「誰がこの現実を作り上げている、犯人でしょうか?」という心理学ではなく | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

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こんにちは。和久田ミカです。

先週の土日は、家族心理学の勉強に行ってきました。

家族をひとつの「構造」「しくみ」としてとらえる考え方です。

今回はその一部をシェアしますね。



家族にかぎらず、人と人が集まると そこに化学反応が起きます。

「いい人」と「いい人」が結婚したら、必ずしも「いい関係」になれるとは限りません。

いい人+いい人=いい関係

のように、人間関係は たし算ではないのですね。



ましてや夫婦は、お互いにないものを持っているからこそ、引き寄せられた面があります。

最初は魅力だと感じたものが、だんだんと欠点に見えてくることもあるでしょう。

そして、その欠点だと感じているものが「自分自身の課題だった」なんてことも よくあります。

(この辺の話は、今回は置いといて…)。




たとえば、不登校の子がいたとします。

(不登校が、よいとか悪い、という意味ではなくて、そういう「現象」が起きている、と 考えてくださいね(*^_^*))

教員時代に、不登校を抱える家族に何度も面談しましたが、子どもも 両親もその家族も、ふつうの人たちです。

一人一人は、いわゆる「大きな問題」を抱えているようには みえません。

誰が悪いというわけではなく、家族の中のバランスで出てきた現象なんですね。



ある家庭では、お母さんがカウンセリングに通いました。

その中で、義理の両親に対する不信感をとりのぞいたり、言いたいことを率直に言えるよう、関係を変えていったら、

子どもが学校に通えるようになってきた、という事例がありました。

子ども自身は何も変わっていないのですが、家族のバランスが変わったことで、ちがった化学変化が起きたのです。

ひとりが変わることで、全体の関係性が変わる、というのは よくあることです。




それから、こんな話もありました。

「世代間に境界線がない家族は、問題が起きやすい」。


「世代間の境界線」というのは、夫婦をひとつの単位として考える方法です。

祖父母世代と、親世代と、自分たちの世代と、子どもの世代。

みな、世代と世代の間に 見えない境界線があります。


お互いの世代の価値観を 尊重しなかったり、

親と子が 友達のようにな関係になったり、

夫婦よりも、母子の間で強くつながってしまうことも、

境界線がこわれている事例として挙げられていました。



私は、コーチングを通して『横の関係でいること』の大切さをお伝えしています。

でも、「横の関係になること」は、友達になることではありません。

「親と子が友達になる弊害」は、いろいろな場面で感じることがあります。


家族としての方針や、親としてのスタンスは、子どもの年齢によって 変わりますが、

子どもが小さければ小さいほど、親が主導権を持つのは 自然なことです。

親と子の間にも「境界線」が、必要なのです。




学校現場でも同じです。

学級崩壊が起きるのは 2つのパターンがあります。

上から目線で強圧的な教師。

もうひとつは、友達のような教師です。



昔の記事でも書いていますが、

子どもをのびのび育てたいけど、わがままになるのが心配

授業参観に行ったら ここを見る 3


厳しく管理しないと子どもはダメになる!なんて思っていたら、子どもたちは反抗的になります。

かといって、なんでも自由に、放任で、というのも、かえって子どもが不安になるのです。

放牧ぐらいがいいですね。


●ダメなものは ダメ

●ここまではいいけど、ここからはダメ

●ここは 自由にしていいよ 自分で考えよう 自分の責任で行動しよう


そういった大きな枠組みを持っていない学級は、バラバラになります。

(教室に入れば 子どもがいなくてもわかります。

 物が所定の位置に戻っていない、床が汚いなど、すでに空間がバラバラなのです)



でもね。

それを「先生が悪い」と 決めつけるのは どうかなあ。

「誰が悪いのか」

よりも、

「何を変えていったら、よいバランスが戻ってくるのか」

を 考えていけたらいいなあ~と 思います。


「子どもの、家庭でのしつけがなってない!」「先生がそんなんだからだ!」

といった論争は、無意味だと感じます。




私が、家族心理学でいいなーと思ったのは、そこに「犯人」を作らないということ。

最近 はやっている心理学(?)は、

「私が原因で このような現実を引き寄せているから、私が変わらなくては!」

のような、

「さて、誰が この現実を作り上げている 犯人でしょうか?」

「お前だ!!!」

という問いが 隠されているものが多く、私は 苦しく感じるときがあります。



家族心理学では、家族全体を見ていきます。

世代間に受け継がれているものであったり、心理的な境界線であったり…。

そして、今できることを 考えていくのです。

「気が付いた人が行動を起こす」という言い方をされていました。



一人が変われば、まわりとの関係性が変わり、家族全体のバランスも変わります。

誰が問題の元凶というわけではなく、誰かが 今までのパターンを崩していけばいい、それだけのこと。



今回学んできたことも、セッションや講座に行かしていきたいと思います。

ちょっと固いレポートになっちゃったけど(*^_^*)

参考になることがあったら、幸いです。