今日はPiNKの4thアルバムの紹介です。

僕は彼女のアルバムを買ったのはこれが初めてですが、詞も曲もスパッと冴え渡っていて

気持ちのいいアルバムでした。「私は死んじゃいない」というタイトルや、アルバムジャケットも

インパクト大ロケットです。


アルバムはスパニッシュなギターからはじまる、R&B風ナンバー「Stupid Girls」からスタート。

この曲はまず詞が最高にいいですね。世界でいろいろな問題が起こっているというのに、それに見向きもせずに、自分の身の回りのことやセレブ的な美しさにばかり気をとられている女の子たちに強烈な

鉄槌をくらわすナンバー。PVはジェシカ・シンプソンやヒルトン姉妹をパロった内容になっていて

それも面白いです。


他にも恋の終わりを受け止められずにいる、けなげな女性の気持ちを歌ったロック「Who Knew」、

逆に、恋の終わりを知って、辛いけれども次の幸せまで前向きに生きて行くと歌う力強いボーカルの「Long Way To Happy」、傷ついた心をそっと優しく包んでくれるような詞の内容のバラード

「Nobody Knows」などと、力強いロックサウンドをベースにパワフルなボーカルを聴かせてくれる

曲が多いです。


そんな中、非常にインパクトがあるのが、5曲目に収められた、ギターの弾き語りスタイルで届けられる、フォークナンバー「Dear Mr. President」。この曲はタイトルどおり、ブッシュ大統領に向けて、

手紙でメッセージを送るスタイルの詞。「皆が泣いているのにどうして眠っていられるのか」

「今の自分に誇りがもてますか?」とシンプルながらもストレートな言葉で迫っています。

彼女自身は成功を手に入れて今は幸せを掴んでいるのだろうけど、世界で多くの人たちが

戦争や貧困で苦しい思いをしているということをメッセージにして届けています。


アルバム後半もインパクト大の曲が多くて、「自分のやりたいことをやるだけ」とまさにP!NKの

キャラをそのまま詞にしたような「'Cuz I Can」、「あなたのことは好きだけどたまには一人でいさせて!」っていう詞がリアルで、展開も可愛らしいポップロック「Leave Me Alone(I’m Lonely)」、

しつこい男を相手にせず、一人で酒をかっ食らう姿がなんだか逞しい「U+Ur Hand」など

思わずP!NK姐さんと呼びたくなるような内容です。


他にも「お金をたくさん手に入れて幸せを掴んだ」という内容の詞ながら、歌いっぷりや

サウンドは満たされないような切なさが漂う「I Got Money Now」、13歳の頃の自分に

対して歌いかけている、クラシカルな「Conversations With My 13 Year old self」などが

オススメです。


そしてヒドゥントラックとして、なんとなんと彼女の父親、ジェイムス・ムーアとデュエットした

ギターの弾き語り「I Have Seen The Rain」も収録。さすが親子の息の合ったコーラスワークで

反戦の気持ちを歌ってます。


パワフルなロックから内省的なフォークチューンまで、様々なパターンの音楽を

強力な個性で自信を持って届けているという印象を強く受けました。

なかなか楽しめたアルバムでした。

P!NK
アイム・ノット・デッド(3ヶ月限定スペシャル・プライス)

今日はアトランタ出身の、ジェニファー・ペイジの1stアルバム「CRUSH」を取り上げます。

これは7年半前のアルバムです。懐かしいです。


彼女はデビューシングル「CRUSH」がいきなり全米第3位の大ヒットとなったシンデレラ・ガール。

この「CRUSH」のちょっぴりラテン風味も混じった哀愁たっぷりのマイナーメロディーは日本のFMでも流れまくってたので覚えてる人も多いんじゃないかな。僕も大好きでした。


そして2002年に2ndアルバムを出したところまでは知ってるんですが、その後の消息を知らないのですが…。どうしてるのかな?


