

 

模型も展示されていた。白い建物が増築部分のラウンジ棟(左)と別館(右)。純粋に建築家の思想に基づいてゼロから設計されたもので、湖沼に面したビューも素晴らしいそうだ。しかも温泉付き。なので人気が高いのは別館。だが、どうしても本館のデラックスルームに泊まりたかった。理由は後ほど。

 

「ヒツのおごりだからそのへんは譲るだよ」サル ま、よかろう

 

 

益子先生のデザイン画。エッシャー風でタッチは和田誠さんにも似ている。好きな画風。

 

では本館へ。

 

 

エレベーターも勿論あるが、階段で建物の構造を観察しながら三階へ。

 

 

二階を見下ろしてみる。空間の取り方が贅沢だよね。

 

 

間接照明がおしゃれ。

 

 

今夜のお部屋301号室だ。手前の椅子の脇には飴ちゃんが大量に。

 

 

ドアを開けるとそのまま全ての部屋に繋がる。ホテルというよりマンションみたいだ。

 

 

これよこれ。ここに泊まりたかったのよ。山荘の構造を活かして吹き抜け風に造り変えたんだよ。だから天井がメッチャ高い。

 

「写真じゃ判りにくいんじゃね?」サル

 

じゃおサル、ひとつよろしく頼む。

 

 

モデルがサルだと余計に広く感じるよ。

 

「天井のアーチが美しいにゃ」サル

 

ロマネスク寺院みたいでしょ。この北欧風と数寄屋造りの融合が味わい処なんだ。

 

 

カウンターで畳のスペースが区切られている。この木の質感もいい。

 

 

入り口から向かって右側はキッチンスペース。その隣りがシャワールームだ。

 

 

冷蔵庫は自由に使える。この桃100%ジュースがメチャクチャ旨いんだよ。ネクタリンではなくて、白桃丸搾りって味だ。投宿したら絶対飲んで欲しい。

 

 

アメニティもばっちり。

 

 

ここでゴロゴロできる。

 

 

僅かだけど書斎スペースも。完璧だ。

 

参考になったかな?

 

 

まだ暑い時期だったけれど、さすがに裏磐梯。陽が傾けば涼しい。

 

 

ウェルカムスイーツは會津シュトーレン。皇室献上品の身不知(みしらず)柿を銘酒・会津娘に漬け込むという贅沢ぶり。それをドライフルーツとナッツ各種と練り上げた焼き菓子。ウイスキーに合いそう。

 

そうだった。忘れてはいけない。ここは温泉宿でもあるんだ。ではいつもの温泉探検に!

 

=ホテリ・アアルトの特徴=

 

■温泉

・自家源泉

・非加水、非加温、無濾過、薬剤無添加、かけ流し

 

■部屋

・北欧スタイルと数寄屋造りが融合した宿

・離れ(1)、別館(4)、本館デラックス(4)、本館スーペリアル(8)

・意匠・家具が全て異なる部屋

 

■料理

・地産食材を活かした季節のオーベルジュ

・365日別メニュー

 

■ドリンクサービス

・オールインクルーシブ

・別館ラウンジ:11時~17時(有料メニューあり)

・ロビー:15時~22時

 

=当館の攻略法=

 

■浴場

・本館男女別(内風呂+半露天風呂セット)

・入替なし

・別館浴場利用可

 

■泉質

・塩味と苦味があり、硫化水素臭もする

・浴槽は適温(加水不要)

 

■利用時間

・本館…男女/15時~23時

・別館…女性/15時~12時、男性/翌6時~11時

 

■貸切・日帰り利用

・なし

 

日帰り客による混雑は無縁。なので投宿後まずは本館の湯へ。本館宿泊者の別館浴場の利用は、女性当日、男性翌朝と決まっている。なので、翌朝ゆっくり入ることにした。泉質は同じなので雰囲気だけ味わう程度に。温泉も素晴らしいが、酒が旨い宿だ。バーカウンターの利用もしっかり予定にいれて出発だ。

 

 

一階ロビー脇に入り口がある。ちょっと判りずらいかも。

 

 

脱衣場はこんな感じ。とても清潔。

 

 

内風呂は洗い場とシャワー室が別に。

 

 

洗い場のスペースは然程でもない。造りはバリアフリーだ。

 

 

総檜造りで床材は恐らく白河石。

 

 

鉄分と石膏成分が豊富なのだろう。ドバドバではないが泉質は極上。

 

 

半露天風呂からは沼が見える。

 

 

充分満喫した。

 

「いい湯だったの~」サル あと三回入る

 

 

これも無料サービス。味のあるものから売れていく(笑)。

 

「サルは緑茶派」サル んな甘いもの飲めるきゃ

 

このあと待ち合わせて別館のラウンジへ。

 

 

17時で終わるので。急げ!

 

 

ここです。既に愉しそうな囁き声が。

 

 

ひどいことに僕を待たずにスパークリングワインをクピクピ飲んでいた。

 

「悪い?」サル ヒツもお飲みよ、幾らでも幾らでも

 

ワインと酒は普通だった。折角なので当日限定のノンアル・カクテルを頂いた。

 

 

スダチでノンアル・モヒート(500円)

 

普通の果実酒だけどアルコール感があるんだよね。旨いよ。

 

 

しつこくも、今度はロビーのバーカウンターで日本酒(にいだしぜんしゅ)を頂戴した。というのは別館のフリードリンクは普通酒ばかりだったから。ここだと特約店系が飲める。

 

 

夕食の時間まで内庭で涼んで過ごすことにした。

 

「おなかすいたにゃ」サル 飲み足りん

 

(つづく)

 

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