こんにちは
昨日の津液の生理を読み返して、「津液とは?」のところに少し修正を加えました。 さっそく、昨日の予告通りになってしまいました(^^ゞが、津液にも栄養分が含まれていることを、はっきりさせといたほうがいいかと思いまして…。
生理物質について一通り終わったので、ここで生理物質の相互関係をまとめておくことにしましょう。 生理物質の最初の回(精の生理と病理)で使った↓こちらの図をもう一度。
何から何ができるのか、↑上の図でもわかりますけど、見方を変えると、↓こんなふうになるんじゃないでしょうか。 円グラフになっていますが、比率は関係ありませんよ。 どんな比率で存在するかなんて、どこにも書かれてないし、どのみち、どれもが増えたり減ったりするものですからね。
パイ(円グラフ)の黒枠は、精の分類。 赤枠は血を表しています。 生理物質はOne for all, all for oneの関係にあるので、何かが不足すると、それを補う動きが必ず生じることを頭において、読み進んでいただくと、わかりやすいかもしれません。
化生
(1) 精は気に化生し、気は精を化生する。
・ 精が充足していれば、原気が旺盛になり、臓腑の作用が存分に発揮される。
・ 後天の気は、後天の精から化生される。
・ 気が充足して、臓腑が正常に働けば、水穀の精微を吸収しやすくなり、精も充足する。
(2) 精は血に化生し、血は精を化生する。
・ 腎精の一部は脈中に入って、血の構成成分となる。
・ 血が充足していると、臓腑が正常に働いて、生理物質の化生が順調に行なわれ、余分な血は精に化生して腎に収まる。
(3) 気は血に化生し、血は気を化生する。
・ 原気が旺盛で、臓腑が正常に働けば、生理物質の化生が順調に行なわれ、血は充足する。
・ 営気は脈中に入って、血の構成成分となる。
・ 血が充足していれば、臓腑が正常に働いて、気の化生も順調に行なわれる。
(4) 気は津液を化生し、津液は気を化生する。
・ 原気が旺盛で、臓腑が正常に働けば、生理物質の化生が順調に行なわれ、津液は充足する。
・ 津液が充足していれば、臓腑が正常に働いて、気の化生も順調に行なわれる。
精と気、精と血、気と血、気と津液について、「化生」をキーワードにまとめると、↑こうなります。 精と津液、血と津液は? 精・血・津液は陰液で、いずれも滋潤・滋養する作用を持っていますから、もちろん互いに補い合う関係にあります。 『新版東洋医学概論』に合わせて、(1)~(4)のような表現は使いませんでしたが、同じように書いてもいいんです。
固摂
(1) 気は精を固摂する(摂精)。
これは精の生理に書いた通り、腎気の固摂作用で、蔵精作用と呼ばれます。
(2) 気は血を固摂する(摂血)。
血の生理にあった通り、脈から漏れないようにするのは脾気の固摂作用で、統血作用と呼ばれます。 血流量の調節は、肝気の固摂作用で、蔵血作用と呼ばれます。
(3) 気は津液を固摂する(摂津)。
これは津液の生理には書きませんでしたが、脾気、肺気、腎気などの固摂作用で、津液が無駄に流失しないように、ちゃんと調節されています。
運行
(1) 気は血をめぐらせる(行血)。
血は気の推動作用によって、体内をくまなくめぐります。 気の推動作用が狂って、血流が悪くなると、瘀血(おけつ)を生じます。
(2) 気は津液をめぐらせる(行津)。
津液も気の推動作用によって、身体のすみずみまでめぐります。 気の推動作用が狂って、津液の流れが悪くなると、痰湿を生じます。
(3) 血は気を載せる。
気が脈中にあることで、血を推動するだけでなく、血の流失を防いでいる。 同時に、気も血と一体化することで、霧消しないようになっている。
(4) 津液は気を載せる。
脈外では、津液が血と同様の働きをします。 営気が脈中にあるのに対し、脈外にあるのは衛気ですから、津液とともに脈外をめぐるのは衛気ですね。
次回は来年、神についてお届けします。 みなさま、よいお年を!
一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。
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