アルバムはジェニファーの憂いを含んだせつないボーカルが印象的な「CRUSH」から幕を開けます。

この曲は恋人同士の恋愛模様を描いたものなんだけど、熱くなるわけでもなく、詞も「先のことは

今は何もいえない」と、一歩引いたクールな感じが印象的なナンバー。


続く「QUESTIONS」はうって変わってコーラスも爽やかなPOPナンバー。

3曲目の「ALWAYS YOU」は一途な思いを歌った、ストレートなラブソングと、非常に聴きやすい

ポップスを届けてくれます。


好きなのは先述の3曲のほかに、カントリー風の「SOBER」、「GET TO ME」、愛の力を

信じるという、まっすぐなバラード「BETWEEN YOU AND ME」、

好きな人のための大きな力となりたいと歌う、母性たっぷりのゴスペルナンバー「SOMEWHERE,SOMEDAY」あたりかな。


ただ、「CRUSH」が突出して良すぎて、他の曲があんまり強い個性を感じないのが

残念。まぁ、いいメロディーが多いし、歌も上手いので、聴きやすいのですが、

彼女だけの強烈なカラーというのは少ないと思います。いろんな女性アーティストの

いい部分を寄せあつめたみたいな印象。


そんな中、5曲目の「BUSTED」なんかは珍しく歌い方もファンキーな感じなんだけど

サウンドが何故かとても静かなので、意外とインパクト薄め。もっと弾けてくれる

ナンバーがあったほうがアクセントにもなってよかったとは思うんですけどね。


彼女は見た目も上品だし、サウンドも誠実に音楽と向き合ってる印象もあるんだけど、

個性派ぞろいの音楽シーンで残っていくのはなかなか難しいことなのかもしれないですね。

また、「CRUSH」みたいなインパクトある歌を歌って欲しいんだけどな…。

ジェニファー・ペイジ, アンディ・ゴールドマーク, マーク・ムエラー, バーニー・コスグローブ, ケビン・クラーク, J.D.マーティン, ウェイン・キルクパトリック
クラッシュ

今日はアイルランド出身の兄弟4人組バンドTHE CORRSの4枚目のアルバム

「borrowed heaven」を紹介します。

彼らは95年にデヴィッド・フォスターのレーベルよりデビュー、2000年には「breathless」の大ヒットも

あり、世界的に大ブレイクしました。


彼らの特徴は北欧出身らしい、ケルトサウンドと、爽やかなポップ・ロックサウンドの融合です。

メロディーラインも美しく、いつ聴いても爽やかな気分になれる曲が多いです。


アルバムは「SUMMER SUNSHINE」からスタート。タイトルどおり爽やかなポップナンバーです。

ただ、詞をよく読むと、幸せな愛の歌でありながら、どこか恋の終わりの不安も感じているという

微妙な部分もあったりして…。曲調だけみてたら想像もつきませんが。


続く「ANGEL」も開放的なケルトサウンドなんだけれど、実は彼らの母親のことを思って作られた曲。

彼らのお母さんは、前作の制作期間中に亡くなったそうで、この詞には母親への感謝の気持ち、

誇りに思う気持ちを歌っていて、彼らの優しさが良く伝わってきます。


特に好きなのは、爽やかなサウンドが多い中、スクラッチ音やら、ヒップホップっぽい

アレンジを随所に施した「HUMDRUM」、U2のボノが手がけた美しくかわいらしいジャズ風の「TIME

ENOUGH FOR TEARS」、1曲の中でサウンドの雰囲気がアイリッシュサウンドから、

ゴスペルサウンドに変わっていく展開が珍しい「BORROWED HEAVEN」です。


上記の曲なんかはアルバムの中で非常にアクセントになってると思いますね。見た目も

音楽性も爽やかな彼らだけども、爽やか一辺倒じゃなくて、幅広い嗜好性があるんだよ

ってのがわかるのがこの3曲だと思いますね。


他にも長女のシャロンの奏でるヴァイオリンの音色も印象的な、しっとりしたバラード

「LONG NIGHT」、イントロの美しいシンセの音色が、シンプルながら心に残る「GOODBYE」(これも

母親の死を受けて書かれたナンバーながら、「ANGEL」とは逆に、死を受け入れられずに

悲しんでいる様子を描いたもの)、彼らのルーツであるケルト音楽へのリスペクトを込めて、

優しく大きなメロディーの世界を存分に届けるインスト曲「SILVER STRAND」、

国内盤のみのボートラながら、子供たちへの愛と、平和を願う

気持ちを歌ったバラード「MIRACLE」あたりがオススメ。


これから5月にかけて気持ちいい季節に大音量で聴きたいサウンドです。

ザ・コアーズ
Borrowed Heaven

今日はAlicia Keysの2ndアルバム「the diary of alicia keys」の紹介です。

僕はR&Bアーティストの曲は大好きでよく聴きますが、アリシアのこのアルバムに関しては

別格という感じがします。国内盤はボートラも含めて16曲入っているのですが

捨て曲もまったくなく、名曲のオンパレードとなっています。


アルバムはアリシア作の、情熱的なクラシック風のピアノのインタールード「HARLEM'S NOCTURNE」から

幕を開けます。


続く「KARMA」はよりを戻そうと言い寄ってきた彼氏に冷たく突き放す詞が印象的なナンバー。

ストリングスのスリリングな音色とホーンの重厚なサウンドがインパクトあります。


そして、続く「HEART BURN」はティンバランドプロデュースの、アップテンポでソウルフルな

ヒップホップナンバーです。アリシアのなかなかワイルドなシャウトも聴ける1曲です。


他にも彼女が、すごくリスペクトしているという、Tony!Tony!Tone!をフィーチャリングした切ないメロディーのピアノバラード「DIARY」、スケールの大きな歌い回しが印象的な「WAKE UP」、他の曲に比べて

比較的高いキーで歌い、そして自分の歌声を早回しサンプリングして使った構成もインパクト大の

「SO SIMPLE」、「WHEN YOU REALLY LOVE SOMEONE」、70年代の名曲のカヴァー「IF I WAS YOUR WOMAN/WALK ON BY」 などなど名曲ぞろいです。


そして特に好きなのが「YOU DON'T MY NAME」。カニエ・・ウエストによるプロデュースのナンバーです。

この曲はMain Ingredientの「Let Me Prove My LoveTo You」使いのバラードなのですが、上品なピアノの

音色と、メロウなトラック、そしてアリシアの歌唱があいまって、流れ出すとその世界に

引き込まれる1曲です。


そしてオールディーズのソウルフルナンバー「IF I AIN'T GOT YOU」も歌詞が素晴らしいし、

また、彼女の情感のこもった力強いボーカルがかっこいい曲です。


他にも日本盤のボートラには、ちょっと、他とは毛色の違うエッジのきいたナンバー「STREETS

OF NEW YORK」も収録されていて、こちらもなかなか面白いです。この曲ではNasとRakimが

フィーチャリングされてます。


R&Bは欧米で人気があるのはもちろんのこと、最近は日本でもだいぶ認知度も上がったし、

いろいろなアーティストがいますが、この人の世界はホントに独特。ダンスやヒップホップに

つながるアーティストとは一線を画し、ピアノとその表情豊かなボーカルで聴く人の心を

揺さぶるタイプのアーティストだと思います。スタイルは70年代のソウルを踏襲しているので

新しさはないですが、じんわりと心に伝わってくるし、いつまでも聴き続けたい一枚。

この時代にアリシアに出会えてよかったな、それくらいに思える大切なアルバムと

アーティストです。

アリシア・キーズ
ダイアリー・オブ・アリシア・キーズ (通常盤)

今日のレビューは、スピッツの昨年リリースのアルバム「スーベニア」です。

このブログをはじめてもう4ヶ月になりますが、スピッツを取り上げるのは初めてですね。

男性邦楽アーティストでは一番好きなアーティストです。

ジャケットもいつもセンスありますね。今回はアルバムタイトル「スーベニア(お土産)」に

ちなんで?浦島太郎です。


アルバムは「春の歌」からスタート。この曲の希望に満ちた前向きな詞と明るいサウンドは大好きです。

昨年リリースされてから、今もCM等で聴く機会も多い曲ですが、聴くと元気になれる曲ですね。

僕もよく口ずさむ1曲です。


スピッツの魅力は草野マサムネの描くちょっと文学少年みたいな世界の詞と温かいボーカル、

シンプルなバンドサウンドだと思うのですが、このアルバムでもそれは健在で、

心に残るメロディーラインの曲が並んでます。


他にも、変わり映えのしない生活を嘆きつつ、変われない自分を歌った「ありふれた人生」、

ピアノのシンプルで優しい音色が印象的な「優しくなりたいな」、

ちょっと「妄想」も込めて愛の力を信じようとする「正夢」、

恋の駆け引きを描いた爽やかなシンセサウンドの「テイタム・オニール」(このテイタム・オニール

ってのは昔の映画女優さんの名前らしい)など個性的な楽曲がならんでます。


スピッツの楽曲ってぱっと詞を読んだだけでは、漠然としか意味のわからないものも

結構あるんですが、今回はわりとストレートな曲も多いですね。

「会いに行くよ」なんかはシンプルなサウンドに乗せて、すべてを捨ててバカになれるほど

一人の人を愛する気持ちを歌ったシンプルなラブソング、ですし。


ただ、一見、意味が難解に見える曲でも、聴き手の受け取り方でいろんな解釈が出来るという意味では

読んでて、楽しい詞ではあると思いますね。わかりやすくて、そこら辺も彼らの魅力ですね。


またサウンドでも、沖縄音階を取り入れた「ナンプラー日和」、マイナーなロックサウンドで

進行する真剣な愛の歌「ほのほ」、珍しくレゲエサウンドに乗せてのんびりとした世界を歌う「自転車」

など、いろんなことにチャレンジしてて飽きない展開になってます。

そして、ラストに収められたロックサウンドの「みそか」は力強い詞も含めて好きな1曲ですね。


音楽シーンは常に新しいアーティストが登場して、いろいろと変わっていっていますが、

スピッツはそういう流れに関係なく、いつも、どこかひょうひょうとしつつも、ものすごい高みにいる

孤高のアーティストだなぁという気がします。

スピッツ, 草野正宗, 亀田誠治
スーベニア

今回はUKの4人組バンドDelaysの2ndアルバム「You See Colours」を取り上げます。

彼らは2004年にデビューを果たし、デビューアルバムはイギリスでTOP20ヒットにもなったそうですが、

僕は、このアルバムで初めて彼らを知りました。

なんだか、意味ありげでかつポップなジャケット、そしてボーカル、グレッグ・ギルバートの

ハイトーンボーカルとちょっぴりエレクトリカルなバンドサウンド…と、なんだか変わった個性を持ったバンド

なのかな、と興味を持って買ってみました。


アルバムはグレッグ・ギルバートのハイトーンなアカペラボーカルと、美しいストリングスの音色が

神聖な感じのするイントロの「You And Me」で幕を開けます。この曲はイントロが終わると、すぐさまノリのいいバンドサウンドへと変わっていくのですが、サウンドの雰囲気は、夢の中にいるようなキラキラした

感じになってます。


続けて「Valentine」はデジタルなビート感が楽しめる近未来的な雰囲気の曲。この曲はメロディーだけ聴くとちょっとだけ「ネバーエンディングストーリーのテーマ」(リマールだっけ?)を思い出します。

途中テンポが変わる構成がなかなか秀逸です。


また、デジタルサウンドだけでなく、「This Town's Religion」では、ちょっぴりヘヴィなサウンドに

もチャレンジしたり(でも全体的には切ないポップサウンドなんだけど)、「Sink Like A Stone」では

息の合った爽やかなコーラスワークを見せるなど、いろんな一面を見せてくれます。


先述の曲のほかに、オススメの曲は優しいメロディーの愛の歌、「Winter's Memory Of Summer」、久しぶりの恋人との再会を歌った情熱的なロックナンバー「Given Time」、シャッフルビートが楽しい気分に

させるポップナンバー「Hideaway」、ブリブリしたイントロのデジタルビートがかっこいい

ロックナンバー「Lillian」、全部の曲の中で一番ストレートなバンドサウンドじゃないかとおもう

「Out Of Nowhere」、美しいピアノのキラキラしたサウンドが印象的な「Waste Of Space」など。

あと、国内盤におさめられた3曲のボートラもなかなか個性的です。


最近はいろんなUKバンドが人気が出てきていて、それらのバンドと同じようにこのバンドも、「踊れる」要素もありますが、ありますが、それよりもメロディーの美しさ、キラキラ感が際立ってて、

聴いたらちょっとキュンとくるような、ポップに仕上がってました。今後、日本でも結構人気出そうです。

Delays
You See Colours

本日のレビューはhitomiの7年前のベスト盤「h」です。

hitomiについては別に大ファンってわけでもなく、アルバムもこのベストと

2002年にリリースされたベスト第2弾「SELF PORTRAIT」しかもってなくて、

しかもいずれも中古なので、あんまり詳しくはしらないというのが、ほんとのところなんですけど

楽曲単位で見ると結構好きな曲も多くて、たまーに聴いてます。ジャケットがインパクトあって

かっこいいねぇ。


今回紹介する「H」はデビュー以降、サウンドプロデュースを受けてきた小室哲哉時代の楽曲から、

小室を離れて、オルタナロック路線に移行しだすまでの楽曲を収めた初期ベストとなっています。

第2弾の「SELF PORTRAIT」が小室を離れてからの楽曲を中心にまとめたベストなので、

この2枚のベストを比べると、同じアーティストなのに風合いが全然違います。


さて、この「H」はまず初のヒットシングル「CANDY GIRL」からスタート。

この曲の気楽で、「特になにか根拠があるわけじゃないけど、前向きにやっていこうよー」

っていうメッセージが、当時のコギャルあせるをほうふつさせる感じ。hitomiらしい楽曲。


続く「WE ARE ''LONELY GIRL''」も退屈な毎日にあきあきして、飛び出そうとしている

ナンバー。ただ、この曲は飛び出そうにしても、まだ飛び出す勇気を持てずにいる感じの

戸惑いを歌ったもの。


そして好きな曲はまず「Sexy」。この曲のデジタルなイントロもいいし、彼女の

向こう見ずな女の子を描いた詞が秀逸。この頃までのhitomiのボーカルは正直うまいとは

いい難いと思うんですが、あんまり上手いとかヘタとか関係なく、堂々とした歌いっぷりなんで

詞の主人公の女の子とhitomiがすごくダブって聴こえる。


他にはスケールの大きなビッグバンド風のサウンドと彼女のあっけらかんとした歌い方が

開放的な「PRETTY EYES」、ミステリアスなサウンドの「In the future」、

詞もボーカルもかわいらしい冬のラブソング「Let's Play Winter」などなど個性的な曲が

並んでます。


そして、中盤で好きなのが「by myself」。シングルでは初のバラードとなった曲ですね。

挫折を味わったときの孤独と、そこから立ち直っていく気持ちを上手く描いてます。


それから「GO TO THE TOP」。これも詞がいいですね。

それまでは、なんとなーく、「深く考えない」世代の代表みたいな

詞を書いてきた彼女が、少し大人になって、「前向き」なんだけど、無意味に

ガンガン走るだけじゃなく、ちょっと一歩引いて

余裕を持って考える気持ちを込めて詞を書いたナンバーなんじゃないかな。


それから「空」もいいですね。これまた、失敗をしてもそれを糧に、乗り越えて

進んでいける力強さを感じるロックナンバー。この頃から声が太くなりました。


他にはラテンビートに乗せて歌う「problem」やCMで話題になった「BUSY NOW」、

小室さんを離れて渡辺善太郎にプロデュースを託し、未来への希望を歌った、

ちょっとスウェディッシュなサウンドが彼女には珍しい「Someday」

などがオススメ。


彼女はどちらかというと小室さんのもとを離れたあとのほうが、セールスが上がりましたが、

小室時代も、完全に小室カラーに染められることなく、強烈な個性でひとり気を吐いてた

ように思います。だからこのころも結構魅力的だったのだなと改めて感じました。

hitomi, 小室哲哉, 久保こーじ, 吉俣良
h

今回はブランディーの4thアルバムを紹介します。

これが僕にとって初めて買ったBrandyのアルバムとなりました。

約2年前のアルバムで、最近はちょっと聴いてなかったんですけど、

久しぶりにラックから出して聴いてます。落ち着けるR&Bサウンドのアルバムになってます。

そしてジャケットもCoolでカッコイイですねキラキラ


この作品は前々作、前作からタッグを組んできたロドニー・ジャーキンスを離れて、

全16曲中11曲でティンバランドと組んでいます。このアルバムを買ったのも、ティンバが

どんなサウンドを提供してるのか興味があったし、タイトルチューン「Afrodisiac」がかっこよくて

気に入ったからってのもあります。


アルバムはW.CAMPBELLのプロデュースによるけだるい雰囲気のピアノR&B「WHO I AM」から

スタートします。

そして次が、このアルバムで一番好きな「Afrodisiac」。ティンバランドプロデュースのナンバーです。

ボーカルを何重にも重ねたエモーショナルなボーカルが印象的です。詞の内容もSexyです。


「TALK ABOUT OUR LOVE」ではカニエ・ウエストをフィーチャーするナンバーで

バイオリンなどストリングスの落ち着いた音色と、カニエのラップがかっこいい

ソウルフルなナンバーになってます。Brandyのボーカルもこれが一番ノリがいいような感じ。


他にも、COLDPLAYの「SPARKS」をサンプリングした「I TRIED」も面白いですね。

この曲では詞の中にも「コールドプレイの曲を聴きたい」って言ってるし、

Brandyのお気に入りのバンドみたいですね。


それから最近日本でもアルバムが発売されたばかりの、T.I.をフィーチャーしたクールで

美しいピアノバラード「WHERE YOU WANNA BE」、ちょっと引き気味のボーカル具合が

違った魅力を感じさせる「FOCUS」なんかも好きですね。


こんな感じで全体的には大人な感じの落ち着いたR&Bが多いと思うのですが、

8曲目に収められたティンバプロデュースの「SADIDDY」はホットな感じのトラックになってます。

この曲ではシンセやパーカッションがとがったビートを刻んでます。 

また、9曲目の「TURN IT UP」もダンサブルな感じで、「カムバックした私を見て」と

高らかに宣言してます。この前の時期に彼女は結婚・出産・離婚と短い間で

人生の転機を何度も迎えて、そのときにいろいろと思うこともあったんでしょうが、

それを乗り越えて、新しい体制のもと頑張っていこうという、彼女の前向きな意志が

見えるリリックで、好きなナンバーです。この8,9曲目の並びはアルバムのハイライトかも。


他にも13曲目のゴスペルみたいなコーラスが印象的な「FANALLY」や、

音楽業界の移り変わりに戸惑いつつも、この世界で生きていくことの意思表示を示した

詞がリアルな「SHOULD I GO」など、ティーンの頃から活躍してきた彼女が

デビューして10年、いろんなことを感じつつ、ここまできたのだなぁということが、

アルバムを初めて聴いた僕にも十分伝わってくるいいアルバムでした。

ブランディー, カニエ・ウェスト, T.I.
Afrodisiac





今回は浜崎あゆみの、ちょっと懐かしいベスト盤をレビューします。

最近の彼女の作品に関しては、当たり障りのない楽曲が多くなってしまった気がして、

少し興味の対象からは離れてしまったんですが、このころまでの楽曲は

有無を言わせないパワーがありますね。特に詞は冴え渡ってて、さすが時代のカリスマといわれた

だけのことはあるなという感じがします。


アルバムは孤独の悲しみを歌った「A Song for XX」からスタート。この曲のどうしようもなく

救いようのない暗さには本当にびっくりします。


そんな暗さの中で、次の「Trust」は、ようやく自分の本当の愛を見つけて、自分に正直に

生きていくことの大切さを悟ったナンバーになってます。「A Song…」では「一人きりで

生まれて 一人きりで生きていく」なんて悲しいことを歌っていたけれども、この曲では

「もうひとりぼっちじゃない」「ひとつ踏み出して」と前向きな言葉も見られて、安心するナンバー。


そのほかにも未来への不安を感じつつ、いつかは旅立たないといけないということを理解して、

前向きに生きようとする姿を歌った「Depend on you」、悲しい別れだけど、お互いに別の道で

いつかは幸せになれると信じているバラード「End roll」、幸せな恋人たちの模様を描きつつも

一歩引いて、どこか冷めた目線で見ているのが印象的な「appears」、時の流れの無常を

感じつつ、本当の愛を求めるデジタルチューン「Trauma」、また、絶望3部作と銘打った

「vogue」「Far away」「SEASONS」など、とことんポップなナンバーの上に、不安、悲しみ、

せつなさを乗せたような彼女の詞は、「不幸せではないけれど、特に幸せなわけでもない」という

当時の若者の気持ちを上手く言いえていたような気がします。


いちばん好きなのは、自分自身や、大切にしているものを「ガラクタ」にたとえて歌う「TO BE」。

時間に流されることなく、「ガラクタ」を大切にして不器用に生きていくということを

歌ったナンバーです。この曲の詞では「大きな何かを手に入れたけど、逆に

失ったものもあったかもしれない…取り戻したとしてもそれは微妙に違っているハズ」と

悟りきった、そしてあきらめたような部分が実に印象的。成功することの喜びだけでなく

それと引き換えに起こる寂しさもきちんと描いているのが、ほんとにうまいです。


ジャケットのアートワークも含めて、一番彼女に勢いがあった時期のベスト。

どこか超越的な輝きをかんじる作品です。

浜崎あゆみ, 星野靖彦, 木村貴志, 本間昭光, 守尾崇, 小林信吾, 前嶋康明, 鈴木直人, D・A・I
A BEST


今回は昨年11月に急逝した本田美奈子さんの、未CD化音源や過去にTVのみで放送されたレア

音源をまとめた、実質最後のオリジナルアルバムとなる「心を込めて...」を紹介します。


美奈子さんは1985年4月20日にデビューし、20周年を迎える2005年4月20日に記念アルバムを出すべく、

新録音を開始していたそうですが、その矢先に病に倒れ、その後帰らぬ人となってしまったため、

このアルバムにはその記念アルバム用に録音されていた曲も数曲含まれています。


アルバムは坂本九の名曲「見上げてごらん夜の星を」から静かにスタート。この曲は以前のアルバム用に

録音されながら、お蔵入りになっていたものだそうですが、彼女の清らかなソプラノボイスで

歌われると、ささやかな幸せ、生きることの大切さを感じさせてくれます。


そして「命をあげよう」は彼女がライフワークとしていたミュージカルの、デビュー作「ミス・サイゴン」からの

レパートリー。心を締め付けられるような絶唱です。


他にもマリンバの音色が涼しげで、彼女のボーカルもとても可愛らしい雰囲気の「踊りあかそう~ミュージカル『マイ・フェア・レディ』より~」や、レッド・ツェッペリンの名曲「天国への階段」のクラシカル・アレンジの

カヴァー、そして彼女の人柄と歌唱力を愛していたというブライアン・メイが、彼女のために新しく

リミックスした「Golden Days」など名曲ぞろいです。


そして8曲目「Always Love You」から11曲目「想い出のサンフランシスコ」は、過去にNHKの情報番組用に録音していたというレア音源になっていてこちらも、なかなか素晴らしいです。

特に「Always~」 はホイットニーの力強いソウルフルな歌声とは違い、高らかくクリアなハイトーン

ボーカルが冴え渡るナンバーで、聴いてて心が穏やかになる感じでした。

また、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」は、ちょっぴり甘えたような歌い方が可愛らしくて、

ミュージカル歌手以前の彼女をほうふつとさせるものがあります。

そして、ミニー・リパートンの「Lovin’You]ではオリジナルの雰囲気そのままのファルセットを駆使した

歌い方がスキルの高さを伺わせます。


そして、ボーナストラックにおさめられた「つばさ」が素晴らしい。これは94年にフジテレビの

「ミュージック・フェア」で披露したトラックが使われています。僕は彼女の追悼番組で

このVTRを見たことがあるんですが、本当に心からの歌声はこういうものなんだな…と

実感して胸にじんとくるものがある歌唱だったのですが、再びこの音源を聴くことが出来て嬉しいです。

歌の上手さは当たり前なんですが、「辛いこともあるけれど、希望をもって生きることの美しさ」を

歌った詞を、情感を込めて歌っていて、バックのサウンドの上質さとあわせて心に残ります。

特に、後半の大サビ前の「つばさを重ねよう~音譜」の30秒近いロングトーンは本当に圧巻の一言です。


残念ながら、もう生で彼女の歌を聴くことは出来ませんが、このアルバムをはじめとして、

彼女の遺志を継いだ活動を見ていると、彼女を愛した人の多さに改めて気づかされます。

アルバムタイトルそのままの、素晴らしい歌声はいつまでもみんなの心に残っていくんでしょうね。

本田美奈子., 永六輔, 井上鑑, Alain Boublil, Alain Lermer, フレデリック・ロウ, Herbert Kretzmer, Jimmy Page, ジェラール・プレグュルヴィック, 岩本正樹
心を込めて...